ガンダムの強さがまさに"白い悪魔"だった
『機動戦士ガンダム ギレンの野望』は、バンダイ(現バンダイナムコエンターテインメント)から発売された戦略シミュレーションゲーム。これまでに発売されてきた『ガンダム』作品とは一線を画すような硬派な内容でファンたちを大いに驚かし、魅了した名作だ。
本作が発売されたころのアニメ『機動戦士ガンダム』を題材にしたゲームと言えば、デフォルメ化された作品がまだ多かった印象だ。しかし『ギレンの野望』は、兵器開発や補給線の確保などの戦略を主軸に置いた本格的なシミュレーション。ほかの作品では主人公的に扱われてきたエースパイロットやモビルスーツも本作ではひとつの駒として扱われるところにシビれたものだった。

プレイヤーはタイトル通りジオン公国の総帥ギレン・ザビ、あるいは地球連邦軍の大将レビルとなり、“一年戦争”で所属陣営を勝利に導くのが目的となっている。
『機動戦士ガンダム』などの作品で描かれる一年戦争を史実とし、正史に沿った数々のイベントが発生するのだが、選択によってはIF(イフ)の物語が展開するのが本作のおもしろいところ。
史実では連邦軍のホワイトベース隊に撃破され戦死してしまうパイロットを生存させたり、逆にホワイトベース隊を敗北させてしまったりと、さまざまな展開が用意されている。そもそもプレイヤーの分身となるギレンもレビルも史実どおりなら戦死するので、IFの展開をしないとバッドエンドになってしまうのも切ない。
デフォルメではない、リアルな兵器として多種多様なユニットが登場する点も見逃せない。ガンダムやガンキャノン、ザクやグフのようなアニメで見たモビルスーツはもちろんだが、小説やプラモデルなどの映像化されたことのない設定でしかなかったモビルスーツが登場していたのもすごかった。
プロトタイプガンダムを開発してから試作機を作っていくというように、ユニットを開発していくプロセスもおもしろかったし、陸戦型のようなさまざまなバリエーションや量産型、パイロットの専用機なども作れることにワクワクしたのを覚えている。
それにしたって敵として登場したガンダムの恐ろしさは半端ではなかった。「白い悪魔」と呼ばれてしまうのも頷けると誰もが思っただろう。


もちろん、大勢のパイロットも登場。アムロやシャアといったおなじみのパイロットを、RX-78-2やシャア専用ザクといったアニメと同じ機体に搭乗させれば限界を超えて扱えたりするところも設定を活かしていてよかった。
ジョニー・ライデンやシン・マツナガのような、アニメではなくモビルスーツバリエーション(MVS)という企画で生まれて人気を博したキャラクターやモビルスーツが登場するのもファンには激アツだったのでは?
1998年10月8日には、追加シナリオとして『攻略指令書 機動戦士ガンダム ギレンの野望』が発売。
2000年以降はプレイステーションやプレイステーション・ポータブル、ドリームキャストにハードを移して、『機動戦士ガンダム ギレンの野望 ジオンの系譜』、『機動戦士ガンダム ギレンの野望 ジオン独立戦争記』、『機動戦士ガンダム ギレンの野望 アクシズの脅威』など、多数のシリーズ作品を発売していった。
2011年8月25日発売の『機動戦士ガンダム 新ギレンの野望』が現状、シリーズの最後の作品となっている。

















