『Back to the Dawn』「洋画吹き替えのイメージで演技しました」ダブル主演でゲーマーでもある仲村宗悟さん&間宮康弘さんから見た監獄生活の魅力は自由度の高さと濃密な物語

『Back to the Dawn』「洋画吹き替えのイメージで演技しました」ダブル主演でゲーマーでもある仲村宗悟さん&間宮康弘さんから見た監獄生活の魅力は自由度の高さと濃密な物語
 クラウディッドレパードエンタテインメントから2026年3月5日に発売されたNintendo Switch 2、Nintendo Switch向けサスペンス脱獄RPG『Back to the Dawn ~ブレイク・ザ・アニマル・プリズン~』。

 本作は、Steamで高い評価を得た同名インディーゲームの家庭用ゲーム機版。プレイヤーは動物の囚人として刑務所の中で生活しながら、さまざまな人物と交流し、脱出を目指すことになる。
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刑務所内での行動をプレイヤーが自由に選択できるのが魅力。脱獄のするために、複数あるルートの中からひとつを選ぶことになる。
 本作では家庭用機への移植にともない、新たに日本語ボイスを収録。本記事では、ダブル主人公を演じる仲村宗悟さん(キツネのトーマス役)、間宮康弘さん(パンサーのボブ役)に演技の際に意識したことや作品の魅力をインタビュー。なお、ネタバレ要素も含んでいるので、事前知識なしでプレイしたい人はクリアー後に読んでほしい。
※インタビューは2025年12月に実施。

仲村宗悟さんなかむらしゅうご

7月28日生まれ、沖縄県出身。おもな出演作に、『アイドルマスター SideM』(天道輝役)、『THE FIRST SLAM DUNK』(宮城リョータ役)など。

間宮康弘さんまみややすひろ

12月7日生まれ、千葉県出身。おもな出演作に、『ファイナルファンタジーXVI』(フーゴ・クプカ役)、『ユニコーンオーバーロード』(ライマン役)など。

正義感溢れるトーマスと硬派でダンディーなボブ。両者の演技のポイントは?

──まずは、おふたりの演じるキャラクターの第一印象を教えてください。

仲村
 主人公のひとりであるキツネのトーマスは、正義感に溢れています。志もまっすぐで、苦しんでいる人たちのために陰謀を暴こうと行動しています。

 話しているところを見ていると、堅い性格ではなく、冗談を言うような物腰のやわらかい一面もありますが、正義のために戦う善良なキツネだなと思いました。

──キツネと言えばずる賢いイメージですが、正反対ですね。

仲村
 わかります。僕も、最初は狡猾なイメージで、粛々と物事を進めていくキャラクターなのかなと思っていたんです。でも、演じてみて、本当に真っすぐな性格なんだなと。
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──パンサーのボブはいかがでしたか?

間宮
 ボブのビジュアルを見たときに、本当に俺が演じていいのかなと思いました(笑)。

仲村
 そうなんですか? ダンディーな見た目だから、ピッタリじゃないですか。

間宮
 いやいや、細いしかっこいいしで、ちょっと待てよと。俺がやるなら、ゴリラとかのほうがいいんじゃないの? という第一印象でした。そこからボブを演じていくと、硬派でダンディーな潜入捜査官という、彼らしいイメージが表れてきました。

 ただ、けっこう抜けているところもあるみたいで、何気ない会話のやり取りで、「お前、秘密の任務中なんだろ」と言われて、めちゃくちゃ動揺する場面もあって、そういった点はチャーミングだなと思いました。

 あとは、自分が遊んでいたときのプレイスタイルも影響したのかもしれませんが、気が早い印象もあって。1980、1990年代の洋画の主人公のような感じでカッコいいなと思いました。
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海外の囚人のようないで立ちの間宮さん。大きめのチェーンや、タトゥーのように見えるインナーまで着用するこだわりっぷり。
──ボブを見ていると、演じかたもゲームやアニメというより洋画の吹き替えのような芝居をされている印象でした。

間宮
 おっしゃる通りで、俺は映画の吹き替えをするイメージでした。作品としても、ハードボイルドな海外ドラマのような印象だったので、そちらを意識して演技しました。

仲村
 僕は、ボブ役が間宮さんということで、僕と声質が被らないですし、お芝居としてもキャラクターの真っすぐなところを表現することを求められているんだと思い、そのままストレートに演じました。

──うまく対比する形でふたりが描かれていますよね。ゲーム内でトーマスとボブの掛け合いが見られる場面もありますが、それぞれ対象的に描かれています。

仲村
 トーマスからすると、ボブは怖いですよね。とくに最初はあまりしゃべらないですし。

間宮
 たしかに、そうだね。

仲村
 何を考えているかわからないところから親密度を高めていくことで彼のよさに気づくことができますが、そこにいたるまでは、怖いパンサーだなと思います。

間宮
 ゲームを進めていくと、彼は抱えている任務とは別の何かを解決するために刑務所の中で一生懸命動いてるんだとわかるんです。ちょうど昨日、それがわかるエピソードをプレイしましたが、すばらしいシーンでしたね。

仲村
 刑務所内の駆け引きや政治もすごいので、それを踏まえたボブとのやり取りもおもしろかったです。

──おふたりが演じているキャラクターの、とくに好きなポイントを教えてください。

仲村
 “どんな手段を使ってもいいから真実を暴いてやる“という真っすぐな信念を持っているところですね。そして、しっかり社交性も持ち合わせているところも魅力です。彼の信念の強さはお芝居でも表現できるように意識しました。
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間宮
 ボブは人間味のある一面がとくに魅力的でした。彼は潜入捜査官で、ウェスリーというかつての相棒が殺された理由を暴くために刑務所に潜入して周りを巻き込みながら行動します。その中で、潜入捜査官だとバレてはいけないんですが、ちらほらその片鱗が見えちゃうのが好きなんです。

 かっこいいだけじゃない、人間味のある一面が、映画
『ダイ・ハード』のジョン・マクレーンのようで。そして、しっかり無法者っぷりが表れているのも好きです。

 それと、トーマスと共通している部分でもあるかもしれませんが、目的に向かって一途にがんばるところですね。お芝居では、潜入捜査官としての顔と、みんなの前で見せる顔を使いわける必要がありましたので、そこを工夫しながら演じましたね。

──素性を隠さなければならないスリリングな立ち位置のキャラクターですよね。

間宮
 そうなんですよ。身分を明かせないので、あまり目立たないような人物像をイメージしながら、ほかの囚人の目線に立ってボブを見たときに怪しさや違和感を覚えないように、静かな印象を残せるように意識しました。

 いっぽうで、潜入捜査官として動くときや独白するモノローグのシーンは、本来のボブとして話すようにしました。それ以外は、ほかの囚人から一歩引いたところでしゃべるような立ち回りを心掛けましたね。

主人公を変えるだけでまったく違った感覚で楽しめるのが魅力

仲村
 トーマス編をプレイ中なのでボブ編のストーリーがまだわかっていないんですが、脱獄が目的ではないんですか?

間宮
 脱獄も目的のひとつではあるんだけど、とある人物に接触するというのが本来の目的。ただ、その人はボブたちがいる房にはいないんだよね。刑務所という広い施設のどこかにいる。
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仲村
 なるほど。

間宮
 彼と会うためには接点を持たないといけない。その接点をどのように探すか、というところが序盤の大きなポイントです。

仲村
 トーマス編と同じくらいドラマ性がありそうですね。トーマスは、街の環境汚染問題の真相を暴くために活動していたら、権力者に濡れ衣を着せられて投獄されちゃうんですよ。それがプロローグで、プレイ中は脱獄して全世界に真実を公表することを目的に、刑務所の内部で証拠を集めながら脱獄する方法を探ることになります。

 同じゲームだけど、主人公を変えるだけでまったく違う目的で遊べる。そこも魅力ですよね。

──トーマスでゲームオーバーになると、“有名記者、昏睡する。意識不明”という見出しで新聞記事になるんですよね。

間宮
 細かいですね! ボブ編で登場する新聞もよく見るとビッシリとテキストで埋められていて、そういった細部へのこだわりもすごいなと思いました。

──トーマスとボブを演じるにあたって、「こう演じてほしい」というディレクションはありましたか?

仲村
 「洋画っぽく」というディレクションをいただきました。リアクションもそうですし、ひとつひとつのセリフの発声のしかたも綿密にやり取りを重ねました。

 「この状況のトーマスはこんな風に演じたいのですが……」というレベルまでやり取りをして、そこでの僕の意見を汲んで臨機応変にディレクションしていただきました。とてもありがたかったです。

──間宮さんはいかがでしたか?

間宮
 ボブ編では、あまりディレクションはありませんでしたね。わりとスムーズにやらせてただきました。ただ、収録後に音響監督さんたちがセリフをチェックする時間がありまして、俺の場合はそれがけっこう長かったですね。

仲村
 僕も長かったです。

間宮
 演技がシチュエーションに合っているのか、ほかのキャラクターの兼ね合いなど、すごく丁寧に見ていただけたんだなと思います。

仲村
 あと、ゲームの収録は、ブースでひとりで座って黙々と進めることが多いんですが、僕は最初の数十ワードを座って録った後、トーマスのお芝居を続けるうちに立って収録したくなっちゃって。

 途中まで収録した後にたいへん申し訳なかったのですが、立った状態でイチから収録をやり直させていただきました。

間宮
 それでかな? 俺は座って収録すると思って行ったら、立って収録するようにセッティングしてあって。「ちょっと待ってくれ、俺これから4時間収録するんだけど!?」と(笑)。

 さすがに4時間立ち続けるのは演技に影響が出そうだったので、座って収録する形にしてもらいました。

仲村
 僕のせいです(笑)。

間宮
 いや、パフォーマンスのために立って収録するのは正しいですよ。
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──ちなみに、演じる際にとくに気合いの入ったセリフはありましたか?
間宮
 俺は背景を話すと完全にネタバレになっちゃうので、セリフだけですが、「もう、目を開けていいぞ。この景色は、あんたも気に入るはずだ」ですね。

仲村
 かっこよさそうなシチュエーションだなぁ。

間宮
 このセリフが、今回の収録でいちばん声を張ったかもしれない。

仲村
 そうなんですね。やっぱり、ボブとの違いはそこにあるのかな。トーマスは、けっこう感情豊かで、声を張り上げる場面もいっぱいあったんですよ。面会に現れた悪役に向かってガラス越しに怒鳴るシーンもありましたね。

自由でやりたいことができる刑務所ライフがやみつきに

──おふたりはふだんからゲームを遊ばれているそうですが、プレイヤーとして遊んでみて、本作の魅力はどのような点だと感じましたか?

仲村
 まずは、自由度の高さだと思います。限られたリソースをどのように活用していくか。ゲーム冒頭でも、明確に指示されることなく、刑務所生活を送りながらどのように動けば有利な展開を作ることができるのかを学ぶことができます。

 自由に動きながら、刑務所内のルールを把握して、効率よく進めていく楽しさが、本作の魅力だと思います。最近では、最初に丁寧に説明してくれるゲームが多いですが、そういった部分で、本作では自分で考えて行動に移す楽しみかたができると思います。

間宮
 俺も仲村くんと似ていて、やれることの幅の広さが魅力的だなと。

 クエストをこなして名声度を上げて誰もが一目を置くギャングになっても、真面目に働いて模範囚になるのもいい。気に入ったキャラクターにプレゼントを貢いで仲よくなるのも、いろいろな武器を作って武器商人になるのもおもしろい。好みに合わせて自由な生活を送ることができるのが楽しいです。

 刑務所生活で言うと、隣の席の囚人にご飯を分け与えたり、持ち物を奪ったり、酒を飲んで酔っぱらったりと、刑務所の中で選択できるひとつひとつの行動もユーモアに溢れています。
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膨大なキャラクターたちが織り成す濃密なストーリー

──メインストーリーとは違った、寄り道要素も魅力ですよね。

仲村
 トーマス編では親密な関係になれる女性キャラクターが複数人登場するんですけど、全員の親密度を上げてもいいし、ひとりを集中的に高めてもいい。全員の親密度を高めたときのストーリーもあったりするので、細かく作られていて楽しいです。

間宮
 トーマス編は女性キャラクターも出てくるんだ? ボブ編は男ばかりだから、俺もボブ編が終わったらトーマス編を遊んでみよう。

仲村
 トーマスは電話で情報を仕入れる相手も元交際相手の女性です。

間宮
 へえー! 俺なんか、ベスっていう保険医さんのところに病気だってウソをついて通って情報を仕入れてるよ。

仲村
 トーマスはべスとも親密な関係になれますよ。
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間宮
 マジかよ、俺のベス……。勘弁してくれよ、ボブ編はそういう女性いないんだから。

──ボブ編はいい意味で男らしい物語ですよね。ちなみに、囚人の中でお気に入りのキャラクターはいましたか?

仲村
 悩みますが、同部屋のロバのサムが好きです。刑務所の外にいる彼女に手紙を書いていたりするんですよ。トーマスにも最初からやさしかったので印象的でした。

──刑務所の囚人なのに、意外とやさしいキャラクターが多いんですよね。

仲村
 そうなんです。でも、みんな個性的で、第一印象から「こいつ、やば」と感じさせてくる変なヤツや、警戒心からか親密度が上がらないとほとんど会話してくれないヤツ、逆に最初からすごく友好的なヤツもいて、会話が楽しかったですね。

間宮
 俺はとくに気に入っているのは、カピバラのベルナルドです。囚人たちの親密度が上がると段階的にそのキャラクターのバックボーンを見られるようになっていて、ベルナルドの場合はどうやら元刑事だということ、そして投降された経緯が明かされます。それがグッとくる話で……。

 ほかのキャラクターでも言えることなんですが、バックボーンがわかってくると、愛着が増すんですよね。

 みんな刑務所生活の中で自由に生きているけど、じつは胸の中に抱えているものがあり、守りたいものを持っているヤツもけっこういて。「この刑務所の中に根っからの悪党ってどれだけいるんだろう?」と思ったほどでした。そこが意外でしたね。

仲村
 わかります。悪いやつでも、人となりを知るとかわいく見えてきますよね。

──ピクセルアートもかわいく見える要因かもしれませんね。

間宮
 たしかに。刑務所といえば、屈強なオッサンたちのひしめく楽園なわけじゃないですか。それをこういった形でかわいらしく、ピクセルアートで動物として表現することで、非常にとっつきやすく落とし込んでいるのがすごいなと思いましたね。

仲村
 テキスト量のボリュームもとてつもないです。たくさん分岐があるのですが、それらが矛盾していないのがすごい。テキスト量が膨大で、なおかつそこから分岐していく物語もしっかり考えて作られていて驚きました。

間宮
 脱獄方法もいろいろ用意されているし、どれを選んでもいいのも楽しいです。

──それでは最後に、本作を楽しみにしている読者の方にメッセージをお願いします。

仲村
 すごくいろいろなことができる作品です。1周目でトゥルーエンドにたどり着くのはかなりたいへんだと思いますが、くり返し遊んでも飽きがこないほど作り込まれたゲームなので、すばらしいエンディングにたどり着くためにぜひ遊んでみてほしいです。

 僕たちもいっぱい収録したので、ぜひすべてのストーリーを楽しんでいただきたいです。

間宮
 21日間という限られた期間、そして行動も制限されている中で真実にたどり着いて、事件を解決するということが大きな目標ではありますが、本当にいろいろなことができます。

 自分の理想の刑務所生活を、ぜひ好きに遊んで楽しんでもらえたらうれしいです。
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