『The Eternal Life of Goldman』に命を吹き込んだ4人の作曲家を直撃。「4人でいっしょに仕事ができたことは祝福であると同時に呪いだった」

『The Eternal Life of Goldman』に命を吹き込んだ4人の作曲家を直撃。「4人でいっしょに仕事ができたことは祝福であると同時に呪いだった」
 『The Eternal Life of Goldman』(『ジ エターナル ライフ オブ ゴールドマン』と読む)は、手描きのアニメーションによるビジュアルが特徴的な、2Dアクションアドベンチャーだ。THQ NordicよりNintendo Switch、プレイステーション5、Xbox Series X|S、PC(Steam)向けに発売を予定している。

 タイトルを直訳すると、“ゴールドマンの永遠の命”とでも訳せる本作は、主人公である風変わりなおじいさんのゴールドマンが、群島(アーキペラゴ)を舞台に、杖を頼りに、誰もがその存在を知りながら、誰もその姿を見たことがないという神秘的な存在“Deity”を探す旅に出ることになる。
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 “Deity”を検索してみると、“神”、“女神”、“神格”という意味で、“God”と似ているが、ニュアンスは少し異なるとのこと。より神話的な表現で、“神性の備わった存在”、“崇拝の対象となる神々”を広く指すという。

 ゴールドマンの目的は、どうやらその“Deity”を倒すこと。詳細は明らかにされていないが、ダークで重厚な寓話的世界観が魅力の一作だという。ゴールドマンはその見た目からは想像もつかないような壮大な運命を背負っているようだ。

 『The Eternal Life of Goldman』の開発を手掛けるのは、ベラルーシのミンスクで設立されたWeappy Studio。本作の開発に8年以上をかけているというからも、そのこだわりぶりをうかがい知ることができる。

音楽が『The Eternal Life of Goldman』をさらに豊かにする

 そんな『The Eternal Life of Goldman』でさらに興味深いのが現代のゲーム・アニメ音楽シーンで活躍する4人の実力派音楽家たちを起用していること。そう、本作は音楽にもとても力を入れているのだ。参加しているのはこちらの4名(以下、リリースから抜粋)。

  • ケビン・ペンキン(Kevin Penkin): アニメ『メイドインアビス』などで知られる作曲家。幻想的で異質な空気感を、繊細かつ印象的なサウンドで描き出します。
  • メイソン・リーバーマン(Mason Lieberman): 『Overwatch 2』などに携わる実力派作曲家。物語の核心にある“死”や実存的な問いを、重厚な音響表現で支えます。
  • ピート・レプリー(Pete Lepley): 『Wargroove』などで知られる作曲家。アクションシーンに緊張感と高揚感をもたらすリズミカルな楽曲を担当します。
  • 西木康智(Yasunori Nishiki): 『オクトパストラベラー』、『ファイナルファンタジーVII リバース』などを手がける作曲家。本作のテーマである“愛・死・信仰”を、叙情的な旋律で描き出します。

 この豪華起用の理由がとても気になった記者は、率直に質問をぶつけてみたところ、お返事をいただくことができた。答えてくれたのは、THQ Nordic プロデューサー アンドレアス・シュミゼッカー氏と、オーディオエージェンシーThe Otherworld Agencyの代表で、『The Eternal Life of Goldman』ではミュージック プロデューサーを務めるファビアン・マラベロ氏。
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THQ Nordic プロデューサー アンドレアス・シュミゼッカー氏(左)、『The Eternal Life of Goldman』ミュージック プロデューサー、ファビアン・マラベロ氏(右)。
――『The Eternal Life of Goldman』で音楽に注力する理由を教えてください。

アンドレアス
 本作は色彩豊かに描かれたアニメタッチの横スクロールゲームですが、やはり横スクロールゲームということで、表現手段が比較的限られたゲームと言えます。しかし、私たちはそれを利点と考えることにしました。ツールボックスが小さければ小さいほど、ひとつひとつのツールを正確に使う必要がありました。

 今日の3Dオープンワールドゲームは、長時間にわたる秀逸なオーケストラ音楽をフィーチャーすることができますが、それは多くの場合離れたところからの伴奏として機能し、背景の一部に溶け込む形になっていることがほとんどです。プレイヤーは何10時間もそれぞれの理由で自分のペースで広大な空間を進んで行くわけですが、音楽が前面に出ることのできる機会は物語の中の数少ない特別な瞬間に限られます。

 一方、2Dゲームにおいては本質的に音楽が空間をコントロールします。リズムとテンポを決め、プレイヤーの動きの神経に密着し、つぎに何が起きるのかを感じられるようガイドする必要があります。すぐれた横スクロールゲームでは、音楽はそれ自体で存在するものではなく、つねに特定の使命を担っています。たとえばプレイヤーの動きを速める、あるいは遅くする。その場の緊張感を高める、あるいは和らげる。いくつかの要素をつなげる、あるいは分散させると言ったようなことです。そこには何か非常に純粋なものがあり、これはゲームという媒体に特有の感覚だと思います。

――4人のコンポーザーに楽曲をお願いすることにした経緯を教えてください。

ファビアン
 Weappy Studioのチームとは2015年からいっしょに仕事をしていて、彼らのゲーム音楽のマネジメントと制作のお手伝いをしてきました。この10年は、ケビン、ピート、メイソンとはいくつかのプロジェクトでともに仕事をしてきました。ピートとは2017年に作った『Goldman』(当時のタイトル名)のデモの音楽を制作しました。それぞれのコンポーザーは異なる音楽スタイルを提供していますが、なぜか本作では4人に楽曲を担当してもらうことは自然で筋が通っている感じがしました。The Otherworld Agencyは高度に専門的でありながら多才、そしてそれ以上にすばらしいコラボレーターであるスペシャリストたちを抱える代理店です。

 本作の開発が進行するにつれ、音楽への要求はさらに幅広いものになり、ほかのコンポーザーを完全に補うことができる方に参加してもらうことは理にかなっていると思いました。そして私の友人であり、これまでともに仕事をしてきた西木康智さんに参加してもらうことになったのです。西木さんには重責を担ってもらうことになりましたが、ほかのコンポーザーとの調和はじつに見事でした。私の大好きな人たちが、本当にユニークでワクワクするゲームのためにともに協力し、仕事をしてくれているのを見るのは大きな喜びでした。

――皆さんが担当する楽曲は、どのようにして決まったのでしょうか。

ファビアン
 この点についてはコンポーザーの皆さんにお任せしました。プロジェクト管理の視点からいくつか提案はしましたが、先着順という感じでしたね。
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【作曲家インタビュー】「4人のスタイルは非常にうまく調和した」

 『The Eternal Life of Goldman』には音楽が欠かせない要素としてあり、本作では、4人の作曲家による、贅沢なアンサンブルが楽しめそうだ。では、4人の作曲家はどのような思いで本作の楽曲を作り上げたのか。4人に聞いてみた。
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『The Eternal Life of Goldman』に集結した4人の作曲家。ピート・レプリー氏(左上)、ケビン・ペンキン氏(右上)、メイソン・リーバーマン氏(左下)、西木康智氏(右下)。

ピート・レプリー氏「彼らの存在は、私につねに緊張感を持って最善を尽くすよう刺激を与えてくれた」

――本作のプロジェクトの話があったときの率直な感想を教えてください。

ピート
 最初にWeappy Studioとファビアンによるこのプロジェクトに参加したのは、もう10年近く前、2017年のことでした。そのゴージャスな手描きのアートとアニメーション、そしてダークなテーマにすぐに惹かれました。ゲームはある諸島で始まりますが、私が担当した最初の仕事のひとつはある島の要塞の音楽でした(現在はそのときから多少変化しています)。プレイヤーがこの島に近づくと緑豊かな景観は徐々に汚染されていき、島に入ると不思議で恐ろしいハイブリッド・クリチャーたちに迎えられます。このプロジェクトはワクワクするだけでなくそれ以上にとても楽しい仕事でした。

――本作のとくに魅力に感じたところをお教えください。

ピート
 私は、ケビンとメイソンが参加してサウンドトラック制作の本格的な作業が始まった2023、2024年までは、ゲームの詳細は知りませんでした。最初から参加させてもらい、徐々にアートワークが完成して私たちに渡り、全体のグラフィックが進化していくのを見るのは非常に刺激的でやる気を覚えました。手描きのアートワークは信じられないほど美しく、没入感に溢れ、また驚くほどの気配りと細部へのこだわりによって、このワールドは生き生きとしたものになりました。

――本作の楽曲を手掛けるにあたって、とくに心掛けたことを教えてください。

ピート
 すべてです! サウンドトラックに時間がかかったのはそのせいです(笑)。チーム全体がとくに重視したのは、楽曲構成の簡潔さだと思います。受け取った説明のほとんどは、音楽に複雑な感情表現を要求していました。それらの要素をすべて確実に表現し、余計な誇張なしに楽曲が伝えるべきことを正確に伝えることが非常に重要でした。このサウンドトラックでは、1音符たりとも無駄に使われてはいません!

――とくにお気に入りの楽曲と、その理由をお教えください。

ピート
 いちばんお気に入りの子どもを選ぶのは難しいですが、私の楽曲の中では、要塞エリアの『Transport and Gothic Themes』でしょうか。『Transport Theme』はゆっくりとしたところから意図的に途方もないクライマックス部分へ向かって高まっていきますが、『Gothic Theme』は、軽快なカデンツとストリングカルテットが先導する、より親しみやすい、キャラクターにフォーカスしたものとなっています。

 また、
『Pomegranate Grove』のシーケンスもユニークな非対称で不調和な感じがあり、ここではかなり自由にスタイルを表現することができて、とても満足しています。とにかくどの楽曲も大好きです! ケビン、メイソン、西木さんの3人は、このサウンドトラックのためにパワフルで人を夢中にさせるすばらしい音楽を作りました。彼らほど熟練の技にすぐれた情熱的なミュージシャンと親密に仕事ができたことは私にとって驚くべき経験でした。彼らの存在は、私につねに緊張感を持って最善を尽くすよう刺激を与えてくれました。

――ほかの3人の作曲家がどのような楽曲を作ってくるか意識したりはしましたか?

ピート
 初期段階で、どの楽曲がもっとも楽しそうで、どの楽曲が私たちそれぞれのスタイルにもっとも合っているかを話し合う時間を持ちました。その中でかなり自然に分かれていき、そこからはコラボして作っていきました。ほとんどの場合、制作途中の新しい楽曲は、Weappy Studioに送る前に内部グループチャットで共有し、互いにフィードバックし合いました。全体的に私たちのスタイルは非常にうまく調和したので、本作のオリジナル・サウンドトラックの50を超える楽曲に統一感をもたせることは難しくはありませんでした。

――ちなみに、楽曲制作はどのようなスタイルで行っているのですか?

ピート
 私は、すぐれたゲーム、映画、ファンタジーノベルなどジャンルに関わらず、すばらしいストーリーと美観に感動し刺激を受けます。また、物語を紡ぐような音楽を作ることが大好きで、多様なスタイルで創作できる柔軟性を大切にしています。そのため、ゲームの作曲、エレクトロダンスミュージック、オーケストラの楽譜、メタルバンドなどあらゆるところから刺激をもらっています。

 スーパーファミコンと初代プレイステーションの時代に育った私は、頭から離れないようなメロディーが大好きですし、サウンドトラック制作では、とくに旋律の構築に注力しています。私の楽器演奏のバックグラウンドはパーカッション(とくにマーチングドラム)が中心なので、パーカッション的なテキスチャにはこだわりがあります。また、私はシンセサイザーを使った音作りも好きなので、クールなシンセサイザーサウンドには惹きつけられます。そういった意味では『
アーマード・コア』や『メトロイドプライム』のようなゲームは私にとって非常に大きな刺激となっています。

――最後に『The Eternal Life of Goldman』を楽しみにしている日本のゲームファンにメッセージをお願いします。

ピート
 私たちがサウンドトラックを披露する期待感と同じくらい皆さんがこのゲームをプレイすることにワクワクしてくださっていることを願っています。すべての関係者からたくさんの愛と気配りと情熱がこのプロジェクトに注がれてきたことは、このゲームに明確に表れていると思います。本当に特別なゲームですので、楽しみにしていてください!
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ケビン・ペンキン氏「4人でいっしょに仕事ができたことは祝福であると同時に呪いだった」

――本作のプロジェクトの話があったときの率直な感想を教えてください。

ケビン
 Weappy Studioとは『This is the Police 2』以来、長くいっしょに仕事をしていますが、とても魅力的な体験をさせていただきました。本作は、Weappy Studioにとって表現の進化が感じられるすばらしい作品になっていると思います。彼らがこのゲームにどれだけ心身を注いできたかは、言葉では言い尽くせないほどですし、音楽チームの一員として参加させてもらったことをとても光栄に思います。

――本作のとくに魅力に感じたところをお教えください。

ケビン
 本作にはすばらしいところがたくさんあります。アートワーク、美的側面など典型的なものを挙げることもできますが、私にとっての本作のいちばんの魅力のひとつはワールドの構築です。キャラクター、レベル、エネミー、ボスたちのデザインの背後にある想像力です。それらすべてがひとつのパッケージに巧みにまとめ上げられていることに驚かされます。

――本作の楽曲を手掛けるにあたって、とくに心掛けたことを教えてください。

ケビン
 ありがたいことにWeappy Studioは楽曲についての強いビジョンを持っていたので、ひとつの曲がスタートすると私たちは非常に細かい説明を受け、そこから刺激をもらって仕事を始めることができました。またフィードバックをしっかり返してもらったので、当初考えていた以上によいやりかたで音楽を作ることができました。

――とくにお気に入りの楽曲と、その理由をお教えください。

ケビン
 メインテーマはいちばん苦労しましたが、もっともやり甲斐のある曲になりました。チームとともにこのテーマを何度も作り直し、かなりの時間を費やしましたが、本作のコアとなる多くの信条とゴールドマンとアイバというキャラクターを封入する6分間の大作となりました。大きな挑戦ではありましたが、結果的にとても親しみを感じられるものになり、コンポーザーとして満足度の高い曲でした。Weappy Studioの皆さんがいなくてはできなかったことです。

――ほかの3人の作曲家がどのような楽曲を作ってくるか意識したりはしましたか?

ケビン
 メイソン、ピート、そして康智さんといっしょに仕事ができたことは祝福であると同時に呪いでした。彼らは驚異的な作曲家であり、彼らが作りだす新しい音楽を耳にするたび、その想像力に追いついていくためには自分が本当に力を振り絞らなければならないことを思い出させられました。コラボレーターとしてともに仕事をできたことは途方もなくすばらしいことでした。

――ちなみに、楽曲制作はどのようなスタイルで行っているのですか?

ケビン
 日本の皆さんは、私のアニメの仕事をご存じかもしれませんが、私についてひとつご存じないことがあるとすれば、それはもう夜間にはよい音楽が書けなくなってしまったことです。いちばんいい仕事ができるのは朝なので、早朝にスタートできればそれでオッケーです!

――最後に『The Eternal Life of Goldman』を楽しみにしている日本のゲームファンにメッセージをお願いします。

ケビン
 本作は、非常に情熱的でひたむきなすばらしいゲームクリエーターたちによって、とても長い時間をかけて作られたものです。『The Eternal Life of Goldman』というゲームはひとつの偉業を成し遂げたと思います。私たちコンポーザーとミュージック・ディレクターのファビアンが作り出したサウンドトラックによって、本作の偉業がきちんと認識されればうれしく思います。私たちは楽しみながら作曲をしてきましたが、皆さんもそれと同じくらい本作を楽しんでいただきたいと思います。ありがとうございます!
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メイソン・リーバーマン氏「4人全員が揃ってひとつのタイトルで楽曲を作ることは、とてもユニークで特別な体験だった」

――本作のプロジェクトの話があったときの率直な感想を教えてください。

メイソン
 とても驚きました。もちろん、これまでWeappy Studioとお仕事をしたことがありましたので、心から尊敬するチームと再びコラボレーションできることにワクワクしました。『The Eternal Life of Goldman』はこれまでとはまったく違うものでした。開発のごく初期段階で、すでにすばらしいゲームであることがわかりました。ですので、サウンドトラックも本当に特別なものでなければならないと思いました。

――本作のとくに魅力に感じたところをお教えください。

メイソン
 本作のワールドとナラティブはもちろんすばらしいですし、このゲームには感情的な重みが感じられたので、私たちはそのために複雑な感情の空間を掘り下げる必要がありました。

――本作の楽曲を手掛けるにあたって、とくに心掛けたことを教えてください。

メイソン
 ワールドの構築です。ある特定のサウンドはここに、ライトモチーフ(示導動機)はあちらにというようにワールドの特定の場所への細かい示唆がたくさんあります。これによってまとまりのある体験が構築されるのです。

――とくにお気に入りの楽曲と、その理由をお教えください。

メイソン
 ひとつを選ぶのは難しいですが、個人的にいちばん好きなのはおそらく『Burning Village』 (最初のレベルです!) ですね。また結果的に最後のボスバトルも担当することになりましたので、緊張感という意味で1から10に行くのはとても波乱に満ちた体験でした。もちろん、どんなゲームであってもケビン、西木さん、そしてピートといっしょに作ったサウンドトラックが使われたゲームは私のお気に入りです。彼らは本当にすごいプロたちなのです! これまで何年にもわたって数名がオーバーラップする形でいろいろなゲームの仕事をしてきましたが、本作では4人全員が揃い、とてもユニークで特別な体験でした。

――ほかの3人の作曲家がどのような楽曲を作ってくるか意識したりはしましたか?

メイソン
 もちろんです! 3人(西木さんは少し後に参加されました)とファビアンでドラフトを共有し、誰がどの部分を担当するかを整理し、そこからつねにいっしょに作っていきました。多くの曲は私たちそれぞれの指紋があちこちに残されていて、真にチームで作り上げたものと言えます。

――ちなみに、楽曲制作はどのようなスタイルで行っているのですか?

メイソン
 私は日本のゲームとアニメの大ファンなので、私の芸術的成長に核心的な影響を与えてくれたのは、多くのすばらしい日本のアーティストたちだったと思います。菅野よう子さん、瀬上純さん、光田康典さん、そのほか多くのアーティストたちは、私の芸術的な発展に極めて重要な影響を与えました。

 私のスタイルはエネルギッシュ、感情的マキシマリストといった言葉で表現できます。大胆でメロディアスな表現を愛し、アメリカンロック、ジャズだけでなくオーケストラの作曲からもよい影響も受けています。それに比べて、より密な瞬間のいくつかを表現しなければならない本作の仕事は、楽しい挑戦でした! インスピレーションの源はどこにでもあります! アーティストであるということは、インスピレーションをもらえる世界につねに恋をしているということだと思います。私は前向きな人間なので、ゲームコミュニティのために、何か新しい、美しい瞬間を作ることにつねに駆り立てられます。

――最後に『The Eternal Life of Goldman』を楽しみにしている日本のゲームファンにメッセージをお願いします。

メイソン
 本作に目を向けていただきありがとうございます。共有できることを楽しみにしています! 本作が皆さんの手元に届き、私たちの作ったものを聴いていただける日が待ち遠しいです。きっと気に入っていただけると思います!
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西木康智氏「本作では、いままでの僕の音楽とはけっこう違ったタイプのものが爆発した!」

――本作のプロジェクトの話があったときの率直な感想を教えてください。

西木
 私は制作がだいぶ進んだ時期、今回のコンポーザーの最後のひとりとして声をかけていただいたんですが、まずはすでに参加していたすばらしい3人のコンポーザーといっしょに仕事ができることにとてもワクワクしました。

 資料としていただいた映像も、すでに作られた楽曲もたいへんクオリティーの高いものでしたから、大切に作られた世界観を私の音楽が邪魔しないように、緊張したのも覚えています。あぁそうそう、このチームでの最初の仕事はトレーラーのためのインタビュービデオを自分で撮影することでした(笑)。あのときトレーラーで語ったように、本当に1音の音楽も作っていない状態だったので、なかなか新鮮な体験でした(笑)。

――本作のとくに魅力に感じたところをお教えください。

西木
 独特な、でも奇抜すぎずキャッチーなビジュアルとアニメーションを見て、この世界観がとても大切に開発者の方々のあいだで作られたんだろうなということをヒシヒシと感じました。そこに私を除く3人のスーパーコンポーザーの音楽が乗るんですから、このタイトルに対する気合の大きさを感じましたね。

――本作の楽曲を手掛けるにあたって、とくに心掛けたことを教えてください。

西木
  じつは最初、僕はこの世界に当てるべき音楽を少し勘違いしていたところがあったんですね。それはもしかしたら自分がキャッチーに感じていたアニメーションのポップさに意識が引っ張られていたのかもしれません。

 しかし、何曲かデモを書いて(あまりディレクターの反応がよくありませんでした・笑)、自分の認識が間違っていたことに気付いたんです。このタイトルはそういう上辺のポップさではなく、もっと深い部分の狂気であったり、信仰、そして愛や祈り、そういったプリミティブでかつパワーのあるテーマを描いていて、音楽はそこにフィーチャーすべきだと。

 開発チームとの対話でそれに気付くことができてから、割とすんなりこのゲームに当てるべき音楽を創造することができたように思います。

――ご自身の持ち味はどのようなところにあって、本作で生かされている点がありましたら教えてください。

西木
 僕は割と自身が任されるタイトルで、とにかくキャッチーなメロディを求められることが多いんですが(笑)(そこから生まれたメロディがキャッチーであるという意味ではないです、あくまでも目標の話です!)、最近そういった音楽ではない、もう少しサウンドデザインで語っていくような作りかたに対する創作欲求も溜まっていて、このタイトルではそれを爆発させることができた気がしています。

 たぶん僕の担当曲を聴かれた方は、「いままでと違うテイストだな?」と感じる人が多いと思いますが、「こういう引き出しもあるんですよ!」という部分をぜひ楽しんでいただければうれしいです。

――とくにお気に入りの楽曲と、その理由をお教えください。

西木
 『Battle with the Pregnant』ですかね。この楽曲実は一度作ったものをすべてボツにして作り直した曲です(笑)。ただ、この曲が、このタイトルの世界観を私に学ばせてくれた曲でもあり、表現するべき狂気の感情を自分の中で爆発させてくれたと思っています。

――ほかの3人の作曲家がどのような楽曲を作ってくるか意識したりはしましたか?

西木
 ピートさんとは今回初めてお会いしましたが(Zoom越しに)、ケビンとメイソンは前からの友人で、いっしょにプロジェクトに参加できることがうれしくとても興奮しました。自分はこの中では当然「日本のゲーム音楽的な部分を求められるかな?」と最初想像したのですが、先ほどもお答えした通り、違う音楽的欲求を爆発させた形になりましたので(笑)。

 でも、ケビンもメイソンも、そしてピートさんもふだんのプロジェクトとはまた違った音楽の雰囲気で、この『Goldman』の世界に集結したので、とてもおもしろい仕上がりになっていると思います。

――ちなみに、楽曲制作はどのようなスタイルで行っているのですか?

西木
 僕のことは日本の方にはもうけっこう知ってもらっているのかなと思うのですが(笑)、基本的には僕は机の前に縛り付けられていないと作曲をしないタイプなので、最近ではTwitchやらYouTubeで、ほかのゲームの配信を見ながら作曲をしているダメな作曲家です(笑)。

――最後に『The Eternal Life of Goldman』を楽しみにしている日本のゲームファンにメッセージをお願いします。

西木
 先ほどお答えしたように、今回はいままでの僕の音楽とはけっこう違ったタイプのものが本当に爆発! しております。また、ほか3人の最強コンポーザーにより作られた音楽が、この素敵で狂気的で愛に溢れた世界観の中で同じく爆発! しておりますので、ぜひ楽しみにしていただければと思います!
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[ミュージック プロデューサー]ファビアン・マラベロ氏「真剣で挑戦的な大人向けのテーマとおもしろく冗談めいた表現を融合しているところがすばらしい」

 最後に、ファビアン・マラベロ氏からもミュージック プロデューサーの立場からお答えいただいたので、以下に紹介する。

――本作のプロジェクトの話があったときの率直な感想を教えてください。

ファビアン
 本作とは9年ほど関わってきましたが、そのあいだにアートとゲームプレイは信じられないほど進化しました。しかし、私は最初から本作に高い期待を寄せていました。以前からプラットフォーマーの大ファンでしたので、本作が何か特別なものになることがわかっていました。

――本作のとくに魅力に感じたところをお教えください。

ファビアン
 Weappy Studioが作るゲームはどれも本当にユニークな体験であり、市場のほかのゲームとは一線を画していますが、本作も例外ではありません。そこにはカートゥーンのような見た目からはわからない、あるレベルの緊張感、暗さ、荒々しさがあります。私が彼らのクリエイティブ・ビジョンの中ですばらしいと思うのは、真剣で挑戦的な大人向けのテーマとおもしろく冗談めいた表現を融合するところです。表面的には楽しそうで軽快に見えるのですが、ゲームに向き合っていけばいくほどダークになっていきます。そういう意味で彼らはすばらしいストーリーテラーだと思います。

――『The Eternal Life of Goldman』を楽しみにしている日本のゲームファンにメッセージをお願いします。

ファビアン
 このゲームには長きにわたり多くの人々の愛情と努力が注がれてきました。本作はダークでミステリアスでありながら同時に楽しく挑戦的でもあります。皆さんがこれまでプレイして来られたどんなゲームとも違う本当にすばらしいゲームだと思っていただけることを願っています。
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