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『コードヴェイン2』レビュー。濃密すぎる時を超えたドラマ展開と、広大なフィールド体験を骨太なバトルで包み込む。“死にゲー”らしさはアップし、多彩な育成要素で自由度もさらに拡張

『コードヴェイン2』レビュー。濃密すぎる時を超えたドラマ展開と、広大なフィールド体験を骨太なバトルで包み込む。“死にゲー”らしさはアップし、多彩な育成要素で自由度もさらに拡張
 バンダイナムコエンターテインメントより、2026年1月29日発売予定(※)のプレイステーション5(PS5)、Xbox Series X|S、PC(Steam)用ソフト『CODE VEIN II』(コードヴェイン2)。本作は2019年に発売されたドラマティック探索アクションRPG『CODE VEIN』の新作だ。

 本記事では、製品版のレビューをお届けしよう。なお、
物語の核心に迫るようなネタバレはないが、魅力を紹介するためにあらすじや、一部キャラクターの展開には触れているので、気になる人はご注意を。
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自由にクリエイトする主人公

 主人公はキャラクタークリエイト式で、プレイヤーの自由にカスタマイズした主人公を使用できる。そこは前作と同じだが、カスタムできる項目などが大幅にボリュームアップしており、より自由なキャラクターを制作できるようになった。
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 たとえば体型はパラメータで調整できるようになっているほか、身長も大幅に差を付けられる。顔や衣装パーツ、アクセサリも大量だ。なお、アクセサリは前作に“コスト”が存在したが本作にはなく、スロットが許す限りアクセサリを付けられる。

 主人公は人間の“吸血鬼ハンター”として物語は進んでいくが、それを無視して吸血鬼のような見た目にしてもいいし、まったく別の存在をイメージするのもアリだろう。

 カスタマイズはスロットにセーブすることができ、ゲーム中も拠点に戻ればカスタマイズ可能。そのため“衣装を着替える”ために利用するという使いかたもできる。冒険はかなり長いので、気分を変えるときに活用してみるのもいいだろう。
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 贅沢な仕様として、あくまでキャラクターカスタマイズゆえに、ゲーム中で衣装パーツが増えるといったことはなく、最初からすべて全開放されている。なお、ダウンロード版の“Ultimate Edition”のコンテンツとして前作キャラクターの衣装が使える要素もある。

 充実しすぎて求めることはほとんどないが、たとえば、グローブ類が片手外しができる衣装とできない衣装があったり、すごく細かい部分で気になるところもあった。ここまでこだわっているので、おそらく何かしらのできなかった理由があるとは思うのだが。
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現在と100年前の世界

 物語は、主人公が命を落とすところから始まる。いまにも壊滅しそうな島で活動しており、バケモノに襲われて逃げる住民たちを庇ったところ、命を落としてしまったようだ。いい人。

 そこに現れたのが吸血鬼の集団であり、人間たちも保護し、世界を救うために活動するマグメル。マグメルの一員であるは吸血鬼の少女・ルゥは心臓の半分を主人公に渡し、蘇生させる。

 そして主人公はルゥとともに、消滅し掛けている現在の世界を救うために、100年前の過去へと飛ぶことを命じられる。ルゥは強く記憶などが宿るもの(=縁)を辿ることで、そこにタイムトラベルできる力を持っているのだ。
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 物語は現在の世界・100年前の世界、この2軸で進行するが、そもそも設定としては100年前よりもさらに前の世界からの災害がストーリーに関わっていること、そして本作ならではの固有名詞が多いので、最初は飲み込むのが難しいだろう。

 このあたりは物語を進めていくうちに段々と理解できるようになっているほか、ゲーム中に用語解説があるので、最初は覚えなくても問題はない。“世界を救うために100年前に飛んで歴史を変え、そして現在の世界を良き道に進めていく”といった使命で戦うゲームだ、と認識していれば大丈夫。
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登場人物も、主人公たちが進むべき方向や使命について話してくれる。
 主人公はあくまで使命を背負った立ち位置で活躍してくれるので、キャラクタークリエイトものでありがちな“空気系”にはならない。ただ、選択肢による会話以外でセリフを発することは少なく、現場の空気に流されながら立ち振る舞うので、ちょっと物足りなさがあったのも正直な気持ちだ。
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選択で分岐する、壮大な物語

 発売前のインタビューや、メディアプレビューで感じた印象などから「けっきょく、過去に戻ってその人を救うのか、それとも倒すのかみたいな分岐なんだろうな」と予想していたのだが、実際に遊んでみるとそんな簡単な問題ではなかった。そもそも、毎回毎回分岐があるわけではなく、いくつかの部分に留められている。
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最序盤にあるのが、ノアを救うために過去に戻るのか、戻らないかという選択。
 序盤からの目標となるのは、現在の世界にある“封印殻”の中にいる、バケモノと化した英雄たちを倒すこと。封印殻は世界を消し飛ばすほどの危険な爆弾といった感じで、それを壊すのが目的だ。封印を解くためには、その英雄に紐づいた鍵となるアイテムが必要なので、100年前の世界で手に入れて来なければならない。そのためにタイムトラベルをしているのであって、過去にあった歴史を変更することが主目標というわけではない。

 たとえば、英雄ジョゼの場合は彼女と関わったことによって水質汚染の原因を解決し、過去に飛ぶ前は汚染されていた地域が現在の世界では綺麗になる、といった変化はあるものの、世界滅亡の分岐に関わっているほどの改変にはなっていない。
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 一方で、わかりやすいのがチュートリアル後にノアという男を過去に行って助けるのか、助けないか、といった選択がある。RPG的に考えると助けてあげるのが勇者的かなと思うのだが、歴史の変化を観測できるリーダー的な吸血鬼・ラヴィニアによると“過去を簡単に変えてはいけない、ひとりを助けた結果、大勢が助からない未来もあるかもしれない”と、歴史を変える重大さを伝えてくる。
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 助けると、そのままノアは助かり、100年前の世界でも、そして現在の世界でもバディ(仲間)として活躍してくれる。また、マグメル(拠点)は孤島にあるのだが、ノアを助けた結果、ほかの地域につながる大橋が壊れなかった未来となる。おそらく、100年間のあいだにノアが活躍し、橋が壊されるのを阻止したのだろう。

 一方で、助けない場合は大橋は壊れたまま。ノアも登場しない。それでも、物語は進められる。大橋が健在の場合は、そこからつぎの物語へ渡っていくのだが、橋がない場合は代わりに、小船でほかの地域に向かうことになる。
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 このあたりがRPGのストーリー進行として、本作の大きな特徴となっている。けっきょくのところ“封印殻を破壊する”といった主目標についてはさすがにブレないので、現代でバケモノになった英雄たちを倒す根幹の部分は変わらない。そこにもっと深い、RPG体験とドラマティックなストーリーが待っているのが本作の魅力のひとつだ。

 なお、本作はオートセーブで、セーブスロットは1個。そのため、分岐しそうな直前でセーブしてひとつの展開を見届けた後、ロードして分岐をやり直すというようなことはできない。あくまで、自分の選んだ道を歩むゲームになっている。ただし、“以前の状態に戻してロードする”といった機能は用意されている。

 具体的にどのタイミングを保存しているのかは不明だが、だいたいボスを倒す前など、何かしらの大きなタイミングの状態が最大4つセーブされ、そこに戻ることが可能。いちおう、そこから分岐をやり直すこともできるが、ゲーム進行度はかなり巻き戻る場合が多い。

 骨太な難度のゲームなので、成長要素が足りなくて攻略できない実質的な“詰み状態”のようなことを回避するために搭載している機能であって、「いちおう分岐をやり直すこともできるけど……」という感じなのだと筆者は感じた。ただ、その歴史を変えるという代償の重みが、セーブ&ロードにも関わっていて少しニヤリとした。
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広大になったフィールド探索

 フィールドはほぼすべて地続きになっており、ごく一部エリア移動する地域もあるが、ダンジョンや建物などもほぼすべてシームレスに移動できる。非常に広く、オープンワールドタイトルと言えるくらいには広大だった。
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 実際にプレイしてみると、広大なフィールドには敵が点在しているほか、探索で得られるアイテムも散らばっている。ただ、濃密にギッシリ詰まっているわけではなく、得られるアイテムも些細なものが大半を占める。

 コンテンツとしても一部収集品はあるが、攻略に必須級というわけでもない。また、クエストには関係のないダンジョンもいくつかあるものの、大量に存在するほどでもない。全体的にほどよく用意された印象だ。

 とはいえ、収集もそれなりに大事。得られるのはだいたいが消費アイテム、または消費アイテム制作用の素材なのだが、一部は武器強化素材、術式(後述する、いわゆるスキル)などが手に入る場合があり、探索したらしたでご褒美がある。とくに大きく光っているアイテムと、宝箱からは重要なものが手に入る。

 “鎮守の情念”という探索要素があり、見つけるとそのエリア全体に効果のあるバフが掛かるのもうれしい要素で、攻略につまづいたら解放するのもオススメ。クリアーするために必要かというとそこまででもないので、腕に自信がある人はスルーしてもいい。全体的に、「攻略できるなら無視してもいいよ」くらいの探索要素に留められている印象だ。もちろん一部例外もあるが。

 また、探索ではプレゼントアイテムが手に入る場合があり、キャラクターにあげるとアイテム交換用ポイントがもらえる。重要なのは、アイテム合成レシピ。キャラクターごとに好みがあり、いいものをあげるともらえるポイントも大きい。ものによっては、専用の反応やセリフになることもあった。キャラクターたちの趣味嗜好を予想、または物語から察するのも地味に楽しい要素だった。
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 広大ではあるが本作にはファストトラベルのほか、バイク移動があり、それなりに早く移動できるので、慣れてくると「そこまで広くないかも」といった印象。RPGとしてちょうどいい広さだった。本作には高低差ダメージがあるが、それなりに高いところから落ちても死亡するほどのダメージではない場合もあり、そこそこショートカットも可能だ。
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 ちなみにバイクは微妙にリアリティのある挙動で少しだけ扱いにくいが(段差に弱い)、激突して爆発しようとすぐ復活するし、敵を弾いたり、全体的には使い勝手がいい。高所から落ちてもバイクへのダメージで済んだりする。バディとふたり乗りするので、ツーリング的にも楽しめた。

 なお徒歩での移動速度は、好みにもよるが個人的には少し遅いと感じた。戦闘での移動速度にも関わるので遅めなのだと思うが、ダンジョンでは敵を無視して奥に進むのもやや難しい速度(できるにはできる)。とくに拠点などの安全地帯では敵と会うこともないため、「もう少し早く移動したいな」と思うことが多かった。
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拠点・マグメルはショップがいくつかあるが、散らばって配置されている。設定的にいいとは思うが、移動速度が遅めなせいで、ひとつにまとめてくれないかなと思ってしまった(ショップ店員がヤドヴィガという同一人物なのもある)。
 と、やや脱線したが、フィールドでのメイン体験としては意図されたように物語の部分が強く、過去と現在の世界の違いを感じられる点が大きい。100年前の時点でかなり荒廃した世界ではあるのだが、美しい景色も多く、廃墟と化した街並みもある意味美しいスポット。
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 本作には作り込まれたフォトモードがあり、バディといっしょに旅の風景を記録できる。この世界全体がフォトスポット、といった感じになっていて、探索物すら何もない場所でも「撮影したいな」と思わせるようなことも少なくない。砂浜になぜかパラソルとビーチチェアが置かれていて、「ここフォトスポットにしてくださいね!」と開発側が言っていそうな場所もある。
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自由な物語進行

 そんな広大なフィールドのなかで、かなり自由な旅が楽しめる。序盤の孤島を抜けると、本格的に冒険がスタートするのだが、基本的にはどこへ行こうと自由。主目標の“封印殻を探す”は、どれからスタートしてもかまわない。ゲーム的には手前に置かれている、ジョゼの封印殻に行ってほしいような狙いは感じられるが、それを無視して別の封印殻にもアクセスできる。
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 物語を進めないと入れないダンジョンやボス戦もいくつかあるが、ユニークだったのが“物語より先にダンジョンを攻略できる”こと。この手のタイトルだと、だいたい何かしらの理由でメインクエストダンジョンは道が塞がれてアクセスできなかったりするが、一部はボス戦だけを除き、先に攻略しておくことができた。もちろん、先にアクセスできないダンジョンもある。

 ボス戦の先にあるご褒美宝箱へ、事前にアクセスできたのもなかなかない体験で、いざメインクエストの目標となった場合は、すぐにボス部屋の前にファストトラベルして完了、みたいなことも可能だった。先に宝箱を手に入れたのでご褒美感は薄れてしまうが、自由な探索を楽しんだ結果、ストーリーで2度手間になってしまう、みたいなことがなかったのがうれしい。
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本来はボス部屋なのだが、クエスト前に入っても問題はない。
 なお、現在と過去の世界での探索物は共有されており、固定のものはどちらの世界で取得しても問題ない。現在の宝箱を開けたのに、過去に戻っても開いているのは……? と、歴史干渉的な部分でどうなるのか考えてしまったが、まあそこはゲーム的な部分だろう。

 また、過去の世界はだいたいエリアが限定されており、ほかの地域に向かうことができなかったりする。説明が難しい要素なのだが、過去の世界は“その人物に関する記憶を辿る”といった感じで過去に行くので、人それぞれの世界が広がっている感じ。それとは別に、すべての地域に向かえる自由探索の過去世界もある。
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 現在の世界は、とくに障害なく探索できる。一部、過去世界を改変するか物語が進行しないとアクセスできない場所は別として。大きなポイントは、フィールドに散らばる敵の違いだ。過去世界は、バケモノになった吸血鬼やら獣、賊のような者たちなどがけっこう生きてる、比較的平和な世界(まったく平和ではないのだけれど)。

 逆に現在の世界は、“渇望の月”という、世界が消滅し掛けている原因のひとつみたいなものがあるため、巨大な強敵たちが世界各地に散らばっており、危険地帯の連続。そのため、現在の世界を探索するほうがそれなりに危険だ。
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 いずれもすごく大きいので「もしかしてフィールドボスでは?」と、思ったのだが、倒しても再度復活する通常の敵扱い。しかも、強さはボスクラス。「うん、そりゃ世界の危機だわ」と納得。いちおう経験値や素材アイテムが手に入るので、戦うのもアリだろう。

奥深い育成要素

 育成はちょっとだけややこしさがあって理解しにくいが(とくにパラメータ関連)、基本的にやることはシンプル。敵を倒してヘイズ(経験値であり、通貨)を消費し、主人公をレベルアップさせるのが育成のメイン。パラメータ割り振りなどは必要なく、レベルを上げるだけで基礎能力が向上する。

 もうひとつの育成となるのが、キャラクターのメイン性能を変化させる“ブラッドコード”。これは吸血鬼ハンターが持つ吸血鬼の力を使用できるようになるという装備品で、おもにバディなどのメインキャラクターたちから譲り受けるか、もしくはボスを倒したときにゲットできる。
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 ブラッドコードは個別に習熟度があり、敵を倒せば倒すほどゲージがアップ。最大になると、メインキャラクターのブラッドコードについては、つぎのレベルのブラッドコードをもらうことができ、より強力な性能へと強化される。(番号が割り振られているブラッドコードが該当する)。

 なお、ブラッドコードの習熟度を最大まで上げると、ラヴィニアが各ブラッドコードの力を抽出し、“ブースター”というアクセサリアイテムに変換してくれる。ブラッドコード自体が育成要素でありつつ、装備品収集要素になっている(ちなみにラヴィニアもブラッドコードをくれる)。
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 ほかにも、ジェイルと伝承術式(いずれも特殊攻撃に使う武器。詳細は後述)の強化もできるほか、武器の強化・属性の変更なども可能と、レベルアップ&ブラッドコード以外の部分は多岐に渡る。このあたりは頻繁に触れる育成要素ではないが、前作よりもRPGらしさが大きく増した。

 難点としてパラメータ項目がとても多いので、すべてを把握しながら育成するのは難しい。まあ難しいことは考えずに育成するだけでもいいのだが、パッと見ただけでも圧倒的な項目数を誇る。とはいえ意識しなくても攻略に支障が出るわけではないので、ビルドを構築するやり込み要素みたいなものだろう。

 また、初期武器は固定されていて選べるわけではなく、冒険の最中に手に入れる必要がある。一部武器種はすぐに手に入るのだが、ドロップ品で手に入るもの、気づきにくい場所に置かれているものなどもあるため、好みの武器や使用したい武器が決まっている人は探索で探してみよう。
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ステータス画面。項目がメチャクチャ多い。武器の攻撃力と、右下に地味に書かれた防御力などを見ていれば基本はいい。

戦闘について

 戦闘は武器による攻撃と、回避によるディフェンスが基本。弱攻撃・強攻撃の使い分けと、ローリング回避が共通アクションになっている。回避性能は基本ローリングだが、うまく装備を組み立てると性能の高いステップ回避に変化する(装備構成によっては重いローリングになる)。。

 通常攻撃はヒットさせていくと、敵に傷痕(正確には出血)が付き、黄色く切り刻まれていく。そこにジェイルを駆使した特殊アクション“吸血攻撃”をヒットさせると、敵にダメージを与えながら吸血し、血(イコル)を獲得できる。なお、獲得できるイコルは傷が増えるほど増加していく。

 イコルは、武器にセットされたスキル“術式”などの発動に必要な戦闘用のポイント。術式はいずれも強力な性能になっていることが多く、いかにイコルを溜めて術式を放つのか、というのが本作の立ち回りの基本になっている。
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 このあたりの攻防は本作ならではの独特のシステムになっているし、狙いどころもハッキリとしているのでわかりやすい。通常攻撃も連打すればしっかりダメージを与えられるが、術式はパッと大ダメージを出せることが多いので、とくにボスを倒す攻略の鍵になっている。

 術式は全武器にセットできるものや、一部武器種に限られたものなど条件はさまざま。また、性能も武器を駆使するもののほか、魔法的な攻撃を放つ術式や、自身にバフを掛けるものもある。術式は事前に武器にセットするか、もしくは武器固有のものが存在(外すこともできるが、ほかの武器には装着できない)。術式はアイテムに近く、探索や購入、もしくは報酬などで手に入る。

 もうひとつの特殊攻撃“伝承術式”は、特別な武器をくり出せる。弓ならば遠距離からの狙撃が可能なほか、ハンマーならば打撃&ダメージフィールドを作りだせる。近距離用の伝承術式はいずれも超火力で、こちらを中心に立ち回ることも可能だ。
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 また、ディフェンス用装備として“防御術式”がある。デフォルトだとガードの防御アクションとなっているが、装備したものによって敵の攻撃を受け流す(いわゆるパリイ)もの、もしくは高性能な回避アクションがくり出せる(通常回避とはまた別に扱える)。

 前作ではガードも回避も基本性能で両立していたので主人公の性能が少し下がったように見えるが、ここは立ち回りの幅を産む要素としておもしろい試みだと感じた。敵によってはガードが機能しにくい場合があり、そうなれば回避を選んでみたり、ジャスト系が得意な人は受け流しを選択するといい。
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 ガードの仕組みだけは少し理解するのが難しい仕様で、ガードしたときにどれくらいダメージをカットしてくれるのか、スタミナがどれだけ減るのかが装備によって異なる。そこを把握していないと「あれ、ガードしたのにガード貫通してダメージ喰らってるけど?」みたいな状況も生まれるだろう。

 また、ジャストガード的な恩恵も存在し(共通システムというより、術式によって性能は異なる)、敵の攻撃を食らう直前でガードしたほうが、ガード性能がアップする。ゲーム的に用意された仕組みではなく、装備の効果なためチュートリアルがなく、装備テキストを読む必要があったりする。

 戦闘スピードは昨今のアクションゲームとして見ると、ちょっと遅め。どっしり構えて攻撃し、無敵時間の少ない回避を駆使しつつ、敵の隙を突くような感じ。動画などで見ると、いわゆるモッサリ感があるかもしれないが、遊んでいるぶんにはとくに気にならず、ちょうどいいバトルスピードに感じられた。
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 全体的に、アクションの隙は大きく、中断(いわゆるキャンセル)が効く行動も少なめなので、ただボタンを押しているだけでゴリ押しできる、みたいな部分は少ない。通常の敵ならば通常攻撃だけでサクサク倒せたりもするが、ボス戦はジリジリと立ち回ることを求められる。

 なお、敵にうまくダメージを与え続けると、ブレイク状態となる。敵が一定時間無防備となり追撃でき、さらにそこへ吸血攻撃を当てると、フィニッシュアクションの“特殊吸血”となり、大ダメージを与えられる。イコルも回復しつつ大ダメージと、特殊吸血を狙うのがボス戦の基本となるが、場合によっては使用せずに術式連打のほうがダメージを稼げたりするのも選択としておもしろかった要素だ。
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バディが頼もしい!

 そんな戦闘を支えてくれるのが、本作ならではのバディ(仲間)の存在。この手のアクションゲームの仲間は、“相手の狙いを引き付けてくれる存在”として活躍することが多いが、そのうえでしっかりダメージも出してくれるし、サポートもしてくれる非常に頼もしい仲間だ。集団戦になっても、気づいたらほかの敵を倒してくれていた、なんてことも多い。
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 ダメージが大きいと「じゃあバディに全部任せればボス倒せるじゃん」となるが、さすがにそうはいかない。バディの攻撃は、敵のHPに白ゲージとしてダメージを与える。これは回復余地ダメージで、主人公が攻撃を当てないと一定時間で回復し始めてしまう(回復余地ダメージで倒しきってもらうこと自体は可能)。そのため、いっしょに攻めたり、ほどよく連携しないと、バディのダメージが無意味になってしまうのだ。
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 また、ボスなどの一部敵は、ダメージを一定量与えると突然叫び始めることがある。これは、“渇血”状態に移行した証で、回復余地ダメージの回復速度が速まるほか、敵が主人公を集中して狙うようになる。

 たとえば半分まではバディの力を駆使して削りきったとしても、けっきょく倒し切るにはプレイヤーの腕前が試されるようになっている。バディとの共闘を演出しつつも、“死にゲー”としての難度も担保されているのが、本作ならではのポイントだ。 バディも術式を使ってくれるので、それに合わせて行動するなど、攻略の鍵にもなる。

 そしてなによりいちばん頼れるのが、主人公の体力がゼロになったときに“ギフトヒール”だ。これがあるので、たとえ一撃死するダメージを食らったとしても、その場である程度体力が回復された状態で、コンティニューできる。
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 ギフトヒールは発動すると、バディの召喚状態が一定時間解除されてしまい、その状態で主人公が倒されると死亡となる。一定時間経過で、もう1度バディが召喚されれば、またギフトヒールは発動可能だ。ただし、ギフトヒールで復活するたびに、バディ再召喚の時間が延び、体力回復量は下がる。最終的には体力ほぼ0で復活したりもするが、バディさえいれば復活可能だ。

 また、バディは“リンク特性”という能力があり、バディごとに条件を満たすと主人公にバフを掛けてくれる。
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 ちょっとややこしいのが、主人公の体力は“HP”と“LP”(青いゲージ)ふたつあり、2ゲージで1個の体力になっている。HPは主人公の体力で、LPはバディから譲り受けた体力といった感じだが、基本は気にせず、全体体力だと思っても問題ない。LPが切れるとリンク特性は失われるので、青ゲージが消えたらバフが切れると認識しておこう。

 ユニークなのが“HPを消費する”みたいな術式があったとして、それを使ってHPがゼロになったとしても、LPは減っていないので主人公が死亡しなかったりする。体力が2個あるからこそ取り入れられる戦術が、なかなかおもしろかった。

 なお、この手のゲームでは、仲間の手は借りずに1対1で戦いたい、という人もいるだろう。バディは召喚せずに収納(憑依)させると、バディと共闘はしないが、力を借りて主人公を強化できる。
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ほどよくライト、でも骨太

 骨太な難度を誇る本作だが、通常の敵(いわゆる雑魚)相手はそんなに骨太ではな……いこともない。本作はレベルアップで体力や攻撃力は上がっていくが、防御力自体は上がらないので、強化すればするほど敵の攻撃がやさしくなるわけではないからだ。もちろん強化する手段は存在し、防御力は装備品に紐づいており、おもにブラッドコードが担っている。

 もちろん強化すればするほど、序盤に戦った敵と再戦したら「あ、自分強くなってるんだな」と実感はできるが、その恩恵の段階を感じられる速度はかなり緩やか。攻撃を食らえば、だいたい手痛いものはずっと手痛い。だが、成長に合わせて攻撃力は上がりやすいので、火力で相手に何もさせずに押し切る、みたいな部分では通常の敵との戦いは、ほんのり骨太といった印象だ。
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 ボス戦も、すべてがすべて骨太というわけではない。あまり物語に関わらない、単純にボス敵として用意された存在はだいたい“中ボス”くらいの強さになっていて、苦戦はするかもしれないが、ほどよい歯応えになっている。

 一方、物語に深く関わるボスは“大ボス”といった感じで、メチャクチャに強い。たとえば、封印殻に眠る元英雄たちなどだ。ここが瞬殺できてしまうと「こんなんじゃ世界滅亡しないでしょ」と思ってしまうので、しっかりとした強さを誇っている。
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 そこだけは前作よりも遥かに難度が高く、かつ難易度選択もないので、前作を“自分でも遊べる、ゆるい死にゲー”として楽しんでいた人は、大きなハードルになるはず。と言いつつも、やはり成長要素でそれなりにハードルは下げられる。ただ前述の通り、敵の攻撃はだいたい手痛いままなので、主人公をものすごく硬くしてから挑むようなことはできず、ある程度は敵のパターンを覚えたり、ビルドを変更するなどといった、元来の“死にゲー”らしい攻略要素を求められる。

遊びやすさ? 骨太さ?

 本作は基本的には遊びやすさが磨かれていて、たとえば過去の時代に飛びたいとき、アイコンへファストトラベルすると、その地点を調べる動作を無視して、マップ画面から過去の時代に飛ぶことが可能だ。
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ファストトラベルはかなりタイミングが自由で、物語の不都合かバトル中などを除くと、だいたいいつでも使用できる。
 オプションも充実しており、“探索物をバディが発見してもセリフを発しない”といった項目まである。自分で見つけたい人、逐一のセリフがわずらわしい人向けなのだろう。自分で見つけたのに「あそこにあるよ!」と言われたら、「だからぁ、いま取ろうとしてたの!」となる人もいるだろうし。

 ただ、古臭い仕様というか、“遊びやすさ”を取るのか“骨太さ”を演出するのか迷ったんだろうなという箇所も少なくない。たとえば敵に倒されるとヘイズ(経験値、通貨)をその場に落とし、落とした状態でまた倒されるとヘイズをロストする。これは“死にゲー”あるある。
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キャラクターの過去が描かれるパートは前作よりもスッキリしていて、読み進めやすい。
 ボス戦でヘイズを落とすと、ボス部屋内の倒れた地点にヘイズが落ちるのだが、再戦するたびに拾いにいく必要がある。これは死にゲー黎明期的なシステムで、命を落とした人が悪いのでいいとは思うのだが、リトライ性は下がってしまう要素なため、個人的にはボス部屋に入ったら自動回収でもよかったのかなというのが正直なところ(筆者はめんどくさくなって、回収に行かないことも何度かあった)。

 また、広大な世界を旅するゲームなので、チェックポイントから遠出して、その先でボス戦に発展することもある。ボス戦の前には、復活地点だけが置かれていたり、それなりに近い場所にチェックポイントが置かれている場合もあるが、何も用意されていないケースも少なくない。

 遠出した先で倒されたら、またバイクで移動してリトライしなくてはならないという箇所もいくつかあり、もしかしたらそれも体験として味わってほしいのかもしれないが、それもリトライ性が下がっている部分なので、そこは丁寧にすべて復活地点だけでも用意してほしかった。それもまた骨太な難度なのかなとは思うのだが、そこはバトルの面で味わいたいのが本音だ。
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時を飛ぶ瞬間は、ルゥと抱き合う(というかルゥに抱かれる)。毎回キュンとしていた。

濃厚なドラマを体験しよう

 サウンド関連は、とくに椎名豪氏によるBGMは素晴らしく、大ボス戦は専用戦闘曲という感じで聞きごたえがある。それぞれのキャラクターイメージが、不気味なボスを彩るという、不思議な違和感があってこれがイイ。

 ただ、あえてそういうサウンドにしたんだろうなとは思うが……みたいな部分も多い。BGMはドラマシーンのほか戦闘中のみに流れることがほとんどで、だいたい無音なのがなんだか寂しい。せっかく各英雄をテーマに分けられた地域があるので、地域ごとのフィールド楽曲などはあるとよかった。バディとの、静かな旅を楽しんでほしいのかなと感じていた。また、戦闘の効果音などがイマイチな印象で、たとえばフィニッシュアクションである特殊攻撃は画面の割には音に迫力がなく、爽快感に欠けるなと思っていたのが正直なところ。
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状態異常のわかりにくさはものすごく残っているが、テキストで確認はできるようになっている。
 ほんの少しだけ古めかしい部分も残っているが、全体的にはライトな死にゲーながらに、ここぞというときにはガッツリ骨太な戦いが楽しめる、そんなアクションRPGになっているのが本作だ。

 大きな見どころはやはりドラマの部分で、ストーリーについてはものすごいボリュームになっているほか、単純にRPG作品でもここまでの規模はやらないだろう、みたいな分岐が採用されている。

 キャラクター性の強さ、ストーリー展開、骨太なバトルなど、さまざまな要素が高品質に構築されたタイトルだが、気になる人はぜひご購入を。迷われている人は、まずキャラクタークリエイト&フォトモードが楽しめる体験版が配信されている。製品版に引継ぎ可能なので、いったん主人公を作ってみてはいかがだろうか。
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