コーエーテクモゲームスより2025年1月17日に発売された『真・三國無双 ORIGINS』。対応ハードは、プレイステーション5(PS5)、Xbox Series X|S、PC(Steam)で、2026年1月22日にはNintendo Switch 2版が発売予定だ。
2026年1月22日には大型ダウンロードコンテンツ(DLC)“夢幻の四英傑”も発売されることもあり、発売に先駆けて開発陣へのインタビューをお届けする。本DLCがどのような経緯で開発されることになったのか、なぜこの四名を主役にしたのかなど、詳しいお話をお聞きした。
また最後には続編の想定や、発売を控える『真・三國無双2 with 猛将伝 Remastered』についても少しだけ聞くことができた。
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庄 知彦 氏(しょう ともひこ )
『真・三國無双 ORIGINS』プロデューサー(文中は庄)。
緒方高明 氏(おがた たかあき)
『真・三國無双 ORIGINS』DLC ディレクター(文中は緒方)。
ファンと開発の気持ちが一致した追加コンテンツ
――発売を迎えるお気持ちをお聞かせください。
庄
個人的には“作りたいな”と思っていましたが、当初DLCを制作する計画はなく、まずは本編をしっかりヒットさせることを考えていました。おかげさまで多くの方々に遊んでいただき、今回のDLCにつなげることができたのでよかったです。
緒方
私は本編の開発にもシナリオ面やRPG面で関わっていましたが、本編がご好評いただけたこともあり、DLCの開発は正直プレッシャーがありました。ただ結果としていい内容に仕上げることができたので、ぜひユーザーの皆様に楽しんでいただきたいです。
――本DLCは、本編の好評を受けて開発がスタートしたんですよね。実際に本編を発売してからの反響は、どう受け止めていたのでしょうか?
庄
ヒットを飛ばせたのも「計算通りです」と、諸葛亮のように言いたいのですが、実際は予想以上と言いますか(笑)。新たな『真・三國無双』を作る、といった目標を掲げて取り組んできましたが、発売前はファンの皆さんだけでなく、開発チーム内でも不安の声が挙がっていたのは事実です。ですが発売を迎えてからは、すごくポジティブな意見をたくさんいただけたので、とても感謝しています。
――Switch 2版も発売されますが、こちらも好評の結果なのでしょうか。
庄
ハードスペックの違いがあるので、本当に実現できるのかどうか、といった技術研究はじつは水面下で進めていました。本格的に動き出したのは、本編がしっかりと皆さんに受け入れてもらえてからになります。Switch 2版でも登場する兵士の数は変わらずに遊べるので、圧倒的戦場の臨場感をしっかり楽しめます。そこはご安心ください。
――ちなみにSwitch 2版の出来栄えはいかがでしょうか。携帯モードでも、あの兵士数が表現されていますか?
庄
はい、兵士数は減らしていません。Switch 2版は、他機種と同じ兵士数を維持して30FPS以上で安定して動かすことを目標にして制作しました。兵士数を減らして60FPSを目指すといった方向性も検討しましたが、本作の特徴のひとつが、圧倒的大軍団との戦いです。ゲーム体験が損なわれない形で安定性を取りました。偉そうに語っていますが、プログラマーたちががんばってくれたおかげです(笑)。
緒方
実際に動いているのを見たときには感動しました。携帯モードの小さな画面の中で、『真・三國無双 ORIGINS』の圧倒的な兵士数が表現されていて。皆さんもきっと驚かれるんじゃないでしょうか。
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――ぜひ見てみたいです! DLCではディレクターを緒方さんが務めていますが、スタッフ体制はある程度、本編から引き続きの担当になっているのでしょうか。
庄
全員ではないですが、だいたいは引き続き担当しています。ただ、体制としては少し変えていて、たとえば緒方はシナリオ・RPG部分のスタッフでしたが、今回ディレクターをやってもらいました。
そのほかにも本編でしっかり関わっていたスタッフを上の役職に引き上げて担当してもらっています。このあたりは将来を見据えてと言いますか、ω-Forceブランド長としての采配かもしれません。「将来って何?」と聞かれると具体的には答えられませんが(笑)。
――気になります(笑)。ではDLCの内容についてお聞かせください。本編をクリアーしていなくても遊べるようになっているんですよね。
緒方
本編1章を終わらせていれば、まず張角編が楽しめます。張角編をクリアーすることに加えて、本編の章を進行していくと、ほかの英傑たちの物語が順次、解放されていきます。ですので、本編をクリアーしている人はすぐに遊べますし、いまから遊び始める人も比較的早い段階で触れられます。
本編が途中で止まっている、1 ルートだけの達成で終えているなど、さまざまなプレイヤー層がいると考えて、できるだけ多くの方々がすぐに触れられるようにしました。そのために、主人公のレベルに合わせてDLCの戦闘の推奨レベルも変動するようにしたんです。もちろんゲーム自体の難易度設定も反映されます。
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――なるほど。メインは4人の英傑たちの物語ですよね。主役となる英傑を、張角・董卓・袁紹・呂布に決めた理由や狙いはありますか?
庄
発売前から、もし“DLCを作るなら?”といった話はよくしていて、やはり王道的な作りとして3勢力以外の外伝的ストーリーを体験したいという声が多く届いていて、チームからも同様の声が挙がっていました。そのうえで、発売後に皆さんから「なぜ張角と歩めないんだ!」、「董卓も選びたかった!」といった声をたくさんいただきまして。やはり作るのであればそこだよねということで、内容は緒方くんを中心に考えてもらいました。
緒方
今回選んだ4人は、これまでのシリーズタイトルから意図的に描きかたを変えた者たちです。とくに、張角・董卓は人物設定から大きく違います。悪役然とした悪役ではなく、信念を持った英傑としてその生き様を描くというコンセプトのもとに制作されています。
袁紹・呂布も設定は大きく変わらないですが、英傑として“カッコイイ”と思ってもらえるようにじつは調整しています。この描きかたは本編の核になったと思っていまして、英傑としてしっかり魅力的な人物に描けた部分がプレイヤーの皆さんにも刺さったと感じています。その魅力をより深掘りするためにどうすればいいのかを柱にして、語られるストーリーなどを考えていきました。
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――ifの物語というところで、具体的にはどんなビジョンで構築したのでしょうか。
緒方
4人のもとに主人公がいた展開を考えたときに、現実的に彼らはどうなるだろうかということを考えました。万事がうまくいき“天下の覇者となる”という描きかたもあるとは思うのですが、そうではなく、彼らなりに必死に生きた結果どういう結末を迎えただろうか。そういうリアルな描きかたのほうが本作のファン層には受け入れられると思ったんです。
描きかたにバリエーションはありますが、そこは本編と変わらずに英傑たちの“生きざま”を現実的に描くことを心掛けました。
――そんな物語のなかで随行武将も新たに貂蝉・朱和・謎の武芸者が選べます。この3名にした理由を教えてください。
庄
大人の都合です、というのは冗談として、本作で目指す内容や今後の展開を考えたときに3人が適切だと考えました。個人的には、謎の武芸者を含めて3人ともおじさんやお爺さんの随行武将にしたかったです。ただ、開発チームからは貂蝉・朱和は絶対に入れたいと声がありまして。まあそうだよねと思いつつ、この3人になりました(笑)。
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緒方
どうしても謎の武芸者を入れたいという話も受けつつ、制作できる数の限界が決まっている中、選ぶべき英傑は誰かと考えると特殊な立ち位置の英傑ならば納得感があるだろうと考えました。
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――具体的にはどのような?
緒方
まず朱和は主人公を語るうえで外せない人物です。ファンからも使ってみたいという声が多かったですし、DLCの物語では朱和がもう少し物語の前面で活躍するシーンも描きたかったので、自然と随行武将に決まりました。
貂蝉も主人公と通ずるところがあり、外せない人物だと考えていました。また、ふたりとも武芸に長けている人物であることがわかっているので、それが実際にアクションとして操作できるのも魅力になると思いました。
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――物語を拡張する方向性として、曹操・孫堅・劉備の3陣営にいる武将たちの物語を増やす、または新たな武将を登場させる、といった選択肢もあるかと思います。そこは最初から考えていなかったのでしょうか。
庄
本編で随行武将に選ばれなかった3陣営の誰かを随行武将にする、といった手もあるかとは思います。
ですが、曹操・孫堅・劉備の3陣営からひとりずつ随行武将が増える、みたいな形ですと今回の追加コンテンツとしての広がりやおもしろさにつながらないだろうと考えて、選択肢から外しました。
ただ、本編に登場していないこれまでのナンバリングタイトルに登場したキャラクターを、何かしらの方法で登場させたいな、とも思っていました。
なので、今回のDLCでは「大喬や小喬といったキャラクターを出そうかな……?」みたいなこともじつはこっそり検討したのですが、本作の全体像や世界観、バランスを考えてそういった方向性はやめることにしました。
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――本作は“タクティカルアクション”であることも重視されています。その結果、DLCの新要素として“軍略”パートが採用されたのでしょうか。
緒方
本編だけでもバトルの体験は完成度が高いと思っています。あの興奮をもう一度味わっていただきたい、というベースはありつつ、少しだけでも新鮮な気分で遊んでほしくて取り入れたパートです。さまざまな効果を軍略でのみ使用できる“秘策”にまとめています。
秘策を使って戦場に自分からアプローチすることで、自らを強化したり、大量の投石ができたりと戦場に大きな変化を起こせます。秘策をいかにうまく使って勝つか、という部分に新鮮味があるので、ぜひ楽しんでいただきたいです。
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――さらに新武器の弓・縄鏢が追加されます。この2種を登場させた理由を教えてください。
庄
随行武将が増えるので、だったらその武将に合った新武器もほしいよね、といった考えで追加しました。もちろんアクションゲームとして新しい武器種を入れるべきだろう、とも考えていました。弓に関しては、私たっての希望で追加してもらいました。ただ、最初はアクション担当のスタッフから遠距離武器の追加に難色を示されていましたね。近接戦闘がしにくくなるので。
ですが、「弓の先端に刃を付けた、特殊な弓にしたらどう?」と説得したところ、それならばということで最終的にかなりおもしろい武器に仕上げてくれました。
緒方
とはいえ弓は、ある程度皆さんが想像できるような武器ではあります。逆に縄鏢については弓とは違う武器にしたかったことと、中国武術のような動きをより取り入れたいという考えがあり、ややテクニカルな武器としてデザインしました。オーソドックスな動きもできますし、暗殺者のように飛び回ることができるトリッキーさもあるのでそこが貂蝉にもマッチするだろうと。
庄
ちなみに境地レベル(主人公のレベル)は本編だけだと101レベルが上限ですが、今回145レベルまで上がります。新武器があるということは、主人公のレベル上限も上がります。たとえば本編には隠し要素がいくつかありますが、そのバトルにどうしても勝てないといったときには今回のDLCで解放された育成要素を駆使してみると、少し楽に攻略できるかもしれません。
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――さらに、既存の武器にも新武芸が追加されています。武器を追加しつつも、やはり既存の武器が使いたい人もいると思うので、そこを拡張したのでしょうか。
緒方
DLCを遊んでいただくうえで、もちろん制作側としては新武器を使ってほしい気持ちはあります。ただ、本作は武器種がたくさんあり、使い分けながら戦って育成したり、自分の好きなものをとことん使い込んだりするプレイスタイルがあります。
自由に武器を使っていただく部分は残しながらも、そのままの形だと物足りないですよね。既存武器も伸ばす余地として、武芸などを追加しています。
――武器の解放タイミングについても教えてください。
緒方
弓については張角編を遊ぶと解放され、縄鏢は袁紹・呂布編いずれかを終盤まで進めると解放されます。武器が序盤からたくさん解放できてしまうと、本編のバトルバランスに関わってしまうので縄鏢だけは遅めになっています。ただ、弓についてはすぐ使えるので、いままでより少し序盤が楽になるかもしれません。
――ありがとうございます。もうひとつ、新たに“鍛錬場”というバトルコンテンツが追加されますが、なぜ登場させたのでしょうか。
緒方
本編では、さまざまな武将たちと熱いバトルを楽しめましたよね。たとえば、呂布戦などです。呂布はストーリーに絡みますが、物語に関わらない形でチャレンジできる難しいバトルがあると遊びたい、というファンの声も多かったので取り入れました。
とはいえ全部が難しいわけではなく、鍛錬場のほとんどは比較的達成しやすい難度です。レベル101以降に挑める“試練”には、いくつか高難度バトルを用意しています。武将たちとの一騎打ち系が多いのですが、ものすごい大軍勢と戦えるバトルもあるので、ぜひやり込んでみてください。
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――発売当時も「今回の呂布はすごいですね」といったお話はお聞きしていましたが、実際発売後の反響はいかがでしたか?
庄
“シリーズ最強の呂布を作る”といった目標を掲げていたので、想定通りのものを達成できてよかったなと思っていますし、楽しんでいただけた印象です。もちろんこれまでのシリーズ作品も最強の呂布を目指していたのですが、発売後にすぐ倒されてしまうことも多くて。今回、ようやく有言実行できたのかなと。
ストーリー進行に呂布戦がありますが「呂布戦のせいで進めない」みたいな声はほぼなくて、どちらかうというと先ほどお伝えした、隠し要素などに呂布が絡む部分で「倒せない」といった声をいただくことが多かったです。そこを今回、成長要素などで少し緩和できたのかなと思います。
ですが、最終的にやり込まれている方々には、呂布も簡単に撃破されるようになってしまって。そういった方々がまた燃えるような、チャレンジングな場面も今回あるかもしれませんね。
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続編やリマスター作品について
――やはりDLCも発売されるとなると、続編ないし続きの物語について、期待を寄せる声も多くなるのかなと思いますが……?
庄
今回のDLCもそうなのですが、やはり実際に作るとなると超えなければならないハードルがいくつもあります。『真・三國無双』シリーズがもつ唯一無二のゲーム性をさらに磨いていきたいですし、新たに取り組みたいこと、取り組むべきこともいっぱいあります。
――構想などはすでにあると以前お聞きしましたよね。
庄
発売当時のインタビューと同じ話になりますが、もともと本作は赤壁の戦いまでを描いて、もし次回作があるのならば五丈原の戦いまで描く2部構成で考えていました。しかし開発が終わってみると、想像以上の密度で赤壁の戦いまでを描くゲームになりました。
となると、次回作でこの密度を保ったまま五丈原の戦いまで描くのは無理だな、と(苦笑)。ですので開発の途中から、やるなら3部構成になるだろうと考えるようになりました。それらを実現するためにプロデューサーとして言えるのは……。今回のDLCをぜひ買ってほしいですし、もっと多くの方々に本編を遊んでいただきたいということです(笑)。ですので、引き続き応援をよろしくお願いいたします!
――いちファンとしても期待しています! とはいえ続編よりも先に、まずは2026年3月19日発売予定の『真・三國無双2 with 猛将伝 Remastered』がありますね。
庄
まだ情報公開が少ないですが鋭意制作中です。まさに今回のDLCチームの横で開発していますね。いま『真・三國無双2』を遊んでいただくのであればどうなるだろうか? ということをテーマにした作品です。私はプロデューサーですが、オリジナルの『真・三國無双2』のゲームデザイナーでもあるので、いまの方々に受け入れてもらえるのかドキドキしています。
当時のファンの方々はもちろんのこと、『真・三國無双 ORIGINS』などから始めてシリーズ作品に触れてもらった方々にも楽しんでもらえる作品を目指しています。ただ、『真・三國無双2』は純粋なアクションゲームとしての面が強く、個々の武将の視点から戦場を駆け抜けていくタイトルなので、『真・三國無双 ORIGINS』と同じような体験にはなりません。そこがどう受け止められるのかは楽しみでもあり不安でもあります。
ちなみに、すでに公開されたトレイラーなどには『真・三國無双 ORIGINS』が感じられる部分もあるかもしれませんね?
――では最後に、読者の方々へメッセージをお願いします。
緒方
本作のファンの方々には絶対に楽しんでいただけるものになったと思いますし、DLCを求めてくださった方々の期待を裏切らないように、丁寧に作りました。ぜひ楽しんでいただきたいです。
庄
『真・三國無双 ORIGINS』を立ち上げたときディレクターの関口(和敏氏)にお願いしたのは、張角や董卓など、いままではただ敵キャラクターとして描いていた者たちに、しっかりと英傑としての魅力を持たせることでした。それが多くの方々に受け入れてもらえたので今回のDLCが生まれました。さらに、タクティカルアクションとしても今回もっと楽しめるものになっています。ぜひ遊んでいただいて続編につなげていただきたいです!
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