『ヴイアライヴ』定点観測-103:ヴイアラ初となるオールジャンル歌枠リレー! アニソンから昭和歌謡、ネット文化を彩った名曲に最新ナンバーまで個性が感じられるセットリスト

『ヴイアライヴ』定点観測-103:ヴイアラ初となるオールジャンル歌枠リレー! アニソンから昭和歌謡、ネット文化を彩った名曲に最新ナンバーまで個性が感じられるセットリスト
 『ヴイアライヴ』定点観測では、『アイドルマスター』シリーズ発のライバーアイドルプロジェクト、『ヴイアライヴ』に所属する灯里愛夏さん(以下、愛夏さん)、上水流宇宙さん(以下、宇宙さん)、サラ・レトラ・オリヴェイラ・ウタガワさん(以下、レトラさん)の活動を記録していきます。
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オールジャンルがテーマの歌枠でアイドルたちの個性を存分に楽しむ

 2026年最初となる定点観測は、昨年末に行われたアイドルたちの歌枠リレーについて取り上げていきたい。年末も差し迫ったタイミングでの企画ゆえ、本稿の公開が少々遅れてしまった点はご容赦願いたい。

 さて、歌枠についてはこれまでにもさまざまなテーマで行われてきたが、今回はそれぞれが自由に選曲できるオールジャンル。縛りが一切なく、アイドルたちが己の感性でセットリストを組むというヴイアライヴ初の試みだ。これまでとは一味違った選曲により、彼女たちの個性が全開となった内容を紹介していこう。

 トップバッターの灯里愛夏さんの1曲目を飾ったのは、アニメ
『美少女戦士セーラームーン』の名曲『ムーンライト伝説』だ。いつもより艶っぽく切ない歌声に、大きな月が浮かぶ背景が相まって情感たっぷりの幕開けとなった。

 最初に選んだだけあって作品への思い入れは相当なようで、歌唱後には好きなセーラー戦士やミュージカル版の観劇体験など、オタク全開のハイテンションなトークをくり広げた。

 続いて披露されたのは、なんと昭和歌謡コーナー。薬師丸ひろ子さんの
『セーラー服と機関銃』、そして石川ひとみさんの『まちぶせ』という80年代初頭の楽曲をチョイスした。画面にはあえてピンボケしたようなエフェクトをかけ、昭和の歌番組のような演出で時代感を強調する。幼少期にレコードで聴き、曾祖母とともに歌謡ショーも観ていたということで、思い出深いジャンルのようだ。「これだけは言わせて!」と、映画『セーラー服と機関銃』の有名な台詞から、「快感……」とエコー付きで決めると、コメント欄は大きな盛り上がりを見せた。

 さらにアイドルグループ・CANDY TUNEの
『倍倍FIGHT!』、テレビアニメ『おジャ魔女どれみ』の『おジャ魔女カーニバル!!』と続く。『倍倍FIGHT!』を手掛けた玉屋2060%氏は、ヴイアライヴの楽曲『まだ見ぬ明日』の制作も担当している縁もあって選ばれた1曲。また『おジャ魔女どれみ』については、好きなキャラとフィギュアも持っているという作品への深い愛を熱く語っていた。

 そしてラストを飾ったのは映画
『君の名は。』から『なんでもないや』。RADWIMPSの楽曲だが、愛夏さんの歌唱は同作で声優を務めた上白石萌音さんのカバー版を彷彿とさせるもので、包み込むようなやさしく温かい歌声とともに最初の枠を締めくくった。

 2番手を務める上水流宇宙さんの1曲目は、
『涼宮ハルヒの憂鬱』より『ハレ晴レユカイ』。放送当時のダンスアニメーションで話題となった名曲のイントロが流れると、コメント欄は即座に絶賛の嵐となった。

 当日は12月25日ということで、まずは「メリークリスマス!」と挨拶をしつつ自己紹介。今回の歌枠のテーマは「そうだ! 平成に行こう!」であると発表し、2000年代から2010年代のネットシーンを中心に知名度を築いた選曲となっている。

 2曲目は
『らき☆すた』の『もってけ!セーラーふく』、3曲目は『東方Project』の楽曲をアレンジした『チルノのパーフェクトさんすう教室』をハイテンションに歌いこなす。1曲目を含め、かつてニコニコ動画で一世を風靡したナンバーが揃い、視聴者からも「ニコニコしてきた」と当時を知るプロデューサーたちの熱いコメントが並ぶ。宇宙さんも「なんでコメントが横に流れないんですかね?」と、ニコニコ動画の仕様を意識した発言で笑いを誘った。

 ここからはアイドルらしい曲を、と選んだのはアニメ
『プリパラ』の『ドリームパレード』だ。かわいい歌声にコメント欄もペンライトのスタンプで一体感を見せていたが、つぎに選ばれたのはアニメ『きらりん☆レボリューション』の『バラライカ』だ。同曲はニコニコ動画で替え歌が流行ってしまい、ミーム化した歴史があり、「やっぱりニコニコじゃないか!」とプロデューサーから総ツッコミ。しかし、宇宙さんが「アイドル(楽曲)ですよね?」と確信犯的な口調で語りかけると、プロデューサーたちが圧に負けたかのように「そ、そうだね……」や、「お、そうだな」と返答する一幕があり、このやり取りも実にネット文化らしい一場面だ。

 ラストは
『ラブライブ!』から『START:DASH!!』。2023年末に行われた『アイドルマスター』シリーズと『ラブライブ!』シリーズの合同イベント、“異次元フェス”に際して記念歌枠も行われたが、2年越しにアイドルとなってこれを回収するというエモい展開となった。

 トリを担当したレトラさんは、VTuberユニット・HIMEHINAの
『V』からスタート。2025年リリースの最新ナンバーを、持ち前の歌唱力で力強く歌い上げる。ユニット曲という難易の高い1曲を余裕で歌いこなす様子は、さすがヴイアライヴの歌唱担当である。

 昨年から“歌ってみた”動画を定期的に公開している彼女だが、今回は自身だけでなくスタッフのリクエストも交えた選曲になっているという。おそらく、動画のほうでも好きな楽曲をチョイスしているため、今回は一味違った選曲にしたかったのだと推察する。

 2曲目は乃紫さんの
『初恋キラー』、3曲目はAKASAKIさんの『Bunny Girl』を披露。かわいらしくもエッジの効いた歌声から、低音を活かしたクールボイスまで幅広い表現力でプロデューサーたちを魅了した。どちらもSNSで話題をさらっている若手アーティストの楽曲であり、シンガープロジェクトを進めている彼女との親和性の高さが伺える。

 続いてボカロP・wotaku氏による難曲
『snooze』を披露。ハイトーンの歌声と高速なワード展開を見事に両立させる。この曲は宇宙さんのお気に入りだそうで、レトラさんが歌うと決まった際には、宇宙さんから事前に歌いかたや早口パートのディレクションがあったというエピソードも明かされた。

 5曲目は、弌誠さんによるゲーム
『ゼンレスゾーンゼロ』のエレン・ジョーのイメージソング、『モエチャッカファイア』。SNSでの発言から紆余曲折を経てメイド衣装での配信を行ったレトラさんには、まさにピッタリの1曲だ。原曲のイメージを踏襲した気だるげな歌いかたを見事に再現してみせた。
レトラさんのメイド衣装の経緯はこちらで取り上げている。

 そして最後を飾ったのはAdoさんの
『ギラギラ』。本家の特徴的な“がなり”を踏襲したパワフルな歌声はインパクト抜群で、最高潮の盛り上がりの中で歌枠リレーは終了した。

 今回は初のフリー選曲であったが、それゆえにアイドルたちの趣味嗜好が存分に感じられる内容となった。愛夏さんの昭和歌謡から、平成のネット文化を彩った宇宙さんのセットリストに、レトラさんの令和最新ナンバーまで、期せずして時代の流れを楽しめる構成になったのも興味深い。

 それぞれの得意ジャンルや守備範囲が改めて可視化され、個人的にはプロデューサーからのリクエスト形式によるカバー企画なども、ぜひやって欲しいと思う歌枠リレーだった。
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