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【若干ネタバレ要注意】ヨコオタロウ氏原作・脚本の舞台『爆剣 -新選組疑剣斬-』が開幕。死の輪廻に囚われた幕末の剣士たちが対峙するのは麗しき西郷隆盛に源頼朝!?【拒絶の肉】

by杉原貴宏

更新
【若干ネタバレ要注意】ヨコオタロウ氏原作・脚本の舞台『爆剣 -新選組疑剣斬-』が開幕。死の輪廻に囚われた幕末の剣士たちが対峙するのは麗しき西郷隆盛に源頼朝!?【拒絶の肉】
 ヒートテックがありがたくなってくるこの季節、舞台『爆剣』の新作が東京・渋谷の劇場・CBGKシブゲキ!!で上演される時期がやってきた。舞台『爆剣』シリーズはヨコオタロウ氏が原作・脚本を手掛ける舞台作品で、今回で5作目(再演を入れると6作目)となる。
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 今年は『爆剣 -新選組疑剣斬-』と題され、かの有名な近藤勇(松原 凛さん)、土方歳三(谷水 力さん)、沖田総司(工藤大夢さん)、斎藤一(森田晋平さん)といった幕末の剣士たちの活躍が描かれる……のけれど、そこはふつうじゃないヨコオワールド。まずは対峙するのが高畑結希さん演じる西郷隆盛って……イメージと違いすぎる!
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『爆剣』シリーズの語り部的存在であり、縁の下の力持ち的存在であり、飄々としてお気楽な雰囲気作り担当ともいえる鬼一法眼(雛形羽衣さん)
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新選組副長の土方歳三(谷水 力さん)。ともに京にのぼった近藤、沖田とは絆も深い。
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新選組局長の近藤勇(松原 凛さん)。試衛館の師範で土方、沖田とは長い付き合い。心根が優しく仲間思い。そして筋肉。
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新選組の天才剣士・沖田総司(工藤大夢さん)。近藤や土方を家族のように思っている。
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剣一筋で生きてきた新選組隊士・斎藤一(森田晋平さん)。
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薩摩藩軍勢を率いる総大将・西郷隆盛(高畑結希さん)。
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 さまざまな時代を描く『爆剣』シリーズに毎回登場する謎多き鬼一法眼(雛形羽衣さん)はもちろん、源頼朝(千葉瑞己さん)や義経(木村優良さん)、弁慶(沖野晃司さん)、安倍晴明(松田彩希さん)といった『爆劔~源平最終決戦~』(2023年上演)の面々、さらに武器弾薬に精通する雑賀孫市(本西彩希帆さん)も加わってカオス、狂気な展開になる、と思いきや。あれ、そこまでドロドロじゃない!? むしろ切ない、儚い。ほっこり笑えるシーンも多数で、登場人物、みんないい人!?(い、いや、まさかそんな)。といったヨコオワールドの新境地も見せてくれる傑作でした。
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鎌倉幕府を立ち上げた源氏の棟梁・源頼朝(千葉瑞己さん)。ふつうの食べ物を口にすることができず、人肉を喰らう性質を持つ。西郷隆盛の呪いの力によって義経や弁慶らとともに幕末に転生。
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源頼朝の弟で剣の達人の源義経(木村優良さん)。兄頼朝のことを尊敬しているが、受け入れられない部分もあり……。
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義経の護衛であり、最強の僧兵の弁慶(沖野晃司さん)。見た目通りの豪快でちょっぴり……な性格。
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平安時代に生きていた天才陰陽師・安倍晴明(松田彩希さん)。同時代に生きていた源頼朝が幕末に転生していることを知り、その暴走を食い止めるために幕末にやってくる
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武器弾薬に精通する“雑賀衆”頭目・雑賀孫市(本西彩希帆さん)。雑賀衆は昔から代々“孫一”を名乗っており、それらはほとんど同じ見た目の人物であることが知られている。
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 本稿では、そんな『爆剣 -新選組疑剣斬-』のゲネプロの模様を写真中心にお届けします。なお、ネタバレには配慮していますが、気にされる方は観劇してからご覧ください。

死の輪廻に囚われた新選組。そこから抜け出すには……

 幕府軍に属する新選組は、薩摩長州をはじめとする倒幕派との戦いをくり広げていた。

 その戦争の(戊辰戦争)の最初の戦いとなったのは1868年1月3日の鳥羽・伏見の戦い。新選組の土方歳三は、その鳥羽・伏見の戦いで近藤勇や沖田総司、斎藤一といった剣豪揃いの新選組が西郷隆盛が率いる薩摩軍に全滅させられる未来を見る。

 その悲劇を何とか回避しようと画策する土方だったが、やはり全滅し、数日前の世界に戻させる。その後、何度もその未来に抗おうとしても結末は同じ。それも当然、西郷隆盛の側には時空を超えてやって来ていた源頼朝、源義経、弁慶が新選組の前に立ちはだかっていたのだ。

 死の輪廻……それに抗う、未来を変えるには、西郷隆盛を倒すしかない――。

 新選組に『爆剣』ではおなじみの何百年以上を生きている謎多き茶屋の女将・鬼一法眼、武器弾薬に精通する雑賀孫市、さらに源頼朝たちを追ってきた陰陽師の安倍晴明も加わり、出口の見えない輪廻の戦いにようやく一筋の光が見えてくる。

 だが、やがて物語は以外な方向に進んでいく……。
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美味しいものを食べると笑顔に! みんなが仲好しな世界線も(グルメパート)

 『爆剣』は舞台の合間のグルメパートがお約束となっており、ゲネプロでは“おかずたっぷり松阪牛しぐれ弁当”の食レポが。ここはアドリブパートになっているため、キャスト陣が演技では見せない素の表情や反応を楽しむことができる。緊張感ある物語の中で、こういう緩急はほっこり。
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演出の松多壱岱氏が避けていた『NieR:Automata』の楽曲が解禁

 本舞台の演出を手掛けるのは、ヨコオタロウ氏の舞台作品のほぼすべての演出を手掛け、同氏の舞台を知り尽くす松多壱岱氏。

 そんな松多氏が『爆剣 -新選組疑剣斬-』では『
NieR:Automata』の楽曲を解禁! というのも、これまで『爆剣』では『Voice of Card』シリーズを始めとしたヨコオ作品の楽曲が使用されていたが、『NieR:Automata』の楽曲は同作のイメージが強すぎるため、使用は避けていたという。だが、今回は「『NieR:Automata』の音楽と互角、いやそれ以上の“強い”舞台ができた」手応えを感じ、『NieR:Automata』の楽曲を使用することにしたという。

 和で過去を描く『爆剣』に、遠い未来を描く『NieR:Automata』の音楽が絶妙にマッチ。同作をプレイした人なら、音楽の出だしを聴いただけで「ここが正念場!」と観ているこちらも身構えてしまうほどの鳥肌モノのシーンや、思わず涙腺が緩んでしまうようなシリアスな展開もあり、もはやパブロフの犬状態に陥りかねないくらい、『NieR:Automata』の音楽の効果は絶大。
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公演はチケットは一部公演は完売。ニコ生では12月7日の生配信も

 『爆剣 -新選組疑剣斬-』の上演期間は2025年12月4日(木)から8日(月)まで。一部公演はすでに完売しているようなので、気になっている人はお早めに。また、渋谷まで行けないという方は、12月7日(日)の舞台がニコニコ生放送で生配信されるのでそちらをどうぞ(詳細は⇒こちら)。

 昨年
『爆剣 -帝国幻想兵団-』のゲネプロリポートで最高峰のデキ、と書いたのですが、今回はそれを超える出来栄え。いつも同行するカメラマンもそう言う感想だったので間違いない! 物語自体は独立していて、過去の『爆剣』を知らなくても大丈夫なので、まだ未体験の人はぜひ一度、観劇していただければ。
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上半身から湯気が出そうな演者たちの熱演を感じられるのは現地がいちばん。
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ブロマイドやアクスタなどグッズも豊富。

会場

CBGKシブゲキ!!
東京都渋谷区道玄坂2-29-5 ザ・プライム 6階

出演

  • 土方 歳三:谷水 力
  • 西郷 隆盛:高畑 結希
  • 沖田 総司:工藤 大夢
  • 斎藤 一:森田 晋平
  • 近藤 勇:松原 凛
  • 鬼一 法眼:雛形 羽衣
  • 源 頼朝:千葉 瑞己
  • 安倍 晴明:松田 彩希
  • 源 義経:木村 優良
  • 雑賀 孫市:本西彩希帆
  • 弁慶:沖野 晃司

アンサンブルキャスト

スタッフ

  • 原作・脚本:ヨコオタロウ
  • 演出:松多 壱岱
  • 製作:ILCA

公演スケジュール

  • 2025年12月4日(木) 13:00 / 18:00
  • 2025年12月5日(金) 13:00 / 18:00
  • 2025年12月6日(土) 12:00 / 17:00
  • 2025年12月7日(日) 12:00 / 17:00
  • 2025年12月8日(月) 14:00

(写真:永山亘)
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