ロゴジャック広告

『FF14』パッチ7.4吉田直樹P/Dインタビュー。グラシャラボラス討滅戦は“ロジック系のバトル”に。つぎの“絶”はパッチ7.5xでのリリースに向けて開発中

『FF14』パッチ7.4吉田直樹P/Dインタビュー。グラシャラボラス討滅戦は“ロジック系のバトル”に。つぎの“絶”はパッチ7.5xでのリリースに向けて開発中
 オンラインRPG『ファイナルファンタジーXIV』(FFXIV)の最新大型アップデートとなるパッチ7.4“霧の中の理想郷(アルカディア)”が、2025年12月16日に公開される。

 パッチ7.4シリーズでは、新たなメインクエストをはじめ、レイド“至天の座アルカディア”の第3弾であり最終章となる“ヘビー級”が実装。ほかにも、“グラシャラボラス”と戦う討滅戦、ポップなタッチで描かれた本の中の世界を冒険するヴァリアントダンジョン“商客物語”など、さまざまなコンテンツが公開予定だ。

 今回のインタビューではそのパッチ7.4について、『
FFXIV』プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏に注目ポイントをうかがった。前回のインタビュー公開時にもSNS上で大きな反応があった新たな“絶”コンテンツへの言及もされているので、ぜひ刮目してほしい。
広告
※インタビューは2025年11月中旬に実施したものです。

吉田直樹 氏よしだ なおき

スクウェア・エニックス執行役員 クリエイティブスタジオ3 スタジオヘッド。2010年12月に『ファイナルファンタジーXIV』のプロデューサー兼ディレクターに就任。『ファイナルファンタジーXVI』のプロデューサーも兼任している。文中は吉田。

7.4の物語は怒涛の展開が待つパッチ7.5xへの橋渡し的な役割に

――まず、パッチ7.4のタイトル“霧の中の理想郷(アルカディア)”とパッチアートのコンセプトをお聞かせください。

吉田
 パッチアートは、シナリオチームが出してくれたアイデアから詰めていったのですが、今回はレイド“至天の座アルカディア”シリーズが完結するということで、「世界の有名プロレスの最終決戦ポスターのようなイメージがいいのではないか」と話し合って決めていきました。もちろん、描くキャラクターが多いとそのぶんアーティストの作業がたいへんになってしまうのですが、今回のアートを手掛けた茂木(茂木雄介氏。『FFXIV』リードアーティスト)にとっても好きなノリだったようで、快く引き受けてくれました。

 あとは、今年1年、世界中のさまざまなゲーム・アニメイベントに参加させていただきましたが、その会場で “至天の座アルカディア”に登場する闘士のコスプレをされている方がすごく多かったことも影響しているかもしれません。そういった理由もあって7.4のアートでは、アルカディアの闘士たちにスポットを当てたものにしようと考えました。
[IMAGE]
―― “霧の中の理想郷(アルカディア)”というパッチタイトル(※)にも、アルカディアという名称が入っていますよね。
※英語タイトルは“INTO THE MIST”。
吉田
 パッチタイトルに関しては、“ミスト”、“霧”というワードを使うことは早い段階から決めていました。さらにアルカディア、日本語で言う理想郷という言葉が、ダブルミーニング的なワードになっています。実際にプレイしていただくまではわからないとは思いますが、メインクエストとレイドのストーリーをコンプリートした後に改めて見ると、その両方になじむタイトルになっているかと思います。

――つぎなる展開に向けての新しい第一歩が始まるであろうメインストーリーについても、 “理想郷”というワードが関わる形になるのですね。

吉田
 つぎの展開に向けての物語が本格的に始まるのはパッチ7.5からになりますので、今回のパッチ7.4はそこまでの物語をつなぐ橋のような役割を担っているというイメージです。『黄金のレガシー』は“光の戦士の夏休み”というテーマでしたが、その夏休みが終わり、最後の宿題に取り掛かって「さあ新学期が始まるぞ!」という感じでしょうか。ちょうど昨日の夜中にメインクエストの全チェックとフィードバックが終わったのですが、演出も含めて、非常にまとまりのあるものになったと思っています。

 ふり返ると、『旧FFXIV』では賢人と呼ばれるキャラクターが出てきて、プレイヤーは傍観者的な立ち位置でした。そして新生するにあたって、改めてプレイヤーの皆さん自身が主人公となる物語を作り、その視点を強く見せるために2.xのラストで暁のメンバーをバラバラにするというシナリオを描いてきました。その後はメインクエストで彼らがまた集結するさまを描き、『漆黒のヴィランズ』からコンテンツサポーターという仕組みを取り入れ、『暁月のフィナーレ』までで、彼らの人生の前半部分はきれいに描けたかなと思っています。ただそのいっぽうで、まだひとり、しっかりと描き切れていないキャラクターがいるなと感じていたのです。

 その点をある程度今回の中心軸にしながら、つぎの物語への橋渡しをするというのが、パッチ7.4のメインストーリーのテーマになっています。7.4の物語の終盤になれば、いよいよ「“鍵”とは何なのか?」に関する話や、その先に続く星や世界の話がいよいよ始まった!……というところで終わるのではないでしょうか。
[IMAGE]
――7.4で本格的に始まるのではなく、今回は「始まった!」と感じるところで終わると。

吉田
 その代わり、パッチ7.5xのメインストーリーは怒涛の展開になっています。前回の6.xシリーズは、第十三世界とゼロの物語をキレイに描き切るためにかなりの尺を使ったこともあって、つぎの大きな物語の始まり、つまりは『黄金のレガシー』へのつなぎ部分が薄かったという反省がありました。そこで今回は7.5~7.55でつぎなる展開への導入をしっかり入れているつもりなので、パッチ7.4はそこにまっすぐつながっていくような形になっています。物語としてもよくまとまっていますし、新キャラクターたちも個性的でいい味を出しているので、彼らを好きになってくれるとうれしいです。

――第89回PLLで公開されたスクリーンショットでは、すごい汗をかいているララフェルが印象的でした。

吉田
 あのララフェルはめちゃくちゃいいキャラになりました(笑)。いままでにいそうでいなかったタイプのララフェルなので、ぜひ注目してほしいです!
[IMAGE]
――おそらく新インスタンスダンジョン“遺忘行路 ミストウェイク”はメインクエスト中に訪れることになると思うのですが、新たな討滅戦“グラシャラボラス討滅戦”もメインクエスト絡みのコンテンツになるのでしょうか?

吉田
 はい。メインクエストで挑む討滅戦になります。物語中盤からの大きな動きがあるパートにグラシャラボラスが絡んできます。戦う必然性、守らなければいけない人など、オマージュ元(※)を知っていれば知っているほど「なるほど、そう来たか!」という感じに作れたかと思います。バトル演出もかなり凝っていますが、初見で挑むときはしっちゃかめっちゃかになると思うので、あまりじっくりとは見ていられないかもしれません(苦笑)。
※グラシャラボラスは『FFVIII』において召喚獣の位置づけとなるG.F.(ガーディアンフォース)のひとつとして登場。列車の姿をしており、召喚すると敵にダメージとともに複数の状態異常を与える。
――ボスが列車の形状をしていることから、“次元の狭間オメガ:シグマ編1”の魔列車のようなバトルを想像しているのですが、それとは違う感じの演出になるのでしょうか?

吉田
 おっしゃるとおり、昔から『FFXIV』をプレイしていただいている方は列車のモンスター=魔列車のイメージが強いと思いますが、当然、我々も手を替え品を替え新しいものを作っています。詳しくは実際にプレイしていただきたいですが、見るべき部分がいっぱいあります。詠唱バーや予兆を見るだけでもたいへんかと思いますが、ぜひ周りにも気を配っていただければと思います。あと、疾走する場所でのバトルになるので、転落しないように気を付けてください(笑)。

――ID“魔導神門 バブイルの塔”でも列車の移動シーンからダンジョンが始まったり、『ニーア』シリーズとのクロスオーバーコンテンツとなるアライアンスレイド“希望ノ砲台:「塔」”の開花シタ神が列車を使った攻撃を仕掛けてきたりと、列車がモチーフになっているコンテンツはこれまでもすごく作り込まれている印象です。

吉田
 “グラシャラボラス討滅戦”でもバトルステージの使いかたをおもしろくできたかなと。オンラインゲームのMMORPG作品で「こんなことまでするのか!」ということをしれっとやっているので、ぜひともいろいろな部分に注目していただけるとうれしいです。
[IMAGE]
――“極グラシャラボラス討滅戦”の難易度面での手応えはいかがでしょう?

吉田
 極は来週に調整予定のため、現時点ではなんとも言いづらい状況ですが……強いて言うなら、反射神経が求められるバトルというよりも、周りをよく見てパターンを認識して……というロジック系のバトルになっています。

――1戦で獲得できるトーテムの数も、これから調整されるのでしょうか。

吉田
 はい。プレイ時間の尺、ノーマルとの演出の違いをどうするかなどを話し合っていって、そのうえで決めていきますが、以前にも触れた通り“1個と2個の差”があまりにも大きいため、今後はもっと調整しやすいように、トーテムの排出個数はあらためて見直す予定です。今回はその前段階ですので、あまり厳しくならないように、とは考えています。

つぎの“絶”は7.5x中に実装予定!

――今回はパッチ7.4が12月16日に公開されたあと、“至天の座アルカディア零式:ヘビー級”の実装日が2026年1月6日とのことで、零式実装までかなりスパンが空く形になっています。その理由は第89回PLLでも説明されていましたが、期間が空くぶん、その影響も加味して零式の調整を行っているのでしょうか?

吉田
 これまで行ってきた偶数パッチリリースから、零式公開までの期間がいつもより長くなるため、零式公開時にプレイヤーの皆さんのアイテムレベルはいつもより上昇することになります。初週攻略を目指すようなプレイヤーの方のためにも、「歯ごたえ」はいつも通りになるよう、アイテムレベルの上昇具合は加味したバランス調整になっています。

 「間隔が空くので無理やり難しくする」ではなく、「歯ごたえをいつも通りにするため」の調整になっていますので、その点はご安心ください。初週攻略を目指す皆さんは、いつも通りに装備をしっかり整えておいていただければ問題ありません。遅れて攻略される方には要求されるアイテムレベルがいつもよりは高くなるため、このあたりは今後実装していく“超える力”の値などで調整を行うつもりです。

――年末年始は実家への帰省などがあり、まとめてプレイできないという人も多そうですよね。

吉田
 そうですね。やり込みをせずとも、“新式装備”の購入と、週制限トームストーンの450個だけ、しっかり集めておいていただけたらなと。パッチ7.Xのレイドコンテンツでは、難度よりも「自由な発想でより楽しめるバトルコンテンツ作り」を目標に掲げて制作してきましたので、ぜひそれを踏まえて制作されたヘビー級をお楽しみいただければ、と思っています!

―― “至天の座アルカディア”に関しては、ストーリー部分も気になります。パッチアートの左上に描かれているエレゼンのキャラクターが、最終的に戦うヘビー級のチャンピオンなのでは? と予想しているのですが、いかがでしょう?

吉田
 あえて詳しくはお話しませんが、この格好で描かれていて、1層で対峙するキャラクターだったらちょっと拍子抜けしますよね(笑)。今回は本当にキャラクター人気に支えていただいたレイドシリーズのラストということもあって、新たなキャラクター、闘士たちもそれぞれ個性的になっています。熱血ヒーローもののような見せかたもしつつ、ミステリーの要素も入れるなど、僕たちも凝って作っている部分です。
[IMAGE][IMAGE]
――アートの左下に描かれている3人も新たに登場する闘士たちだと思いますが、彼ら、彼女らが織りなすストーリーにも期待しています。

吉田
 先ほどのお話にもあったように、零式の公開タイミングがいつもより少し遅いぶん、じっくりと焦らずにストーリーを見ていただけるかなと思っているので、ぜひそのあたりも注目していただけるとうれしいです。今回も、キャラクター性とセリフ、演出、そしてバトルがすべて絡む形で、その闘士の個性になっています。とくにバトルは新しい闘士たちの個性をより引き出すものとなっているので、ぜひご期待ください。

 ちなみに、バトルは必ずしも1対1とは限らず、プロレスにはタッグマッチもありますので……。悪役として反則攻撃をくり出すやつもいれば、タッグマッチを仕掛けてくるやつもいる、というのがプロレスの魅力ですから。

――4人いるからといって、単純にそれぞれと1~4層で戦うわけではないと……?

吉田
 戦う相手が全員パッチアートに描かれているとは言っていませんからね。もしかしたら中央に描かれている彫像のようなコイツが最後に対峙するキャラクターかもしれません(笑)。そのあたりの予想も含めて、楽しみながらプレイしていただけるとうれしいです。
[IMAGE]
――ちなみに吉田さんのテストプレイは終わっているのでしょうか?

吉田
 ノーマルはバランスも含めて全部フィックスして、零式の方は絶賛調整中になります。零式は僕のチェックが終わってからも、ギリギリまで数値調整は続いていきます。どうしても極や零式の最終調整のスケジュールは最後のほうになってきますので……。

――ノーマルのテストプレイの段階では、バトルのおもしろさはどのように感じられましたか?

吉田
 これまでの“至天の座アルカディア”と同様に、各層でまったく毛色が異なります。キャラクターの個性やキャラ立ちといった部分を意識してきたレイドシリーズの第3弾としては、そのままのコンセプト通りに仕上がったのではないでしょうか。ノーマルのレイドとしてはすごくいい難度の落としどころになったと思っています。

 なお極に比べるとクリアーしやすいと思いますが、初見8人で挑んだときは、もしかしたら苦戦する場合もあるかもしれません。零式の公開タイミングまで期間もあるので、ストーリーをじっくり見つつ楽しんでいただければと思います。
[IMAGE]
パッチアートの上段部分。左側に描かれたキャラクターがチャンピオンと思われるが、はたして……?
――少し話が逸れてしまいますが、絶レイドについてもおうかがいします。前回のインタビューでは、つぎの絶が7.x中に実装予定というお話でした。PLLでは7.4の実装コンテンツに絶の名前がなかったことから、7.5xで公開されるのではと予想しているのですが、イメージとしてはどれぐらいの時期に実装予定なのでしょうか?

吉田
 つぎの絶は7.5xの中でリリース予定です。ただ、7.5と同時に絶を実装することはありません。これは、まずはメインストーリーをじっくりと楽しんでいただきたいからです。とはいえ、絶は攻略に何ヵ月もかけてチャレンジする方もいらっしゃるので、公開時期をそれほど引っ張るつもりはありません。イメージとしては、パッチ7.5から数週間後、という形にしようかと思っています。

 ただ今回も相当凝ったコンテンツになっているので、実装とバランス調整しだいでは、もしかしたらリリース時期がずれる可能性もあります。それでも7.5xのそれほど遅くない時期には、確実にリリースしたいと思っています。

――つぎの絶ではどんな敵と戦うのかも気になります……!

吉田
 つぎの絶のテーマや、どのような相手と戦うことになるかは、発表まで時間をかけさせてください。いま言えるのは、絶対に「わっ!」と驚いていただけるものになるとだけ……(笑)。かなり新しい内容で、いろいろな人にも協力してもらって作っているので、ぜひ楽しみにしておいてください。
[IMAGE]

本の中の世界を表現するための新たな画作り

――新たなヴァリアントダンジョン“商客物語”の発表時は、これまでにないビジュアルに驚きました。まずは今回のヴァリアントダンジョンのコンセプトをお聞かせください。

吉田
 今回のヴァリアントダンジョンは、ヤ・シュトラの親族のひとりといっしょに“本の中の世界”を冒険して、その本に隠された謎を解き明かしていく、という物語が描かれていきます。そのためには、本の世界に飛び込むという実体験がゲーム内できちんと表現できていないといけません。

 そこをしっかり描くためにも、執筆は別の担当者ですが、石川(石川夏子氏。『FFXIV』シニアストーリーデザイナー)がフォローアップ的なポジションで動いてくれています。現在、チェックおよび調整中の段階ですが、手前みそではあるものの、すでに現段階でキャラ立てやひとつひとつのエピソードがすごくよくできているなと感じています。

――PLLで公開された画面写真では、これまでにないビジュアルに驚きました。
[IMAGE]
吉田
 BG(バックグラウンド。フィールドやダンジョンの背景や景観)については、やはり同じタイトルである以上、どんなに拡張をくり返して多彩な世界を描いたとしても、『FFXIV』として“フォトリアルを少しファンタジーに寄せた世界”という全体方針は変わりません。そういった意味では、今回はまったくテイストが違うものをゼロから作ることになったため、作業的にはたいへんだったものの、みんな楽しそうに取り組んでくれました。

――テイストが違うという意味では、“実写作品がいきなりアニメシーンになる”ような変化を感じました。

吉田
 本来はシェーダー(3Dオブジェクトをディスプレイ表示させるためのプログラム)を変えてベタ塗り感を出すのですが、今回は直接テクスチャ(3Dオブジェクトの表面に貼り付けられる画像)を手作業で描いていった感じです。

――ゼロからテクスチャを描いていったのですね。

吉田
 さらに詳しく説明しますと、いまの3Dの描画の作りかたは、陰影情報をテクスチャに持たせて、マテリアルで素材が金属なのか布なのかを設定し、陰影データと合わせて計算して立体に見せるというものになっています。ただ今回のヴァリアントダンジョンのような画作り……いわゆるアニメ塗りをする場合は、逆に立体的に見えるとダメなのです。ですので、マテリアルはある程度光を反射しない素材にして、テクスチャを描くときも陰影情報はなるべく落として、それを実機で確認して……と、これをくり返して作ってもらっています。

 もちろんこの苦労自体が偉いと言いたいわけではなく、スタッフが楽しみながら新しいことに挑戦し、皆さんに驚いてもらったり、喜んでもらったりすることは、作り手としての大きな喜びだと思っています。今回、そこにBG班のスタッフたちが挑戦できたのは、すごくいい機会だったのではないでしょうか。

――そこからあのスクリーンショットができあがったのですね。最初に見たときは実機画像ではなく、イメージアートかと思いました。

吉田
 PLLで最初にスクリーンショットを公開したときにも「イメージアートかと思った!」という反応が多かったのですが、じつはあれについては、僕が開発チェック中に同じように驚いた流れを、PLLでそのまま再現させていただきました(笑)。それぐらい空や雲の表現が絶妙で、2Dっぽく見ようとする目の視覚効果もうまく使えていると思っています。ふだんの描画よりも影が落としづらく、のっぺり感が出るのですが、本の中の世界という設定で補完されているので、違和感なく新しい表現の世界が作れたと思います。
[IMAGE]
――ちなみに、今回のヴァリアントダンジョンでは、新たに“アドバンスド・ヴァリアントダンジョン”というコンテンツが追加されていますが、こちらに関しても意図をお聞かせください。

吉田
 今回のヴァリアントダンジョンの企画は、もともとのヴァリアントダンジョンを根幹から作ってきたスタッフが担当しています。そのうえで、これまでのプレイヤーの皆さんからのフィードバックを反映する際、「敵のパラメータを強化しただけ&蘇生制限がかかっているだけの高難度コンテンツはおもしろくない」という意見がストレートなフィードバックとしてありました。「ボスを強くするならせめてギミックを変えてほしい」という要望も非常に多かったです。それに加えて、報酬内容が弱かったこともあり、開発チーム内でも「プレイするモチベーションが弱い」という意見が出ていました。

 そういったことも踏まえて今回の企画では、本当に従来の3つの難度(ヴァリアントダンジョン、アナザーダンジョン、アナザーダンジョン零式)が必要なのかというところからスタートしています。そのうえで、パッチ7.35のディープダンジョン“ピルグラム・トラバース”と同じく、「全プレイヤーに遊んでもらうにはどうしたらいいのか」を考えて、新たなコンテンツスタイルが採用されたという形です。

――そこで、ボスとだけ戦う新たなコンテンツとして、“アドバンスド・ヴァリアントダンジョン”が誕生したのですね。

吉田
 最初の段階では、「好きな相手と戦えて、その練習を重ねて、ボス1体ずつとの戦いに手応えを感じられる」ことを目指すというコンセプトでした。そこからさらに仕様の確認をして、何度も打ち合わせをしながら詰めていきました。

 ちなみにアドバンスドでは、どの順番でもいいので3体のボスを倒すとコンプリートとなるのですが、ボスを倒すごとに個人報酬が出現し、1体倒した段階でもコンテンツから挑戦を完了することができます。その際、任意にコンテンツ情報欄から途中退出するのはなく、きちんと「ここまでで完了とする」という選択肢が出るようにしました。同じコンテンツに挑んでいるとはいえ、最初から1体目のボスで退出しようと考えている人と、3体すべてのボスを倒したい人では目的が違います。だからこそ、ボスを倒した後に選択肢があるかないかは、達成感という意味で大きな違いがあると思っています。

――確かに、退出時の達成感がかなり違いますね。

吉田
 プレイヤーの皆さんの可処分時間がさらに少なくなっている昨今、「今日はほかの予定があるから練習は1体まで」とか、「今日は3体全部倒すのにチャレンジしたい」とか、目的の異なる皆さんそれぞれが「ちゃんとコンテンツをクリアーした」という手応えを作っていけるかが、すごく重要なことだと思っています。そういった細かい要素について、どのタイミングで表示するのがいちばんいいか、といったところまで話し合って調整しているところです。

 そのうえで、今回も最終的にはプレイヤーの皆さんから遊んでいただいた感触をフィードバックいただきたいと思っています。もし今回好評の声をいただいたとしても、これをテンプレートとするのではなく、そこからさらに発展させてゲーム体験をよりおもしろくできれば……と考えています。
[IMAGE]
――ボスの強さなどについては、ヴァリアントダンジョン、アドバンスド・ヴァリアントダンジョン、アナザーダンジョンそれぞれで、どのような違いがありそうでしょうか。

吉田
 ヴァリアントダンジョンでは謎解きや探索記の収集のためにくり返し挑むことになりますから、それと同じボスではおもしろくないと考え、アドバンスドではある程度ギミックを変え、ソロではなく最低ふたりから挑めるコンテンツにしています。さらに、その上の難度であるアナザーダンジョンに関しても、パラメータだけ強くなったボスと戦ってもつまらないという意見をいただいていたので、そちらもギミックを増やし、よりやり応えがあるコンテンツとして用意しています。

――ちなみにアナザーダンジョンをクリアーしたときだけの報酬もあるのでしょうか。

吉田
 もちろん用意しています。

よりよいサービスにするために、これまで常識だったありとあらゆるものを再確認

――以前にホワイトボード機能と呼ばれていた“ストラテジーボード”がパッチ7.4でいよいよ実装されますが、このボードで作った散会図などは、バトル中にも画面に表示させておくことができるのでしょうか?

吉田
 はい、つねに表示することも可能です。これまで高難度コンテンツに挑むときに、モニターにメモとして付箋を貼っていた方や、サブモニターに画像を表示させている方などはけっこういらっしゃったと思いますが、ストラテジーボード機能を活用すれば、それらの数も減らせるのではないかと。この機能ではトータルで10フォルダ、その各フォルダ内に5つのストラテジーが保存できるので、計50個が保存できます。単純に、散会図が50個保存できると思っていただければ大丈夫です。

――プレイ中に表示する図を切り替えることもできるのですか?

吉田
 「フェーズが変わったからこの図に切り替えよう」、といった自身でのページ送り操作もできますので、活用方法を工夫してみてください。ほかにも、自分の担当アイコンを強調表示することもできます。また同じ散会図でも、日によって参加するジョブが違う場合がありますから、「今日は侍で参加しているからこの位置を強調表示にする」といったこともできます。

――それはすごく便利ですね。タンクでもMTだったのがSTになると、まったく立ち位置が変わってきますから。

吉田
 もちろん、強調表示にするか、フラットに表示させるかは選択できるようになっています。あとは欧米と日本のマクロだと、散会図自体は同じでも、表記に違いがあったりします(※)。それについてもアジアスタイル、欧米スタイルといった形で表記を変えられるようにしています。

 ストラテジーはゲーム内のその場で共有してもらって保存もできますし、ストラテジーのコードを書き出せるようにしていますから、ネット上でコードを公開すれば、それをコピーして貼り付けて読み込むことで、そのストラテジーボードをインゲームで再現できます。
※例として、日本におけるST(サブタンク)は欧米ではOT(オフタンク)として表記されることが多い。[IMAGE]
――SNSで主流の攻略の散会図が拡散されることも増えそうですね。

吉田
 さらにストラテジーボード機能は、パーティに対して共有することができ、リアルタイムで編集可能です。編集できるのはつねにひとりのみとなりますが、「ここはこう散会しよう」という図を、画面共有をしながら作るようなイメージです。

――レイドや極の攻略が、かなりやりやすくなりそうです。

吉田
 ただ、従来のテキストチャットでのマクロの図は、すごく研ぎ澄まされていると思っており、全体の戦術をまとめて伝えるという意味では、あれは超えられないと思っています。ストラテジーボードだと図をひとつひとつ用意しないといけないですが、テキストマクロだと前半はこれ、後半はこれ、とテキストで複数の表記が可能だからです。

 それらを踏まえると、ストラテジーボード機能に関して、プレイヤー数全体からすると、自作をする人はそう多くはないかもしれませんが、作成されたデータを皆さんで共有してもらって、便利に活用していただければ幸いです。

――あとは実際の画面で活用例を見てみたいところです。

吉田
 次回のPLLにて実機プレイでお見せしようと思っていますが、「ここまでやるのか!」といった内容になっていると思います。実際の作成例も出そうと思っていて、たとえば敵の範囲を示すパーツを大きくして、それをグレーに塗りつぶして敵の巨大な攻撃範囲を示したり……と、アイデアひとつでいろいろなものが作れるようになっています。ぜひ放送での実機プレイにもご注目ください。

――新たなUIについては、“クイックパネル”の発表にも驚きました。こちらの開閉の操作はキーバインドなどに割り振ることができるのでしょうか?

吉田
 はい、割り振れます。アクションリストの“EXTRA”の中にクイックパネルの起動やカスタム実行のアイコンが追加されています。クイックパネルは、それ自体に細かくカスタマイズできる機能を持つため、クイックパネルを使いたいときに呼び出して、実行した後に閉じるといった使いかたもできますし、開きっぱなしという設定もできます。僕たちが目指しているのは、“2タッチで押したいものを押せる”という設計で、何ページ目を呼び出すといった操作もクイックパネルコンフィグの中にアクションとして用意してありますし、マクロを組むこともできます。

――コントローラーでもスムーズに操作できそうですね。

吉田
 むしろ、コントローラーでスムーズに操作できることに、もっとも意識を割いています。たとえばクイックパネルの2ページ目を割り振ったボタンで表示させて、実行したいアクションを手癖として操作する。さらに、実行した後に自動で閉じる設定にしておけば、画面のUIを増やさずにその瞬間だけショートカットとして活用できます。もちろん、マウス&キーボードで遊んでいる人もショートカットとして活用できる機能になっています。

――ある意味、もうひとつのクロスホットバーが呼び出せるというイメージでしょうか。

吉田
 そうですね。ただ、どうしても実機で使用感をお見せしないとなかなか伝わらないと思うので、こちらも次回のPLLでストラテジーボードとあわせて紹介しようと思っています。

――ほかには、武具投影(ミラージュプリズム)のアップデートにより、ジョブやレベルに関わらず好きな装備を反映できるようになることに驚きました。ジョブやレベルの制限を撤廃するにあたって、いろいろと課題もあったかと思うのですが、いかがでしょう?

吉田
 技術的な課題はとくにありませんでした。強いて言うなら物量がすべてでしょうか……。プログラムの対応はさほど大きなものではありませんが、チェックも含めるとすべてのアイテム設定を見直していくようなものでもありますね……(苦笑)。

 なお武器に関しては、ジョブやクラスを変更するための必須装備であるため、対象からは除外となっています。

――ということは技術的な制約があったわけではなく、世界観よりも自由度を重視したほうがいいと判断された結果でしょうか。

吉田
 ちょっとニュアンスが異なります。発表後にSNS上でいろいろな声を拝見しましたが、僕自身のゲーマーとしてのポリシーもあまり変化はないのです。僕が『FF』のナンバリングタイトルとして『FFXIV』を預かった当時は、その直前まで『ドラゴンクエスト』を担当していた外様の人間だったからこそ、誰よりも『FF』の世界観を大事にしなければという思いがありました。竜騎士は竜騎士だからこそ、そのスタイルの装備が可能で、槍を構えて“カインのポーズ”が取れる、というのが『FF』のあるべき姿だろうなと。いわばジョブのアイデンティティです。いまでもその想いの根幹はあまり変わりません。

 『FF』シリーズは多くの作品でジョブシステムを採用して、そこにこだわりを持って作ってきたからこそ、そして皆さんがそのジョブに思い入れを持っているからこそ、こんなに長く遊んでいただけていると思っています。少なくとも『FF』を預かる人間としては、そこにはこだわりを持ち続けていたいのです。

 一方で、
『新生エオルゼア』から12年間『FFXIV』を運営してきて、つぎの拡張やその先の計画を立てていくときに、12年前といまを比べると、大型MMORPGの数こそ減ったものの、逆にスマートデバイスを含めたオンラインRPG自体の数は増えたと思っています。そしてどのゲームを見ても、オシャレを楽しむという部分に対して、『FFXIV』のような制限があるゲームはほとんどないのです。

 これは別に、それぞれのゲームがこだわりを持たずに自由にしているということを言いたいわけではありません。フリートゥプレイでマイクロトランザクションによる課金サービスを行っているゲームは、『FFXIV』が新生した当時に比べ飛躍的に多くなりました。そして僕がもしフリートゥプレイのゲームのプロデューサーを担当し、皆さんにアイテムを買ってほしいと思ったら、当然ながら装備投影制限などはつけないと思うのです。
[IMAGE]
※写真はパッチ7.4で登場するアラガントームストーン:記憶で交換可能になる装備群。
――ビジネスの観点から見てもそうですよね。

吉田
 そのようなほかのゲームをプレイされて育ってきた方には、いざ『FFXIV』を始めてみたときに、「どうして装備にこんな投影制限があるの?」と感じた人もいると思うのです。ですから今回のミラプリはひとつの例にすぎず、『FFXIV』が世界最先端のオンラインサービスを持つMMORPGとして、この先も発展して頂点を目指していくなら、やはりいまの市場やプレイヤーのスタイル、皆さんの感覚を踏まえて、どうサービスに活かすのかを考えなくてはいけない。それが今年に入ってからの自分と開発コア層の目標でもありました。

 そういったことも考えて、さまざまな他社様のタイトルを改めて遊ばせていただき、仕様を確認していった中で、「ゲーマーとしての自分のポリシーは変わらず持っていてもいいが、それをプレイヤーの皆さんに押し付ける時代じゃないな」と考えたのです。僕はプライベートでも『FFXIV』をプレイしていますが、黒魔道士としての自身のキャラクターをロールプレイしているので、やはりナイトの装備はミラプリしないと思います。これは僕のロールプレイルールなので、僕が勝手に決めていることです。

 ですが、その僕のルールに合わせ、「自分のキャラクターが世界一カッコイイ、かわいい。もっとオシャレをしたい」と言ってくださっている人たちのロールプレイを阻害するのは、意味がないと考え直しました。僕は僕の中でこだわっていればよくて、同じようにこだわっている方もたくさんいらっしゃると思いますが、だからといってオシャレをすることにこだわる人のモチベーションまでシステムで制限する必要はない。そのように自分の中で答えを出し、仕様を変更しようという結論に至りました。

――なるほど。そういった経緯があったのですね。

吉田
 ちなみにそれを開発チームに言ったら「いいんですか!?」という返答で、開発チームにも“吉田の装備制限に対するこだわりは絶対のもの”と思われていたのかと……(苦笑)。ほかには、実施するならファンフェスティバルで発表しようという意見もありました。たしかに、ファンフェスティバルで大々的に発表すれば大きな歓声があがるかもしれません。

 ただ今回の制限撤廃については、1日でも早く仕様を変更して、すぐにでもいままで以上にオシャレを楽しめたほうが絶対にいいと思ったので、パッチ7.4のタイミングでアップデートを行わせていただくことにしました。

――ファンフェスティバルで発表すれば大きなニュースにはなりますが、それよりも早く、プレイヤーが楽しむことを優先したというわけですね。

吉田
 はい。なお、この話題に絡んでもうひとつお話したいことがあって、それはMODについてです。公式サイト(The LodeStone)で声明を出して、その中にも書かせていただきましたが、自分はMOD文化に関して寛容でありつつも、やはりビジネスを阻害するようなツールは絶対的にNGだと考えています。それは、「企業側に信用してもらってその範囲内で楽しむ」というMODのベースルールを外れており、それを超えたらもはや文化ではありません。その考えをもとに、いくつかのツールに関して声明を出させてもらったのですが、それに対して「そのツールを利用していたからこそ『FFXIV』を楽しめていたのに」という声もいただきました。

 それが今回のミラプリの仕様変更にもつながるのですが、“システム側で縛るのではなく、皆さんにプレイスタイルを委ねる形”のほうが、結果的にビジネスを阻害するようなツールが肥大化する事態を防げると考えたわけです。それが、すぐにアップデートを行おうと決めた理由のひとつでもあります。

――個人的には、クラフター、ギャザラーの装備を戦闘ジョブの外見に反映できるのがうれしかったです。

吉田
 中国や韓国では以前よりその要望が強くあり、戦闘ジョブが装備できるクラフターやギャザラークラスの専用装備を、レプリカとして販売していました。それをグローバルでも展開しようかとも考えていたのですが、ここまできたら制限なしで自由に遊んでもらうほうが今後のためだと考えを改めました。その代わり、もととなる装備は自分で手に入れる必要がありますので、「オシャレをするためにも、クラフター、ギャザラーをプレイしてみよう」といったモチベーションにつながればいいと思っています。

 なお、この考えかたはミラプリのシステムに限らず、ありとあらゆる『FFXIV』のシステム、コンテンツについて、根本的なルールから全部見つめ直しています。ですからこの先、何があっても驚かないでほしいです。「アラガントームストーンがなくなります!」はさすがにないと思いますが、その在り方についてなども議論のテーブルにあげています。ミラプリの仕様変更は始まりに過ぎず、よりよいサービスにするために、ありとあらゆるものを再確認しているところです。

――個人的な要望としては、街中でマウントに乗れるようになるとうれしいなと……。

吉田
 おっと……。マウントはまたポリシーとは完全に別の問題ですね。街の中はオブジェクトの数が多くて、マウントの移動速度で走らせると、コリジョンの突き抜けなど別のサーバ要件に絡んできてしまいます。速度制限をかけているからこそコリジョン数が許されている作りなので、なかなか難しいですね。少し違うかもしれませんが、マウントに乗ったままNPCと会話できる仕組みは、ひとつの案として出ています。ただ、そうなるとイベントシーンにおけるキャラクターの演技が問題になってくるので、そのまま導入するのは難しいかもしれませんね。

 そういった線引きに明確な正解はないと思っています。最近のゲームでは目的地まで自動で移動したり、ワープができたりしますが、そういったほかのゲームの仕様を確認しながら、「オート移動はそろそろ開放してもいいのではないか」とか、いろいろなことを議論している最中です。
[IMAGE]
――もしかしたら、当たり前だと思っていた機能が一新される可能性もあるわけですね。そういった変化の一端がみられるパッチ7.4を皮切りに、いよいよ来年にはファンフェスティバルが開催されて、新しい展開の発表がされるかと思います。最後に、そんなパッチ7.4に対する意気込みをお聞かせください。

吉田
 パッチ7.4は、コンテンツやシステム、そしてメインクエストなどについて、小さい部分から大きい部分まで『FFXIV』が変わり始めようとしているということを感じられるアップデートになっていると思います。その変化の始まりはパッチ7.3のディープダンジョン“ピルグラム・トラバース”からで、あれはあくまでひとつのコンテンツの中だけの変化でしたが、それがシステム全体に広がり始めていることが見えてくるパッチになるかと思います。

 ここまでいろいろな話をさせていただきましたが、プレイヤーの皆さんご自身は難しく考えていただく必要はなく、全体を遊んだときに手触りでそれらを感じていただければと思います。「多種多様なコンテンツを、あらゆる人に遊んでいただく」という目標を掲げて取り組んできているので、気に入ったものからで構わないので、ぜひじっくり遊んでいただければ幸いです

 パッチの公開日が12月16日のため、師走ということもあり忘年会などでお忙しい時期かと思いますが、ぜひマイペースでプレイしてください。IDのコンテンツサポーターにも“自身が蘇生されるバフ”がひとつずつ付与されるようになるなど、全面的にいろいろな遊びかたについてすべてのお客様をフォローアップするための施策がスタートしますので、そのあたりをじっくりと年末年始で楽しんでいただけるとうれしいです!

実機プレイもお披露目される第90回PLLは12月5日に放送

 公式番組“第90回プロデューサーレターLIVE”は、12月5日20時に放送。パッチ7.4特集Part.2を称して放送される番組では、実機プレイを交えて実装コンテンツが紹介される予定だ。こちらの放送もぜひチェックを!
      この記事を共有

      本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

      週刊ファミ通最新刊
      週刊ファミ通表紙
      購入する
      ebtenamazon
      電子版を購入
      bookWalker