天国で暮らすウェルシュ・コーギーが、天国に来たばかりの飼い主を探して大冒険をくり広げるPCゲーム『マイリトルパピー』。動物好きの筆者はいろいろな意味でかき乱されてしまった。
筆者は、2022年の8月に愛犬のコロネ(ミニチュアダックスフンド)を病気で亡くした。数ヵ月はほかの犬や猫ですら見るのが辛かったが、時間の経過によって気持ちは落ち着き、いまでは愛犬の写真や動画も見られるようになった。しかし、気持ちが完全に晴れたわけではない。ふとしたときに愛犬のことを思い出しては、憂鬱な気分になることも少なくない。
『My Little Puppy』(マイリトルパピー)のことは発表当初から知っており、気にはなっていた。でも実際にプレイしたら「気持ち的にどうなってしまうのだろう」という不安もあってか、発表以降、情報をなるべく遮断していた。
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そんな中、編集部で本作のレビュアーを探していることを知り、「あ、発売されたのか」とその存在を思い出した。一抹の不安はあったものの、もともと気になっていた作品だ。仕事と思えばできるかも……と思い、手を挙げた。
前置きが長くなってしまったが、今回は2025年11月7日に発売されたアクションアドベンチャーゲーム『マイリトルパピー』を、ペットロス経験者であるライター・Qマインがプレイ。“人が死ぬと、先にあの世に旅立った犬が迎えに来る” という言い伝えをもとに作られた本作が、どれほど愛犬家泣かせの作品なのか、レビューしていく。
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天国で犬と飼い主が再会し、楽しく暮らせる世界。最序盤から泣かせてくるのやめて……
物語の舞台は、虹の橋を渡った犬と飼い主が楽しく暮らす天国。多くの犬はまだ飼い主が存命なため、ほかの犬たちと楽しく過ごしながら、飼い主がやってくるのを待っている。
主人公であるウェルシュ・コーギーのボングも、パパ(飼い主)との再会を待ち望む一頭だ。
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本作は、そんなボングが仲間のサモエドに起こされる場面から始まる。操作できるようになった筆者は、真っ先にカメラを回転させて、ボングの全身をくまなく鑑賞! プリティフェイス、ピンとした耳、短い脚、プニプニのボディ……さすがコーギー。あざとい。あざとすぎるかわいさだ。
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そして、何よりもたまらないのが、つねにコーギーのお尻を眺められること。見てほしい、この食パンのようなお尻を。たまらないだろう? 見ているだけで、これほど癒やされる主人公はなかなかいない。
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束の間のコーギー鑑賞タイムが終わり、サモエドの後をついていくと、犬たちの世話をしている天使のおじさんから「歓迎会をするから、犬や飼い主たちを呼んできてくれ」と頼まれる。歓迎会とは、虹の橋を渡ってきた犬や、天国で暮らす犬の飼い主を迎えるイベントのことだ。
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ヘソ天しながら天使に甘えるボングがかわいすぎる。
ここからは犬や飼い主たちに声をかけながら、操作を確認するチュートリアルがスタート。ボングの基本アクションは、“ダッシュ”、“ジャンプ”、“匂いを嗅ぐ”の3つ。“匂いを嗅ぐ”は、目的地となる対象の方向や場所を可視化してくれる機能で、ほかのゲームでいう“クエストマーカー”のような役割を果たしている。
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ダッシュ中はスタミナを消費する。移動速度が非常に速くて、犬らしい疾走感が味わえる。走っているときのダバダバ感がメッチャかわいい。
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脚が短いため、ジャンプ力は低め。ジャンプモーションも見ていて癒やされる。
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困ったら匂いを嗅ごう。そうすれば、どこに行けばいいのかひと目で分かる。
プレイ中は見どころが満載で、行く先々で犬による癒やしが得られるのも魅力的なポイントだ。たとえば、犬同士がお尻の匂いを嗅ぎ合ったり、走るオモチャを全力で追いかけたり、人間の赤ん坊がシベリアン・ハスキーにまたがっていたりと、犬好きにとっては目にするすべての光景が心を洗ってくれるように感じられる。
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発売前から話題になっていた、伝説の殺し屋“ジョン・ウィック”と、彼の愛犬であるビーグルの子犬をイメージしたキャラクターたちも登場。
すべての犬と飼い主に声をかけ、天使のもとに戻ると歓迎会が始まる。天国の門が開き、パピヨンと秋田犬がやって来た。犬たちが2匹に近寄り、一斉にクンクンと匂いを嗅ぎながら歓迎する光景や音に、思わず心がホッコリ。
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次にやって来たのは、年配の男性だった。すると、さっきまで歓迎していたビーグルの1匹が駆け寄り、男性の胸元に飛び込んだ。待ちわびた飼い主との再会の瞬間だ。筆者はここで涙が止まらなかった。
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「犬と再会できてよかったね」という気持ちもあったが、それ以上に「自分も愛犬とこんなふうに再会できたら」という思いが強くなり、ただただ泣くことしかできなかった。
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この原稿を書くためにシーンを見返したらまた泣いた。
最後にやって来たのは若い女性で、彼女を待っていたのはポメラニアンだった。ここでも筆者の涙は止まらなかった。まさかゲームが始まって10分もしないうちに号泣するとは……。
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ポメラニアンがうれしさのあまり、咥えていたオモチャを落として駆け寄るシーンでさらにグッときた。
歓迎会が終わり、広場でひと眠りするボング。すると、彼の鼻先に懐かしい匂いが漂ってきた。ボングは無意識のうちに、パパと再会したときのことを思い出す。
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ボングはもともと捨て犬で、8才という高齢かつ病気も抱えていたため、家族と出会う機会に恵まれず、ずっと保護犬シェルターで暮らしていた。そんな中、ひとりのおじさん(パパ)がボングを気に入り、家族として迎え入れてくれたのだ。
その匂いは間違いなく、飼い主であるパパのものだった。本来はパパがこの場所にやって来るまで待たなければならないのだが、我慢できなくなったボングは天使に無理を言い、パパを迎えに行くことに。こうして、ボングの大冒険が始まる。
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かわいくて飼い主が大好きなボング。彼が天国を飛び出すシーンを見て、「うちの子もこんなふうに迎えてくれるのかな」と思ったら、またしても涙がポロリ……。
想像以上にしっかりとしたゲーム性にビックリ! 犬らしさをふんだんに取り入れた仕様もGood
天国には、ボングが暮らしていた世界のほかに、森やビーチ、雪山、砂漠といった現世を模した多彩な空間が存在する。ボングはそれらの場所を冒険し、各ロケーション(フィールド)で暮らす犬やその飼い主と出会いながら、彼らを助けたり、ときには協力してもらったりして、パパとの再会を目指す。
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ゲームとしてはいわゆる一本道だ。アスレチックのようなフィールドを移動しながら目的地を目指し、各所でイベントをこなしてはまた移動する、そんなシンプルな構成となっている。
プレイ前は物語がメインで、ゲーム部分はおまけ程度だと思っていたが、そうではなかった。本作は紛れもなくゲームであり、しかも飽きさせないようさまざまな工夫が凝らされている点が印象的だった。
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たとえば、目的地へと向かうフィールドでは、木箱を移動させて段差を上ったり、テコの原理を使って大きなモノを動かしたりと、ちょっとした謎解き要素が盛りだくさん。特定の場所では地面を掘る、吠える、おしっこでマーキングするといった犬らしさを取り入れた、特殊アクションなどが使えることも。
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場所によっては落下ポイントもあるが、落ちてもすぐ手前からやり直せる。アクションが苦手な人でも安心だ。ただし、落下時にボングの可哀想な声を上げるので、できれば落下せずに進みたいところ。
フィールドによっては、ボング以外の犬を操作できる場面も。大型犬でしか突破できない場所や、ボングとの協力アクションなどもあって、フィールドの移動ですらおもしろい。
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と、いろいろ書いたが、それらはすべてボングを愛でるためだけに用意されたのではないかと思う。脚とお尻をプリプリとバタつかせながら段差を上ったり、茂みに隠れる際お尻だけが出ていたりと、随所で見せるボングの愛らしい仕草(モーション)にキュンキュンさせられる。快適な操作性とあいまって、動かすのがとにかく楽しかった。
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単なるフィールドの移動ですら楽しませてくれる本作だが、それ以上に魅力的なのが、行く先々で発生するミニゲーム(イベント)の数々だ。
■障害物を避けながら、追っ手から逃げるチェイスゲーム
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■犬を助けるリズムゲーム
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■ウミドリ軍団との綱引きバトル
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このように、ミニゲームはバラエティに富んでおり、しかもそれぞれがゲームとしてしっかり成立するクオリティに仕上がっているため、思わずクセになるおもしろさがある。
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ほかの犬を追いかけるレースゲームも。
ここで紹介したもの以外にも多彩なジャンルのミニゲームがあり、ストーリーを進めるたびに「今度はどんなゲームが待っているのだろう」とワクワクさせられる。中には、超有名ゲームのパロディミニゲームも用意されているため、ゲーム好きの人ほどテンションが上がるはずだ。
また、本作では制限時間内に決められたボタンや操作キーを押す“クイックタイムイベント”(以下、QTE)も多い。
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「QTEは苦手」というそこのあなた、安心してほしい。本作のQTEは、ボタンの押し間違いによるペナルティがないうえに、時間切れになってもすぐ直前からやり直せる優しい仕様となっている。そのため、どうしても苦手な場合は、全部のボタンを同時に押すという強引な方法で突破することも可能。
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「簡単にするならQTEを入れる必要はないのでは?」と思うかもしれない。正直なところ、筆者もQTEはあまり好きではない。
しかし、感情移入しやすい本作では、QTEの有無によってイベントの盛り上がりが大きく異なる。なぜなら、QTEが発生するのは決まって犬や飼い主たちが奮闘する場面だからだ。
筆者自身も毎回「がんばれ!」「助けなきゃ!」と前向きな気持ちでQTEに取り組めたし、ただムービーを眺めるよりも実際に操作して参加している一体感は、やはり楽しい。
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QTEは敬遠されがちで、人によって好みも分かれる要素だが、本作においては犬や飼い主たちの活躍をより劇的に演出するスパイスとして機能していたと感じる。また、前述のとおり誰でも楽しめる仕様なので、あまり身構えずにプレイしてほしい。
ちなみに、本作のメインとなる敵は、影のような怪物だ。いわゆる“監視者”のような存在で、人間や犬が踏み入ってはいけないエリアを見張る役割を担っている。ミニゲームやイベントシーンでは、たびたびこの監視者と対峙することになる。
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合間に見られる回想でも泣きっぱなし、ショッキングなシーンもあるのでご注意を
最序盤の犬と飼い主の再会シーンで大号泣した筆者は、その後も何度も涙を流すことになった。それが、ストーリーの合間に挟まれる、犬や飼い主たちの回想シーンである。
とくにボングの回想では、飼い主と楽しいひとときを過ごす様子が数多く描かれており、自分が愛犬と遊んでいたころの記憶と重なって、見るたびに涙が止まらなかった。
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回想シーンは絵本のような描写で描かれる。この優しい絵のタッチが、より哀愁を誘う。
注意してほしいのは、回想シーンが必ずしも明るく和やかなものばかりではないということだ。ストーリーを進めていくと、安楽死や自殺といった非常にショッキングな要素も出てくる。見ていてつらく、とにかく可哀想で、ここでも筆者は涙をこらえきれなかった。というか、すべての回想シーンでもれなく泣いてしまった。
ゲーム部分で癒やされ、回想シーンで鼻水を垂らして涙を流す……。感情のシーソーがこれほど激しかった作品は、ほかにない。
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癒やしと哀愁が詰まった最高の犬ゲー
癒やされて、泣いてをくり返しているうちに、気づけばゲームクリアー。あっという間だった……。筆者がクリアーまでにかかった時間は約5時間半。イベントムービーは一切スキップせず、終盤のギミックで多少苦戦してこの時間なので、人によってはもっと早くクリアーできるかもしれない。
Steam版の価格は定価で2900円と、決して安くはない。そのため、このボリュームについては、やや物足りなく感じる人もいるだろう。しかし本作はゲームであると同時に、絵本や映画のような側面も持っているため、できれば一気にプレイしたほうが楽しめると思う。そういった意味では、気持ちが途切れることなく、一気に遊び進められる、ちょうどいいボリュームだったのではないだろうか。
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フィールドのギミックや各種ミニゲームはどれもシンプルながらテンポがよく、操作していてずっと楽しかった。とにかく飽きさせない作りになっていて、思わずもう一度遊びたくなるほどの完成度だったのが、とても印象的だった。
犬らしさをふんだんに盛り込んだ演出やモーションが多く、登場する犬種も非常に豊富だ。犬好きなら、操作するたびに、見るたびに、楽しくなり、うれしくなり、よりいっそう楽しめることだろう。
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ペットロスを経験し、いまもなお愛犬への未練が少なからず残る筆者としては、プレイして本当によかったと感じている。冒頭の再会シーンや道中の回想シーンでは泣きっぱなしだったが、いつもとは違った形で愛犬との思い出を振り返ることができ、ひとつの物語としても非常に完成度が高かった。
また、旅立った愛犬が本作のような世界で生きているかもしれないと思えるようになり、少しだけ気持ちに余裕が生まれた。ペットを飼っている人、あるいは過去に飼っていた人にとっては、とても意義のあるゲームになるはずだ。
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ただし、愛犬との思い出を強く想起させるシーンや、安楽死や自殺といったショッキングな要素も含まれるため、ペットと別れたばかりで気持ちの整理がついていない人は絶対にプレイしてはいけない。そこだけは十分に注意してほしい。
最後に……エンディングでも超泣いた。結局、終始泣きっぱなしだった。ぜひとも本作をプレイする際は、ティッシュやハンカチの用意を忘れずに。