わたしは銀髪が好きだ。
風に揺れる長い銀髪が好きだ。爽やかな風を感じるショートの銀髪が好きだ。
そんな私にとって、『デュエットナイトアビス』は天啓とも言えるゲームだった。なぜなら主要キャラクターのほとんどが銀髪の美少女である。

さっそくの銀髪。いい……。

続々と銀髪。いい……!
最高だ。ありがとう『デュエットナイトアビス』。これにてこの記事は終了です。
……というわけには流石にいかない。本記事は『デュエットナイトアビス』の提供でお送りしております。そんな事情もあるのだけど、それより何より「銀髪最高!」だけで終わるゲームではないからだ。魔法と機械が混じり合う世界、巨大な軍事力を持つ国家、内に渦巻く差別と混沌、立場のちがうふたりの主人公が織り成す物語……重厚な世界観とシナリオに、筆者はすぐさま虜となった。
さらにキャラクター・武器のガチャが一切なく、あらゆるキャラクターと武器はゲーム内の報酬で獲得可能。課金ですぐさま開放することもできるが、基本的には一定まで物語を進めたあとで、特定のクエストをクリアーすれば解放する素材が手に入るという仕組みになっている。

このベレニカは事前報酬。ゲームを始めた全員が手に入れられる。
『デュエットナイトアビス』は、ざっと述べただけでもこれぐらいには唸るポイントがある一作だ。2025年10月28日、いよいよ配信となった本作の魅力をお伝えしていこう。
魔法と機械、差別と混沌。むせかえるような世界観が魅力
『デュエットナイトアビス』は、PC・スマートフォン向けのアクションRPG。基本プレイ無料(アイテム課金あり)となっているが、前述した通り『デュエットナイトアビス』に“キャラガチャ”はない。
キャラクターの入手方法はゲーム内素材“想いの欠片”を集めること。素材獲得用のクエストには専用のアイテムが必要になるが、こちらは(少なくとも序盤は)潤沢に手に入るようになっている。さらに、メインクエストをクリアーすることで手に入るキャラクターなども存在。ガチャではなくゲームプレイによってキャラクターを増やせるという仕様だ。

特定のアイテムを使って、クエストを受注。


クエストを達成するとアイテムが抽選され、当たりが出れば想いの欠片を獲得できる。

これはかなり序盤のスクショだが、その段階でも11回挑戦可能なだけの素材が手に入った。周回は必要だが、ちゃんと課金なしで完結できるバランスにはなっているように感じた。

もちろん銀髪以外のキャラクターもいる。かわいっ。
ではおもな課金要素はどこか。それはキャラクターたちの外見だ。ガチャで排出されるもののほとんどは、キャラクターの見た目を変更するアイテム(いわゆるスキンやコスチュームなどの外見アイテム)やカスタマイズするための装飾品となっている。
「このキャラクターが欲しい!」ではなく、「推しキャラクターの見た目をもっと素敵にしたい!」という気持ちにアプローチしてくるシステムだ。



ガチャからはスキンと、キャラクターに自由に付けられる衣装パーツなどが入手でき、好みの色にカラーリングも可能。
となれば、重要なのがどこまでキャラクターにハマれるかという部分。ただ、そのあたりに関しては、そういった心配は無用かもしれない。少なくとも筆者がプレイした限りでは、ストーリーは抜群におもしろいし、キャラクターも魅力的だと十分に感じられた。
まずシンプルに、キャラクターのビジュアルがとてもいい。
全体的に“かわいい”というより、“美しい”方向性に振ったデザインになっており、服装も装飾の細やかさも素敵。見ただけでプレイヤーに「おっ」と思わせるだけの力がある。

筆者はこの“サイキ”というキャラクターがとても好み。序盤のストーリーは、とある病気を患っている彼女を主軸としたものになっており、その儚い人生に心をがっしりとつかまれてしまった。

あと顔がいい、顔が。
肝心のシナリオも、かなりの重たさを感じられるゴリッゴリのファンタジーで非常に熱中させられた。舞台は、天上樹と呼ばれる樹木のような結晶体を崇拝する“アトラシア大陸”。第1章は、その中で強大な軍事力を誇る国家“ヒュペリア帝国”についての物語が綴られる。

アトラシア大陸では、魔法だけじゃなく天上樹の力を利用した“イコル技術”により機械も発展している。魔法と機械が融合した世界なんてそんなのもう好きに決まってるやつ。
物語の始まりは、帝国から遠く南に離れたとある島がモンスター ――“穢獣(えじゅう)”―― の侵攻を受けたことから始まる。そこに住んでいた“カロン族”の若者である主人公・月狩り人は、親友のベレニカとともに島からの脱出を試みていた。
どうにか武器を手にし、穢獣を退けたその先……ふたりを待ち受けていたのは、時を同じくして島へと兵を送り込んでいたヒュペリア帝国の兵団だった。彼らは“なぜか”ベレニカを拘束。主人公も抵抗むなしく、最後は崖から落ちて生死のわからぬ状態へ陥った。

主人公の見た目は2種類から選択可能。今回はこのタイプの主人公を選択した。

左がベレニカ、右が主人公。島から脱出しようと穢獣を倒しながら進んでいく。

戦闘はクリックでの通常攻撃とスキル発動のために各種キーを押すだけのかなり簡単なもの(※PC版)。攻撃の範囲も広く、いわゆる“無双系”のような爽快感を味わえる。

どのキャラクターも、銃を構えての遠距離攻撃も可能。弾数の概念はあるが、雑魚敵が大量に落としてくれるのでそこまで気にならなかった。

ムービーシーンは美麗、かつ非常によく動く。演出も派手で見ていて楽しい。
……というのが、本作のプロローグを簡単にまとめたものとなる。そこから主人公である月狩り人は、とある人物の世話になりながらヒュペリア帝国の“アイスレイク城”の城下町で暮らすことに。しかしそこではカロン族に対して、大きな偏見と差別が蔓延していて……。
本作はキラキラなファンタジーというより、かなり重いダーク寄りのファンタジー。魔法と機械により発展した世界だからかその幻想はどこか鉄臭く、差別や戦争を中心とした人間同士の醜い争いが描かれる。


角が生えているカロン族は“悪魔の子”と呼ばれていると語るサイキ。差別についてもその理由が物語中で徐々に明かされていく。

角の生えたカロン族の老人が兵士により過剰な取り調べを受けている。でも人々はそしらぬフリ。

街並みはきれいなのだが、住民含めそれなりに荒んでいる。こういう雰囲気がね、いいんですよ……。
さきほど書いた専門用語の数々からも察していただけるかとは思うのだが、世界観はむせかえるほどに重厚で、世界にひたりたい方にとってはたまらないものになるだろう。筆者はそのタチなので、貪るようにファンタジー感全開の専門用語を浴びては恍惚の笑みを浮かべていた。
個人的に重苦しい話が大好物というのもドはまりした理由のひとつ。アイスベルクの城下町を探索していた際、上流階級が住む上層区と、貧民が住む下層区が明確にわかれていてとても興奮したことを覚えている。

街の端にひっそりとある階段を下ると行ける下層区。

下層区にはゴミが散乱し、上層に建つ巨大な建築物によりろくに日の光は入ってこない。ディストピア! いやー、やっぱり差別が蔓延してる国家って“こう”じゃなくちゃ。
こういうタイプのタイトルで重要なのは、何よりも“世界を好きになること”だと思っている。それはなにも好感を持つというわけではなく、世界の設定自体が気に入るかどうか、そして世界を「歩きたい」と思うかどうかだ。
そういう意味では『デュエットナイトアビス』は非常にうまく世界観を展開していると言えるだろう。魔法世界らしいファンタジー感がありつつも、機械文明を色濃く残した街並みはどこかスチームパンク的な魅力も漂わせており、見ているだけでも楽しい。
さらにいいのが、先ほど書いた2層構造のような世界設定を視覚からより深く感じられる仕掛け。筆者が体験した範囲ではアイスレイク城周辺しか見回れていないのだが、すでにほかの国家がどうなっているのか楽しみでならない。そこにはどんな偏見や生活の様式があり、どういった形で街並みに反映されているのか――そういうことを考えるだけで、はやる気持ちを抑えられなくなる。

景色がすごく、本当にすごくいいんですよ。ムービー中、引きのカメラになったときは思わず息をのんでしまうほど。


かなり自由に操作ができるカメラ機能もある。スクショを撮ってユーザー間で共有するのが楽しそう。
しかも、『デュエットナイトアビス』は差別階級である月狩り人の視点だけで語られるわけではない。主人公はもうひとり、それもヒュペリア帝国の軍部にいるのだ。彼/彼女は軍の隊長に就任しており、兵士を統制する立場の人間。つまり所属としては(本当に差別しているかは置いておいて)差別層に位置する。
差別層と被差別層、その両者の目を通して観測される世界。それこそが『デュエットナイトアビス』の真骨頂なのだ。

もうひとりの主人公。こちらには角がない。先行プレイではそこまで踏み込めなかったが、カロン族ではない……ということだろうか。
こちらの主人公は、おもに軍や国家で何が起こっているのかなど、よりヒュペリア帝国の内情に近い話が展開される。軍部を這い上がるためになりふり構わず行動する上官みたいな、思わず「うわあ……」と顔をしかめてしまうようなゴリゴリの汚い政治が見られるので、そのあたりもオススメのポイント。国家の内側でうごく陰謀とか権謀術数とか……いいよね!

こちらのシナリオには、“アヴァール”というカロン族でありながらも軍の上層部にいる登場人物が登場する。このおじさんがまあ~……めちゃくちゃにかっこよくてですね。

現場の犠牲など何も思っていない軍上層部を憂いながら、どうにか兵卒を守るために奮闘する善人という立ち位置で、理想のイケオジといった感じ。好きです。
そしてダブル主人公となると、気になるのがこの両者がどこで交わるのか? という部分。今後のストーリー展開も気になるところ。先ほど書いた“世界を旅する楽しさ”に加え、シナリオ自体の仕掛けも巧妙。ゲームのおもしろさがしっかりヒキにつながっていると感じられた。

演出もハンパじゃない。画像は主人公がとある薬を使った特殊な尋問を受けているシーンなのだが、ステージ全体で“危うい精神状態”を表現しておりその描写力がすさまじい。

ありとあらゆるものが崩れ、正解だと思った道が正解ではなく……マップとしては、ほとんどただ歩くだけの場所なのだが、“主人公の内面”を表す描写力だけでプレイヤーの興味を引っ張るだけの力があった。
ストーリーも長く、先行時点で遊べたぶんだけでもたっぷり楽しめた。スタミナ消費システムでもないので、自分が遊びたいだけストーリーが進められるのもありがたい点だ。
そして物語の骨子がしっかりしているからこそ、そこで活躍するキャラクターたちには特別な愛着を感じてしまう。愛着を持ったキャラクターへ投資したくなったらガチャを引くという流れだ。というか多分、先行版じゃなければ課金していた気がする。

「銀髪のキャラクターがいっぱい出てかわいい」だけでおさまる器では当然ながらない。とてもいいゲームでした。
ただ、愛着が湧きすぎた結果「デフォルトの見た目がいちばん好きかもしれん」という結論に至ることもしばしばあった。そもそものクオリティが高いので、こちらから手を加えなくとも十分すぎるぐらい魅力的なのだ。
とはいえスキンなどの要素がいちばん輝くのは“味変したいとき”である。そもそも期間の短い先行プレイの段階で測る部分ではないのかもしれない。

もちろんガチャで手に入るアイテムもいいものではあるのだが、現状だとどのキャラもデフォルトがいちばん好き。
装備のランダム性も廃止。とにかくストレスフリーに遊べる
メインシナリオやキャラクターの入手方法など、ここまでは『デュエットナイトアビス』のメイン要素に関して触れてきた。しかし本作の魅力はそこだけに留まらず、サブ要素もかなりの充実具合となっている。
たとえば、装備のひとつである“魔の楔”。こちらはHPやスキルの威力など、各種ステータスを向上・カスタマイズさせられるアクセサリーのような装備だ。HPを増やすか与ダメージを増やすか、遠距離に特化するのかなど、魔の楔を付け替えることで単一のキャラクターを幅広く運用できる。

こういった類の装備は、さまざまなランダム要素が絡んでおり理想的なものを手に入れるまで何度も挑戦する必要がある……というのが従来のタイトルではありがちだったのだが、『デュエットナイトアビス』はそうではない。なんと同名の魔の楔はすべて同じ性能となっている。ほしい魔の楔が出れば周回はそれでおしまい。
さらに「このキャラクターはこのタイプの装備品しかつけられないよ!」というような制約もなく、同じ装備がすべてのキャラクターに流用可能となっている。ランダム要素に悩まされることは、もうない。

もちろん、狙ったものが引けるのかという運要素は存在する。ただ、当たればOKというのは心理的にもかなりハードルが低い。
同じく装備として、本作には“ジェネモン”と呼ばれるペットが存在する。ジェネモンは各地をふわふわ漂っており、餌付けすることで仲間に迎え入れることが可能だ。装備すればキャラクターの少し上部を浮きながらついてきてかわいい……だけじゃなく、戦闘やアイテムの収集をお手伝いしてくれる効果を持っている。
マップを探索していると、野良ジェネモンがあっちでふわふわこっちでふわふわしているので、それらを見つけて餌付けするのが楽しい。心が豊かになる。

本当にフィールドのそのへんでふわふわしている。

かわいいし便利。相棒として完璧。
そういった装備以外に、会話など街での日常生活に関わる部分にも「好き!」となってしまった部分がある。それは会話の選択肢で主人公の見られかたが変わっていく“フィーリングステータス”というシステム。功利、道徳、才知、共感、混沌という5つのステータスがあり、たとえば人に寄り添うような選択肢を選ぶと共感が、急にボケたり明らかにおかしな言動をすると混沌が上がる。


選んだ選択肢によりフィーリングステータスが上昇する。
このフィーリングステータスが活かされるのが“チェック”。『デュエットナイトアビス』では、道行く人との会話中に、TRPG的な判定を求められることがある。内容はふたつのダイスを振って、一定以上の数値を出せばクリアーというシンプルなもの。成功すればより詳しい話を聞けたり、サブストーリーの受注につながったりする。


フィーリングステータスはこのチェックにおける補正値。たとえばなにか悩みを聞いてほしそうな人との会話でチェックが発生した場合、多少出目が低くても、ダイスの出目に共感の値が上乗せされてチェックに成功できる。
他者からの印象が会話を後押しするという、世界と主人公のつながりを感じられる要素でとても好み。ダイスを振るチェックの演出も楽しく、筆者としてはとても楽しいシステムだった。

チェックに成功して無事サブストーリーが解放。もし失敗しても再度ダイスを振るためのアイテムもあるので安心だ。
ガチャ廃止がどう転ぶかは“未知”。だがしかし、ゲームはとてもおもしろい
『デュエットナイトアビス』は、キャラガチャを廃止したタイトルである。しかし、だからといってどこかがコストカットされているような雰囲気はなく、十分一線級、トップクラスと呼べる仕上がりのゲームになっている。
装備の厳選といった時間のかかるランダム要素も廃止し、「ユーザーにソシャゲ的なストレスはかけないようにする」という方向性が強く感じられるタイトルとなっていた。

手に入れたキャラクターを拠点に招待し、自由に会話できるようなシステムもある。所有欲を非常にくすぐられる要素だが、ガチャはないのでお金をかけなくても入手できるのがありがたい。
このシステムが功を奏するのかはまったくもって未知ではある。が、筆者個人がプレイした限りだと、「わりとやれそう」な気配は感じた。ここまで書いてきたとおり、少なくとも単一のゲームタイトルとしては抜群におもしろかったので、あとはマネタイズの導線がしっかりと働くかどうかだと言えるだろう。

ゲームの要所で表示されるチュートリアルでは、UI(ユーザーインターフェイス)の文字が本作の世界特有のものに置き換わっているなど、細かい部分でも楽しませてくれる。作りこみからも、制作陣の熱量がひしひしと伝わってくる。

だからこそ「うまくマネタイズが成功してくれー!」と、祈るような気持ちがある。とりあえず筆者にできるのは「すごくいいゲームだった」と断言しておくことぐらいか。
この先行プレイだけでも、濃厚なファンタジーと仄暗い雰囲気に、魅力的なキャラクターたちによる掛け合いなど、気に入った要素はたくさんあった。『デュエットナイトアビス』は2025年10月28日に配信開始。事前登録報酬により、重要なキャラクターである“ベレニカ”も確定で入手できるようになっているのがうれしい。ほかにもさまざまな特典があるため、今度は自分のアカウントで、また魔法と機械によって繁栄したこの大陸へと足を運ぶ日が楽しみだ。

ゲーム概要
- タイトル:デュエットナイトアビス(DUET NIGHT ABYSS)
- ジャンル:デュアルファンタジー×全方位爽快バトルRPG
- 対応予定OS:iOS/Android/PC
- 価格:基本プレイ無料(一部アプリ内課金あり)
- 開発・運営:Hong Kong Spiral Rising Technology Co., Limited
- 配信日:2025年10月28日
- 『デュエットナイトアビス』公式サイト