
超王道でテーマは社会派
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『メタファー:リファンタジオ』は、アトラスから発売されたRPG。新たな“王道ファンタジーRPG”として打ち出した完全新作で、『ペルソナ』シリーズで知られる橋野桂氏(ディレクター)、副島成記氏(キャラクターデザイナー)、目黒将司氏(コンポーザー)といったクリエイター陣が手掛た。
また、コンセプトアーティストとして『NieR:Automata』の幸田和磨氏や“鎧戦車”デザイン原案として『新世紀エヴァンゲリオン』の山下いくと氏、“アーキタイプ”デザイン協力といった形で『世界樹の迷宮』シリーズの日向悠二氏と有名なアーティストたちも名を連ねている。
物語の舞台となるのは8つの異なる種族が生きるユークロニア連合王国。差別を受ける“エルダ族”の少年である主人公は、呪いをかけられた幼なじみで親友の王子を救い、新たな王を決める王位争奪戦の旅に出る。
魅力的だったのは、超王道でありながらもダークな世界観と社会派なテーマを扱っている点。剣と魔法の幻想世界であっても、現代社会に通じるような種族による差別、権力争い、社会的な弱者が虐げられる現実などが描かれていて、アトラスらしい重厚なシナリオに仕上がっていた。
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つぎの王を決めるための“選挙魔法”というシステムもユニーク。これは期限までに国民からもっとも支持を集めた者が魔法の力でつぎの王になるというルールで、プレイヤーはランキング最下位から1位を目指してほかの候補者たちと競い合っていく。
選挙と言いつつも世界を巡りながらさまざまな試練を突破せねばならず、過酷なサバイバルレースの様相。候補者間での駆け引きや妨害も横行していて、ときには決闘による武力行使も許されるというバトルロイヤルなのがおもしろい。近作の『ペルソナ』シリーズのように、メインミッションに達成期日が設けられていて、つねにハラハラした緊張感が付きまとう。
主人公たちは、とあるキッカケによって戦士や魔法使いなどの能力を持つ“アーキタイプ(クラス)”に覚醒。多種多様なアーキタイプを覚醒・組み合わせることで戦略性の高いパーティ編成をすることができた。
移動式アジトである“鎧戦車(がいせんしゃ)”を使い、広い連合王国を遠征することになるのだが、移動時間の中で旅情溢れるひとときを過ごせるところも非常によかった。仲間との会話によって勇気や見識などの王の資質を磨いたり、支援者との絆を深めて新たなアーキタイプを覚醒したりするなど、やることは盛りだくさん。異世界ならではの絶景を見られることもあって、サバイバルレースの中での唯一の癒やしの時間だったかもしれない。
個性豊かなキャラクターたちや洗練されたスタイリッシュなユーザーインターフェース、唯一無二といった目黒サウンドなどは、さすがといったレベルで魅力的だった。
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例年とは異なり、今年は東京ゲームショウの前々日に“日本ゲーム大賞2025”が発表されたのだが、そこでなんと『メタファー:リファンタジオ』が堂々の大賞を受賞。優秀賞として選出された11作品の中から、見事に選ばれた。
もし本作を未体験であれば、1周年のこの機会に日本ゲーム大賞受賞したばかりの本作で遊んでみてはいかがだろうか。