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本作は、シリーズ作としては『サイレントヒル ブック オブ メモリーズ』からじつに12年ぶりとなる完全新作アクションゲーム(※)。1960年代の日本の田舎町が舞台という、シリーズとしては異例の設定が話題となった作品だ。
最初の印象こそこれまでの『サイレントヒル』とは異なるものだが、遊べる内容はまさに我々が愛した『サイレントヒル』そのもの。シリーズ恒例の魅力である、真相を暴く周回要素もあり、何度もくり返しプレイしたくなる仕掛けが施されている。
遊べば遊ぶほど、さらにプレイしたくなる刺激的かつ危険な魅力あふれる『サイレントヒル』シリーズ最新作の魅力を紹介しよう。
なお、本稿では記事の後半にゲームクリアー後のネタバレを若干含む。該当する部分にネタバレがあることを明記しているので、ネタバレを知りたくないという人は、ご注意を。
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人間の本能的恐怖を刺激する王道の『サイレントヒル』
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タイトルこそ『f』だが、内容的にはナンバリングタイトルを名乗ってもおかしくないほどに『サイレントヒル』の醍醐味にあふれたゲームだ。
本作でストーリーを手掛けるのは、『ひぐらしのなく頃に』などで著名なシナリオライターの竜騎士07氏。『ひぐらしのなく頃に』と同じ、昭和の日本、また岐阜県がモデルになった架空の町が舞台という共通点もあり、氏が得意とするサイコホラーの恐怖、グロテスクな表現、人間の本能的恐怖感に訴えかける物語や演出はしっかりと味わえるので、氏のファンの方も安心してほしい。
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まず、『サイレントヒル』といえば、町中を覆う霧の存在が欠かせない。退屈だが平和な日常を過ごしていた主人公の雛子とその学友たちだったが、突如としてその平穏は打ち砕かれる。急に霧が立ち込め、正体不明の赤い植物が生え、グロテスクなバケモノに襲われる。
気がつくと周囲に自分たち以外の人間がいなくなり、濃い霧が立ち込めていく……。
物語冒頭から理不尽とも思える展開の連続。いったいなぜこんな事態になってしまったのか。この先に何がいるのか。生き残ることはもちろんだが、その謎を解き明かすこともプレイヤーの目的となっている。
物理的にも精神的にも先が見えない展開の連続で、プレイヤーを未知の恐怖がつぎつぎと襲う。少しプレイするだけで、薄暗い場所や曲がり角に恐怖を覚えるようになるはずだ。
また、プレイ中には、建物の中を探索する場面も。日本の家屋は閉塞感があり、外を歩いているときよりも恐怖感はマシマシ。イベントシーンではない場面で視覚外からに襲われる展開が必ず発生するのだが、その時は悲鳴を上げるほどのビックリ感を味わえるだろう。
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バケモノに近づかれる前には基本的に音が聴こえるため、少しプレイしていくと音が聴こえるたびにビクっとするようになるはず。家屋内を探索しているときに聴こえる物音の怖さは格別。これは戦闘の予兆ではなくプレイヤーをびっくりさせるための演出なのだと思うが、本当にやめてほしい(やめないでほしいという矛盾めいた感情も)。「誰もいないはずなのに、誰かがいるような気がする」というシーンの連続は、まさにジャパニーズホラーの真髄だと言えるだろう。
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過去作だと、プレイヤーの深層心理を具現化したような場所が多く、わりとグロテスクな雰囲気の場所が多かったが、本作の裏世界は日本の社殿のような形をしており、荘厳な雰囲気漂う場所になっている。
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彼はいったい誰なのか。その目的はなんなのか。そもそも雛子はなぜここにいるのか。多くの謎を抱えながら、プレイヤーは危険なバケモノがあふれる場所を探索することになる。自分はいったい何をしているのか、先に進んでいくと戻ってこられなくなるのではないか。プレイすればするほど、そんな不安感が膨らんでいき、言いようのない恐怖感を味わえるはずだ。
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足りない物資に終始焦りと不安が増す
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だが、マップ中には本作の世界観を記したメモや、後述する“お守り”などの隠しアイテムが存在している。そのため、プレイヤーは隅々まで探索したくなる欲求にかられるだろう。
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あの場所に行きたいが、アイテムが心もとない。いまはバケモノと戦いたくないので迂回しよう。あの場所に行きたいのに、バケモノがジャマだ。本作をプレイすると、そういったシチュエーションが多々ある。
探索をしたいが、すればするほど物資は目減りしていく。先に進んだほうがいい気持ちと、まだまだ探索したい気持ち。そのバランスをどのように取るのかも、本作をプレイするうえで重要となっている。単純に、探索するだけでも怖いし。
意外と強い女子高生。育成するとフィジカル強者に
本作の戦闘システムとして、敵の攻撃直前の瞬間など、特定のタイミングで強攻撃ボタンを押すと強力な一撃を見舞う“見切り反撃”が存在する。また、“集中(L2ボタン)”でゲージを溜め満タンになると、こちらも強力な“渾身の一撃”が使用できる。
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回復アイテムには、“あられ”、“ラムネ”、“チョコレート”など、祠にお供えできるものが存在する。お供えをすると雛子は"功徳"を得られ、この功徳を消費することで、体力、精神力、持久力、装備できるお守りの数の上限をアップが可能。また、"おみくじ"を引くと、雛子に特殊能力を付与できる"お守り"を入手できるようになっている。
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前述のとおり、本作では回復アイテムの数が限られている。しかも、“包帯”や“救急箱”と異なり、“あられ”などは体力を回復するだけでなく、特殊な効果を得られるものが多い。そのため、強敵との戦闘で使っていきたいが、使ってしまうと雛子の成長が遅くなってしまうことに。
所持アイテムをどのように運用するのかも悩ましいところだが、アクションゲームが得意な人なら慣れれば被ダメージを抑えられるゲームバランスなので、どんどんお供えしていってオーケー。序盤からがんがん功徳を積んで、雛子を育成していくべし。
アクションに不慣れな人は、得られる功徳が少ない回復アイテムは緊急時用にストックして進むといいだろう。
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また、謎解き要素の難易度も変更可能。本作の謎解きはけっこう難しいので、こちらも初回プレイは難易度を物語重視にするのがいいだろう。数回同じ場所でゲームオーバーになると、アクションの難度は下げる方向にのみ変更可能。しかし、謎解きの難易度はゲーム開始時にしか変更できないので要注意。
ちょっとだけネタバレ注意なレビューのまとめ
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ゲーム本編をクリアーまでプレイして感じた本作の最大の魅力は、読み進めれば進めるほどに謎が増すストーリーの存在だ。正直なところ、本作を1周クリアーするだけでは、本作の謎をすべて解明することはできない仕組みになっている。
『サイレントヒル』シリーズといえば、マルチエンディングを採用してさまざまな結末を楽しめるのが恒例だが、それは本作でも踏襲されている。クリアー後には、別のエンディングを目指してのプレイが楽しめる。1周目のエンディングは、まさに衝撃のひと言。だが、1周目をクリアーしただけでは、正直消化不良は否めない。そのため、クリアー後すぐにプレイヤーは2周目をプレイしたくなるはずだ。
1周目で探索がしきれなかった人は、2周目もアクションと謎解きの難易度は物語重視にするのがおすすめ。高難易度でのプレイは、3周目以降にするといいだろう。
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シリーズ最新作としてもジャパニーズホラーとしても随一の魅力を持つ傑作
ストーリー面については、過去シリーズと比べてもトップクラスの出来栄えだと感じる。これは筆者が竜騎士07氏のファンだからというのもあるが、それを差し引いたとしても、ゲーム中盤から終盤の展開やエンディングの“あの”シーンには、かなりの衝撃を受けたはず。これを読んでいるホラーゲームファンの人にも、ぜひ筆者と同じ感覚を味わっていただきたいと考えている。
だが、本作はけっこうスプラッターで衝撃的なシーンが多いため、血が苦手という人にはおすすめできないかもしれない。その恐怖を超える衝撃が待っているのは間違いないが、ある程度の覚悟を持ってプレイするとよいかも。CERO Z(18歳以上のみ対象)のゲームだし、どんな内容なのかはお察しください。
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シリーズファンにとっても、竜騎士07氏のファンにとっても、ホラーゲームファンにとっても最高の恐怖体験が味わえるであろう『サイレントヒルf』。ビックリさせるホラー演出はそれほど強くなく、ジャパニーズホラーならではのじわじわと迫るような恐怖が味わえるゲームなので、そういったテイストが好きな人にもかなりおすすめ。
美しくも醜い、神々しくも禍々しい、現実なのか悪夢なのかも定かではない恐怖の霧の世界に、ぜひ足を踏み入れていただきたい。
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