『オクトパストラベラー0』マフィアや口下手な大工を町に招いて故郷を復興! 思わぬ人物たちが共同生活を始めるのがおもしろい。先行プレイで町作りや8人編成バトルを体験

byロマンシング★嵯峨

『オクトパストラベラー0』マフィアや口下手な大工を町に招いて故郷を復興! 思わぬ人物たちが共同生活を始めるのがおもしろい。先行プレイで町作りや8人編成バトルを体験
 スクウェア・エニックスのRPG『オクトパストラベラー』シリーズ最新作となる『オクトパストラベラー0』。2025年12月4日発売予定の本作では、主人公をキャラクターメイクできる要素や、滅ぼされてしまった故郷の町ウィッシュベールを再興する“タウンビルド”などの新しい遊びが楽しめる。
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※対応機種は、Nintendo Switch 2、Nintendo Switch、プレイステーション5、プレイステーション4、Xbox Series X|S、Steam、Windows。 ※パッケージ版はNintendo Switch 2、Nintendo Switch、プレイステーション5、プレイステーション4版のみ。
 今回、欧州のゲームイベントgamescom2025の開催に合わせ、本作を試遊する機会を得たので、プレイの模様をリポートしていこう。なお筆者は『オクトパストラベラー』(以下、『オクトラ』)は、『オクトラ 大陸の覇者』も含めて経験済みだ。

戦略を練るのが楽しい8人編成バトル。特殊ジョブの建築士はアビリティが優秀

 今回の試遊で体験できたのは、ウィッシュベールの復興を進めるメインストーリーの一部。主人公たちは、町を盛り上げるには商店が必要と考え、商人を呼び寄せようと考える。そこで、腕利きと評判の商人ルドを捜しに行き、協力を頼むが、代わりに商売の妨げとなる魔物の退治を依頼され……という流れ。
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 町を出てダンジョンへ行き、ボスを倒すまでを体験したが、バトルのバランスは、『オクトラ』経験者には「そうそう、こんな感じ」という歯ごたえ。強い技をただ連発しているだけでは勝てないバランスになっている。

 そもそも、『オクトラ』シリーズのバトルの特徴は

  • 敵に弱点が設定されており、弱点を突くと“シールドポイント”を減らせる
  • シールドポイントをゼロにすると相手を“ブレイク”状態にできる。ブレイク中の敵は行動ができず、防御力が下がる
  • 敵と味方の行動順は画面上部に表示されている。相手に強い攻撃をくり出される前にブレイクする、といった戦術が有効
  • バトル中に溜まっていく“BP(ブーストポイント)”を使って“ブースト”すると、通常攻撃の回数を増やしたり、技の威力を高めたりできる

 ……というもので、上記の要素を吟味しながらじっくりコマンドを選んでいくのが楽しいバトルだ。
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敵の弱点を突くことで、シールドポイント(盾のようなアイコンの中に書かれている数字)を削れる。シールドポイントをゼロにできれば相手がブレイク状態に。
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ここぞというときで使いたいブースト。相手がブレイク状態のとき、一気にダメージを与えたいときに有効。
 『オクトラ0』ではこれをベースに、前衛4人・後衛4人を交代させながら戦う“8人編成バトル”と、アビリティを装備のように付け換えできる“セレクトアビリティ”を導入し、他タイトルとはまたひと味違う遊びが生まれている。

 8人編成バトルは、『オクトラ 大陸の覇者』経験済みの人にはおなじみだが、前衛と後衛をバトル中に切り換えていくことがカギ。後衛にいるあいだはHPとSPが回復していくので、消耗した仲間は後衛に下げるといった戦略が必要になる。また、仲間によっては、前衛もしくは後衛にいるあいだのみ効果を発揮するサポートアビリティを持っているので、それを活用するのも重要だ。

 敵の強さは“8人みんなで戦う”ことを前提に調整されているので、前衛・後衛の入れ換えナシでボスに勝つのは、不可能ではないがなかなか難しいと思われる。

 セレクトアビリティは、キャラクターの活躍の幅を広げる要素。たとえば、本来であれば杖と本しか攻撃方法を持たないキャラクターに、火や氷といった属性攻撃のセレクトアビリティをセットすると、敵の弱点を突ける可能性が高まる。前衛で活躍させたいけれど打たれ弱いキャラクターに、自己回復系のセレクトアビリティを付けるのも有効だろう。『オクトラ』はパーティー編成を考えるのが楽しいゲームだが、セレクトアビリティは、その楽しさをさらに高めてくれそうだ。
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セレクトアビリティで装備した技は“覚えた技”というコマンドから選択できる。
 なお今回の試遊では、物語の中心人物のひとりであるスティアを使うことができたが、彼女の独自ジョブである“建築士”は、サポートが得意なタイプのジョブだった。

 シリーズ経験者には、薬師と商人のいいところをミックスした感じのジョブ……と言えば伝わるだろうか。使用武器は斧と短剣で、回復系のアビリティや、BPパサーやSPパサーなどのサポート系のアビリティを習得する。また、サポートアビリティも優秀。自分が行動した後、一定確率で誰かを回復する“ついでに回復”が便利だし、最後に覚えるサポートアビリティは「これ、いやらしい強敵と戦うときは必須なのでは?」と思うほど便利な効果だった。
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 また、ボスを倒して商人ルドが仲間になった後、ルドの使用武器やアビリティを解説するチュートリアルが表示された。仲間になるキャラクターが多い本作ならではの親切仕様で、「いろいろなキャラクターを活躍させてほしい」という意図を感じた。
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 そして、ルドを仲間にした後には、意味深な回想シーンが……田中敦子さん演じるヘルミニアと、フードの人物が取引をしているようだが?
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“招く”フィールドコマンドで、いいアビリティを持つ住民を呼び寄せる!

 続いて、町を歩く中で気付いた点や、「おっ」と思ったポイントを紹介しよう。

 ささやかながらうれしい新仕様が、右スティックでカメラのズームイン・ズームアウトが可能になったこと。過去作にはなかった機能で、広範囲を見渡せてけっこう便利だ。
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左が通常のカメラ位置、右がズームアウトした画面。
 町の人々に“フィールドコマンド”を実行して、情報を聞き出したり、アイテムを奪ったり譲ってもらったりする要素は『オクトラ 大陸の覇者』がベースになっているが、今回は“招く”というコマンドが新たに登場する。
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 これにより、復興中のウィッシュベールの町に、コマンドを実行した相手を住民として招くことができる。各キャラクターには“住民アビリティ”というものが設定されていて、便利なアイテムを定期的に持ってきてくれる、商店の購入額を値引きするといった効果を発揮する。いいアビリティを持っている人を招きたいが、そういった人は招くハードルが高いことも。また、「この人物を招くにはカレーライスが必要です」と言われたりもする。

 そう、『オクトラ0』では、新要素として料理が登場。町の復興を進めると料理が作成可能になるとのことで、使用した料理の効果はバトルをまたいで効果が継続するという。今回の試遊では、揚げポテトとかグリーンサラダとか、おいしそうな料理名を複数確認できた。
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 また、主人公のキャラクターメイキングの際には、主人公の好物に自由に名前をつけられる。試遊データでは“ウィッシュ煮魚”が好物となっていた。ウィッシュ煮魚、いったいどんな料理なんだ……。

 そのほか、フィールドコマンドをあれこれ試す中で気付いたのは、セレクトアビリティは宝箱やボスの討伐で手に入ることもあれば、住人から買ったり奪ったりもできるということ。強力なセレクトアビリティを持っている人を見つけ、序盤にゲットできれば、その後の冒険がラクになる……といったこともありそう。

民家や道に加えて、住民の配置も楽しめるタウンビルド

 最後に、建築物や道を自由に配置して、ウィッシュベールの町を作り上げていく“タウンビルド”を体験。
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 試遊データでは、町の半分程度が復興されている状態で、奥の方にはまだまだ瓦礫やガラクタが放置されていたが、それでも、『オクトラ』1作目でいうとリプルタイドくらいの面積があったと思う。最終的にはなかなかの規模の町になるだろう。

 タウンビルドでは、フィールドで集めた木や石などの素材を使って、民家や装飾品といったものを作り出し、配置できる。民家と一部の建築物についてはスキンが選べる仕様(スキンは別途入手する必要あり)。
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 民家を建てたら、そこに住まわせるキャラクター(パーティーメンバー、または“招く”フィールドコマンドに成功した人々)を選択する。思わぬ人物たちが共同生活を始めるのは、見ていてなかなか楽しい。
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 樹や花、樽といった装飾品も豊富に用意されていて、町を好きに飾り立てることが可能だ。
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 建てられる施設としては、民家以外にも、畑や牧場、商店などがある。商人トレサを商店に配置すると、先述のストーリーを経て店主になったルドが、トレサを褒めるような発言をした。一部のキャラクターと施設を組み合わせると、特殊な会話が出るケースがありそうだ。
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畑では料理の材料となる野菜を育てられる。
 そして、特定の施設などはアイテムを使うことでグレードアップが可能で、グレードアップすると配置できる住人の数が増えたり、新たな機能が解放されたりする。
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タウンビルドは、最初はスティアに話しかけなければ実行できないが、建築工房をグレードアップすると、ウィッシュベールのどこからでも実行可能になる。
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商店のグレードを上げると、貴重なアイテムが手に入りやすくなるといった効果が。
 そのほか、ささやかだがグッドだと思ったポイントは、地面に敷く道や草は素材ナシで設置できること。こういった街作り系の遊びでは、ガラッと見た目を変えたくなったとき、地面を調整するのが地味に面倒だったりするので……素材ナシで気兼ねなくできるのはうれしい。
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 ちなみに、町に呼び寄せた人たち相手にフィールドコマンドを実行することも可能。せっかく来てくれた相手に対し、戦いを仕掛けることもできちゃうが、そういった選択の自由さがあるのも『オクトラ』のいいところだなと思う。

 以上、1時間ほどの試遊でわかったこと、感じたことを紹介してきた。今回体験できたのはおもに“復興”の遊びだが、本作が持つもうひとつの面、“復讐”については未体験なので、いずれ別の機会でレビューをお届けしたい。
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今回のボス戦でいちばん活躍してくれたアレクシアさん。製品版で会うのが楽しみ。
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