
5つの人格を持つソフィアは、人格の数だけ重い心の傷を抱えています。彼女たちの心の傷を暴き、殺人を犯した人格を消去して、“ソフィア”を助ける――はたしてこれは、ハッピーエンドなのでしょうか。
監獄にいるソフィアと監視カメラ越しに対話する7日間。その模様をレビューしていきます。
5つの人格と対話しながら、真相を探る
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このまま新たな証拠や発言を得られなければ、7日後にソフィアは犯人として処刑されることが決定されている、とフィリップに伝えるリンジー。プレイヤーは精神科医・フィリップとして、監視カメラ越しにソフィア“たち”と対話しながら、限られた時間で真相究明を行います。
とにかく誠実に、一歩ずつ話を聞く
ソフィアは記憶を共有しないタイプの多重人格者なため、事件前後の記憶は途切れ途切れとなっており、それぞれの人格が覚えていることも違います。
フィリップが適切なキーワードを入力してそれぞれの人格と話すことで、不明瞭だった事件当日の流れが明らかになっていきます。
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たとえば、ソフィアと初対面をはたすシーン。彼女はフィリップからの問いかけに答えず、決まった文章を読み上げるような受け答えをします。
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最初はなんのこっちゃ、と見当もつかなかったのですが、リンジーから「実際に検索して調べてみるといいかもね」とヒントをもらい、ソフィアの言っている文言をそのままGoogle検索窓に貼り付け。検索してみると……。
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なんと、ダニエル・キイスの小説『アルジャーノンに花束を』がヒットしました。名作ですので、読んだことはなくともタイトルは知っている、という方が多いのではないでしょうか。
ソフィアは捜査官たちに対する不信感が募り、好きな小説から一節を引用。それに気づいてくれる人を待っていた、とのこと。
これ、検索する前に気づけたらめちゃくちゃ気持ちいいのでは……くそ、もっと自分に教養があったなら……と謎の敗北感を覚えました。
こうした問題に限らず、大事なキーワードは個別で入力する場面が存在します。失敗してもあとからやり直せるので、安心してチャレンジしてください。
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まずは人格を切り替えるスイッチを探り、各人格から信頼を得よう
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ほかの人格たちはみな“自分が後から生まれた人格であること”、“ソフィアを守るために存在すること”、“自分が消えればトラウマがソフィアに渡ってしまい、結果としてソフィアが壊れてしまうこと”を理解しており、最初はフィリップに対しても非協力的な態度を見せます。
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なぜ非協力的かというと、フィリップに犯人として指名された人格は、“サイコパージ”という方法によって消去されると聞かされていたからです。
サイコパージは多重人格者が罪を犯した場合に措置される薬(人格消去薬)で、それによって該当人格だけが消えるようになっています。
4人の人格は、「自分が消えたあとでもフィリップがソフィアの心の治療にあたってくれるなら」という前提で、自分たちが生まれるキッカケとなったトラウマを言い当てることができれば事件のことを話す、と条件を出します。
つまり、事件の真相を知りたかったら、4つのトラウマを暴き、彼女たちからの信頼を得ないといけないわけです。
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7日間で要人殺害事件の真相を明かせなんて無茶
ほとんどのことが思い出せない主人格。何か知ってるっぽいほかの人格たちは非協力的な態度。ソフィアの保護者たち4人からのテストも通過して、やっと始まる事件関係の尋問。「ついに事件の話が聞ける……!」というころには、残された時間はあと1日です、なんて事態になっている。うん、無理。
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でも、安心してください。このゲームは周回プレイ前提で作られています。初見で真相までたどり着くの、おそらく無理です。たぶん。
本作は、キーワードを検索してソフィアたちと対話すると、一定時間が経過する仕様になっています。この時間の減りかたがけっこう早くて、初回プレイ時には聞きたいこともたくさんありますから、ほぼ確実に時間は足りなくなると思います。
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7日間が経過してエンディングを迎えると、キーワードのMAPやQuestion、各人格の捜査ファイルなどは引き継いだまま、“つよくてニューゲーム”が可能になります。
すでに他人格のトラウマを暴いていた場合、特定のキーワードを投げかけることで、調査シーンもスキップ。いきなり事件のことを聞けます。
よくわかってもいないのにひとりの人格を消すのは心苦しいですが、いつかソフィアたちを救えると信じて、着実に真実へ近づいていきましょう。
トラウマというものは、ひとりの人間を生み出せてしまうほど、つらく苦しいものである
ソフィアは、ソフィアのほかにオリヴィア、イザベラ、フローレンス、エイミーという4つの人格を持っています。彼女たちの持つトラウマを暴くたび、この世の不幸という不幸が集まってきているのではないかと思えるほど、凄惨なソフィアの過去も明らかになっていきます。
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たとえば、ソフィアやイザベラは虫が苦手という共通点がありますが、オリヴィアは平気。クモの巣だらけの棚下に手を突っ込むのに躊躇がありませんでした。
もし、ソフィアの意識が少しでもあれば、きっと拒否反応が出たでしょう。これは彼女たちが完全に別人である、という証拠です。
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彼女たちの持つトラウマを探るなかで、自然とそれぞれの人格の人となりを知るわけですが、みんな本当に魅力的なんですよね。
本作には“差し入れ”というシステムがあり、それぞれの人格が必要としているものを差し入れると、豊かな表情を見せてくれます。
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話を聞ける状態ではなかったので、“かけるもの”を差し入れすることに。
フローレンスのファイルを見てみると、顔写真がメガネをかけた姿だったので、メガネを差し入れました。
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しかし、どうやら目が悪いわけではないようです。ここで筆者は、「あ、もしかして視線をさえぎるものがないと落ち着かないタイプ?」と深読みをしてサングラスを渡すことに。
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違った。最終的にはだてメガネを差し入れすることで落ち着きました。
しかし、プレイヤーがこういう勘違いで行動するだろう、と度の入ったメガネやサングラスまでスチルとセリフを用意しているあたり、まんまと開発者の手のひらの上で踊らされた気分です。
本作の随所にはこういった細かい演出がたくさんあって、「トラウマを封印するためだけの存在じゃなくて、この人格もひとりの人間として生きているんだ」と感じさせます。そして、そのぶんラストの「サイコパージ(処刑)どれにする?」の選択がつらくなります。
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粘り強く、誠実に。ソフィアたちとの対話をくり返して、プレイヤーのみなさんにはぜひ真実にたどり着いてほしいなと思います。
『ソフィアは嘘と引き換えに』
- 発売日:2025年7月3日発売
- 対応プラットフォーム:PC
- ジャンル:アドベンチャー
- 発売元:MUTAN
- 開発元:MUTAN、ストーリーノート
- 価格:3480円[税込]