大人たちだからこそ描けるハードボイルドなストーリー
本作には、ほかの『ペルソナ』シリーズ作品にはない唯一の特徴がある。それは、メインキャラクターのほぼ全員が学生ではない、ということ。前作の主人公でもある周防達哉以外は皆社会人でもあり、主人公の舞耶23歳を始めほとんどが20代半ば~30代と、平均年齢も高い。学生の視点から話が展開していった『罪』に対し、『罰』は大人の視点から話が展開していくのだ。そういう意味でもシリーズ中において異質な作品ではある。



ストーリーは全体的には暗めではあるものの、伏線がしっかりと回収されていたり、『罪』で悲惨な目に遭ったキャラクターにも救いが用意されたりしているなど、読後感はかなりスッキリしている。とくに結末は“大人の物語”だからこその展開で、見応えあるものとなっている。また本作単体でも問題なく楽しめる構成にはなっているが、“答え合わせ”的な要素も多くできれば両作ともプレイしておきたいところだ。
また、『女神異聞録ペルソナ』のメインキャラクターでもあった南条圭(南条くん)か桐島英理子(エリー)を仲間にすることができるのも、シリーズファンにとっては大きなポイント。このふたりのどちらを仲間にするかもそうだが、プレイヤーの選択次第でストーリーが分岐するような構成も『ペルソナ』シリーズにおいては本作ならでは。


システム面では“噂システム”をはじめ、ほぼ『罪』のものが踏襲されている。とくに仕入れた噂を広めてそれを現実にするという“噂システム”はほかのシリーズ作品にはないもの。本作ではシナリオと加入メンバーが変化したり、マンサーチャー(人捜し)などのミニゲームができるようになったりと、バリエーションが増えている。

いつもと違う“大人のジュブナイル”が味わえる独特な雰囲気のストーリー、噂システムなど、『ペルソナ3』以降の作品にはない要素が楽しめる唯一無二の作品となっている本作。ベルベットルームの主、イゴールの創造主であるフィレモンが登場するのも、現在のところ本作が最後となっていることを含め、シリーズファンにとっても見どころは多い。
なお、リメイク版では、達也が裏でどんな行動をしてきたのかを描く新規シナリオも収録されている。プレイ環境と機会があればぜひプレイしてほしい。
















