505 Games/Leenzee Gamesが送る新作ソウルライク『明末:ウツロノハネ』(Wuchang: Fallen Feathers)が、2025年7月24日にプレイステーション5(PS5)、Xbox Series X/S、PC向けに発売される。
近年、『黒神話:悟空』や『ウォーロン』(Wo Long Fallen Dynasty)など中国を題材にした大作が注目を集めるが、本作もその系譜に連なりつつ、独自の魅力でゲーマーの挑戦意欲を掻き立てる一作だ。
Summer Game Fest Play Days 2025で公開されたデモ版の詳細な手触りをお届けする。
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謎に満ちた設定と世界観を伝える日本語音声・字幕対応
物語の舞台は、謎の奇病“羽化病”が蔓延する古代中国。羽化病患者は体に羽が生え、やがて理性を失い人喰いの怪物へと変貌してしまうという。プレイヤーは記憶を失った主人公“無常”となり、眠りから覚め、緑豊かな森を抜けてひとつの祠へたどり着くところから旅を始める。“無常”自身もまた、この羽化病に侵されており、記憶を失っているのもその症状のひとつと言われている。
喜ばしいことに、『明末:ウツロノハネ』は日本語音声・字幕に対応している。せっかく重厚なストーリーや戦闘中にセリフがあっても、ソウルライクでは字幕を読んでいる暇がないという場面が多いが、日本語音声に対応しているのならそんな状況も減るだろう。
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グラフィックは鮮やかだがソウルライクの名に恥じない難度
『明末:ウツロノハネ』のグラフィックは、ソウルライクにありがちな陰鬱な世界観とは一線を画し鮮やかで美しい情景が広がる。ただし、ゲームプレイはまさにソウルライクで、プレイヤーの心を折ってこようと畳み掛けてくる。
ゲーム開始直後、ある不気味なNPCによって突如として異空間に引きずり込まれ、ボスに圧倒的な力で叩きのめされるという手荒い洗礼を受ける。早速、"死にゲー"としての片鱗を見せつけられた。
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戦闘は、すべての武器でパリィやガードができるわけではないため、回避の重要性が極めて高い。敵の攻撃を完璧なタイミングで回避すると、強力な術や通常攻撃を強化できる消耗性のエネルギーが溜まる“須羽”という仕様は、リスクとリターンが噛み合った絶妙な緊張感を生む。
デモ版では探索要素もしっかりと体験できた。目的の祠へ向かう橋は落ちており、川岸を迂回して進むことになる。道中では、敵を倒したり探索で手に入れた強化素材“赤汞(あかぎん)”を使い、祠で無常のスキルを強化することが可能だ。スキルには特殊効果のほかに、無常のステータスを上昇させる効果もある。
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また、探索中に初期装備の剣に代わる巨大な戦斧を発見した。杖が素早い攻撃や蹴りをくり出せたのに対し、斧は重い一撃と引き換えにガードが可能になるなど、武器の選択がプレイスタイルを根本から変える戦略性の高さも確認できた。
デスペナルティがガチのペナルティとなるオシオキ制度
そして、本作を唯一無二の存在たらしめているのが“心魔値”だ。プレイヤーが死亡をくり返すと無常の“心魔”が蓄積し、攻撃力が上昇する代わりに防御力が下がり、ゲーム全体の難度も上昇する。ソウルゲーの始祖である『デモンズソウル』も生身の状態で死亡すると敵が強くなるシステムがあったがソレに近い。
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しかし、『明末:ウツロノハネ』はここでさらに一歩踏み込んだ仕組みを導入している。
通常だと死亡するとそれまで持っていた赤汞は地面に落としてしまい、死なずに死亡地点まで辿り着けば回収できる。しかし、心魔が限界に達した状態で倒されると、事態は一変する。
つぎにリスポーンした際、自分が倒された場所に狂気に堕ちた無常の分身が出現し、プレイヤーに襲いかかってくるのだ。邪悪なオーラをまとった無常が突然現れた時は、闇霊に侵入されたのかと勘違いしてしまうほどに驚かされてしまった。
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なお、この分身を倒すことができれば回収できるはずだった赤汞にボーナスが追加されるハイリスク・ハイリターン仕様になっている。もしかしたら分身を使ったファーミングが生まれるかもしれない。
倒せそうで倒せないが、倒せる気がするいい塩梅のボス
デモ版のクライマックスは、筆者がプレイした1日目の段階では開発チームが「誰もクリアーできていない」と語る、極めて手強い人型のボスとの死闘だった。筆者は『ELDEN RING NIGHTREIGN』(エルデンリング ナイトレイン)の全ボスを発売2日で撃破したばかりだったので、ふだんよりはソウルライクの腕が上がった状態だろうと調子に乗っていた。
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最初の挑戦はなすすべもなく敗北。ソウルライクで初見敗北は当然だ、気にしない。ここからが本番だ。開発チームからの助言を受け、装備を見直し再び挑む。ところが、このボスのディレイにどうにも対応できない。無常が装備しているふたつの武器は攻撃の出が少し遅く、回避でモーションキャンセルもできないので、攻撃と回避のタイミングを見誤りボコボコにされ続けた。
結局制限時間がきてしまい終了。HPを1/3程度削るのが精一杯だった。むしろディレイを気にしていなかった初見時のほうがよく動けていた。非常に悔しいかぎりだが、時間があれば倒せていただろうという実感もあり、製品版で討伐できたときはきっと喜びも大きいだろう。
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ボス部屋マラソンがちょっと長いかも
一方で気になった点もある。それはマップのレベルデザインだ。このボスに遭遇する前にミニボスと別のボスがいたのだが、どちらも祠、いわゆるセーブポイントからちょっと離れているのだ。ボスに敗北すると祠に転送されるのだが、道中の敵もすべて復活しているので、すぐにボスと戦いたいのに移動も長ければ敵のちょっかいもストレスという煩わしさを覚えた。信じてほしい、それだけボス部屋マラソンしたんだもの。
おそらく製品版ではこのような状況が増えてしまうだろうから、セーブポイントの位置は改良してほしいと感じた。
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『明末:ウツロノハネ』は、ソウルライクの王道を継承しつつも、“心魔値”という革新的なシステムで独自のアイデンティティを確立している。新しい挑戦を求めるプレイヤーなら、2025年7月24日を楽しみに待とう。
タイトル概要
- 対応プラットフォーム:プレイステーション5、Xbox Series X|S、PC(Steam、Epic Games Store)
- 発売日:2025年7月24日発売予定
- 発売元:505 Games
- 開発元:Leenzee Games
- 価格:プレイステーション5 パッケージ版:7260円[税込]、ダウンロード・通常版:各7260円[税込]、ダウンロード・デラックスエディション:各8250円[税込]
- 対象年齢:CERO 18歳以上のみ対象