2025年5月16日に1周年を迎えた『学園アイドルマスター』(以下、『学マス』)。1stアニバーサリーでは、清楚な見た目に反して傲慢でのんびり屋なアイドル・秦谷美鈴が新たにプロデュースできるようになった。そんな彼女と縁が深いのが、中等部時代にユニット“SyngUp!”で肩を並べて歌っていた月村手毬だ。過去のいざこざが原因で冷戦状態に陥っているふたりだが、彼女たちの関係性の根底にとてつもなく重い感情が流れていることは間違いない。
そんなふたりの関係性について、月村手毬役の小鹿なおさんと、秦谷美鈴役の春咲暖さんにじっくり語ってもらった。各アイドルの印象や収録の裏話はもちろん、ライブでのパフォーマンスに対するふたりの熱すぎる想いにもぜひ注目を!
※本インタビューは4月上旬に実施しました。
※本インタビューは5月8日発売の週刊ファミ通(2025年5月22日号 No. 1897)に掲載した内容に加筆、修正を行ったものです。小鹿なおさん(おじか なお)
アイムエンタープライス所属。8月9日生まれ、 愛知県出身。趣味はYoutube鑑賞、特技はダンス。アニメ『疑似ハーレム』(史郎役)、『悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました』(リボン役)、ゲーム『勝利の女神:NIKKE』(アイン役)などに出演。
春咲 暖さん(はるさき のん)
ソニー・ミュージックアーティスツ所属。2月13日生まれ。趣味は辛いものを食べること、特技はダンス。アニメ『NieR:AutomataVer1.1a 』(アネモネ役)、ゲーム『メメントモリ』(シズ役)、舞台『アサルトリリィ・御台場女学校編』(藤田槿役)などに出演。
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小鹿なおさん、月村手毬
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春咲暖さん、秦谷美鈴
美鈴の手毬への重過ぎる愛情。会長との違いは“あの部分”だけ?
――春咲さんはファミ通でのインタビューが初めてということで、まずは『学マス』に出演が決まったときの思い出から聞かせてください。
春咲
私は過去にも『アイドルマスター』シリーズのオーディションに参加したことがあって、何回かスタジオオーディションに進んだこともありました。全部で10人ぐらい受けているので、『学マス』のメンバーではいちばん多いかもしれません。でも、残念ながら縁がなかったので、今回のお話をいただいたときも正直自信はありませんでした。設定も魅力的だしおもしろそうだけど、大丈夫かな……って(笑)。
――オーディションではどのアイドルを受けたんですか?
春咲
そもそもオーディションで話が来たのが美鈴と星南のふたりだけだったので、声質的にも美鈴しかないだろうなと思いました。美鈴はビジュアルもかわいらしいし、めちゃめちゃ私の好みで。絶対に受かりたいという想いも強くなりました。
――演じた時点で手ごたえはありましたか?
春咲
テープオーディションの課題原稿になっていたのは親愛度コミュの第1話で描かれる茶室でのやりとりでした。私の通っていた学校にも茶室があったからか、すごく情景を思い浮かべやすかったですし、同時に美鈴ならこういう風に話すだろうというイメージがスムーズにできました。むしろ、美鈴という役が驚くぐらいしっくり来ていて、これでダメだったらこの先の進路を考え直さなきゃいけないかなとまで思いました。
――そこまでですか。スタジオオーディションに臨むときも相当な覚悟が?
春咲
はい。キャラクターに近い服装や髪形でオーディションに行くのは声優さんのあるある話ですが、今回の場合はそれだと足りないというか、審査してくださる人たちの記憶にもっともっと私をこすりつけなきゃいけないと思ったんです。なので、鎧を着て合戦に行くぐらいのつもりで、全身を真っ黒い衣装で固めてから向かいました。
小鹿
全身真っ黒で!?
春咲
そう。たとえオーディションには落ちたとしても「そういえば、真っ黒女がいたな~」と思い出してもらえるように(笑)。
小鹿
重い!
春咲
えっ、重いかなぁ?
小鹿
絶対に記憶に残ろうとしている時点で重いです(笑)。
春咲
たしかに純度100%の想いでオーディションに臨んでいそうな子が多いなか、私はいろいろな意味で黒かったかもしれません(笑)。
小鹿
でも、そういうところも含めて美鈴っぽいと思います。
――ロックな姿勢まで含めて美鈴と通じるような(笑)。ちなみにオーディションで演じたときにディレクションなどはありましたか?
春咲
「わがままな感じに聞こえないようにしてほしい。自分の意思がしっかりあるので、どっしりとしたマイペースさを大事にして」と言われました。マイペースでいるのに周りが勝手に動いてしまうような説得力が必要なんだろうと頭ではわかったんですけど、はたして自分にそういう表現ができるのか不安になりながらも挑戦した記憶があります。
――美鈴ならではの唯我独尊でマイペースな感じは役が決まってからなじんでいったと。
春咲
そうですね。1年2組のみんなと掛け合いで収録をしているときも、千奈や佑芽といったテンションが高くてしゃべるテンポが速い子につられちゃいそうになることが最初は多くて。現場でも「周りの話はしっかり聞いているけど、自分のテンポを崩さないでください」と言われました。そこを意識しているうちに次第と慣れてきたというか、いまではそういう美鈴のスタンスが心地よくて、ほかのアイドルたちといっしょにいる美鈴を俯瞰してみていてもほほえましい気持ちになります。
──『学マス』はついに1stアニバーサリーを迎えました。このインタビューの時点ではまだですが、美鈴がいよいよプロデュース可能になるという点も見逃せません。
春咲
私自身もふだんからひとりのプロデューサーとして楽しみながらほかのアイドルをプロデュースしているので、 たまに美鈴が出てきたときに「あっ、 美鈴だ」と我に返るぐらいの感覚で……。美鈴が直接プロデュースできるようになるということにもまだピンときていません。むしろ、楽しみな気持ちのほうが大きいかもしれないです。
小鹿
逆に私は「美鈴ってまだプロデュースできないんだっけ?」と驚いています。美鈴が登場するサポートコミュもこれまでいっぱいありましたから。もしかしたら、中等部のころに手毬と結成していた“SyngUp!”の話も出てくるかもしれないと予想しつつ、親愛度コミュで美鈴の新たな一面が見られることに期待しています。
──賀陽燐羽も含めた“SyngUp!”の3人の関係性に注目をしているプロデューサーも多い印象です。
春咲
美鈴に関しては、まりちゃん(※美鈴の手毬に対する呼び名)を甘やかしているイメージが皆さんのなかでは強いのかなと。
小鹿
あとは、手毬が懐き始めたことねに対してやたらと敵意を向けているイメージが焼きついていそう(笑)。
春咲
……そんなに敵意が出ていたかな?
──初星コミュを見ているかぎり、一定の圧はあるように感じますが(笑)。
春咲
言われてみれば、たしかに初手から突っかかっていますからね(笑)。
小鹿
手毬に対する執着心みたいなものがプロデューサーさんたちの中では印象に残りやすくて、SNSなどでも話題にされやすいんだと思います。かくいう私も美鈴の重いところをもっと見てみたいので。
春咲
もっと重いところが見たいの!? それは大丈夫なのかな……。
小鹿
見たいですよ。最近の美鈴は1年2組のアイドルたちと仲よさそうにしていて「手毬がいなくてもいいの?」と思ってしまうので。
春咲
まりちゃんのほうからも重い発言が出てきちゃった(笑)。
──SSRのサポートカード“さみだれ”のサポートコミュ“雷がなりやむまで”などを見る限り、手毬も心の中では美鈴や燐羽を頼りにしているように感じます。
小鹿
現在は美鈴と冷戦状態の手毬ですけど、自分が困っているときは絶対に助けてくれるという信頼感があるんです。実際、サポートコミュでも雷で怖がっているときに美鈴は電話してきてくれていますし。美鈴もよく手毬のことを考えていますよね。
春咲
プロデュースできるようになったら気付くと思うんですけど、美鈴は親愛度コミュでも口を開くたびに「まりちゃん」しか言っていないので。まりちゃんのことをいつも想っているというか、愛の重さがとんでもないです。
小鹿
そこまでなの? なんだか、ことねに対する星南会長みたい……。
春咲
ほとんど変わりません。ことねがおびえているのに対してまりちゃんはおびえていないというだけの違いかも(笑)。
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スタジオの端と端に座るぐらい気まずい空気が流れた収録も
──可憐なビジュアルと中身のギャップも美鈴の魅力です。小鹿さんの中で美鈴の第一印象はどんな感じでしたか?
小鹿
色白で短めの髪の毛、穏やかな表情を浮かべている感じを見て、まずは「めっちゃビジュアルがいい」と衝撃を受けました。しかも、実際には素行不良というギャップも魅力といいますか。あんなにお淑やかそうな見た目なのに、中身は自由奔放で自分の意見を曲げないところは魅力だと感じました。あと、愛が重そうな感じは第一印象からあった気がします(笑)。逆にのんちゃん(※春咲さんの愛称)にとって手毬の第一印象は?
春咲
多くの人が同じ第一印象を持ったと思うんですけど、クール&ビューティーかな。「美鈴はこの子を甘やかしているの? もしかして、美鈴にだけ甘えてくれるのかな?」と予想していたんですけど、蓋を開けたらクールビューティーな見た目をしているだけのチワワが出てきた感じです(笑)。
──甘やかしたくなる気持ちがわかる?
春咲
めちゃめちゃわかります。まりちゃんのコミュのやりとりを見ているだけでも自然と口角が上がっちゃいますね。ああ、もうかわいいなぁって……。
小鹿
手毬は独り立ちしたいという気持ちも強いので、美鈴と会話をするときはペースを持っていかれないように冷たく話していますが、美鈴があまりにも甘やかすのがうますぎて「それなら甘えてみようかな」と思わされてしまうといいますか。とんかつ弁当で釣ろうとしてきたのもそうですし、的確に弱点を突いてきて気がついたら甘えているみたいな。
春咲
まりちゃんがチョロすぎるのでは?
小鹿
うん……(笑)。
春咲
さすがにチョロすぎて心配になりますが、そういうところもかわいくて甘やかしたくなってしまいます。あっ、でもバンビ(※小鹿さんの愛称)のことは甘やかしていないよね?
小鹿
うん、甘やかしてくれない。ぜんぜん(笑)。
春咲
ぜんぜん甘やかしていませんでした(笑)。
──初星コミュでは、“SyngUp!”解散を引きずりながらも前に踏み出していくふたりの様子が描かれています。演じるうえで、彼女たちの変化をどのように意識していますか?
小鹿
初期の親愛度コミュや序盤の初星コミュでの手毬は、誰の力も借りずにひとりでがむしゃらでやっていこうという気持ちが溢れていました。なので、演じるときにも「会話のキャッチボールをせずに終わらせようとする感じで演じてください」というディレクションをいただいて。そんな状態だったので、初星コミュで咲季、ことねとユニットを組むという話が出たときもすごい葛藤がにじんでいました。
――たしかに、この一年で手毬の印象もだいぶ変化したような。
小鹿
はい。コミュを見比べてもらうといまの手毬と昔の手毬とでは話しかたもだいぶ変わってきていることに気づいてもらえると思います。最初はとにかく抑えて抑えて……ちょっとずつ会話ができるようになってきて、いまでは受け答えもしっかりしていて。親愛度レベルが高くなるにつれてプロデューサーに対する口調もやわらかくなっていきますし、初星コミュでの咲季やことねに対する話しかたもちょっとずつ変化していきます。
春咲
コミュによって時間軸が変わったりもするのは難しいよね。
小鹿
そう、ちょっとずつ違うので。ここはちょっとやわらかくやっていいかなと思って演じたら「もうちょっとクールを装ってください」と言われたり、逆にクールめに演じたら「もうちょっとやわらかくお願いします」と言われてしまったり。まだまだ難しいです。
春咲
変化という部分では、“SyngUp!”の時代から比べると美鈴も大きく変化しています。彼女はまりちゃんといっしょにトップアイドルになりたいという想いが強過ぎて、是が非でもBegraziaに加入させようとしていて。中等部時代はどれだけまりちゃんに言われても走ろうとしなかった美鈴が、いまはまりちゃんといっしょに走るために全力でトレーニングに励んでいます。美鈴にとって“SyngUp!”の解散はそれぐらい大きな傷となって残っていて……。「まりちゃんといっしょに録るコミュはなんでこんなに苦しいんだろう」とずっと思っていました。失恋に近い感情を抱えたままずっと演じていたので……胸が苦しくてしかたなかったです。
──Re;IRISを組んだと知ったときはすごい感情になったのでは。
春咲
本当にそうです! ……許せませんよね?
一同 怖い!(笑)
小鹿
美鈴とのコミュを収録するときは私も苦しくなることが多かったかもしれません。収録初期に、私とのんちゃんのふたりだけでアフレコブースに入ったことがありましたが、ものすごく気まずくなってしまって。
春咲
けっこう広いスタジオブースの端と端に座った記憶があります。
小鹿
そう、私と春咲さんは仲が悪いわけじゃないのに……。
春咲
春咲さん? この話題になってから距離が遠くなった(笑)。
小鹿
引きずられました(笑)。当時は私とのんちゃんはまだあまり会話をする機会がなかったので「しゃべりかけたいけど、しゃべりかけていいのかな? でも……」みたいな感じで、手毬とシンクロして勝手に気まずくなってしまいました。
春咲
私からするとそこまで気まずくなかったんですけど、バンビが「めっちゃ緊張する……めっちゃ緊張する……」とずっとモゾモゾソワソワしていて。なんでそんなに緊張しているのか聞いたら、ほかの子としゃべるときとしゃべりかたが違うから緊張するということを教えてくれました。
小鹿
そう……。プロデューサーといっしょにいる時間よりも美鈴と積み重ねてきた時間のほうが長いので、いちばん子どもっぽい部分が出るのも美鈴といっしょにいるときなので。素の部分をどれぐらい出せばいいのか考えていたらモゾモゾソワソワしちゃって。
春咲
でも収録が終わった後に、めちゃめちゃ小さい声で「いっしょに……ご飯に行きたい……」と言ってきたんです。バンビのそういうところはまりちゃんと似ていて本当にかわいいなと思いました(笑)。
──美鈴も手毬と会話をするときは素の部分がにじんでいるような。
春咲
美鈴はまりちゃんと会話するときに甘やかしモード全開になることが多いです。台本にもハートマークをたくさん書いて演じています。しかも、バンビといっしょに収録すると文字で見たときの何十倍もまりちゃんがかわいくなるので、ニコニコが止まらなくなっちゃって。
――アフレコ中はずっと笑顔に?
春咲
はい。もう、ニコニコというよりニヤニヤが止まらない感じ(笑)。
小鹿
のんちゃんがどういう表情で収録しているのか、私もじっくり見てみたいです(笑)。
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じめじめしたふたりを演じる前にリーリヤと清夏で糖度を補給!?
――“SyngUp!”のもうひとりのメンバーである燐羽に対する印象はいかがですか?
小鹿
親愛度コミュの第10話まではビジュアルも出てきませんでしたし、収録段階で私たちに来ていた情報もいまよりは少なかったので、かなり攻撃的な言葉を使う子だと思っていました。美鈴と手毬の関係性が深いこともあって、そこにもうひとりいたというのが不思議だったんです。でも、N.I.A編が進んで燐羽が実際に登場したときにものすごく納得させられました。言葉は強くても愛情にあふれているし、周りをしっかり見ながら対等な立場でふたりに意見を言って引っ張っていける力がある燐羽ならわかるって。
――たしかに……。
小鹿
「足を引っ張ったら殺すから」という手毬の迷言がありますけど、あれも燐羽に憧れた末に出てきたと考えると納得がいきます。当初は内面チワワな手毬がそんなことを言うイメージがなかなか浮かびませんでしたし、慣れている感じで堂々と言っていたのもお手本がちゃんといたのであれば腑に落ちます。理解度が増しました。
――親愛度コミュを読むのが楽しみになりますね。さて、『学マス』といえばアイドルたちのビジュアルも魅力のひとつです。好きなイラストや立ち絵はありますか?
小鹿
私は食べ物を前にしたときの手毬の顔が好きです。キラキラ輝かせた目がシイタケみたいになっている感じの(笑)。
春咲
シイタケみたいな目(笑)。わかる!
小鹿
あと、彼女はよだれを垂らしている表情もかわいいんです。初星コミュで咲季、ことねと同じ部屋で住むのが決まったあと、咲季が自分の料理がいかに完ぺきかを語っているときにもこっそりよだれを垂らしていて。食べ物を前にしたときの手毬は本当にかわいいし、最近はもう食べ物への執着も隠さなくなってきました。
春咲
かわいいんだから隠さなくていいと思う。
――春咲さんはいかがですか?
春咲
私はやっぱりSSRのサポートカード“何やってるんだろう、”かな。壁に隠れているまりちゃんが最高というか、美鈴のぽやっとした表情も相まって、まりちゃんのかわいさが際立っていると思います。美鈴に関しては、初星コミュでたまに鋭い目をすることがあって、そのときの目元が印象的で。垂れ目でふんわりとした雰囲気はありつつも、芯が強い性格なので目を細めたときに鋭さが出るんです。それがまた猫みたいでかわいくて。ちなみに開発スタッフさんによると、美鈴の目にはこだわりがあるみたいで監修がとくに厳しいそうです。
――ここまで手毬、美鈴を中心にうかがってきましたが、もし、このふたり以外でお気に入りのアイドルがいたら教えてください。
春咲
私は “リー清”こと、リーリヤ&清夏のコンビが好きです。好きというかなんというか、ひたすらにありがたくて。残念な点を挙げるなら、そのふたりがいまのところ、まったくと言っていいほど美鈴と絡みがないことかもしれません。
小鹿
たしかに!
春咲
“リー清”には一切ぎこちなさがないというのもまた素敵。シーズンイベント“桜舞うスタートライン”も最高にありがたかったです!
小鹿
手毬と美鈴の関係とはぜんぜん違うよね。
春咲
美鈴のコミュは全体的に湿度が高いし、まりちゃんとのコミュもいつも切なげなメロディばかり流れている印象かも……。なので、私は“リー清”から王道少女コミック的な糖度を摂取しつつ、ふたりの切なげロマンティックに備えています。いつかふたりのコミュにも明るいポップな曲が流れるようになるといいなぁ。
小鹿
重い(笑)。ちなみに私が初期からずっと心惹かれているのは莉波です。やさしい表情で包み込んでくれるところとか、歌声にときおり混じる艶のある感じとかが素敵すぎてただ、やっぱり残念なのは莉波と手毬がやりとりをする場面がいまの段階ではほとんどないこと。甘えさせてほしいです……。
春咲
美鈴に十分甘やかされていると思うんだけど。
小鹿
それとは方向性がまたちょっと違うから(笑)。ふたりとも食べることが大好きですし、すぐに意気投合しそうな気がします。
春咲
いちばん怖いのは手料理を振る舞われて、まりちゃんが懐いちゃうことかな。「手料理作っちゃったんだ。まりちゃんも食べちゃったんだ。あーあ……」ってなるかも。
小鹿
美鈴が怖いです!(笑)
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例えるならば“光”と“闇”。激突するふたつのユニット
──“初”公演も大盛況のうちに幕を下ろしました。振り返っての感想を教えてください。
春咲
私の出ている初陣公演はラストということもあって、ほかのチームの公演も見ていたのでプレッシャーが半端じゃなかったです。美鈴はゲーム内ではライブをしている姿を見せていなかったうえに、楽曲もギリギリまで出ていませんでした。しかも、星南が先にプロデュースできるようになったこともあって「一番星(プリマステラ)より後にプロデュースできるようになる美鈴は何者!? 」とも言われましたし、さらにまりちゃんも「美鈴は本気を出してない」と言っていたからさらに期待感が上がっちゃったという印象で。
──美鈴の強者感が舞台に立つうえではプレッシャーに?
春咲
ずっと胃が痛かったです。しかも、ライバルであるまりちゃんのキャストとして、バンビがあそこまで見事なパフォーマンスをしちゃうから勘弁してよ~って。
小鹿
逆にこっちから見たら、のんちゃんは頭のてっぺんから爪先まで美鈴でした。表情がとにかくすごかった!
春咲
表情……意識しました! バンビもトップバッターはたいへんだったんじゃない?
小鹿
本当にプレッシャーでした。スタッフさんたちからも「手毬は一線級の歌唱力を持っています」、「歌で殴りに行ってください」と言われていたので、ライブでもうまく歌わなきゃいけないという重圧がありました。そして、手毬の歌の魅力になっているのが“全力感”。ライブで歌うときに余裕そうに歌っていたら手毬じゃなくなってしまいますし、かといって全力で歌っていたら体力が持たなくなってしまうというジレンマもあって。ライブの後半に息も途切れ途切れになりながら歌う状況がけっこうあって、初期の手毬が“スタミナ不足”を課題として抱えていたのはこういうことだったんだと身をもって理解しました。
春咲
私はバンビたちの『冠菊』の練習動画を観たことがあるんですけど、声がとにかく突き抜けていて驚きました。本番で見たらまりちゃんがそこに立っているような感覚で、美鈴と同じぐらい強火で応援したい気持ちになりましたし、一方で「こんなに全力で大丈夫!?」とちょっと心配にもなりました(笑)。
小鹿
プロデューサーさんの応援に助けられた部分は大きかったのかもしれません。ステージに出る直前までめちゃめちゃ緊張していて……。アーカイブで映像を見たら顔も引きつっていて、ポーズを取っているときなんかバランスがよくわからなくなって転びそうになるぐらいでしたけど、プロデューサーさんのコンサートライトを見ていたら自然と不安や恐怖も薄れていって、ただただ楽しいという気持ちになりました。プロデューサーさんの力の大きさを実感しました。
春咲
プロデューサーさんとの距離も近かったですしね。
小鹿
そう、全員の顔が見えました!
──5月には1stライブも開催されますが、それぞれのユニットの楽曲についてはいかがですか?
小鹿
『雨上がりのアイリス』の収録では、私の曲を聴いて~と全身全霊で主張するソロのときとは違って協調性を意識しました。仲間を信じて一歩前に踏み出して、 背中を預けながらのびのびと歌う手毬の姿を1stライブでも見せられたらうれしいです。
──Re;IRISの一員として歌う手毬を見るのは、美鈴を演じる春咲さんからすると複雑なのでは。
春咲
(冷たい声色で)なにもおもしろくないです……。というのは冗談で(笑)。Re;IRISの一員として歌っているまりちゃんは光に溢れている感じがしてすごいです。 逆に美鈴はBegraziaで『Star-mine』という楽曲を歌ったんですが、まりちゃんとは対照的に闇深い印象になっています。
──闇ですか!?
春咲
じつは収録自体はだいぶ前で、『ツキノカメ』のつぎぐらいに録っていたんですが、そのときはアイドルたちの情報もあまりなくて。ひとつだけ言われたのは、別のユニットでまりちゃんが歌うので、この曲で勝ってやるという気持ちを込めてほしいということ。なので、まりちゃんといっしょに歌えない悔しさとか悲しさとか、あとはある種の怒りとかを込めて歌っています。歌い出しの部分からすごく冷たい空気感が漂っていますし、美鈴の絶望感をきっと皆さんにも感じていただけるんじゃないかなと。
小鹿
チームとしてまとまって完成したRe;IRISに対して、Begraziaは個人の能力の高さで勝負しにきている感じがあるユニットですよね。『Star-mine』もすごくかっこいいし、難しいし、『雨上がりのアイリス』とはまったく違う魅力がある印象でした。
――両曲以外のパフォーマンスもどこまで進化しているのか楽しみです。
春咲
けっして隠していたわけではないんですが、美鈴の傲慢さはプロデューサーさんたちにもだいぶ知れ渡ったと思うので傲慢さを存分に見せつけられたらなとは思います。美鈴の親愛度コミュを見たうえでステージを観ていただくと、もしかするとより深く印象に残る部分があるかもしれません。
小鹿
手毬も“初声公演”の時点ではまだ“N.I.A編”も実装されていなかったので、そういう意味では彼女の内面をみなさんに深く知ってもらえた状態でライブをできるのは楽しみ。かっこいい手毬も甘えん坊な手毬も、とにかくいろいろな表情の手毬をみなさんにお見せできるようにがんばりたいです。
春咲
初陣公演でも『ヨルニテ』という楽曲を披露しましたが、スタッフさんたちに私が少し踊れることがバレてしまって。1stライブでも踊らされそうな気配があるというか……けっこう踊る予定です(笑)。
小鹿
たいへんだ……。
春咲
私は必死に歌ってもよくも悪くも必死さがあまり歌に出ないタイプで、そういうところは美鈴と相性がいいのですが、問題はさっきも話題に出たスタミナ問題とペース配分です。まさかまりちゃんと同じ悩みを抱えることになるなんて(笑)。
小鹿
逆に手毬は余裕がありすぎると手毬じゃなくなってしまうという難しさもあるのですが、のびのびパフォーマンスできたらいいのかなと……。“初声公演”が始まる前は手毬らしくパフォーマンスしようと意識していましたが、“アイマスエキスポ”なども経て、ステージ上で感じたものをそのまま表現するほうが手毬に合っているんじゃないかと考えを改めたので。
――“アイマスエキスポ”の経験は大きかった?
小鹿
大きかったです。“初声公演”とは違うメンバー(※篠澤広役の川村玲奈さん、倉本千奈役の伊藤舞音さん)でのステージなのも新鮮でしたし、とくに川村さんはステージに上がるまえは「イェーイ! バンビー!」と大声で呼びかけてくるぐらいハイテンションで。
春咲
そうなんだ! イメージが広とぜんぜん違う。
小鹿
でも、おかげですっかり緊張をほぐしてもらえた気がします。そして、プロデューサーさんからの歓声もものすごかったです。まさかあそこまでイヤモニを貫通してくるとは……。みなさんの愛も伝わってきましたし、やらなきゃいけないという気持ちから“ステージを楽しみたい”と気持ちに自然とシフトできた気がします。
――さらに小鹿さんは“リスアニ!LIVE 2025”にも出演されました。こちらの思い出は?
小鹿
『学マス』からは私が代表という形でひとりだけ参戦したので、そちらは緊張の種類がまた少し違いました。仲間も誰もいないし、『アイマス』シリーズのイベントではないという意味ではホームでもないし、ライブ前はなぜかデスゲームに参加させられる夢を毎日見るくらいでした(笑)。でも、ありがたいことにライブの前に先輩たちからたくさんアドバイスをいただいて、しっかり準備ができた状態で挑めたのはうれしかったです。それに“アイマスエキスポ”を経て楽しんだ者勝ちだと考えるようになっていたので堂々とやりきることができました。もし、『学マス』代表で手毬以外の子が選ばれていたらものすごく悔しかったと思いますし、そういう意味でもよかったです。
春咲
まりちゃんが『学マス』代表というのは美鈴としては納得する部分もあるんですけど、それはそれとして私もちゃんと悔しかったです。サプライズで舞台に出て『ツキノカメ』を初披露してやろうかと思うぐらいに(笑)。
――1stライブも含め、ステージでバチバチにやり合うふたりの姿が見られる日が楽しみです。最後に改めて、応援してくれるプロデューサーに向けてメッセージをお願いします。
小鹿
最近の手毬は甘えん坊な部分が前面に出ていますし、N.I.A編の泣きじゃくる印象が強い人も多いと思いますが、出会ったときの彼女を思い返してみてください。……そう、手毬はかっこいいんです! 好きな食べ物を我慢して、それでもアイドルという目標に向けてがんばる彼女を思い出して応援してもらえるとうれしいです。
春咲
だいぶお待たせしてしまいましたが、いよいよ美鈴がプロデュースできるようになります。マイペースな子なので美鈴のペースに合わせて歩いていただけたらうれしいので、よろしくお願いします。 彼女は本当に底が知れないというか、 気がついたらハマっている沼のような魅力を秘めているので、ぜひどっぷりと美鈴沼に浸かってみてください。
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週刊ファミ通2025年5月22日号では『学マス』1周年記念特集を掲載
週刊ファミ通2025年5月22日号(NO.1897/2025年5月8日発売)では、『学園アイドルマスター』1周年を記念した特集記事を掲載。ファミ通.comで募集したアンケートの結果発表なども行っているので、こちらもチェックしてほしい。
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