1994年にPCエンジンSUPER CD-ROM2向けに発売された『ときめきメモリアル』。本作は、3年の高校生活のなかで自分を磨き、意中のヒロインに告白されることを目的とした恋愛シミュレーションゲームだ。
“ヒロインを攻略する”という斬新なゲームシステムが好評を博し、多くのメモラー(『ときめきメモリアル』のファンのことを指す通称)たちを生み出していった金字塔的タイトルである。ゲームファンなら知らない人はいないタイトルだろう。
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そんな『ときめきメモリアル』は2024年に祝30周年を迎えた。そして、2025年5月8日(木)にリマスター版となる『ときめきメモリアル~forever with you~ エモーショナル』が、Nintendo Switchにていよいよ発売を迎えることとなった。
本作はプレイステーション版の内容がベースになっている。さらに、新たに描き下ろされた新グラフィック、快適にプレイできるお助け機能、シリーズではおなじみのEVS(エモーショナル ボイス システム。設定をすることで、キャラクターに自分の名前を呼んでもらえる機能)などが搭載され、快適なゲームプレイとともにあのころの“ときめき”を存分に味わえるようになっている。
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本稿では、『ときめきメモリアル』を過去に味わい尽くした担当ライターによる、『ときめきメモリアル~forever with you~ エモーショナル』のプレイレビューを掲載。
キーワードは、“懐かしさ”と“快適さ”。かつてプレイした人も、そうでない人も、珠玉の恋愛シミュレーションゲームをプレイするチャンス! この機会にぜひ“エモーショナル”な気分を味わっていただきたい。
リプ斉トン(古式さん推し)
オリジナル版は、25年まえほどにプレイステーション版にて体験。毎年違う水着を着てくれる朝日奈さんとの海デートにドキドキしながらプレイしていた記憶がいちばん印象に残っている。あとは古式さんの水族館デート。やっぱり男の子だしさ。ハハハ。
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やっぱり僕は古式さん!
あのころのゲーム性そのままに操作は超快適! これは本当にすごい!
前述のとおり、本作はプレイステーション版をベースとし、かつての遊び心地を一切損なうことなく、快適なゲームプレイが楽しめる内容になっている。かつてオリジナル版をプレイしたことがあるなら、感覚そのままにプレイできるはずだ。
オリジナル版は31年前のゲームだが、ゲームの古さ・新しさがおもしろさには関係ないのだということをプレイすると実感していただけると思う。
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攻略テクニックは体に染みついている。3年目までは寝て過ごし、3年目から育成すればいいのだ(意中のヒロイン以外、なるべくヒロインを登場させないテクニック。ゲームの雰囲気は若干崩れる)。
いろいろなコマンドで主人公を育成し、ヒロインとの会話やデートを楽しむ。ヒロインとの会話シーンは長くても数分で終わるくらいのボリュームになっているので、そのサイクルは非常にサクサク。いいタイミングで“止め時”が訪れるので、携帯モードで遊べるお手軽なNintendo Switchの操作性と相性がよいと感じた。
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会話は高校生らしい何気ない物が多いが、会話からヒロインの好みを探し出したりできる。ヒロインを知れば知るほど攻略が進んでいくというのもニクい演出だ。
さらに、その遊びやすさをさらに向上させる仕組みとして、ZLボタンを長押しすると、“文系”などのコマンドを入力してパラメーターを上げているときのアニメーションと、一度でも見たことのある会話を高速化できるようになっている。
これが本当に快適。お目当てではないヒロインとの会話(ちょっと失礼かつかわいそうではあるが)や、ヒロインからの自分の評判を好雄に聞くときの一連の会話、放課後の校門でヒロインに遭遇したときの会話などのシチュエーションで大活躍してくれる。
慣れている人なら、2時間くらいでお目当てのヒロインとのエンディングを迎えられるはず。全ヒロインを攻略するとしても、この機能を使えばそれほどのたいへんさを感じないかも。
特定のシチュエーションでだけ見られるイベントCGを回収したいという場合、オリジナル版ではけっこうな時間がかかるものもあったが、それもサクサク。本作で、改めて全イベントCGのコンプリートを目指すといったプレイも難しくないだろう。
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まだ仲よくない状態の藤崎詩織さんの下校時のイベントはスキップしたくなりがち(断られることが多いため)。セリフ送りやとりあえず日付をスキップしたいとき、オリジナル版では操作がたいへんだったが、本作ではZLボタンを押したままにすればいいので、快適。何度も言うが、これが本当に快適。
つぎに、こちらも本作からの追加要素になるが、セーブデータが最大で100個まで作成できるようになった。イベントを見るために、こまめにセーブしておきたいという人も安心だ。
また、各セーブデータには、メモをつけられるようになったことも、便利な追加要素。メモしておけば、「詩織ちゃん攻略中」、「2年目スタート」、「お風呂イベント前(!)」など、どういったセーブデータなのかが一目瞭然になる。セーブ数が増えたことによる「あのセーブデータどこだっけ」と悩むこともなくなるだろう。
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サイコ・マンティスに『ときめきメモリアル』をプレイしているとバレることはないのでご安心。
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文字入力については、Nintendo Switch標準のソフトウェアキーボードも使えるように。操作や文字の変換がスムーズに行えるので、メモ書きも楽々だ。
このほか、EVSが搭載されている点も見逃せない。このシステムは『ときめきメモリアル2』で初登場。第1作はさまざまなハードに移植されたが、EVSが搭載されたのは、本作が初となっている。
読みかたとイントネーションを設定すれば、自然なボイスで名前を呼んでくれるのは、うれしい限り。設定は保存しておけるので、次回プレイ時も同じ名前でプレイしたいというときに便利。痒いところに手が届くような心遣いに乾杯。
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ついに第1作のヒロインにも名前を呼んでもらえるように!
オリジナルと新グラフィックはどっちも魅力的。あなたはどっち派?
私はオリジナル派! ということで、グラフィックとフォント(文字デザイン)を新デザインのものに切り換えて遊べるという注目要素も見逃せない。
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オリジナル版のグラフィック。
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新グラフィック版。
新グラフィックに切り換えると、オリジナル版のイメージそのままに現代風に描き下ろしたグラフィックでゲームプレイが楽しめる。新グラフィックは、立ち絵はもちろん、イベントCGも変化するのがポイント。どちらのグラフィックでも、ボイスはそのままだ。
告白シーンのグラフィックも、新たなものが用意されている。ファンならオリジナル版と新グラフィック版、どちらの告白シーンも見逃せないだろう。
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オリジナル版のテイストを残しつつ、リファインされた新グラフィック。オリジナル版のファンほど新鮮に感じる。
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こちらはオリジナル版の告白シーン。新グラフィック版は見せられないよ。キミの目で確かめてみよう。
イラストデザインの方向性をどのように決定するのかは、開発スタッフの方々もかなり議論したのではないだろうか。新たなファン層獲得のため、現代風にまったく新たなデザインで描くといった方法もあっただろうが、本作の新グラフィックは、オリジナル版に準拠したものが採用されている。
これは、本作があくまでオリジナル版を尊重し、オリジナル版を愛するファンに向けたゲームであるからにほかならないだろう。新グラフィックでプレイしても、違和感なくあのころと同じ気持ちで“エモーショナル”なゲームプレイが楽しめるはずだ。
同じゲームプレイでも、グラフィックを変えれば新鮮なプレイが堪能できる。オリジナル版のグラフィックはすべて堪能したという人も、新グラフィックに変えてもう一度すべてのヒロインとの恋愛を楽しんでいただきたい。
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ちなみに、新グラフィックと新フォントは、オプションの項目から変更できる。タイトル画面に戻るといった操作が必要ないのもうれしい。
あのころの思い出が蘇り、気分はまさにエモーショナル
プレイステーション版をベースとし、現世代機に蘇った『ときめきメモリアル』。リマスターと銘打っているだけあり、オリジナル版のその魅力を一切損なうことなく当時の手触りを再現している。
現世代のゲームとして調整されている部分もあるが、その移植度はかつてのメモラーも納得の出来栄えになっている。オリジナル版から違和感を覚えることなく、あのころと同じゲームプレイが楽しめるはずだ。
ゲーム内容や難度の話をすると、藤崎詩織以外の攻略はふつうにデートをしてほどよく主人公を鍛えていけば、楽にヒロインの告白を受けられるくらいにやさしい。
歴戦のメモラーならポンポンクリアーできるし、初めてプレイする人でも対象のヒロインを集中して攻略すれば、きっと告白まで簡単にたどり着けるだろう(絶対ではないが)。
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攻略するだけなら3年は長すぎるくらい。ただ、いろいろなデートを楽しもうとなると、ちょうどいい期間設定だ。
昔のゲームをいまプレイすると、ボタンやコマンドのレスポンスがもっさりしていてスムーズにプレイできないということもあるが、本作では前述の早送り機能があるので、その心配はご無用。現代のノベルゲームの“既読スキップ”と同じようにセリフ送りができるので、サクサクプレイできるだろう。ボタンのレスポンスも非常に快適だ。
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カーソルの速度が遅いという人は、オプションから変更できるので活用しよう。
誰でも楽しめるゲームデザイン。さまざまな属性を持つ魅力的なヒロインの存在。痒いところに手が届く調整。31年前のゲームなのに、まったく古さを感じさせないという、ある意味恐ろしい内容のゲームだとプレイしていて感じてしまった。すでに改良する部分のない完璧なゲームだと言っても過言ではないだろう。
かつてのファンにももちろんプレイしてほしいが、ヤングな恋愛シミュレーションゲームファンの人にもぜひ楽しんでいただきたい。「昔のゲームだからノーサンキュー」と食わず嫌いをしては勿体ない! 高校生らしい少しドキドキするような“ときめき”が楽しめる本作を味わってほしいと切に願う。
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その完成度は、まさにゲーム史におけるオーパーツ。
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で、すみません! ひとつだけ苦言を呈させていただくと、運動会のミニゲームはちょっと調整を加えていただきたかった。一部のミニゲームが相変わらず難しすぎます! まあ、ビリになっても攻略にはほとんど影響しないので、いいんですけど。「難しい」という感想も、エモーショナルなのかも?
ちなみに、本作には、ゲーム内通常版に加え、オープニング映像やオリジナル版のBGM、秘蔵のイラスト集が収録されたデラックス版も発売。メモラーならコレクションしておきたい要素が満載なので、こちらの購入も検討してほしい。