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『FF11』の冒険者が泣いて笑ってまた泣いて……いつの間にか物語にも参加。『朗読劇 ファイナルファンタジーXI 夢幻のウタイビト』リポート【ネタバレ含む】

by大部美智子

『FF11』の冒険者が泣いて笑ってまた泣いて……いつの間にか物語にも参加。『朗読劇 ファイナルファンタジーXI 夢幻のウタイビト』リポート【ネタバレ含む】
 2025年3月1日、スクウェア・エニックスのオンラインRPG『ファイナルファンタジーXI』(以下、FFXI)を題材にした『朗読劇 ファイナルファンタジーXI 夢幻のウタイビト』が開催されました。その感動と興奮をどうにか皆さんにお伝えすべく、粘度高めのリポートをお届けします。リポートとは名ばかりの『FFXI』ファンの日記なんじゃないかと思わなくもないけれど……届けたい、共有したい、この『FFXI』にまつわるビッグラブ。あと取材時の裏話もチョコっとお届けします。
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 まずはイベント情報から。本イベントはKADOKAWA主催の有料イベントで、2024年にところざわサクラタウンで開催された『朗読劇 ファイナルファンタジーXI 異聞のウタイビト』につぐ『FFXI』の朗読劇第二弾となります。
 脚本を手掛けたのは第一弾と同様、高橋玖さんとはせがわみやびさん。高橋玖さんは過去ウィンダスの連続クエストや『アトルガンの秘宝』のクエスト、『アルタナの神兵』ではメインミッションをご担当されていた元スクウェア・エニックスのプランナーです。そして、はせがわみやび先生は『FFXI』のノベライズを担当され、32冊もの『FFXI』小説を世に生み出してくださったお方です。

 そしてその脚本を『FFXI』チームが監修し、演じるのは声優の加藤英美里さん、浅川悠さん、河西健吾さん、ランズベリー・アーサーさんの4名。全員が『FFXI』プレイヤーであるという気合いの入った布陣になっています(4人の座談会を見たいのでどなたか企画をお願いします!)。アンサンブルキャストは前回から引き続き池田海咲さん、谷口誠太郎さん、宮古風佳さん、そして今回初めて参加される武田太一さんの4人です。

 なお、第一弾の“異聞のウタイビト”も第二弾の“夢幻のウタイビト”も、ゲームの中では語られていない“もしも”の物語が描かれています。しかし、朗読劇を見た冒険者たちが「こうであってほしい」と願わずにはいられない物語が展開されるため、この一連の朗読劇は「もはや公式と言ってもいいのでは?」と勝手に思っています。

試される冒険者たち

 さて、2024年に開催された朗読劇の会場は、先述のとおり、ところざわサクラタウンです。都心から少し離れていたことと、その建物(正確にはステージのあったジャパンパビリオンの隣にあった角川武蔵野ミュージアム)のビジュアルから、冒険者に「イベント会場はガルレージュ要塞だった」と言われていたりいなかったり。
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ガルレージュ要塞と勝手に呼んでいる、東所沢にある角川武蔵野ミュージアム。
 今回の会場は神奈川県にある横浜市教育会館ホール。観光地であるみなとみらいを目の前に臨む丘の上にあり、駅から徒歩10分の会場ということで冒険者のアクセスはグッとよくなりました……でもそれは錯覚でした。
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どこからどう見ても大都会だが、会場は駅を挟んで反対側の丘の上……。
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見てほしい、この坂の勾配を。会場の海抜は約23メートル。冒険者には体力、あるいはテレポ(タクシー)代が必要。
 冒険者からは「アットワかよ」、「東アドゥリンで見た」、「山じゃん」、「会場、ウルガラン山脈だった?」という声が聞こえてきました。雪でも降ろうもんならウルガランチェアよろしく、坂を滑り落ちて横浜の港にダイブすることになるでしょう。開催が3月1日なので雪が積もらないことを祈るばかりでしたが、まさか逆に20℃になるなんて。つい1週間前は雪がチラついていたというのに。快晴はうれしいけれど、そこまでやれって言っていない。そして数日後、この原稿を書いている現在は同じ横浜市内で雪が降っています。ホワイ?

 そんなこんなで物販の列形成が始まる10時30分を目指して会場へ向かいます。グッズは事前予約販売が行われており、欲しいものはすべて注文していたけれど並びます。なぜなら会場のみで販売かつ、数量限定の新アイテムがあるからです!!
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開催1週間前に突如発表された会場・数量限定の新アイテム。古の冒険者たちがニマニマしてしまう“FFXI うぇぽんすきる連携指南書 湯呑み”は、皆川史生先生がデザインされたものです!
 これはマストバイ。「自分が列の先頭に並んじゃうかもな~^^」なんて思いながら汗だくになりヒィヒィ言いながら坂を上ると、すでに40人ほどが並んでいました。調子に乗ってすみませんでした。気合いの入りかたが違うッ!
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冒険者が列をなしているだけで胸が熱くなります。
 しかし、湯呑みは人気のため13時ごろには完売。スタッフさああああん! 増産お願いします。

 グッズ購入後はいったん山を下りて昼食をとります。いったん下りるということはまた上るということです。翌日筋肉痛になったのは言うまでもありません。試される冒険者の筋肉。
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開場時間が近くなると、あれよあれよと長蛇の列が組まれ、会場前はますます冒険者でにぎわっていました。
 何度でも言いますが、リアルイベントでは”会場にいる人たちのほとんどが『FFXI』プレイヤーである“という事実にいつも感動します。知り合いどうしで再会を喜んだり、初めてリアルで対面する方と挨拶を交わしたり、初対面だけどヴァナ・ディールトークに花を咲かせたり、はたまた言葉を交わさなくても同じ世界に生きているプレイヤーどうしの暗黙の空気感などがあったり……リアルイベントの会場からしか得られない栄養が確実にありました。ごちそうさまです。

 そして来場者の中には『FFXI』はプレイしていないけれど、キャストさんをきっかけに来場されたという方も! ようこそヴァナ・ディールへ! 
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※写真は第二部開始前のものです。
 さて、会場が建物の4階にあってエレベーターの積載人数も限られているため、開場から開演までの時間に全員入りきらないというアクシデントがありましたが、15分遅れで済んだのは、列形成がうまい歴戦の500人の冒険者だからでは、とひそかに思っています。

 ちなみにその15分はファミ通のオポネ菊池さんと電撃のおしょうさんによるMCが行われていたそうです。私は入場が最後のほうだったので詳しい内容はわかりませんが、ザイドのグッズは担当者による強権……もといビッグラブによって推し進められたとか。

 さらに入手した情報によると、ザイドグッズ企画時のラインアップはもう少し多かったそうで、案としては「ザイドの名言日めくりカレンダー」や筆まめなザイドをイメージした「シーリングスタンプ付きのレターセット」、「ザイドの尻尾(本当に尻尾のみ)」などがあったとのこと。なんで全部グッズ化してくれなかったんですか! あとザイドグッズを推し進めていた人はガルカ使い。ここ、テストに出ます。 

 公開されているあらすじに1ミリも登場していないのにグッズがあるザイドは、登場するのかしないのか……正解はのちほど!

4つの“時空を超えた愛と再会の物語”

 今回の朗読劇のテーマはずばり“時空を超えた愛と再会の物語”。この時点で神シナリオの予感しかしません。この朗読劇はあくまでも”異聞“であり“夢幻”であり、『FFXI』のゲーム中で体験できるシナリオとは別軸のもの。しかしそうであるとはわかっていても期待してしまいます。

 数々のミッション、クエストをこなしてきた冒険者の方たちにお聞きします。「救いが欲しいミッション・クエストは何ですか?」と。「めちゃくちゃたくさんあるがな!!」とすごい勢いでツッコミが入りそうですが、そんな中で紹介されているあらすじがこちら。こんなのもう、絶対全部見たい。

心の院 最高機密(シナリオ:高橋玖)※第一部のみ上演
はじまりは、星の神子の夢。心の中によみがえるカラハバルハと過ごした穏やかなひととき。夢は覚め、懐かしい人たちに思いを馳せる。いつも眠そうだったルテテ、変人だったが今も使われているカーディアンを開発したゾンパジッパ、個性的で賑やかなミスラ傭兵たち。そして、英雄カラハバルハ……。これは、20年前のささやかな思い出をきっかけに、知られざる真実と出会う星の神子の物語。
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冥路の少女(シナリオ:高橋玖)※第二部のみ上演
エラジア大陸に位置するアトルガン皇国。皇都アルザビでは、今日も若き聖皇が公務に励んでいる、のだが……。山積みの書類を前に疲労困憊のアフマウ。そこに水蛇将ミリ・アリアポーが現れる。
「ねえ、遊びに行こうよ!」
ミリにそそのかされ、アフマウが連れてこられたのは――。そこで彼女は、まさかの再会をするのだった。
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ブルーメイジ・ブルー(シナリオ:はせがわみやび)
声優・浅川悠は悩んでいた。新たな役、宇宙ゴブリン族の第七王女をどう演じるのか――。そんなことより今夜は周回遅れの青魔道士のラーニングツアーだ。LSメンバーはすでに待機中。たわいもないチャットをしながら、いざアトルガン白門にエリアチェンジ。するとその直後、モニターから眩しい光があふれてきて……。眼前に広がる異国の風景。鼻腔をくすぐるコーヒーの香り。そして目の前の男の長い耳に、長い首。
「もしかして、ヴァナ・ディールに異世界転生しちゃったってこと!?」
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多頭蛇(ハイドラ)追想記 ―英雄たちの記憶―(シナリオ:高橋玖)
20年前の水晶大戦中に、急きょ編制されたハイドラ戦隊。大戦末期にズヴァール城で壊滅したと信じられていたこの短命の部隊は、冒険者が“デュナミス”と呼ばれる異界から持ち帰った手紙により、20年ぶりにその消息が判明した。そしてつい最近、タルタル族のプトリトゥトリによって書かれた新たな手紙が発見される。彼らは、何を目にし、何と戦い、何を遺したのか。驚くべきハイドラ戦隊の真実に迫る。
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 ということで、ここから先は第一部と第二部の内容を紹介していきます。今回はWebでの配信がなかったため、遠方にお住まいだったり、お仕事やご家庭の事情などで来られなかった方々にも雰囲気を味わっていただきたく、ネタバレを織り交ぜてのご紹介になります。朗読劇だけでなく、ゲーム内のストーリーに関するネタバレも含みますので、その点はご注意ください。

心の院 最高機密

 第一部のひとつめの演目です。

 公式アカウントのポストから、星の神子さま、侍女頭のズババさま、そしてフォイムイが登場することは明かされていました。そして、あらすじから察するにカラハバルハもきっと登場するだろうと思っていました。

 星の神子さまを加藤英美里さん、ズババさまを浅川悠さん、フォイムイを河西健吾さん、カラハバルハを谷口誠太郎さん、カイルパイルをランズベリー・アーサーさんが演じます。

 フォイムイは魔法学校に通うタルタルの少年で、大戦時にいた大魔元帥ロベルアクベルについて調べるために星の神子さまを訪ねますが、星の神子さまもロベルアクベルとの接点は少なかったため詳しくない、ということでロベルアクベルを心酔しているカイルパイルに話を聞きに行きます。

 そしてフォイムイは大戦後に処分されるはずだったというロベルアクベルの手帳にたどり着きますが、そこに書かれていたのはお菓子のレシピ。しかしそのお菓子のレシピこそが大戦から20年経ったいま、星の神子さまを“とある真実”へ導き、予期せぬ“再会”を果たします。

 ……ッハー!(目頭を押さえつつ) 朗読劇を思い出しながらこの原稿を書いていますが、これだけで喉の奥がツンとしてきます。でもリポートなので説明します。

 カラハバルハは稀代の天才魔道士で、20年前の大戦時にウィンダスを救ったと言われている英雄です。星の神子さまとは浅からぬ縁があったようですが、禁断の召喚魔法を使い、命を落としています。

 ロベルアクベルは大戦時にウィンダス軍を統括する大魔元帥で、非常に強大な魔力を持っていました。顔を包帯でグルグル巻きにした風貌や雰囲気は、穏やかな気質を持つ者が多いタルタルとは思えない迫力がありましたが、彼もまた大戦時に姿を消しています。

 まず未プレイの方は、現代のウィンダスミッションと過去のウィンダスの連続クエストをプレイしてください。後生ですから。カラハバルハとロベルアクベルがあの戦争の中をどのように生きたのか、そして20年後のウィンダスに何を残したのかを知り、そこからこの「心の院 最高機密」に臨むとより味わい深いものがありました。

 ミッションやクエストをクリアーした我々プレイヤーの感情や求めた救いへのお返事のような、それこそ星の神子様が星読みで見た真っ暗な世界に予期せぬ星月の光が灯ったかのような、暖かいお話でした。冒険者の心はもう涙と鼻水でぐしゃぐしゃです。どうしてこのお話を朗読劇の冒頭に……。

 また、加藤英美里さんと言えばクピピたんのイメージが強いのですが、今回は星の神子さまの儚げなところ、でも国家元首として20年以上務めてきたという威厳のようなものがありました。真実に気づいたときの星の神子さまの動揺や声の震えかたがクピピたんの存在を微塵も感じさせなくて、そのすごさに打ち震えておりました……。すごい(語彙の喪失)。そしてつらい……。
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 谷口誠太郎さんのカラハバルハはとても穏やかで、あふれ出る知性を感じさせる語り口調がイメージそのままで、思わず心の中で拝んでいました(オタク、すぐ拝む)。とてもよい、カラハバルハでした……。

 なお
Xのポストによると、当日の加藤英美里さんの髪型は、星の神子さまをイメージされたものだとか!

冥路の少女

 第二部のひとつ目の演目です。

 アフマウを加藤英美里さん、ミリ・アリアポーを浅川悠さん、アヴゼンを河西健吾さんが演じますが、この3人がキャッキャッしている様子はとてもいいですね、疲れによく効きます(個人の感想です)。

 公務で疲れた様子のアフマウに対し、ミリが気晴らしに行こうと誘うのですが、さっきまでの浅川さん演じるズババさまはどこへやら。浅川さんの頭に猫耳が見えるほどの見事なミスラっぷり……!
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 “異聞のウタイビト”では加藤さんのミリを堪能し、「加藤さんのミリ最高! 加藤さんはミリの申し子!!(?)」と思っていましたが、浅川さんのミリは加藤さんのミリとは違うのに、しっかりとミリでとてもかわいいのです……! 「両者のミリには確実に違いがあるのに、どちらもイメージどおりのミリって一体どういうこと!?」と、新感覚を味わいました。声優さんってすごい。

 河西健吾さんは第一部では利発そうなかわいいタルタルの少年(しかもギルドの人に手伝ってもらったとは言え、パティシエ必須のお菓子のHQをこさえてくる超有能ボーイ)だったのに、くるくると動き回るアヴゼンがそこにいました。マトンっぽさや、アヴゼンがカタカナ交じりで話す様子がそれは見事に現れていたので、たぶん喉にアヴゼンが住んでいるんだと思います。
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 そしてアフマウは、ミリに連れられてやってきたアラパゴ暗礁域から冥界と現世の境目であるハザルム試験場に辿りつき、そこでルザフによく似た雰囲気のコルセア(ランズベリー・アーサーさん)に出会います。このコルセアこそ、ヴァルハラの掟に従い、現世の者と交わらないように姿を変えているルザフ本人です……律儀な男ッ! 「もう、オーディンなんて無視してアフマウをギュッとしちゃえよ!」と思わなくもないですが、ルザフはそんなことをしないのです。それでこそルザフなのです。そう思いつつ悶えておりました。

 ランズベリー・アーサーさんのカイルパイルはまさにTHE★カイルパイルだったんですが、この演目ではビックリするほどイフラマドのイケメンエルヴァーンでした。

 あと、ハザルム試験場で登場したインプは、インプが持つ小動物的なかわいさと少しの残忍さを含んだボイスが宮古風佳さんからくり出され、インプを少し好きになっちゃうところでした。ふだんはインビジを見破ってくるので苦手だったんですが……困った。キュン。

 冥界と現世というふたつの世界にそれぞれ生きているふたりが邂逅を果たしますが、出汁がよく染みた繊細な和食のように味わい深くじんわりと心が温まるお話でした……!

ブルーメイジ・ブルー

 第一部と第二部共通のふたつ目の演目です。

 “異聞のウタイビト”では加藤英美里さんがヴァナ・ディールに異世界転生(転移)しておりましたが、今回は浅川悠さんがヴァナ・ディールに! 浅川さんのプレイキャラクターであるマリアを浅川さんが、リンクシェルメンバーのタルタルのエミリューを加藤英美里さん、ヒュームのカスミを河西健吾さん、エルヴァーンのレンをランズベリー・アーサーさんが演じました。

 青魔道士や青魔法のラーニングの仕組み、セットしてから発動するまでの方法といった、端的に言ってしまえばゲームシステムをヴァナ・ディールに降り立った視点で見るとこうなる、という説明が丁寧にされており、ヴァナ・ディールの情景がまざまざと浮かびます。

 また、はせがわみやび先生のヴァナ・ディールフィルターを通すと、これまでの自分の冒険の解像度もギュッと上がります! 魔物の魂を喰らってラーニングする感覚や、青魔法をセットしてからの60秒間の解釈などなど、『FFXI』の青魔道士をプレイした人なら、より通じるところがあったのではないでしょうか。青魔道士を通じて知るヴァナ・ディールの新たな一面がとてもおもしろかったです。

 そんなはせがわみやび先生節満載の、笑いあり、笑いあり、笑いありの怒涛の展開の中に、突如例のキャラクターが登場しました。そう、ザイドです!
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なるほど、な……そんな登場のしかたになっていたのか……。
 パルブロ鉱山でラーニングを終え、イカダでバストゥークに帰ろうとしているマリアたちのもとに、フラリと現れおなじみのセリフをつぶやいて去っていきます。カスミたちに軽くあしらわれてしまいましたが、ザイドを演じる武田太一さんが、すばらしいガルカボイスで名言を告げてくれましたッ! 鎧を装備しているときの金属系の足音(伝われ)とともに去っていったのも印象的。
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「おまえの刃は黒く輝いているか?」
 ところで、今回の朗読劇のテーマは“時空を超えた愛と再会”です。“時空を超えた”がヴァナ・ディールに転生したこと、ザイドとの出会いがマリア視点での再会だとすると、愛とは……と頭をひねっていましたが、「臭い息をモルボル族へ放つことは愛の告白といっしょだ」とマリアが嘆いていたので「これかー!」と膝を打ちました(笑)。

 また、第一部と第二部では展開が少し異なっていて、第二部ではマリアの挙動がおかしいことに気づいたエミリューが、自身が声優・加藤英美里であることを明かします。エミリューもとい加藤英美里さん、2度目の転生です!(笑) 
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 また、「黒魔道士のときは詠唱中断なんてしたことなかったのに」とつぶやくマリアに「あれ、前にエスケプ失敗してなかった?」と疑問を呈したり、「死ぬと、死ぬほど痛いんだよ」と言ったり、“異聞のウタイビト”とのリンクを感じられる展開もあり、とてもよかったです(ほっこり)。

 さて、つぎは誰が異世界転生させられるのか!?(笑) 朗読劇第三弾を心より楽しみにしています!!
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会場でお会いした『FFXI』のプロデューサー/ディレクターの藤戸洋司さん。「浅川さんの素の言葉を引き出したかのようなシナリオが最高でした」とのこと。

多頭蛇(ハイドラ)追想記 ―英雄たちの記憶―

 第一部と第二部共通の、トリを飾る演目です。

 舞台は皆さんがよく知っているデュナミス。はじまりは冒険者がデュナミスから持ち帰ったという手紙でした。それはハイドラ戦隊に参加していたタルタルの短剣使い、プトリトゥトリが恋人に宛てて書いたもので、内容はハイドラ戦隊がズヴァール城に潜入して闇の王の親衛隊と戦っていた際、突然現れた闇に覆われて気づいたときは世界に倒れていて、それ以来抜け出すことができずにいる、というもの。

 このあたりのお話はヴァナ・ディールトリビューンの“ハイドラの手紙”でも読むことができます。今回の演目はそれらの手紙とともに、ハイドラ戦隊が当時どのような状況にあったのか、どんな風に戦っていたのかが描かれています。はっきりいってつらいお話です。

 サンドリアの赤狼騎士団の隊長ミュゼルワールさまを河西健吾さん、タルタルの短剣使いプトリトゥトリを加藤英美里さん、獣使いミスラのルー・マカラッカを浅川悠さん、ナイトヒュームのキリッチをランズベリー・アーサーさんが演じますが、だんだんと判明していく絶望的な状況がみなさんの熱演でさらにつらく苦しく感じました。
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 谷口さん演じる赤狼隊の騎士が徐々に正気を失っていく様子は、こちらも正気を手放したくなるほど心に迫るものがありました。敵も味方も死んでも生き返る、死ぬことができない、そんな中で闇の王を倒し続けなければならないこと……つらい。救いが、救いがなさすぎる。

 さらに武田さん演じる闇の王から感じる、圧倒的な絶望感と言ったら……決してくじけないハイドラ戦隊のメンバーや腹ぺこガトラーがいなかったら、豆腐メンタルの私は客席で戦闘不能になっていたかもしれません。あと、加藤英美里さまの少年ボイスが無茶苦茶よかったです。
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 20年以上デュナミスという地獄に囚われ続け、プトリトゥトリがついに限界を迎えそうになったとき、マンダウが話しかけます。そして「ほら、来ましたわ」とマンダウが促したさきにまばゆい光が当たります。そこにいたのは客席に座っていた冒険者たちでした。
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 ……あ“~ッ!!

 そう、私たち冒険者がプトリトゥトリのもとにたどり着いたのです。よかった、冒険者をしていて本当によかった……! そして冒険者はプトリトゥトリからマンダウを託されるのでした。

 踊り子が装備できると勘違いして少しだけ作り始めたマンダウ、絶対完成させます。あと、予約したマンダウのピンバッジ、早く届いて……。ガトラーとエクスカリバーのピンバッジ化、そして“ヴァナ・ディールの秘蔵展”で販売されたラグナロクのピンバッジの再販もお願いします。

 ということで、泣いて笑ってまた泣いて、いつの間にか冒険者たちも参加していた壮大な朗読劇は閉幕しました。ズビ……。

 ヨロヨロと座席を断った冒険者たちは、まるで本当にデュナミスにいたかのようでした。長時間座り続けたことによるダメージもありますが……。うぐぐ、冒険者には筋肉が必要。しかし、こんなもの屁でもありません。また開催されるなら、体を鍛えて第3回、第4回と、朗読劇を観続けたいです。

 そして、映像作品としての販売も願わずにいられません。何度でも観たいですし、まだ見ていない冒険者の方々にもこの物語を届けてあげてほしい……! 届け、この想い!/toss

裏(デュナミスじゃない)話

 閉幕後、会場にいたはせがわみやび先生にお会いできました! ご本人が事前予告されていたとおり猫ちゃんのネックレスを装備されていて、お声がけするとなんとチャリチャリ(チョコ)をいただきました! お会いした冒険者の方に配っていたそうです。
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はせがわみやび先生からいただいた、食べたらINTが上がりそうなランペール金貨。もったいなくて食べられないッ!
 そしてもうひとつ。今回の公演では入場時にくじを1枚もらいました。これは配信番組“A.M.A.N.とLIVE!”で視聴者にプレゼントしていた通称“技連携てぬぐい”が各回それぞれ抽選で5名に当たるというくじだそうです。座席数がだいたい500席なので確率的には約1/100! 「あたり」と書いてある人が当選。

 ほう、つまり5つの戦利品に対するロット勝負というわけですね!? いでよ999(当たりくじ)!
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950(ハズレ)。気絶しました。
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      集計期間: 2025年03月26日00時〜2025年03月26日01時