コーエーテクモゲームスより2025年3月21日発売予定の『ユミアのアトリエ ~追憶の錬金術士と幻創の地~』(※)。『アトリエ』シリーズ最新作となる同作が、2025年1月23~26日の期間、台湾・台北にて開催されている“台北ゲームショウ2025”に試遊出展されている。
※対応機種はNintendo Switch、プレイステーション5、プレイステーション4、Xbox Series X|S、Xbox one、PC(Steam)。 本記事では、この試遊バージョンのレビューをお届けする。
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360度、見えるところに行けるオープンフィールド
台北ゲームショウ試遊版は、探索、戦闘、調合、ハウジングという、『ユミアのアトリエ』を構成する基本要素を少しずつ体験できる内容になっている。プレイ時間は15分という制限が設けられているので、「台北ゲームショウで自分も体験したい!」という人は、あらかじめ、どの要素を中心に体験するのか決めておくといいだろう。
では、まずはフィールドの探索について解説しよう。探索は、『ライザのアトリエ3 ~終わりの錬金術士と秘密の鍵~』を正統進化させたものになっている。
『ライザのアトリエ3』は、オープンワールドに近い“オープンフィールド”システムを採用し、ひとつの地方の中ではシームレスに移動できるようになったが、小さめのエリアが細い通路でつなぎ合わされていることが多く、「360度、見えているところにどこまでも行ける!」というわけではなかった。
一方『ユミアのアトリエ』では、かなり広いマップが用意されていて、360度、自由に探索を楽しめる。
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試遊版の舞台である“リグナス地方”のマップの一部。雲がかかっている部分は、特定のランドマークに訪れることで雲が晴れるようになる仕組み。
高所からジャンプして低所に移動することもできるが、今回は“エナジー”という概念が導入され、落下時のダメージを防ぐために、エナジーが消費されるようになった。エナジーがなくなっている場合はダメージを食らってしまう。また、“マナ”の濃度が高い場所を探索する際などにもエナジーを消費するようで、今回はこのエナジーのマネジメントが、遊びの要素のひとつになっているようだ。
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エナジーの残量は、画面右下にパーセンテージで表示されている。
なお試遊版では体験しそびれてしまったが、本作では壁ジャンプを行うことで低所から高所にも移動できるそうなので、その点でも『ライザのアトリエ3』より探索の自由度はかなり上がっている。
移動の概念が加わったバトルは、よりスピーディーに
フィールドで敵と接触すると、その場でシームレスにバトルに移行する。前衛に配置した最大3人のキャラクターがバトルに参加し、そのうちのひとりを操作して戦うシステムだ。
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バトルがリアルタイムで進行する、仲間のうち1キャラクターを操作するという点は『ライザのアトリエ3』と同じではあるが、細かい仕様はガラリと変わり、『ユミアのアトリエ』ならではのものとなっている。
対応するボタンを押して、スキルを畳み掛けていくのがバトルの基本となるが、スキルにはそれぞれ使用回数があり、使用するとクールタイムが発生する。ただ、敵の攻撃をガードしたり、敵の範囲攻撃を避けるために場所を移動したりするうちにクールタイムが終わるので、待ち時間にイライラするということはなかった。
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本作では、敵の強力な攻撃は、影響範囲が表示される。すみやかに範囲外に逃れよう。
また、敵に接近して戦う“インレンジ”と、離れた場所から戦う“アウトレンジ”のふたつのレンジがあり、バトル中にレンジを切り換えながら戦うのも本作の特徴だ。レンジが変わると使えるスキルも変わる。
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戦闘開始時の初期レンジは、キャラクターごとに設定できる。
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スキルは、レンジごとに各ボタンに設定しておく仕組み。
仲間のひとりであるヴィクトルは、インレンジで特定のスキルを使うと“パイル”をひとつ獲得できる。パイルがある状態でアウトレンジでスキルを使うと、スキルの使用回数の代わりにパイルを消費して戦うという特徴がある。キャラクターによっては、レンジの使い分けがかなり戦いのカギを握りそうだ。
レンジの切り換え、後衛3人を含めた使用キャラクターの交代、バトル中の場所移動などがすべてスピーディーに行われるので、バトルのテンポはとてもいい。が、頻繁にレンジ切り換えや移動をしないと勝てないかというとそうでもなく、アクション要素はあるものの、あくまで“アクションRPG”ではなくて“RPG”のバトルシステムであると感じた。素早いボタン操作が苦手な人でも楽しめるシステムだろう。
バトル中はキャラクターが皆よく動くが、とくにすごいのは、やはりユミアの足さばき。スキルを使っているときはもちろん、レベルアップしたときの、蹴りからのジャンプもすごい。公式Xにてレベルアップ時の動画が公開されているので、ぜひチェックしてほしい。
調合の基本は「とにかく円を大きく!」
調合システムに関しては、これまで公開された画面写真を見てもなかなかイメージがつかめなかったが、試遊することでようやく概要を把握できた。
今回は、レシピそれぞれに“アトラスコア”というものが用意されており、そこに素材をどんどん投入していくことになる。アトラスコアは複数あり、“効果”や“品質”に影響を与える。
そしてこのアトラスコアは、まずは“活性化”させないと意味をなさない。活性化させるには特定の素材が必要で、どんな素材を要求されるかはコアごとに異なる。
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たとえばアイテム“ルフト”の場合、効果のアトラスコアの活性化には、“ウインドミューレ”という素材が必要。
活性化に成功したら、今度はアトラスコアの周囲に生じる、“アトラススロット”に素材を入れていく。下の画面にある、テニスボールのようなものがアトラススロットだ。その周辺に、黄色く光る小さな粒があるが、それは“マナ”と呼ばれるもの。
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アトラススロットに素材を入れると、そのスロットを中心に、円が生まれる(“共鳴範囲”という)。この円が、コア・ほかのスロット・マナを巻き込めば巻き込むほど、アイテムが強化されるのだ。
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この円の大きさは、投入する素材によって変化する。たとえば下の画面の場合、“虚妄の祝福”を入れるよりも、“クロース”を入れるほうが円が大きくなって、巻き込めるものが増える。
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“虚妄の祝福”の場合、円の中に巻き込めるのはアトラスコアと、マナがふたつほど。円の外にはみ出ているマナがいくつかあってもったいない。
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“クロース”の場合、コア・スロット・マナのすべてを巻き込める。見た目的には三角形が小さくなったように見えているけど、円が大きくなっているのです。
つまり、調合の流れをまとめると
- 作りたいアイテムのレシピを選択
- アトラスコアを、まずはどれかひとつ活性化させる
- 活性化させたコアのスロットに素材を投入し、とにかく円を大きくすることを意識する
……という感じになる。もちろん、高度な調合になればなるほど、円を大きくする以外にもやるべきことは増えるだろうが、序盤は上記を押さえておけばなんとかなりそうだ。
ハウジングは、やり込むタイプの人はとことん楽しめそう
最後に、ユミアたちの建築拠点を作れるハウジングだが、さすがに今回の試遊版で体験できたのは主要部分だけ。範囲内にプリセットの建物を建築したり、コンテナや木などの家具・オブジェクトの配置したり、といった工程を楽しめた。
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壁や屋根などは複数のバリエーションが用意されているようなので、製品版ではとことん時間をかけて家造りを楽しむのもアリだろう。
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拠点を建てると、ソファや暖炉前で仲間たちがくつろぐ姿が見られる。
以上が、試遊版で判明した『ユミアのアトリエ』の特徴だ。試遊版では、キャラクターやストーリーについてはほぼ描写がなかったので、それらについては別の機会にまたレビューできればと思う。
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個人的には、メニュー画面のバリエーションが複数用意されているのがうれしかった。「今回はどんなポーズを取ってくれるのかな?」と、メニュー画面を開くのが楽しみになりそう。