ででお(ファミ通編集者)
唐突だけど映画を語らせてほしい。ゲームはもちろんおもしろいけど、そのほかの映画・アニメ・マンガなどのエンタメもバッチリ楽しみたいところ。
とくに映画は約2時間で確実に起承転結までが楽しめるとあり、非常にタイムパフォーマンスがいい娯楽だと、筆者は考えている(あくまで筆者の感想です。タイパがすべてではないが)。 そこで本稿では、編集部でもとくに映画好きな編集者&ライターが、2024年に日本で公開された映画の中から、とくにおすすめなものをピックアップしてご紹介!
いずれもBlu-ray&DVDや動画配信サービスで視聴できるので、気になるものがあればぜひ年末年始の期間に観ていただきたい。 さらに、2025年に公開予定の注目4作品も紹介するので、あわせてチェックしてほしい。
※本稿には映画のネタバレが少し含まれます。ご注意ください。ででお
ファミ通.com編集部所属。月1~2の頻度で映画館に足を運ぶ大の映画ファン。推しはトム・クルーズ。
リプ斉トン
話題の映画は観ておきたい派のライター。映画館で観るときはポップコーンは欠かせないが、キャラメルポップコーンのカロリー数の真実を知って絶望している(キャラメルポップコーンは高カロリーで、リプ斉トンはダイエット中)。
勝手に決めた今年公開映画8選!
ででお
今年もおもしろい映画が続々だったな。
リプ
例年通りではあるけど、今年もめっちゃ楽しめた。そうそう、新宿にある映画1本6500円でラグジュアリーな体験できる映画館行ったけど、すごくよかったよ。
ででお
高くない?
リプ
値段は高いけど、ソファがすごくふかふかで、ポップコーン食べ放題ドリンク飲み放題だし、高級ホテルみたいなラウンジが利用できるよ。人も少ないしリッチになった気分が味わえる。
ででお
そういったところで付加価値をつけているわけね。今後、何かの記念日に行ってみようかな。
リプ
同じ金額で映画3本見られるわけだから、映画がたくさん観たい! という人にはイマイチだと思うけど、上質な時間を過ごしたいっていう人にはおすすめだよ。
ででお
なるほど。1回は行ってみると話の種にもなりそう。
ゴジラxコング 新たなる帝国
画像は公式Xより引用
ででお
今年観た映画の中で印象に残ったのはこれ。もう、大好き。
リプ
ポスターの躍動感が半端ないな。
ででお
怪獣映画ってさ、プロレスなわけよ。ターン制でお互い順番に攻撃加えるじゃん。
リプ
確かに。
ででお
これはその怪獣プロレス全開なのよ。本当に怪獣映画好きな人が作ってるんだろうなーってリスペクトを感じる。
リプ
内容的にはどうなんですか?
ででお
人間ドラマほぼ皆無で、本当に怪獣が戦っているだけ。そのぶん超ド派手。スカーキング&シーモ(コングの敵)が強くて、コングが地上にいるゴジラに協力してもらおうとするんだけど、話が通じなくて喧嘩始めるあたりがコメディーっぽくておもしろかった。
リプ
確かに意思疎通はできなさそう(笑)。
ででお
ゴジラはとにかく強く、コングは手話で人間と意思疎通できる知能がある……と、役割分担がはっきりしていてわかりやすいんだよね。ゴジラとコングのバトルもおもしろいけど、なんやかんやあって共闘して戦うあたりはよかった。
リプ
ああ、最終的には協力して戦ってくれるんだ。
ででお
そうそう。だからファンも安心。頭空っぽにして楽しめる名作アクションだよコレ。超おすすめ。
マッドマックス:フュリオサ
画像は公式Xより引用
ででお
ヒャッハー! 本作は『マッドマックス』の最新作で、女性戦士のフュリオサが主人公。『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の前日譚的な作品で、公式サイトでは「これを観てはじめて『デス・ロード』が完結する」と謳っているよ。
リプ
これも頭からっぽにして観られる映画の代表格だよね。
ででお
今回も謎の巨大バイクとか巨大クルマが大量に出てきてすぐに爆破される。
リプ
最高じゃん。
ででお
敵役のディメンタスっていうキャラクターを演じているのが『アベンジャーズ』のソーもやっているクリス・ヘムズワースさんなんだけど、めっちゃ汚い性格で、“汚いソー”が観たいっていう人にもおすすめ。
リプ
汚いソーを観たい人なんて人いるんすか……。
ででお
もちろんきれいなほうのソーも好きだけど、こっちはこっちで(笑)。なお、日本語吹き替え版では大塚明夫さん、玄田哲章さん、千葉繁さんといった大御所声優が出てるよ。
リプ
すげえ面子。渋すぎる。
ででお
人間ドラマも多少あるんだけど、テイストはいつもの『マッドマックス』だから、過去作を楽しめたっていう人なら間違いなく満足できるはず。
ツイスターズ
画像は公式Xより引用
ででお
ちょっと解説すると、1996年に公開された『ツイスター』っていう映画があって、本作はその続編的扱いの映画。巨大竜巻に街と人がめちゃめちゃにされる系。
リプ
アメリカならではだよね。日本だと竜巻ってあまり起こらないから。
ででお
いろいろな分野の専門家が集まって竜巻を破壊する計画を立てるんだけど、うまくいかなくっていろいろと破壊されます。けっこう『アルマゲドン』的な作品かも。
リプ
ああ、なんとなくわかる。
ででお
主演が『トップガン マーヴェリック』にも出てたグレン・パウエルさんなんだけど、笑顔が素敵すぎる。今後も活躍しまくりそうで、個人的に大注目の俳優だな。もちろんストーリーや映像もすごくよかったよ。
リプ
前作とのつながりはあるんですか? 観ておいたほうがいいとか。
ででお
もちろん本作だけ観てもまったく問題ないけど、前作にも出てきた“ドロシー”っていう観測装置を使っている場面もあるから、観ておいたほうがより楽しめるのは間違いないかと。ちなみにドロシーの元ネタは『オズの魔法使い』ね。
リプ
前作へのリスペクトもあるのね。
ででお
大自然が相手なので善悪という話ではないんだけど、パニック映画というよりも竜巻に惚れ込んだ人たちの熱血的な部分が前面に出ているお話なので、スカッと楽しめると思うよ。
エイリアン:ロムルス
画像は公式Xより引用
リプ
これ観ていないんだけど、ちょっと知ってる。カブトガニみたいなエイリアンに頭から寄生されるやつでしょ。
ででお
言われてみればにカブトガニっぽいけど“ファイスハガー”な。閉鎖空間で『エイリアン』が解き放たれちゃって、その恐怖に怯えながら逃げ回るっていう、いつもの『エイリアン』といった感じ。
リプ
ちゃんと『エイリアン』しているのね。
ででお
それはもう、『エイリアン』オブ『エイリアン』。これも『ツイスターズ』みたいに過去作のオマージュが取り入れられていて、知っている人だと「おっ」って思うはず。
リプ
スリル溢れるシーンは多そうだなあ。
ででお
1作目に近い見せかたなので、ホラー映画としても楽しめると思う。ただ、ビックリさせてきたりグロい描写がめちゃくちゃ出てくるから、そういうのが苦手な人は注意かな。まあ、ホラーが苦手な人はわざわざ『エイリアン』を選ばないと思うけど。
リプ
本作のエイリアンはどんな感じなの? 人間に擬態するとか?
ででお
擬態するのは『ミミック』な。本作のエイリアンは人間に卵を産み付けて生まれてくるんだけど、産み付けられた人間は死ぬしかないからわりと絶望感ある。あと終盤で……いや、ここで言うのはやめておこう。
リプ
えー! まあネタバレも多少は配慮しないとだけどね。今度Blu-rayで観てみようかな。
ででお
リプトンなら間違いなくハマると思う。エイリアン沼は深いぞ~。
それいけ!アンパンマン ばいきんまんとえほんのルルン
画像は公式Xより引用
ででお
この作品、けっこうSNSで「おもしろい」って話題になってたよね。
リプ
俺は娘と毎年『アンパンマン』の映画は観に行ってたんだけど、今回はすごくよかった。当たり前だけど『アンパンマン』って子ども向けなわけよ。でも、今回の映画は大人でも楽しめる内容になっていて。
ででお
ばいきんまんが活躍するんだっけ?
リプ
ばいきんまんが異世界召喚されて、ゼロからロボット(だんだだん)を作って戦うんだけど、ばいきんまんの尋常じゃない不屈の精神がすごい。
ででお
確かにばいきんまんって何度倒されてもアンパンマンに向かっていっているし、根性ある奴なのかも。
リプ
いつもは敵役だけど、今回はアンパンマンとばいきんまんの共闘が観られるから、けっこう珍しい作品かもね。ばいきんまんのサバイバル能力はガチ。これを観ると本当に彼は天才なんだなっていうのがわかる。
ででお
だんだだん作るときに素手で作るの? 無理では?
リプ
大工道具も手作りしてるよ。
ででお
『マインクラフト』じゃん。
インサイド・ヘッド2
画像は公式Xより引用
リプ
『インサイド・ヘッド』は子どもの頭の中の“感情”が擬人化してわちゃわちゃするっていうストーリーなんだけど、『2』ではちょっと成長して、喜怒哀楽だけじゃなくて余計(とは言い切れない存在なんだけど)な感情が生まれて、それに喜怒哀楽が振り回されるっていう内容。
ででお
ものすごく感動するストーリーって聞いたけど。
リプ
子どものころは喜怒哀楽だけのシンプルな感情だけで生きてるけど、大人になると嫉妬とか心配とかそういうことを考えるようになるじゃん? そういう感情に振り回されるライリー(主役の女の子)の姿を見ると「あ~こういうこと俺にもあったな」とか思えるよ。ストーリーとしては頭の中の感情たちのドタバタ劇と、現実世界のライリーの奮闘が交互に描かれていて、どっちもがんばれって思える。
前作と比べて『2』では葛藤するシーンが多くって、誰が観ても楽しめると思うけど、大人と子どもだとちょっと感じかたは違いそうだね。あと、子どもがいる人だとグっとくるものがあるかも。
ででお
『トイ・ストーリー』とかのピクサーが作ってるんだっけ?
リプ
そうそう。なので映像の出来栄えは世界最高峰レベルだよ。本当にすごい。“いつものピクサー”的な映画でもあるから、ピクサー作品が好きな人は絶対観るべし。でも、ピクサー好きでまだ本作を観てない奴いる?
ででお
いねえよなぁ!!?
デッドプール&ウルヴァリン
画像は公式Xより引用
リプ
今年の映画としては、俺はこれがいちばんだったな。
ででお
『デップー』、いいよね。破天荒で。
リプ
『デッドプール』といえばメタい発言とか展開がおなじみだけど、今回はマジ最高。
ででお
どのあたりが?
リプ
ネタバレになるけど、次元の墓場みたいなところにデッドプールとウルヴァリンが行っちゃうんだけど、そこで過去に制作されたけどボツになった映画のキャラクターがたくさん出てくるんだよ。「どう交渉したらこんなことができるんだ」っていうキャスティングとかストーリーになっていて、映像美とかそういうことよりも、この映画を実現できたっていうこと自体が本当にすごいと思った。
ででお
権利とかあるし、素人目線で考えてもたいへんそう。
リプ
中の人(のキャストの過去作に関係した)ネタなんかも出てくるし、本当におもしろかった。デッドプールもウルヴァリンも肉弾戦で戦うキャラクターだから、戦闘シーンはそんなに派手じゃないけど、この映画の魅力はそこじゃないかな。
ででお
マーベル映画好きなら、より楽しめると。
リプ
俺は昔の『X-MEN』とかのころの作品はあまり詳しくないから、観たときはそんなにすごさを感じなかったのね。で、観たあとに解説のサイトとか見たら、今回の映画がいかにやばいことを実現しているのかが理解できて、もう1回観たいと思ったよ。マジで魅力を語りきれないけど、本当に笑えるしおもしろいからぜひ観てほしい1作だなあ。
エクスペンダブルズ ニューブラッド
画像は公式Xより引用
ででお
これは俺も観たけど、おもしろかったね。いつもの『エクスペンタブルズ』(笑)。
リプ
頭からっぽにして観られる映画の極地だと思う。銃がドーン! 爆発してドドーン! Win! って感じで。
ででお
今回はシルベスター・スタローンじゃなくてジェイソン・ステイサムがメインなんだよね。
リプ
スタローンも年配だからね。でもスタローンも活躍するよ。あれで78歳ってマジかよってレベル。
ででお
スタローンは尊敬する人物のひとり。78歳の体じゃない。とにかくスカっとしたい人ならって映画だよね。
リプ
間違いない。ただ……、この映画を観た人は全員言っていると思うけど“ジャンボ・シュリンプ”がね……。
ででお
そこだよなぁ。ネタバレになるから言わないけど。
リプ
ぜひ観ていただいて、我々と同じ感情を味わってほしいよね(笑)。
ででお
これから観ようって思っている人は、“ジャンボ・シュリンプ”で検索はしないほうがいいと思う(笑)。サジェスト(関連性の高いキーワードを予測してくれる機能)でネタバレ食らう。
2025年公開の(個人的)注目作
2025年以降も、注目作が続々登場。ここでは、ふたりの筆者が個人的に注目している2025年公開の映画を4本紹介する。
ここまでを観てわかるように筆者の好みはかなり偏っているので、そこだけはご注意いただきたい。
『ビーキーパー』 お前のような養蜂家がいるか!
『エクスペンダブルズ ニューブラッド』でも活躍したジェイソン・ステイサムが主演。ステイサムが主演ということなので、もちろん爆発目白押し。
今回のステイサムは養蜂家。だけどFBIにも簡単に勝利する。そして巻き起こる爆発。ひとりの養蜂家の逆襲で世界が終わりかける。痛快リベンジアクション。
『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』 カラーが手掛ける『ガンダム』の新境地
『機動戦士ガンダム』シリーズの最新作。『GQuuuuuuX』の読みかたは「ジークアクス」。本シリーズは、『エヴァンゲリオン』シリーズでおなじみのカラーが制作することでも話題を集めた。
テレビシリーズとしての公開に先駆け、ストーリーの序盤を編集した映画版として劇場公開される。
カラーが手掛ける、これまでにない『機動戦士ガンダム』が楽しめるはず。
『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』 トムの勇姿がファイナルになる!?
おなじみのスパイ・アクション『ミッション:インポッシブル』の最新作。主演はもちろん、トム・クルーズ。
第1作『ミッション:インポッシブル』の名シーンへのオマージュなどもあり、「Every choice has led to this. (あらゆる選択が”これ”につながった。)」というトムの言葉の通り、過去作とのつながりを感じさせる内容になっている。
「“ファイナル”の名を冠しているが、まさかの最終作か?」との憶測もファンのあいだで広まっているが、はたして?
『8番出口』 もちろん、おじさんも出ます
異変に気づいたら引き返さないと先に進めない、SNSを中心に話題となったループゲームが、まさかの映画化。もちろん、人気キャラクターのおじさんも登場。
2024年末に情報が公開されたため、まだ詳細は明らかになっていない。今後の情報公開を楽しみに待とう。
願わくば、8番シアターで放映してほしい。
[2025年1月8日12時30分修正]
一部の固有名詞に誤りがあったため、該当の文章を修正いたしました。