本作は基本プレイ無料のアクションRPGで、レアなアイテムを求めて何度も周回をくり返すトレハン要素や、無限に広がるビルド構築を楽しめるハック&スラッシュ型のゲーム。いわゆる『ディアブロ』系と呼ばれるジャンルで知られている。
前作で好評だったキャラクターのカスマイズ要素や各種コンテンツのプレイの幅を広げるとともに、スキルやアクションまわりに大幅な改良が行われているのが特徴。
前作はすでに10年以上サービスが続いており、膨大になったゲームの全容を把握するのは初心者には難しく、とっつきにくい印象があったが、本作の早期アクセスはこれから始めるには絶好の機会。日本語にもばっちり対応している。
その早期アクセスに先駆け、メディア向けのプレゼンテーションが実施された。早期アクセス中にプレイできるアクト(メインストーリー)やクラス、エンドゲームほか各種コンテンツの紹介が行われたので、そこでわかった事柄について紹介していこう。
なお、本作はフルリリース時には基本プレイ無料を予定しているが、早期アクセス版に参加するには30USドル以上のサポーターパックの購入が必要となる。すでに『Path of Exile』をプレイしており、480USドル以上の課金を行っているプレイヤーについては、無料(追加の購入なし)で参加が可能となる。
前作からの大きな変更点
- クラスとアセンダンシーの追加
- スキルジェムシステムの変更
- パッシブスキルツリーの強化・拡張
- 武器チェンジで自動的にパッシブスキルも変更
- ドッジロールの追加
- フラスコの仕様変更 など
こちらの動画からも、各種変更点や開発側がアピールしたいポイントが見られるのでおすすめ。
こちらは、11月22日に配信されたGGG Liveのアーカイブ。事前に実施されたプレゼンと同内容となっている。
ストーリー
彼に異を唱える者は死刑宣告され、プレイヤーもそのひとり。運よく死刑台から逃れたプレイヤーは、すべての荒廃の源たる腐敗の種を突き止めるため、冒険を続けることになる。
クラス
モンク
ウォリアー
レンジャー
マーセナリー
ウィッチ
ソーサレス
アセンダンシー
早期アクセス中には各クラスで2種ずつのアセンダンシーが解放されるとのこと。それぞれの特徴を下記に簡単にまとめる。
- インヴォーカー ……クリティカルヒット時に元素の波動を起こす。氷や雷の化身に変身が可能
- チャユラのアコライト ……闇の力を扱って混沌耐性を上昇させ、敵に混沌ダメージを与える
- ウォーブリンガー ……先祖の力を使ってトーテムを召喚できるほか、ダメージを吸収するシールドを得る
- タイタン ……スラムで余震を引き起こす。敵を気絶させ、ダメージアップを行える
- デッドアイ ……精度の高い射撃を行い、攻撃ごとに移動速度が増加していく
- パスファインダー ……フラスコチャージを使って爆発性のボトルを投げる。毒を撒き散らしてスタック数を増やす
- ウィッチハンター ……物理ダメージを多く受ける代わりに元素ダメージから守る。敵のスペルを妨害する
- ジェムリング レギオネア ……ジェムを直接、肉体に埋め込んで能力を強化する
- インフェルナリスト ……地獄の猟犬の召喚、悪魔の姿への変身などが可能
- ブラッドメイジ ……ライフをマナとして使用できる。大量のライフを使って驚異的なクリティカルヒットダメージを与える
- ストームウィーバー ……元素系スペルを操る。呪文クリティカルヒット時にストームを召喚したり、呪文を重ねて放ったりできる
- クロノマンサー ……時間を止めたり、巻き戻したり、スキルのクールダウンをリセットしたりする能力を持つ
スキルジェム
アクティブスキルを付与する240個のスキルジェムと、200個のサポートジェムが用意されているとのことで、初心者にはどんなスキルやサポートが向いているかわかりづらい。そのため、デフォルトではスキルに対して有用なサポートがシステム側から推奨されるようになっている。
パッシブスキル
前作は筋力、知力、器用さのノードは固定だったが、本作では能力値ノードとなり、ノード取得時にどの能力値を手に入れるか選択が可能となっている。
ツリーには中くらいの円で示されるノータブルスキル、大きな円で示されるキーストーンがあり、これらをどのように取得するかによって、能力が大きく変化していくため重要。
このように、ビルドの特徴を決定づけるキーストーンを限られたポイントの中でどのように取得していくかが、ビルド構築の大きなポイントとなる。
武器とパッシブスキルの切り替え
このポイントはメインストーリー中のサブクエストやボスモンスターなどからも得られるとのこと。ほかにも、永続的なキャラクター強化を行えるようなクエストなども存在している。
ドッジロール
そのため、前作をプレイしている人は、ゲームを通じて全体的に戦闘のスピードは遅めになったと感じるかもしれない。しかし、アクションゲームとしての奥深さが加わったとも言える。モンスターの一群(パック)を迎え撃つような場面もあるので、いいとこ取りな面もあると感じた。
フラスコ
チャームは、さまざまなデバフやダメージから自動的に身を守るアイテムで、いわばオートで使用されるユーティリティーフラスコのようなものだろう。再使用するためには、フラスコと同じく多くの敵を倒せばオーケーだ。
アイテムのレア度
このあたりは前作と同様だが、本作ではより簡単にmodのカスタマイズが可能になるという。
また、一部のアイテムにはスキルジェム用ソケットが廃止された代わりに、専用のルーンを埋め込めるソケットがあり、ルーンによって追加のmodが手に入る。特定のオーブを使用することで、ソケットのないアイテムにソケットをつけられるようになり、両手武器や鎧には最大2個、片手武器やその他の防具には1個のソケットをつけられる。
ゴールド
ゲームの流れ
前作はアクト10まであり、10時間程度でクリアーできるものだったが、それとくらべて本作はかなりのボリュームがありそう。前作を少しプレイしていた筆者が実際に本作をプレイしたところ、サブクエストなどの寄り道をせずに、アクト1の終了までに6時間程度かかった。そのうちの1時間ほどは、アクト1のボスモンスターに苦戦を強いられていたのだが……おそらく、サブクエストなどをこなせば、キャラクターを強化でき、レベルも順当に上がってボス戦が楽になるのでは……!
アクト3終了後には、“クルーエル”という難易度の2周目がスタート。いわゆる、ニューゲーム+だ。これをクリアーすることで、エンドコンテンツへのアクセスが可能となる。今後アクト4~6が追加された際には、クルーエル(2周目)はなくなり、アクト3からそのまま4へと突入。アクト6クリアー後にエンドコンテンツがプレイできるようになるとのことだ。
エンドコンテンツ
本作では、全体のアトラスの中に前作でいうところのマップのような各エリアが存在し、隣接するエリアを徐々に解放していく。エリア内のすべてのレアとユニークのモンスターを倒してクリアーすれば、そこに隣接する別のエリアにアクセスできるので、マップ集めをしなくてもよくなった。エリアに侵入する際に、挑むモンスターレベルを決定する仕組みだ。
そのほか、アイテムの詰まったストロングボックスや、特定modの付加を保証するエッセンスといった、おなじみの要素もある。
さらに、アトラスマップ内にはユニークな拠点が点在しており、アイテムを売るベンダーがいたり、無料でユニークなアイテムをくれる男がいたり、経験値を多くもらえるモンスターがいたりする場所がある。中にはキャンプ地もあり、敵対するモンスターを一掃すれば隠れ家として利用可能。
アトラスマップ内に点在するタワーをクリアーすると、周囲のチャレンジや特定の拠点の存在などが確認できるようになる。
前作同様に、アトラスの探索に影響を与えるアトラスパッシブツリーも存在。各エリアをクリアーすることでポイントを獲得可能だ。4エリアつにひとつの割合で配置されているボスを倒せば、ツリー内の特定セクションでスキルを入手できる専用ポイントが手に入る。これを伸ばしていけば、ボス討伐時の報酬がよくなっていく仕組みだ。
アトラスパッシブツリーでは、前作のようにブリーチやエクスペディションのようなさまざまなコンテンツが混在しているのではなく、各コンテンツが独立した形のツリーに変更されている点もうれしい。途中で寄り道をせずに、好きなコンテンツを強化するノードを取得できるようになっている。
今回紹介されていたコンテンツは、ブリーチ、リチュアル、デリリウム、エクスペディション、アルティメイタム、アセンダンシーの試練。これらは前作とだいたいシステムが同様なので簡単に紹介。
ブリーチ
ブリーチ用のオブジェクトにインタラクトすると、同心円状にモンスターの大群が現れるエリアが拡大。一定時間内に多くのモンスターを倒せば、よりよい報酬が手に入る。報酬には宝飾品の品質アップに使用するカタリストなどがある。
リチュアル
エリア内の祭壇に触れると、モンスターの大群が出現。倒すことでトリビュートというポイントが与えられ、報酬アイテムとの交換が可能。報酬にはオーメンというアイテムがあり、あらかじめアイテムに使うことで、消去のオーブ(ランダムにmodを取り除く)を使用した際に、サフィックスだけを削除するような効果を持つ。そのため、クラフトのコントロールが容易になる。
鏡を通り抜けると霧の世界へ侵入し、特殊なモンスターが襲いかかってくる。報酬では特殊なクラフト材料が手に入り、これを使うとアミュレットにパッシブツリー内の特定スキルを付加できる。前作のアノイントと同様の仕組みだろう。また、ウェーブ型のモンスター討伐に挑戦できる、シミュラクラムも手に入る。
エクスペディション
エリア内にある発掘現場で、起爆装置を使って遺物を掘り起こす。爆発とともにモンスターが出現し、すべて倒せばさまざまなアイテムと交換可能な報酬が得られる。さらにべつの報酬として、通常よりも強力なクラフトが行える機会が与えられるという。
アルティメイタム
エリア内でトライアルマスターに遭遇した際に、さまざまなリスクを選択し、混沌の試錬というフロアに挑戦して報酬を得られる。ひとつのフロアをクリアーするとつぎのフロアが現れ、それを重ねるごとに報酬がよくなっていくという内容で、前作とは仕様が変化している。報酬には、アイテムのソケット数上限を超えてソケットを追加できる可能性のあるヴァールオーブなどがある。
アクト中に挑むことになるアセンダンシー試練の上位版。ピナクルボスが出現するフロアが追加されている。試錬で手に入る報酬の中には、パッシブスキルツリー上のソケットに配置できるジュエルが手に入る。
ピナクル
最後に、本作でもっとも難度の高いエンドコンテンツとして、ピナクルが紹介された。
アトラスマップを探索していくと、炎と灰に包まれた要塞を目撃するはず。入場するには3つの鍵が必要で、アトラスに存在する各派閥のリーダーからひとつずつ鍵を入手することになる。
派閥のリーダーとなるウーバーボスに挑むためにはまず、隣接するエリアでふたりの副官を倒す必要がある。副官の討伐に失敗した場合、再度アトラスマップを探索して捜し出さなければならないとのこと。
そして、このピナクルにもアトラスパッシブツリー内に専用のツリーが存在する。つまり、このコンテンツをクリアーした後にも、挑戦するべきことがあるということ。ここまでたどり着くのは、想像もつかないほどの苦労が予想される……。
カウチCo-op
また、すべてのプラットフォーム間でクロスプレイとクロスプログレッションを導入することもすでにアナウンスされている。
課金要素
記者の目
これから始める人にとっては、10年かけて熟成した『Path of Exile』の旨味の濃い部分を最初から味わうことができるし、これまで手が出なかったけど早期アクセスというタイミングでスタートしようといういいきっかけになるはず。
本作でもリーグ(シーズン制)を採用していくとのことで、『2』のリーグ要素をひと通り楽しんだら『1』に戻ろう、というような遊びかたもできる。なお、『1』のサービスも並行して続けていくということで、ひとつのアカウントで両方のゲームを楽しめるし、課金要素も共有なのでいいこと尽くし!
『ディアブロ』系が好きな人はもちろん、『モンスターハンター』シリーズのお守り集め周回につい命を懸けてしまうようなトレハン好きにはぜひプレイしてほしい作品。
前作と同様に、うかつに手を出してしまい、どんどん沼にはまっていく、そんなゲームになることを期待したい。おそらく以前よりもずっと深い、底の見えない沼になることでしょう!