金! かね! カネ!
世の中金だ。金を稼ぐことこそ正義だ。
いや、こんなこと言いたくはないけれど。だってしかたがないでしょう。親父が30000ドルもの借金を残してどこかへ行ってしまったのだから……(※)。
※30000ドル……ここ最近のレート計算でざっくり450万円。![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/20562/a700a2d2c3e82ed2763992a266b1624b8.png?x=767)
※本稿はグラビティゲームアライズの提供でお送りします。
少年が冒険しながら金稼ぎ。ボムで破壊しながら進むメトロイドヴァニア
『グッド オールドデイズ』は、自由な方法でひたすらにお金を稼ぐメトロイドヴァニアな2Dアクションゲーム。30000ドルもの膨大な金額を残してどこかへ行ってしまった父親の代わりに、主人公の少年・ショーンがお金を稼ぐために奔走する。しかもなんと期日は本日中という条件付き。正気か?
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しかし借金取りだって、なんの算段もなく本日中までと言っているわけではない。なにやらこの田舎町・アロスティアには、ショーンの祖先が埋めた財宝がそこら中にあるのだとか。もちろんそれらを集めてもいいし、それ以外のどんな方法を取ってもいい。とにかく金さえ返せばいいとのことだ。
冒険の相棒となる武器は、借金取りにもらった“使っても減らない魔法の爆弾”。「それ売った方が金になるんじゃないのか」なんて言葉が喉の奥から出そうになったがグッとこらえる。いいんだ。冒険の始まりってのはいつだってこんなもんさ。
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爆弾は敵を攻撃したり、ひび割れた壁などを破壊したりできる。爆発するまで時間があるので、一時的な足場にすることもできてしまう便利な存在。
さて、なにやらこの田舎町にはとんでもなくデカい地下通路があり、祖先が埋めたお宝はそこに眠っているとのこと。ゲーム的に言うならば、いわゆる“ダンジョン”的なものは地下にあるわけだ。
ということで近場にある井戸から地下へと潜り、怪しげな扉をひたすらに爆破! 爆破! 爆破! 法令遵守の精神なんてへったくれもない。こちとら30000ドルを1日で稼がなきゃならねえのだから。
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お宝はドクロのマークがついた扉に収められている。爆破してこじあけてるけど、もっと穏便な方法はなかったものか。
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行動範囲が広げられるようになる便利なアイテムが入っていることも。アイテムを増やして探索箇所を広げていくのは、メトロイドヴァニアの醍醐味だ。
しかもこの借金取り。ショーン少年が本気で動くかどうかがわからなかったので、友人であるフーディ、ブルース、ドクの3人を地下のどこかに軟禁したのだという。彼らを助け出すのもショーンが抱えたミッションのひとつ。解放することでキャラクターチェンジが可能になり、できることもどんどん増えていく。
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完全にとばっちりで巻き込まれた友人たち。でもショーンが困っているならと、皆手を貸してくれるのだ。美しき友情。
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フーディは機動力が低いパワータイプなキャラクター。ヘッドバッドで敵を叩き潰したり、重い箱を動かしたりできる。
地下にはヘドロが凝縮されたスライムのような魔物やコウモリなんかが住み着いている。さらに、触るだけで凍える冷たい水、立ち昇る炎、地を這う電撃なんかが待ち受けており、ショーンの体力をどんどんと削っていく。体力がなくなると即座にゲームオーバーというわけではなく、ゲーム内の時間が3分経過して、近くでリスポーンする形になる。
……いまシレっと“3分経過して”なんて書いたが、お察しの通りこのゲームには時間制限がある。借金の期日が本日中というのは、なにも設定上だけの話ではなく、ゲームプレイ自体に適応されているタイムリミットなのだ。
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上にある数字(12:10:00)がいまの時刻。
制限時間は10時から24時までの14時間。プレイ中は1秒ずつ時が経過していき、体力が無くなると一気に3分進む。あくまで試遊版での話ではあるが、30000ドル稼ぐまでにかかるプレイ時間は約1~2時間というところなので、たっぷり12時間分ぐらいはノックアウトされる余裕があると思ってくれていい。
なので、タイムリミットがあるといってもそこまでシビアなものじゃないし、なんなら制限時間としてはほぼ機能していないようにすら思える。じゃあなんのために時間が経過するのって話だが、これにはまた別の要素が関わってくるのである。
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本作には、特定の時間にイベントが起こる場所がいくつかあるのだ。シンプルに進むことができない場所があったり、人が来ることにより新たなお金儲けの手段が見つかったり、内容はさまざま。ときにはわざと体力を減らして時間を進めてしまうことで、新たな活路が見いだせたりする。
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この場所ではサイコロを使ったギャンブルができる。ふたつ転がし、出目の合計が前回より高いか低いかを当てるもの。いわゆるハイ&ローのサイコロ版だ。
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とある場所にいる、宝くじが当たったかどうか見てくれるおじいさん。当たりくじと引き換えにお金をくれるのだが、そのお金はどこから……? 別にこの人が発行しているわけではないようだが。
時間によっては、特定の場所にアイテムを高値で買い取ってくれる行商人のような人も現れる。なんのアイテムを買い取ってくれるか、いくらなのかなども変動するので、そのあたりもうまく活用すればかなりお金は溜めやすい。
そして、ときには怪しい話も持ちかけられることもあったり……。
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こういうやさしいおっちゃんもいることにはいるのですが。
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こういう、いかにもな感じのおじさんもいます。
このおじさんは、「地下で“クスリ”を作っているので材料を持ってこい」という依頼をしてくる。法令的にはいかにもアレな案件だが、金払いはいいので受けておくといいことがあるかもしれない。まあその、ゲーム内でもしっかりカタカナで“クスリ”と書かれて怪しさは満点だけども、もしかしたら葛根湯とかかもしれないし、うん……。
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材料も怪しすぎる。自分で言っておいてなんだが絶対に葛根湯ではない。
とにもかくにも、登場人物の種類は多彩。借金返済手段も多種多様に用意されているので、遊ぶプレイヤーによってはまったく異なるルートを選ぶことになるだろう。仲間を全員助けて真っ当に祖先のお宝を集めまくるのか、たからくじやギャンブルに興じて一気に金を稼ぐのか、それはプレイヤーであるあなた次第ということだ。
しかも、本作ではどのようなルートをたどって借金を返したかによって、エンディングが分岐するようになっている。プレイ時間が一周1~2時間と短いのはそのため。周回をコンパクトにまとめながらも、何度も遊べるだけのボリュームがしっかり用意されているのは大きな魅力だと言えるだろう。
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試遊版は一周しかできず、体験できるのは1種類だけだった。エンディングは全部で8種類ほどあるようだ。
筆者の見た初週のルートはかなり標準的なもので、とくになんの条件も満たさずに30000ドル返済した人間が見られるもの、という感じだったように思える。まあ、仲間もふたりぐらい見捨てたし。
あと倒すべきであろうボスとか、明らかになにかしらのエンドに関わりそうな人物とか、いろんな要因はあったがなんやかんやだいたいは無視して金稼ぎに没頭してしまったのも原因のひとつではないだろうか。
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本編中における明確な“お邪魔もの”であるバーサル一家。見た目が特徴的で好きだ。
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その中のひとりである長男のチャックとは戦ったが、あと3人いるはず……。まあ試遊版では全員と戦えないとは思うのだが。
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世界中にあるカギを集めてこいと言うお婆さん。この人も絶対なにかしらの特殊エンディングに関わっている気がする。
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高難易度なアクションチャレンジが行える“試練”というのもあった。これもクリアーすればエンディングが変わるのかな?
そういう事情もあり「このゲーム、1周だけじゃ物足りない!」というのが筆者の正直な感想だ。おもしろさの感覚としてはメトロイドヴァニアというよりも、アドベンチャーゲームのものに近いだろうか。アクションのおもしろさやマップを埋める楽しみを味わうというよりも、周回による展開の差や人間模様がかなり気になるような。登場人物と出会い、話すのが楽しいと感じるゲームだった。
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会話のひとつひとつが本当にいい。セリフがとても秀逸なゲームだ。
なお、Steam Next Festが実施される2024年10月15日(火)より、この体験版が配信開始された。気になる方は試してみては。
体験版では1周しかできない仕様だが、ゲーム設計としては何周もすることでより楽しさが深まるものになっているのは間違いないだろう。改めて、『グッド オールドデイズ』の製品版が配信されるのが楽しみだ。