『Call of Duty 』シリーズ最新作、『Call of Duty: Black Ops 6 』(コールオブデューティ:ブラックオプス6)のゾンビモードがついにお披露目された。 これまでにラウンド形式の復活やローンチ時にはふたつのマップが登場することが判明しており、多くのゾンビファンから注目を集めていた。アメリカ・ワシントンDCでメディアや動画クリエイター向けに開催されたイベントで、世界最速プレイをする機会を得たので、最新情報やプレイ感をお届けする。 本作はプレイステーション5(PS5)、プレイステーション4(PS4)、Xbox One、Xbox Series X|S、PC(Battle.net、Microsoft Store、Steam)で2024年10月25日(金)に全世界向けに発売される。Xbox Game Passにも対応しており、発売初日からプレイ可能だ。 また、日本時間9月5日までの期間、予約をしたユーザーとXbox Game Pass加入者を対象にオープンベータテスト第1弾が開催中。9月7日~9月10日の期間には、全プレイヤーが参加可能な第2弾も実施される。ゾンビモードはプレイできないが、マルチモードをいち早くプレイできるのであわせてチェックしてみてほしい。
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『CoD:MW3』のオープンワールドからラウンド制へ。脱出するか続行するかの駆け引きにヒリヒリする ゾンビモードは、『Call of Duty: Modern Warfare III 』のオープンワールド制から、これまでの 『Black Ops』 シリーズ同様にラウンド制が採用。基本的には『Call of Duty: Black Ops Cold War 』のゾンビモードと近い作りになっている。 プレイヤーの目標は、とにかく生き残ること。ラウンドが進むにつれて難度が上がるので、ゾンビを倒してポイントを稼ぎ、封鎖されたドアを開けるなどしてマップを開拓。マップ上の物資を集めてパワーアップし、強化されていくゾンビたちのパワーレベルに追いつく必要がある。 ドアを開けてることによって行動範囲を広げられるほか、かなりの距離や上下の移動を可能にするグラップルポイントなども解放できる。
基本的には死ぬと終了になるが、本作には 『Call of Duty Black Ops Cold War』 と同様に、5ラウンドごとに帰還用のヘリを呼ぶシステムもしっかり残っている。いわゆる“やめどき”を決めらるシステムだ。 『Call of Duty Black Ops Cold War』 では、帰還用のヘリを呼んで指定地点へ行き、マップにいるゾンビをすべて倒すことで脱出できた。ラウンドが進むほどに脱出するのが難しくなったが、本作は帰還用のヘリを呼ぶと一度ゾンビがすべて焼き払われる。その後、指定地点に向かいながら、新たに一定数出現するゾンビを倒すことで脱出できる。ゾンビの数が制限されているのか、『Call of Duty Black Ops Cold War 』に比べると少し脱出しやすいように感じた。 脱出ムービーもしっかりこだわられており、ゾンビにつかまれて落ちるんじゃないかと内心ドキドキしていた。
また、ラウンドの途中には通常のゾンビのほか、蜘蛛ようなクリーチャーや中ボスゾンビなども登場。ラウンドが進行するごとに増加する敵の存在も、難度を上げる要因のひとつだ。
蜘蛛のようなクリーチャー。遠距離から攻撃してきたり飛びついてきたりと地味に厄介。
人型の重装備ゾンビ(マングラー)。強力な重火器を使用してきて、当たると大ダメージを受けてしまう。
ケルベロスのようなクリーチャー(アボミネーション)。かなりタフで攻撃も痛いので、相手にするときは十分に注意したほうがいい。光っている頭が弱点。
35ラウンドまで生存したところ、プレイヤーのスプリントよりほんの少しだけ遅いレベルのゾンビやボスが同時に2〜3体スポーンしたりと、後半はかなりカオス。その分、後半になればなるほどレアなアイテムがドロップしたり、ミステリーボックスからもレアリティの高い武器が出やすくなっているようだ。
パークドリンクは健在。ゾンビモードの新パーク“メレー・マキアート”で格闘攻撃が大幅強化 プレイヤーを強化できるパークドリンクもしっかり登場。蘇生時間を短縮できるクイックリバイヴや体力が上昇するジャガーノグ、リロード速度がアップするスピードコーラなどおなじみのドリンクが登場する。
本作から新たに登場するパーク“メレー・マキアート”は、強力なパンチをくり出し、ゾンビを吹っ飛ばせるというもの。近接攻撃でつぎつぎとゾンビを倒せるのは爽快だったが、後半では通用しないかもしれない。限界を感じたのも事実だ。 また、全パークが販売されている自販機も確認。いちいち欲しいパークの自販機に行かなくても、この自販機へ行けば好きなパークを選んで購入できるので、非常に便利。
ゴブルガムは3個まで所持できて、任意のタイミングで使用できる 『Call of Duty : Black Ops 3』 で登場したゴブルガムは本作でも登場する。消耗品バフシステムで、ゴブルガムマシンから毎ラウンドガムを1個無料で入手できる。3つまで所持でき、任意のタイミングで使用可能だ。
効果は、特定の状況で真価を発揮するものから、ちょっとしたバフをもらえるものまでさまざま。プレイヤーのプレイスタイルに合わせたり、ガム同士でシナジー効果を発揮させたりと、プレイの幅を広げるいいシステムだ。
壁武器やミステリーボックスで武器を入手。レイガンはもちろん、ゾンビを吸い込んで切り刻むジェットガンも登場 壁の武器シルエットから武器を購入できる“壁武器”はもちろん、ミステリーボックスもしっかりあった。ミステリーボックスは950ポイントで一回引くことができ(ファイヤーセール時は10ポイント)、レアリティを含めてランダムで武器が手に入る。
ミステリーボックスから出た武器を拾うと、所持していた武器はドロップするシステムも健在。出てきた武器がハズレでも、いったん拾ったうえで、装備していた武器を拾いなおしたり、ほかプレイヤーに分け与えたりできるのでうれしい仕様だ。 また、強力な武器“ワンダーウェポン”としておなじみのレイガンなども存在するようで、ミステリーボックスから入手可能。実際に60回近く引いてみたが、2個しか出ないほどの低確率に設定されている。 先行プレイでは、レイガンのほかにジェットガンのようなワンダーウェポンも発見した。射撃ボタンを押すとゾンビを吸い込んで切り刻めるというもの。弾数制限なしなのでぶっ壊れ性能に思えるが、使い続けるとオーバーヒートして一時的に使用できなくなってしまうため、注意深く使う必要がある。
『Call of Duty: Black Ops Cold War』 でも登場した作業台もあり、ポイントとは別にゾンビが落とすサルベージを消費して、弾薬MODの付与やレアリティ強化などができた。 ちなみにアーマーもあり、ゾンビからのダメージを軽減してくれる。アーマーは強化制ではなく、壁にあるアーマーシルエットから上限値を購入できる。必要ポイントはかなり高め。
オムニムーブメントと3人称視点の相性がいい。トレイン時にゾンビの群を確認しながら走れる 全方位に高速移動できる“オムニムーブメント”はゾンビモードにも採用されており、マルチプレイと同様の動きができる。相手はゾンビなので、マルチほど戦闘に役立つというわけではない。ただ、同じ場所をぐるぐる回ったりしながらゾンビを大量に引き付ける行為、いわゆる“トレイン”をする際には後ろを確認しながら走れるのでかなり便利に感じた。
さらに設定で3人称視点にも切り替えられる。1人称で酔ってしまう人にはありがたい仕様だ。プレイしやすいだけでなくオムニムーブメントとの相性もいい。クールなアクションを第三者視点で確認できるのはうれしいものだ。
中ボスゾンビになれるスコアストリークでの無双が気持ちいい マルチプレイでおなじみのスコアストリークはゾンビモードでも使用できる。こちらでは撃破時のドロップや作業台での作成、ミステリーボックスから入手し、最大所持数はひとつだけ。そして任意のタイミングで使用可能だ。
ヘリに乗り込み、上空からゾンビを撃ちまくるスコアストリーク。ピンチのときに使用するといいだろう。
スコアストリークの中には、中ボスゾンビのマングラーの武器を一時的に使用できるものがあった。これまで自分が苦しめられていた武器を使用し、ゾンビを蹴散らすのは最高の瞬間だった。
マングラーの武器を使用できるだけで十分興奮できたのだが、さらに特異なスコアストリークが存在していた。レアリティは高く、デザインは怪しげな注射器。いったい何が起きるのかとドキドキしながら使ってみると……。
マングラー自体になってしまった。 まさかの展開に思わず吹き出してしまった。 マングラーになっているあいだは無敵となり、その脅威を自分で再現できる。最強レベルのキャノン砲やゾンビをワンパンで蹴散らす格闘攻撃、走っているだけでゾンビを蹴散らすことができたりとまさに無双状態。これはぜひ実際にプレイしてみてほしい。
パック・ア・パンチで武器強化 武器を強化してダメージ量をアップさせる“パック・ア・パンチ”もしっかりある。3段階に分けて強化でき、1回目は5000ポイント、2回目は15000ポイント、3回目は30000ポイントで必要だ。試遊したマップではかなり狭い場所に配置されており、強化する際は注意が必要だった。
主観でゾンビに囲まれる死亡演出が恐ろしい 死亡シーンにもしっかりとこだわりが詰め込まれてる。プレイヤーを殺したクリーチャーにあわせた専用ムービーを用意。ゾンビに殺された際は、ゾンビに囲まれて喰われるという恐ろしい映像が映し出される。ショッキングなムービーはほかにもあり、ヘリでの脱出に失敗した際はマングラーにヘリコプターが爆破されるようだ……。
謎解き要素やイースターエッグは過去最高の多さ。開発インタビューをお届け ここからはゾンビモードのアソシエイト・デザイン・ディレクターを務めるケビン・ドリュー氏へのインタビューをお届け。謎解き要素やイースターエッグ、新要素について気になる点を訊いた。
ケビン・ドリュー
Treyarchでゾンビモードのアソシエイト・デザイン・ディレクターを務めている。現在は『Call of Duty: Black Ops 6』のゾンビモードのデザインを統括。業界で18年の経験を持っており、2010年の初代『Call of Duty: Black Ops』以来、キャリアの大半を『Black Ops』シリーズのデザイナーとして捧げてきた。現在の職務に就く前は、直近では『Call of Duty: Black Ops Cold War』のゾンビのリード・デザイナーを務めた。
――ハンズオンでプレイしてみて、これまでのゾンビモードのさまざまな要素を詰め込んでいる感じがしました。ラウンド制やボス、パークドリンクやガムなど。このような形にした理由は?
ケビン
『Call of Duty: Black Ops Cold War』 でやったことの多くを気に入っているんです。アクセシビリティを向上させ、より多くのプレイヤーに遊んでもらえるモードに進化させました。それでもまだやりたいことがたくさんありました。そこでもうひとつ影響を受けたのがコミュニティの評価がとても高かった『Call of Duty: Black Ops 3 』です。このふたつの作品から最高の要素をかけ合わせて取り入れることによって本当に楽しい何かを創り出せることを願っていました。 ――過去作の謎解き要素には多くのファンがいます。今回のゾンビマップにも謎解きはありますか? ケビン
はい。各マップにはメインクエストが存在し、最初のうちは完了させる事がとても難しいはずです。リリースから数週間後に説明のようなものが入り、謎解きを開花させていくはずです。そしてイースターエッグ的な小ネタやサイドクエストも各マップごとに本当にたくさん用意してあります。マップ“Terminus”は全作品を通してのイースターエッグ数が過去最高になっています。 ――特定のタイミングでヘリコプターによる離脱システムがありますが、これがプレイヤーにもたらす恩恵はなんでしょうか?
ケビン
ヘリ離脱(Exfil)システムは 『Call of Duty: Black Ops Cold War』 から追加しています。いままでのゾンビモードは最終的に死んで終わるしかありませんでしたが、これによってプレイヤーは勝利でゾンビモードの試合を終わらせる選択肢が発生したので本当に気に入っていました。 コミュニティの反応もよかったので絶対に今回また復活させたいシステムだと思っていました。そして離脱は5ラウンドに1回しかできないので、離脱可能なタイミングになったときの判断が軽くなりすぎないようにしました。「あと5ラウンド生き延びれるか? それともいま離脱するべきか?」といったペース配分になっています。
――ゾンビモードのストーリーが一新されているように感じますが、過去作のオマージュ要素もあります。ストーリー執筆時に過去作から意識していた点は?
ケビン
この物語は 『Call of Duty: Black Ops Cold War』 から始まっています。そして今回はゾンビモードの物語を軽くリメイクし、いままでの話を終わらせて新たなストーリーを始めました。 『Call of Duty: Black Ops Cold War』 でのお話がお膳立てをしてくれたので、過去作で見慣れたキャラクターを取り入れる事を可能にしつつ、物語を新しい切り口から語っていくことが可能になりました。よって本作で物語に本格的に取り組み始めることになりました。 ――『Call of Duty: Modern Warfare III』ゾンビモードのインタビューで「プレイヤーがお互いを助け合ったりアイテムを融通し合っていて、プレイヤー同士の思いやりを感じ取れた」と語ってましたが、その視点を意識して今作で開発した点はありますか?
ケビン
たしかにその質問には答えていましたね。 『Call of Duty: Modern Warfare III』 でのゾンビモードはプレイヤー数がとても多かったです。ですが、本作はではおなじみの4人共闘モードに戻ります。 昔からこのモードではプレイヤー同士はお互いを助け合うのが通例で、むしろ助け合わないと先へと進めない感じです。本作で追加した大きな変更点としては扉の購入を共有できるようになった事です。なので、扉にたどり着いた時に予算が足りなかったとしても、半額だけ出すことが可能になりました。その場合、仲間の誰かが残りの半分を払えば大丈夫となります。 ――最近のシリーズ作品では武器共有など、ゾンビモードとマルチモードで影響しあうシステムが出てきています。これからもマルチモードとの連携は続けていく予定ですか?
ケビン
もちろん! これを 『Call of Duty: Black Ops Cold War』 から始めたことで、ゲーム全体の統合性を感じられるようになったと思っています。どのモードを遊んでいようと、自分のキャラクターを成長させているという考えです。 そしてそれはプレイヤーの手助けもしている事でしょう。たとえば、マルチモードではスナイパーライフルのレベルを上げたくないとします。そんな時はゾンビモードをプレイして、武器レベルを上げられる。その逆も然りです。なので、これは今後も続けていくシステムになっています。