今度はヘンテコ博物館経営だ! 経営シムTwo Pointシリーズ最新作『Two Point Museum』が発表。日本語ローカライズも予定

byミル☆吉村

更新
今度はヘンテコ博物館経営だ! 経営シムTwo Pointシリーズ最新作『Two Point Museum』が発表。日本語ローカライズも予定
 経営シミュレーションTwo Pointシリーズ最新作として、『Two Point Museum』がプレイステーション5/Xbox Series X|S/PC(Steam)向けに発表された。発売時期は未定。なお開発に確認したところ、本作は日本でもテキストの日本語ローカライズつきで展開されるとのこと。

 今回本誌では海外プレスを交えて行われたプレビューイベントに参加し、その序盤をプレイしてきたので、その内容をご紹介する。
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ユーモアたっぷりのTwo Point世界で今度は博物館経営

 Two Pointは、イギリスのTwo Point Studiosが開発しセガがパブリッシングしてきた経営シミュレーションゲームシリーズ。その特徴はとっつきやすさと素っ頓狂なユーモアで、過去作はそれぞれ病院経営(Two Point Hospital)や大学経営(Two Point Campus ※日本未発売)がテーマだが、堅苦しさとは無縁だ。

 なんせ周囲が「頭がランプになる病気や、自分がロックスターだと思いこんでいる患者ばかり」の地域だったり、奥深き道化の世界を追求する“ピエロ学部”を開講することになったり、ゾンビが迫る中で騎士道学部を運営する羽目になったりと、ナンセンスなギャグだらけ。そして今回はそんな世界で博物館を経営するわけだ。
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 ゲームの基本は旧作と同様で、部屋の作成・アイテムの購入&配置・そしてスタッフの雇用の3本の柱で進行する。建物内にトイレや休憩室などの部屋スペースを確保し、チケットカウンターや展示品や周囲の装飾などを配置。さらに業務のニーズに応えられるよう、研究者やアシスタントや警備員や清掃員を雇っていくのだ。
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チケット売り場の列が長くなり始めたらカウンターを増やしたり、係員が休憩に入っても大丈夫なように人員を増やしたり……。
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売店を整備しておみやげを売りつけろ!
 今回は化石などを展示する先史時代がテーマのパートをプレイしたのだが、「タイムスリップに失敗した未来人の化石」が出てきたり、ユルいノリは相変わらずの模様。ほかにどんなテーマの展示が可能なのか気になるところだ。
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これ誰の足よ?

遠征で新たな収蔵品を獲得し、来館者の滞在を盛り上げよう

 もちろん単にお題が博物館に変わっただけでなく、そこに新たな要素が関わってくる。博物館経営のひとつの指標となるのが、お客の興奮度合いを示す“Buzz”だ。

 魅力的な展示はお客の“Buzz”を高め、周囲にその展示品とマッチした装飾があればさらにBuzzが得られて、うまくいけば入場チケット代以外に寄付金をもらえたりもする。基本的には全体の収支をまとめつつ、博物館全体のBuzzを高くしていくのが目標だ。
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なんかめっちゃ気に入ってくれてるのはいいんだけど……。警備員雇おうかなぁ。
 そしてもうひとつこれまでと大きく異なるのは、新たな展示品を獲得するために研究者を“遠征”(Expedition)に出せることだろう。遠征には遠征先や季節に応じたさまざまなリスクがあるが、定期的に送り出すことで化石などの収蔵品が増えていく。
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 ただし恐竜の尻尾部分の骨など一部パーツのみが発見されるようなこともあり、全体を完成させてフルのBuzzを得るには何度か遠征させなければいけなかったりもする。でもレアな収蔵品を引き当てることもあるし、遠征でスタッフに経験値が入ったり、新たな遠征先の開拓にも繋がったりするので、積極的に行かせたほうがよさそうだ。

開発インタビュー

 また開発チームにメールインタビューをする機会を得たので、プレビュー版を遊んで細かく知りたくなった部分を中心に聞いてみた。デザインディレクターのベン・ハスキンズ氏とエグゼクティブ・プロデューサーのジョー・コーラー氏が答えてくれた。

ベン・ハスキンズ

本作のデザインディレクター

ジョー・コーラー

本作のエグゼクティブプロデューサー。

――現実世界では博物館は一般的にたくさんの古いコレクションを倉庫に持っていますよね。展示を新鮮なものにするために、似たようなテーマでも違った収蔵品を出したりします。本作では展示品を倉庫に入れておくことができますが、どのように機能するか教えて下さい。古いコレクションを持っていると長期的な視点でいい運営に寄与するのでしょうか? それとも単に一番Buzzを稼げるものを常に出しておけばいいんでしょうか? 倉庫の限界は?

ベン
 展示品はいつでも倉庫にいれることができ、いつでも戻すことができます。これに制限はありません。
出し入れすることにはいくつかの理由があります。まずはそれを置くための十分なスペースがなくなってしまったり、もっといいレイアウトにしてあげるために一角を整理したいとか、一気に複数の展示を入れ替えたいといったような時です。

 でもそれだけでなく、あなたのもっとも印象的な遺物の面倒を見るスタッフが足りてないといったこともありえます。一番の修復スキルを持っているスタッフが遠征に行ってしまっている中で、博物館見学で手が汚いいたずらっ子たちがたくさん押し寄せてくるとか、あるいは街に新たな泥棒ギルドがいる噂を聞いて、警備を増強するまでの一時的な対処をしたいといったような場合ですね。
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ベン
 もうひとつ頭に入れておきたいのは、時が経つに連れて異なる好みを持った来館者がやってくるということです。化石が好きな人が多ければ、多分去年倉庫にしまった余分な化石を出す時期かもしれません。

 そしてあなたの博物館の名声が高まるに連れて、まったく新しい人々が訪れます。たとえば博士は知識に飢えていますから、徹底的に分析した遺物で彼らを驚かせたいと思うでしょう。裕福なコレクターや厄介な検査官など、特殊なVIPキャラクターがやってくる時は、彼らの特定の興味に応えたいでしょう。

 もちろん、展示品を保管したままにしておくことは、来館者がその展示品から得られたであろうBuzzや知識を逃してしまうことになりかねません。しかし、展示品をいつ一般に公開し、いつ保管すべきかを決めるのはあなた次第です。その中間のやり方もあります。展示品を館内の静かな場所やスタッフ専用の場所に移すことで、一般公開で起こり得るダメージを避けながら修復や分析をしたり、Perkを足して強化することができます。

――パーツ部分だけの不完全な展示品のアイデアは面白かったです。でも“コンプリートガチャ”のように機能するのであればストレスポイントになりえます。誰もほかのパーツを見つける前に同じ尻尾の骨を3つも欲しくないですよね? 残りを見つけるプロセスはどのように働くのでしょうか? 完全にランダム? 何か不運な結果を避ける仕組みはありますか?

ベン
 展示品を完成させるためにかけらを集めるのを完全ランダムにすべきではないと決めました。足りていないパーツを探す方が楽しいので、そうすることにしたんです。

 これはすべてのランダムドロップについての私たちの哲学でもあります。なにか新しい物を見つけるほうが、すでに持っているもののダブりを得るよりエキサイティングですからね。なので確率はプレイヤーの有利になるように偏らせています。遊んで楽しく満足できるように調整しています。

 とはいえ時にはダブりを得ることもあるのですが、それらが無駄にならないように設計しています。もっと質の高いものを得ることもありますし、さらにそれがPerkを入れるスロットを持っていることだってあります。または余分な遺物を分析室にまわすことで活用し、より深く学ぶためにデジタル化するとか。これは来館者の学びに役立ちますし、博物館の評価を高めることに貢献します。
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――Two Point Campusで好きだったのが、学生キャラクターたちの成長です。卒業まで行くにしても退学しちゃうにしても、そこに彼らの歴史を感じられます。本作の来館者はどうでしょう。今回のプレビューでは、来館者たちにログがあるのに気が付きました。いい展示を続けていると、彼らの状態や振る舞いや好みなどに影響を与えるのでしょうか?
ベン
 すべての来館者は博物館内を歩き回る間にBuzzと知識を得て、どれだけ寄付するかやギフトショップで何を買うか、そして帰る時にどんな評価をするかに貢献します。

 彼らには欲求もあり、滞在がハッピーなものになると彼らはより長く博物館で過ごそうとするので、より大きな収益に繋がります。なので飲食物の提供やいい環境、インタラクティブな展示で楽しませるといったことでそれに応えようとするでしょう。
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ベン
 来館者のログは館のどの部分がうまく働いているか、どこが改善可能かを知るための有益な資料になります。彼らは好き嫌いがはっきりしているので、チケット価格やカフェテリアの食事、トイレの状態までフィードバックを伝えてきます。

 それらに加えて、それぞれの来館者は見たい好みのタイプの展示や、個人的なゴールがあります。滞在中にそれらが達成されるとかなり儲かります! そして彼らは博物館でもっとも印象的だったものに基づいてギフトを買ったりもします。子供が買ってもらった恐竜のロンパースを親に見せている様子はとてもかわいいですよ。

 また展示品もそれぞれ異なります。いくつかは来館者の行動に非常に面白い影響をもたらします。保存状態の悪い恐竜はメンテナンスが悪いと悪臭を放って彼らの体調をくずさせることさえあります。先史時代の氷の中に封印された蜂の巣なんかも面白いですね。溶け出すと蜂(しかも太古の蜂です!)が来館者を追い回したりします。
このように来館者の滞在はさまざまな状況が引き起こされることがあり、ある種の展示物は大きな影響を与えます。ほかにどんなものがあるかは今後の発表をお楽しみに。

――今回のプレビューは先史時代のコレクションに特化していましたが、美術館や科学博物館のような異なるタイプのミュージアムはありますか?

ベン
 はい、ゲームにはいくつものテーマやサブテーマにまたがったさまざまな収蔵可能な展示品が登場します。先史時代はそのテーマのひとつでしかありません。

 ゲームを進めていくと新たな博物館へのアクセスを得るだけでなく、探索対象のマップも発見していき、それによって新たな遺物やその他の発見への道がひらけます。いくつかの館は特定のテーマを試してみることを推奨していますが、それまでに開拓した探索ポイントから自由に展示物を集めることができます。これによって異なる組み合わせを試してみたり、それぞれ自分ならではの館にすることができるのです。

 それぞれの展示テーマは新たなひねりを加えますし、いくつかは全く異なるプレイを提供するでしょう。それぞれの展示やサブテーマは固有の縛りや来館者やスタッフへの影響をもたらします。皆さんのコレクションは異なった形となり、ユニークな体験をもたらします。

――遠征は面白い新要素です。でも、博士がもし浮世絵なり刀なり“外国の”品を持って帰ってきたら、スクリーンに向かって「……それ、どこからどうやって手に入れたの?」とつぶやくことになるでしょう。そのへんは大丈夫なんでしょうか?

ジョー
 『Two Point Museum』内に登場する遺物はTwo Point流の調子の外れたユーモアを込めて作られたもので、発見する全てのものは「Two Point世界の」中のものということになっています。ゲーム内に登場するいくつかのアイテムは現実世界に存在するものにちなんでいることもありますが、世界各地の実際の文明に関連するものは描かないように注意しています。
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――発売後もコンテンツが提供されるようですが、旧作では有料DLCだけでなくゲームプレイを変えるRemixモードやチャレンジモードが無料アップデートで追加されました。本作の発売後のプランについてまだ詳細に話せないと思いますが、本作でどんなものが期待できるかもうちょっとお聞きできますか?
ジョー
 私たちは発売後に新たな機能やコンテンツでゲームを拡張するのが好きです! コミュニティに耳を傾けて、どんな機能やアイテムが求められているのかぜひ聞きたいと感じています。

 現時点ではゲームをまず完成させて最高に素晴らしい状態にすることに集中していますが、そのあとにできることの可能性に興奮してもいます! それぞれの展示テーマにより新たなメカニズムに取り組めるとか、新しい場所を探索できるとか、可能性は無限大です!

――残念ながら前作は日本で展開されませんでしたが、今回は日本でも遊べそうですね。どのように感じていますか? 日本のファンやTwo Pointプレイヤーに伝えたいことは?

ジョー
 私たちはTwo Point Museumを日本でもテキストのローカライズつきでリリースできることに大変興奮しています! 日本のゲーマーの皆さんがトゥーポイントカウンティでの探索を楽しんでもらえることを願っていますし、フィードバックを聞くのを楽しみにしています!
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