【ゲームゲノム】『信長の野望』特集回(8月13日放送)では、MCの三浦大知さんがシブサワ・コウ氏と対談形式で作品の魅力や歴史を振り返る。一新されたスタジオの様子や収録を終えたおふたりへのインタビューもお届け

【ゲームゲノム】『信長の野望』特集回(8月13日放送)では、MCの三浦大知さんがシブサワ・コウ氏と対談形式で作品の魅力や歴史を振り返る。一新されたスタジオの様子や収録を終えたおふたりへのインタビューもお届け
 テレビゲームを“文化”として捉え、古今東西の名作の魅力を深掘りするNHK初のゲーム教養番組『ゲームゲノム』。2021年にパイロット版が放送されて話題となり、2022年に全10回のレギュラー番組“シーズン1”がスタート。2024年1月からは新たなレギュラー番組“シーズン2”が、全10回にわけて放送された。

 そんな
『ゲームゲノム』が、2024年8月13日に新たな局面を迎える。同日の22時45分よりNHK総合にて、コーエーテクモゲームスの『信長の野望』をテーマにした特番として放送予定。

 これまで白を基調としていたスタジオが黒で統一された高級感のあるセットに変更されているほか、番組の収録スタイルも一新。過去の放送では、MCの三浦大知さん、取り上げる作品のクリエイター、作品のファンである著名人という、複数人で語り合う形式が多かったが、今回は三浦さんとクリエイターの対談で行う形に(※作品のファンの著名人からのコメントは別途収録。なお、今回の放送回ではポルノグラフィティの新藤晴一さんが出演)。

 番組では、
『信長の野望』シリーズの特徴や魅力はもちろん、コーエー創成期のエピソードや、『信長の野望』の生みの親であるシブサワ氏の人生についても語られた。そして、シブサワ氏の体験や決断が、いかに『信長の野望』に影響を与えてきたかがわかる内容になっている。

 本記事では、そんな番組収録を終えた直後の三浦さんとシブサワ氏にインタビューを実施。お互いリラックスしてトークができたというおふたりに、収録の感想などをうかがった。インタビューの後には、番組スタッフのこだわりが詰まった新たなスタジオセットの写真も掲載しているので、実際に放送される番組と併せてぜひチェックしてほしい。
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三浦大知ミウラダイチ

長年、歌手として活躍。ゲームの造詣が深く、『ゲームゲノム』では番組MCを担当している。文中は三浦。

シブサワ・コウ(襟川陽一)シブサワ・コウ(エリカワヨウイチ)

コーエーテクモホールディングス代表取締役社長、コーエーテクモゲームス代表取締役会長。いまなお脈々と続く『信長の野望』や『三國志』シリーズといった歴史シミュレーションゲームの生みの親。文中はシブサワ。

三浦さんがカンペを飛ばしてしまうほどシブサワ氏とのトークが白熱!

――シブサワさんが『ゲームゲノム』の出演された感想を教えてください。

シブサワ 
非常に光栄でした。三浦さんや番組スタッフの方たちが、『信長の野望・新生』をよくプレイしてくださっているのがわかりましたし、(本作の魅力をVTRで紹介するにあたって)小田氏治を選んでいたのもマニアックでよかったですね。「なぜ小田氏治?」って(笑)。

――小田氏治は戦国最弱の武将と言われていますからね(笑)。

シブサワ 
小田氏治はプレイを続けるのがなかなかたいへんな武将なので、チャレンジスピリットを感じました。

――今回の『ゲームゲノム』はセットが変わり、三浦さんがクリエイターと直接対談する形式になりました。収録を終えていかがでしたか?

三浦 
とっても緊張しましたが、事前にシブサワさんのインタビューなどを拝見して、やさしいと言いますか、気さくな雰囲気を感じていたので、お会いできるのが楽しみでしたし、お話できてとても楽しかったです。

――これまでの収録では詳しいゲストの方がいたので、三浦さんも作品について調べていたとはいえ、作品に対する知識に関してはゲストの方にお任せできるところもあったと思います。今回はゲストがいないということで、三浦さん自身が『信長の野望』シリーズについて相当調べているなと感じましたが、やはり事前準備はこれまで以上に時間をかけたのでしょうか?

三浦 
そうですね。これまでの『ゲームゲノム』では、取り扱う作品が好きなゲストの方がいるので、僕は作品をやり込んだ方とクリエイターの方の間に入れていただいて、中立の立場で出演者のトークを聞きながら、気になる点をいろいろ質問していました。

 ただ、今回はこれまでとは僕の立ち位置が変わっていて、シブサワさんと1対1でお話させていただけることになりました。作品やシブサワさんについて事前に調べたり、番組スタッフが制作してくれた映像を拝見したりしながら、僕もひとりのクリエイターとして、シブサワさんにいろいろお聞きしたいなと考えて収録に臨みました。

――収録を拝見して、まさにクリエイターどうしの対談のように感じましたが、シブサワさんはいかがでしたか?

シブサワ 
三浦さんはものすごくフレンドリーで、まさにゲーム好きのクリエイターとゲーム談議をしているような感覚でした。トークの話題が『信長の野望』だっただけで、番組の収録をしているという緊張感はなかったですね。リラックスしてお話できました。

三浦 
僕もリラックスして楽しくお話ができましたが、事前の緊張感はすごかったんですよ(笑)。今回はシブサワさんをお招きしたスペシャルな対談になるということで、新しいセットにも力が入っていて。黒を基調にしたセットはピンと張り詰めた感じがして、いつもとは空気が違うなと思いましたね。それだけにプレッシャーを感じていましたし、スタジオに入ったときの緊張感もすごかったですが、シブサワさんの温かい人柄に救われました。
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――たしかに、黒は威厳や重厚さ、高級感があって緊張しますよね。そんな中で時間配分を考えながら、カンペを見たり、質問を考えたりするのはたいへんだったと思います。
三浦 
MCとしてちゃんとできていたかどうか、ぜんぜんわかりませんが、今回の収録はシブサワさんのお話を聞かせていただける貴重な機会だったので、とにかくたくさん質問できたらいいなと考えていました。いまにして思うとあっという間で、とても贅沢な時間だったと思います。

――以前、収録を見学したときよりも、収録時間が長くなったと感じましたが、それだけ聞きたいお話が多かったのでしょうか?

三浦 
自分もいちゲームファンとしてシブサワさんとお話できるのがうれしかったので、もしかしたら収録が長くなってしまったのかもしれません。じつはカンペを飛ばして進めてしまったところもあって……。「まだつぎのVTRに進みたくないな」、「もっとお話をお聞きしたいな」という気持ちが勝ってしまったので、MCとして気をつけなければいけないのですが(苦笑)。

――それだけトークに夢中になっていたと(笑)。三浦さんは事前に『信長の野望』をプレイされているようでしたが、ゲームの感想もお聞きしたいです。

三浦 
『信長の野望』のようなシミュレーションゲームはあまりプレイしていなかったので、『信長の野望・新生』をプレイさせていただく中で、難しさとおもしろさを実際に体験することができました。

 自分がシミュレーションゲームに慣れていないこともあり、なかなかうまくプレイできなかったのですが、用意されたシステムを駆使して城を攻め落としたり、領土を広げたりしたときは、難しいからこそ乗り越えたときの達成感や感動が大きかったです。

 ゲームをプレイしたうえで、シブサワさんのお話をお聞きすると、経営者としての体験が
『信長の野望』のシステムとリンクしているのもおもしろかったですね。武将が天下統一を目指して領土を広げていくように、シブサワさんが挑戦を続けてきたからこそ、40年以上にわたって多くのファンに愛される作品になったんだなとも感じました。

シブサワ 
三浦さんのように、熱心に遊んでくれた方の反応を聞けるのはうれしいですね。

――熱心といえば、番組内で披露されていたシブサワさんのゲーム愛にも驚きました。詳細はぜひ番組を観てほしいですが、1日中、ゲームをプレイされているのですね。

シブサワ 
やりたいゲームがいっぱいあるんです(笑)。浜村さん(浜村弘一氏。『週刊ファミ通』編集長などを歴任し、KADOKAWAデジタルエンタテインメント担当シニアアドバイザーなどを務める)も、あれがおもしろいよ、これがおもしろいよと、オススメの作品を教えてくれるんです。時間は足りないですけど、そういった情報がどんどんくるのはありがたいです。

――番組では『信長の野望』シリーズを中心に取り上げつつも、コーエーの創成期やシブサワ・コウの歴史に触れる内容にもなっていました。こちらについてはいかがでしたか?

シブサワ 
そんなふうに自分で話題をふっちゃったかな(笑)。

一同 (笑)。

シブサワ 
いずれにせよ、『信長の野望』がなぜ生まれたのかを語るためには、その前の話から説明する必要がありました。ある日突然、『信長の野望』がポンと生まれたわけではありませんから。『信長の野望』が生まれる前から背景などをお話することで、視聴者の方たちに「なるほどな」と理解していただけると考えて、あえて広いレンジでお話をしました。

――NHKで『ゲームゲノム』のような番組が放送されるなど、以前と比べてゲームの地位が変わってきたなと感じますが、いかがでしょうか?

シブサワ 
それは感じますね。『ゲームゲノム』も、最初は単発の企画だったのがレギュラーになり、さまざまな特徴のあるゲームを取り上げていただいて。しかもゲームの楽しさをただ取り上げるのではなく、特集した作品を通して、いろいろな物事を深く考えていく。

 ゲーム本来の楽しさをさらに広げるようなアプローチを
『ゲームゲノム』ではなさっているので、ゲームの世界がどんどん広がっているなと思いますし、そういった番組をNHKさんが制作することで、地位が変わってきたなと強く感じています。

 今後は日本だけではなく、世界でもいろいろなメディアで、
『ゲームゲノム』のようにゲームの文化的な側面を取り上げていただければ、ゲームに対する理解がどんどん深まっていきますし、ゲームファンもますます増えていくのではないかと期待しています。

――そういう意味でも、『ゲームゲノム』が続いていくといいですね。

シブサワ 
そうですね。

三浦 
ありがとうございます。今度の特番は、シブサワさんが体験されたいろいろな経験が『信長の野望』につながっていることや、ゲームや人生においての“決断”の大切さが改めてわかるような内容になっていると思います。

シブサワ 
今回、『ゲームゲノム』『信長の野望』を取り上げてくださったことに、本当に感謝しています。『信長の野望』をプレイして最終的に全国統一を果たすと、独特の満足感や達成感を味わっていただけると思いますので、ぜひプレイしていただけたらうれしいですね。

 いまはスマホでも遊べる『信長の野望 覇道』や『信長の野望 出陣』もありますし、さらにはMMORPGの『信長の野望 Online』、『ポケットモンスター』とコラボした『ポケモン+ノブナガの野望』といったタイトルもあります。
『信長の野望』を通して、歴史が好きになったという方もいますので、親子で楽しんでいただければと思います。
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スタジオには、シブサワ・コウ氏がゲーム開発を行うきっかけになったシャープのPC“MZ-80C”(1979年発売)も展示されていた。
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そのほか、シブサワ・コウ氏が最初に開発した『川中島の合戦』なども。
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貴重な品々に興味津々の三浦さん。
[2024年8月13日18時40分修正] 本文中の一部表記を修正しました。
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