2024年8月29日にエンターグラムより発売される新作RPG『ゴーヘルゴー つきおとしてこ』。2023年9月に発表され、ゲームデザイン/プロデューサーは元アリスソフトのいってんちろく氏、原画/キャラクターデザインをイラストレーターのてつぶた氏が手掛けている。
物語の舞台はレトロな雰囲気が漂う現代チックな“地獄”。亡者たちを地獄に送って生計を立てる社長“8246(ヤツシロ)”を中心に、会社経営、モンスター退治、ときには女の子の従業員と仲よくしながら地獄ライフを送っていく(男もいる)。
本作の場合、やはり、何よりも魅力的なのは女の子キャラクター。てつぶた氏が描く女の子は柔らかみを感じる“肉”がよく描かれており、そこに魅力を感じる。とてもいいものだ。ヒロインは食べ過ぎ新入社員、エリート幼なじみ、無邪気なちびっこ、いろいろとデカすぎるロボ、ドライで物騒な女子が揃う。発表時のビジュアルとPVに惹かれて発売日を心待ちにしていた。あと、単純にスケベなゲームがやりたいという気持ちもある。今回、発売に先駆けてプレイできる機会を得たので、ストーリー #16まで遊んだ所感を書いていく。
※記事画像はプレイステーション4(PS4)版のデータを使用。会社はギリギリ、社長も難あり。でも、嫌いじゃない
まずは簡単にストーリーを紹介しよう。
主人公は地獄の住人“ヤツシロ”。清掃業者として、死んで地獄に落ちてきた亡者たちを捕まえては釜茹で地獄、等活地獄など各施設に送ったり、モンスターを倒したりして生計を立てている。
社長兼社員としてギリギリな経営をしているヤツシロがいつものように亡者漁りをしていたところ、地獄に来てしまった女の子“灯”と出会う。少しでも仕事が楽になるように、半ば強引に灯を新入社員として迎えたヤツシロであったが、もともと零細経営の会社を抱えている状況で今後の生活はどうなっていくのやら……というのが大まかなあらすじだ。
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従業員といっしょにゴミ掃除。零細企業の経営はけっこうたいへん
「指定のステージをクリアー」、「○○円以上稼ごう」など、ストーリーを進めるための会社目標がそれぞれ決まっており、それらを達成していくのが本作の基本的な流れだ。ゲーム内時間はDay2、Day3……と、1日を終えるごとに加算されていき、清掃業務(戦闘パート)を終えるか、終業を選ぶと翌日へと進んでいく。1日の主な内容は以下の通り。
- マップから清掃場所を選び、戦闘をこなしながらキャラクターのレベル上げ。ときにはモンスターの中に混じっている亡者をつかまえる。
- 確保した亡者は施設に送ってお金稼ぎ。つぎの日に進むと、亡者を送った分の報酬がもらえる。
- 従業員と交流(好感度が上がるとイベント発生)
- 所持金が溜まったら売店にて道具・装備品を購入。自戦力を強化していく
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戦闘パートでは、分岐したルートを進みながらゴミ(モンスター)掃除。戦闘はオーソドックスなコマンド選択式。
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亡者を地獄送りにすると各パラメータが下がっていく。下がった数値はアイテムで上げられるが、ゼロになってしまうと亡者は壊れてまったく稼げなくなるので無茶な運用は注意。
ゲームがある程度進むと、今度は地獄の施設利用を賭けて“売上勝負”が登場。地獄送りにした亡者の収入額を競い、勝てば新たな地獄が利用でき、負けたら相手企業に権利を取られてしまう。
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楽に勝ちたいならパラメータが高い亡者を投入すればいいだろう。しかし、各数値を上げるにはアイテムが必要で、購入すればもちろん所持金も減っていく、さらに亡者の所有数は限られているので、足りなくなったらつかまえに行って……と大忙し。
「ある程度稼ぎ終わったら亡者集めはしばらくやらなくていいや!」
そう思っていたが、地獄のお仕事に休みなんてない。「ブラックどころかダークネス企業」という灯のセリフが忘れたころに響いてきた。
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経営がグダグダになってしまったら過去のセーブデータからやり直したほうがよさそうに思えたが、本作は“オートセーブスロット1個+手動セーブスロット5個”という仕様なので、セーブデータを大量に小分けして進める攻略法はすこし難しそう。
中盤からのお金稼ぎパートの難度がややシビアに感じるが、公式からは「レベルを上げて殴れ!」、「新しい亡者でどんどん回せ!」と潔いアドバイスもあるくらいなので、難しすぎるというほどではない。あと、トロフィー機能にて“Day100以内にゲームクリアー”といったやりこみ要素が用意されており、セーブデータの少なさも含めて、効率のいいプレイを見つけてくり返し遊んでほしい意図もあるのだろうかと感じた。
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困ったときに思い出せばいい4ヶ条。
メインストーリー以外にも、もちろん各キャラクターとのイベントは用意されている。ヤツシロと従業員との心を表す“リットレベル”、いわゆる好感度のようなものだ。リットレベルは特定のアイテムや共闘、マップでのアイコン選択などで上がっていき、レベルが上がるとイベントが発生する。
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内容は各キャラクターの掘り下げやちょっとエッチなイベントだったりと、ヤツシロと従業員が徐々に仲よくなっていく様子はなかなか微笑ましい。そこに注目してしまうのは、ヤツシロ自身がちょっと難のある男だからだ。
ノンデリ男をどう見るか
シナリオを進めていくにつれて思ったのだが、このヤツシロという男は少々めんどくさいところがある。
男の従業員はあんまり雇いたくない、仕事では女の亡者のみ回収する、という点から「女好きか?」と思いきや、単に「男は重いから」という理由だったり、エッチなハプニングに遭遇してもとくに動じなかったりと、オープンなスケベではないけど、そういうことにまったく興味ないわけでもない……という、不思議な男だ。もしかしたら外面ではそう見せていないだけかもしれないが、序盤の印象は“ズボラでデリカシーがない”。
ただ、死んで現世からやってきた人を地獄送りにしても何も思わなかったり、人間とは違う“地獄の住人”ゆえのズレを感じる。あと給料も安い。そこは改善したほうがいいと思うぜ!
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「ヤツシロ、お前もうちょっと思いやりとか……」と思っていたら灯に似たようなことを言われていた。
でも、悪いところばかりではない。デリカシーは無いが本当に嫌がりそうな部分は避けるし、仕事は荒っぽいことはやるけどアウトローなやりかたで成り上がるつもりはない。物語の途中で、ヤツシロの待遇をよくするためにとあるキャラが無理をしていたが、裏では察していたし踏み込んではいけない“ライン”に入った奴にはきっちりと話をつける。ちゃらんぽらんなようで譲れないところが見えたのは、彼の内面が少し知れた気がしておもしろい。まぁ、言動のせいかときどき女性陣からの評価はけっこうひどいものだ。違うんですよ……アイツもいいところがあるんですよ……。そう、そこはフォローしたい。
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あと、大きいおっぱいが好きらしい。そこはすごくわかる。
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幼なじみヒロインっていいよね
本作はヒロインがみんなかわいいので、イベントを見るたびにお気に入りの子がコロコロと変わりそうになる。筆者のお気に入りを強いてひとり挙げるならば、ヤツシロの幼なじみである“一ノ瀬”だろうか。
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ヒロインのひとり “一ノ瀬”。地獄の役所に務めており、仕事の繋がりでヤツシロによく絡みに行く。よく見るとすごい恰好。
幼いころからの腐れ縁で、べつに付き合っているわけじゃないけど何かと気にかけてくれるエリート女子。しょうもないことで子どものようなやり取りをすることもある。それはそれでまったく恥じらいがないわけでもない。自分はこういうゆるい関係の幼なじみキャラに弱い。コロッとやられて惹かれてしまうのだ。主人公がうらやましい。
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仲がよさそうだからそう見えてしまうのよね。
まだプレイ途中なのでやがて恋人どうしになるのか、それとも友だち以上恋人未満くらいの付き合いになるのかわからないが、どのヒロインもヤツシロとの行く末が気になる。ただ、そういう付き合いになるのならば、彼ももうちょっとしっかりしてくれればなぁ……と心配だ。いまは彼の内面があまり読めない、知りたいからこそ、素直なところを見てみたいんだろうなと思う。心配してばかりで僕はヤツシロのお母さんか。
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『ゴーヘルゴー つきおとしてこ』のジャンルは、ギャルゲー+経営+RPGだと思うのだが、たぶん自分はかなりズレた目線でこのゲームを楽しんでいると思う。ヒロインが魅力的だからこそ、その相方があの子たちにふさわしいかどうか見極めたくなる。まずは主人公を好きになるところから。かわいい女の子に惹かれたものの、いつのまにか主人公に夢中になっていた。
現在、メインキャラクターが一通り揃って物語は中盤に差し掛かったところという雰囲気。遊んでいるパートは何やらひと波乱が起きそうなところで止まっている。筆者の中でヤツシロの好感度は徐々に上がってきているので、クライマックスには文句なしの“男”を魅せてほしい。
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