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『Dungeonborne』レビュー&インタビュー。8つのクラスを駆使して戦う基本プレイ無料のPvPvEサバイバルアクション。負ければ全ロスの探索とコレクター心くすぐるトレードで気づけば朝を迎えるほどの中毒性

byQマイン

『Dungeonborne』レビュー&インタビュー。8つのクラスを駆使して戦う基本プレイ無料のPvPvEサバイバルアクション。負ければ全ロスの探索とコレクター心くすぐるトレードで気づけば朝を迎えるほどの中毒性
 ゲーマーや配信者のあいだで大きな話題を呼んでいる基本プレイ無料の脱出サバイバルアクションゲーム『Dungeonborne』。

 本作はMithril Interactiveが開発、発売するPvPvE形式の一人称視点のサバイバルアクション。プレイヤーはファイターやプリーストなど、個性豊かなクラスから好きなものを選び、モンスターや他プレイヤーが跋扈するダンジョンに潜入。行く手を阻む敵を倒して戦利品を獲得し、生きて脱出するのがおもな目的となる。

 そんな本作の早期アクセス版(PC版)が2024年7月19日にSteamにて配信開始した。本稿では早期アクセス版をプレイして判明した、本作の特徴や魅力をレビューとともにお届けする。記事の後半には本作の開発プロデュースを担当したエルビス氏へのインタビューを掲載。開発の経緯や想い、参考にしたゲームなど、気になるお話を聞くことができたのでお見逃しなく。
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※この記事はMithril Interactiveの提供でお送りいたします。

剣と魔法が織りなす重厚なファンタジーアクションRPG。探索モード(PvPvE)の流れを紹介

 本作はひとりまたはプレイヤー3人のパーティを編成して、モンスターやトラップ、敵プレイヤーがひしめくダンジョンを探索するPvPvEのサバイバルアクション。モンスターや敵プレイヤーを倒して、装備品や宝などの戦利品をゲットし、生きてダンジョンから脱出できればクリアーとなる。

 ダンジョン内で命を落とすと、身につけている装備やバッグ内のアイテムがすべて消えるという骨太かつハードなゲームシステムがコアゲーマーたちを魅了。そのゲーム性から配信界隈でも注目を集めている一作だ。
 さっそくだが、本作の特徴を知ってもらうために、メインとなる探索モード(PvPvE)の流れを紹介していこう。

1.キャラクターを作成

 プレイヤーは個性豊かな8体のクラスから好きなものを選び、見た目を自由にカスタマイズする。これが本作におけるプレイヤーの分身。クラスの変更はできず、新たなクラスで遊ぶ場合はイチからキャラクターを作り直す必要がある。ゲーム内の通貨を払えば、見た目はあとからでも変更可能だ。
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2.ダンジョンを選択

 ひとりの場合はそのままダンジョンに挑戦し、パーティで遊びたい場合はクイックパーティや招待機能を使って他プレイヤーとパーティを編成してから挑む。装備品やアイテムは自由に持ち込みが可能だ。

 現在実装されている探索モードのメインダンジョンは“罪人の牢獄”と“クルーゾーの城”のふたつ。いずれもモンスターやプレイヤーと戦いながら、ダンジョンからの脱出を目指すというルールだが、一点だけ大きな違いがある。その特徴は以下のとおりだ。

“罪人の牢獄”
 時間経過とともに、ダンジョン内の行動可能範囲を示す“護りの円陣”が縮小していく。護りの円陣の効果範囲外にいると、魔法の侵食による継続ダメージを受ける。
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“クルーゾーの城”
 ゲーム開始から一定時間(約15分)が経過すると、ダンジョン全体が闇に飲み込まれ、脱出できなかったプレイヤーは全員即死する。
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 時間内であればダンジョン全体を自由に探索できるクルーゾーの城は初心者向け。対する罪人の牢獄は、護りの円陣の範囲をつねに気にしなければならないうえに、上下に動く足場や巨大な振り子刃、地面から飛び出すトゲなど、トラップがテンコ盛りなので中級者・上級者向けだ。

 なお、本作はひとりのプレイヤーとパーティのプレイヤーがマッチングすることは決してない。そのため、パーティを組んだほうが有利ということもない。

3.ダンジョンに侵入

 ダンジョンのスタート地点はランダムで、運が悪いと目の前にモンスターがいたり、敵プレイヤーとすぐに遭遇したりすることも……。持ち込んだ装備品やアイテムは探索開始と同時に使うことができる。もちろん一切アイテムを持ち込まず、現地調達してもいい。ダンジョン探索ではHPが何よりもだいじなので、包帯や回復ポーションといったHPを回復できるアイテムを優先的に見つけておくと、脱出できる可能性がグッと高まる。

 ダンジョン内でモンスターや他プレイヤーと遭遇したら本格的に戦いが始まる。プレイヤーの戦闘手段はおもに3つ。まずは武器によるアクション。剣を振り回したり、杖から属性魔法を放ったり、盾でガードするなど、武器に応じてさまざまなアクションがくり出せる。使える武器の種類はクラスごとに異なるので、自分のプレイスタイルにあったクラス・武器の組み合せを見つけるのも醍醐味のひとつだ。
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 本作では敵の頭を攻撃すると会心(クリティカル)が発生し、より多くのダメージを与えられる。モンスターによっては怯んでスキが生まれることもある。またスケルトンの場合は四肢を攻撃すると、その部位が壊れてバランスを崩す演出もあり、戦闘描写にはかなりこだわっている印象を受けた。
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武器による攻撃には振りの早い通常攻撃と高威力の溜め攻撃がある。
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杖にはゲージがあり、魔法を放つとそのゲージが減少していく。チャージアクションを行うとゲージが回復する。
 つぎの戦闘手段はスキル。各クラスは最大で4つの固有スキルを有しており、そこからふたつを装備してダンジョンに挑む。固有スキルは攻撃やサポートなど、多彩な効果があり、どれを組み合わせるかで戦闘スタイルが大きく変わる。序盤からモンスター相手にバンバン使用してもいいし、他プレイヤーと遭遇したときのために温存してもいい。
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パイロマンサーの固有スキル“ファイアボール”。溜めずに放つと複数の火球が相手を追尾してダメージを与える。溜めて放つと巨大な火球となり、一直線に飛んで着弾と同時に大爆発を引き起こす。
 3つ目はフラスコ。投げつけることで相手にダメージを与えたり、壁を生成して敵の攻撃を防いだりしてくれる。入手する機会はそれなりに多いので、積極的に使っていけるのもありがたい点だ。

 このように、本作では武器、スキル、アイテムの3つを駆使してモンスターや他プレイヤーと熾烈な戦いをくり広げていく。PvPvEならではの要素として、モンスターと戦っているプレイヤーを背後から襲って漁夫の利を狙ったり、モンスターを誘導して他プレイヤーを襲わせてそのスキに逃げたりといった、システムを有効活用した戦略も楽しめる。
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 ちなみに本作は一部の攻撃を除き、ほとんどの攻撃にフレンドリーファイヤー(仲間から仲間へのダメージ)が付与されている。戦うときは仲間を巻き込まないように注意しよう。

4. 装備品やアイテムをゲットする

 敵を倒すとその死体を漁ることができ、そこから装備品や消耗品、売却用アイテムといった戦利品を入手できる。モンスターは2~3個程度しか戦利品を落とさないが、プレイヤーの場合はバッグの中にあるものと身につけている装備品のすべてを奪うことが可能。

 手に入れた装備品をその場で身につけてもいい。装備品にはレアリティがあり、高いものほど強力な効果やステータスが付与されていて、キャラクターを一気に強化できるようになっている。また、付与されているステータスはランダム性が強く、ハックアンドスラッシュのようなゲーム性も持ち合わせている。

 戦利品は宝箱や、ダンジョン内に雑多に置かれた机の上からも手に入ることも。探索するときは周囲をよく観察することが重要だ。
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 なお、ダンジョンからの脱出に失敗(キャラクターが死亡)すると、バッグ内にあるものや装備しているものがすべて消失する。身につけている装備はすべて初期のボロ装備になり、バッグの中はスッカラカンに……。もちろんダンジョン内で拾った戦利品も根こそぎ消えてしまう。これが本作の怖いところだ。アイテムの中には装備品の消失を防ぐものもあるが、消耗品で効果も永続ではないため、過信は禁物。どんなに強力な装備でもいつかは失う可能性がある、その緊張感が本作のゲーム性に深みを与えるスパイスとなっている。
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脱出失敗による装備品の消失を防ぐアイテム“マジックダイス”。ひとつにつき、守れる装備はひとつまで。しかも一度ダンジョン探索を行うと効果は消えてしまうので使いどころが難しい。

5.強敵やレッドゲートに挑んでさらなる戦利品を手に!

 ダンジョンには通常の敵とは比べものにならない強さを誇る強敵モンスターが生息している。倒すのにメチャクチャ時間が掛かるし、他プレイヤーから襲われる可能性も高まるが、倒せればレアリティの高い装備品が手に入る。
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 さらにハイリスク・ハイリターンな要素として、“レッドゲート”というものがある。これはダンジョン内に生成される赤色のゲートで、中に入るとより強力なモンスターが潜む専用ダンジョンへと移動できる。こちらにも護りの円陣があるため、悠長に探索や戦闘をしている暇はない。
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レッドゲート内のダンジョンの中心部には特別な強敵が潜んでいる。今回のプレイでは“ウィンディゴ”という強敵と遭遇。果敢に挑んでみたが、あっさりと倒されてしまった。行き当たりばったりで倒せる強敵ではないのかも。
 いずれの要素も必ずしもやる必要はない。とくにレッドゲートは、難度もリスクもグンと跳ね上がるため、腕に自信のある人向けの要素と言える。

6. 護りの円陣をつねに確認

 罪人の牢獄では、一定時間が経過するごとに護りの円陣が縮小し、行動できる範囲が狭まっていく。範囲外では継続ダメージを受けるため、なるべく縮小する前に安全地帯に移動するのが無難だ。護りの円陣の範囲はマップでつねに確認できるので、小まめにチェックしておきたい。

 また、護りの円陣の行動可能範囲が狭まることで、他プレイヤーと遭遇する可能性も高まる。とくに終盤は狭いダンジョン内に複数のプレイヤーが密集するため、戦闘が起こりやすい。いつでも戦える準備をしておこう。
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7. 転送ポータルまたは固定脱出ゲートで生還

 ダンジョンから帰還するには“転送ポータル”または“固定脱出ゲート”に入らなければならない。転送ポータルは時間経過とともにダンジョン内の地面にランダムで出現する。その場所で“転送の儀式”(表示されたボタンを押すだけ)を行うと転送ポータルが開き、中に入れば脱出(クリアー)できる。

 ただし、ダンジョン内で拾えるアイテム“儀式の巻物”を持たずに、転送の儀式を行うと周囲のプレイヤーに自分の位置がバレてしまう。儀式の巻物は比較的入手しやすいので、転送の儀式を行う前に見つけておきたいところだ。
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 もうひとつのクリアー手段である固定脱出ゲートも時間経過によって解放される。転送ポータルと違って、マップにゲートの位置が表示される上に転送の儀式を行う必要がない。便利な反面、固定脱出ゲートを利用しようとするプレイヤーを狙う者や、プレイヤーどうしが鉢合わせして戦闘に発展するパターンもあるため、転送ポータルとは違ったキケンがつきまとう。

 ちなみに転送ポータルおよび固定脱出ゲートはひとつにつき、プレイヤーひとりしか脱出できない。使用したらそのポータルおよびゲートは消えてしまう。パーティプレイでもその特性は変わらない。そのため、パーティの場合は人数分の脱出方法を用意しておかないと、あとあとケンカになるかも……。
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8. 帰還後は戦利品の整理

 ダンジョンから戻ってくると、戦果に応じた経験値が付与され、キャラクターのレベルがアップしステータスが上昇する。経験値はダンジョンで戦闘していれば、脱出に失敗しても獲得できる。生還した場合はNPCに戦利品を売却したり、優秀な装備をトレードに出品して大金を稼いだりもできる。自分にとって有用な装備品の場合は、倉庫に保管してもいいし、つぎの探索のときに装備していってもいい。
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 NPCはアイテムの売買を行う“行商人”、消耗品や素材の販売を行う“錬金”、装備品を分解して素材に変換し、その素材で新たな装備品をクラフトする“エアルーム”の3人がいる。戦利品をお金にするか、素材にするかはプレイヤー次第だ。
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 先ほど触れたトレードでは自分も装備品を購入できる。お金を貯めて強力な装備品を確実にゲットするのもありだ。
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 これが探索モード(PvPvE)のおもな流れとなる。簡単に言えば、ダンジョンで敵を倒して戦利品を手に入れて脱出し、それで装備を更新したり、お金を稼いだりする、という感じ。ゲーム性は至極シンプルだが、脱出に失敗したらすべてロストというのが本作の肝となっている。ダンジョンから脱出するためにどういう立ち回りが必要なのか、装備品とアイテムをどれだけ持ち込むのか、そういった作戦を事前に練るのがかなり重要となる。

8つのクラスと緊張感のあるゲームシステムがもたらす究極の中毒性

 本作に登場するクラスは8つ。クラスごとに種族、スキル、パッシブスキル、装備可能武器、初期ステータスが異なる。クラスごとに使い勝手がかなり変わるので、一通りのクラスを作成して自分にあったクラスを見つけるといい。ちなみにキャラクターは最大で10人まで作成可能だ。
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パッシブスキルは対象のステータスが一定に達すると発動する。たとえばファイターのパッシブスキル“ガードの達人”は器用さのステータスが33以上で発動。ステータスはレベルアップで上がるほか、各種装備品でも底上げできる。
■ファイター
 多彩な武器を使いこなす、高HPの近接アタッカー。剣でバシバシ斬ったり、盾でダメージを抑えたりしながら戦いたい人におすすめ。フレンドリーファイヤーを無効化するパッシブスキルがあるので初心者にもおすすめ。
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■プリースト
 味方の回復とサポートに長けたヒーラー。回復魔法が使えるので他クラスよりも生存性が高いものの、HPや防御力が低い。ひとりでも戦えるが、パーティ戦で真価を発揮するタイプだ。
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■ローグ
 姿を消す“スニーク”を使って戦う盗賊。移動速度が速く、ダンジョン探索を快適に行える。石化(行動不能になるが、被ダメージが100%軽減)や移動速度低下といった妨害系のスキルが多め。HPや防御が低く、真正面からの殴り合いに弱い。
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■パイロマンサー
 ファイアボールによる遠隔攻撃が可能な魔法アタッカー。敵に近づかれる前に大ダメージを与えられる反面、スキルの詠唱が長い。近づいてくる敵を後退させるスキルを持っているので、ひとりプレイでも戦いやすい。
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■デスナイト
 アンデッドの近接アタッカー。継続ダメージや敵を引き寄せる技など、相手の戦闘ペースを乱すのが得意だ。
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■クライオマンサー
 氷魔法に長けた遠隔アタッカー。移動速度を低下させる妨害系スキルを多く持つ。スキルの発動中はほかの操作ができないため、ひとりで使う場合はくり出すタイミングが重要になる。
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■ソードマスター
 魔法で生成した剣“魔剣”を飛ばしたり、自身に纏わせたりして戦う剣士。魔剣を使うことで近接と遠隔、どちらのレンジにも対応できる。
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■ドルイド
 自然の力を扱う万能アタッカー。変身能力や怪物の召喚に長けており、柔軟な立ち回りが可能。
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 ファイター、プリースト、ローグ、パイロマンサーは王道と呼べるクラスでクセが少なく、初心者でも扱いやすい。対してデスナイト、クライオマンサー、ソードマスター、ドルイドはスキルが個性的でややクセが強め。

 こんな感じで幅広い層のプレイヤーを想定したクラスが用意されている。装備とスキルを組み合わせてビルドを構築するという遊びも可能だ。レベルを上げる要素もあるため、RPGとして楽しむこともできるのが大きな魅力と言える。

醍醐味はさまざまなドラマが生まれる3人での協力プレイ

 本作の醍醐味と言えば、3人パーティでの冒険だ。編成も簡単で、クイックパーティのタブを押してクラス、レベル、モードを設定して“検索する”を押すだけ。ほかにもフレンドを誘ったり、クラスやプレイヤーIDで検索して特定のプレイヤーを誘ったりすることも可能。

 なお、本作の会話手段はチャットとボイスチャットのふたつ。ボイスチャット機能はオフにすることができるので、「知らない人とボイスチャットするのが苦手……」という人も安心して遊べる。
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 パーティプレイの魅力は何と言ってもプレイの幅が広がる点だ。まずは編成による戦いかた。たとえばファイター、パイロマンサー、プリーストのパーティの場合、ファイターが敵に接近して盾で攻撃を受け、そのスキにパイロマンサーが遠隔ダメージを与え、そして傷ついたファイターをプリーストが回復するというクラスどうしの連携が可能となる。モンスターの処理が圧倒的にラクになるし、皆で攻撃するワチャワチャ感も楽しい!(ただしフレンドリーファイヤーには要注意)
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 パーティどうしのバトルも見どころのひとつ。ひとりのときよりもプレイヤーどうしの駆け引きがさらに強まり、戦闘の迫力も増す。真正面からぶつかりあうだけではなく、待ち伏せや不意打ちといった戦法を駆使するパーティもあり、つねに新鮮な気持ちで楽しめた。
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 強敵に挑みやすいのもパーティプレイの利点だ。ひとりで戦おうとすると、敵との間合いが取りづらかったり、HPの回復がポーション頼みになってジリ貧になったりと、うまく立ち回れないことが多い。パーティプレイではそういった弱点を仲間どうしで補えるのが大きい。

 今回のプレイではクルーゾーの城にいる強敵“キュクロプス”と対峙。3分半にも及ぶ死闘の末、見事討伐に成功した。そのときの編成はファイター、パイロマンサー(筆者)、プリースト。ファイターが敵を引きつけ、筆者とプリーストが背後や側面から魔法で攻撃した。キュクロプスはレアな指輪をドロップし、パーティメンバー一同、大喜びだった。こんな感じで苦労に見合った装備が手に入るのも強敵戦の醍醐味だ。
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 パーティプレイの利点はそれだけではない。“蘇生の石”というアイテムを使うことで、死んだ仲間を蘇らせることもできる。また“蘇生の石”がない場合は、パーティメンバーの装備品を回収して脱出することで、その装備品が所有者の元に返却されるというシステムもある。
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 このようにパーティでの冒険はプレイの幅を広げつつも、勝利や敗北、思わぬハプニングといったさまざまなドラマをもたらす。ちなみに今回のプレイでは20戦近く野良でパーティプレイをしたが、チャットはほとんど使わなかった。それでも上記のようなクラスどうしの連携や強敵の討伐、他プレイヤーとの交流が堪能できた。もちろんチャットを駆使すれば、より綿密な連携が可能になるし、交流もしやすくなるので好きな人は、ドンドン使っていくといい。

トレードやほかの遊びも豊富でやり応え満点!

 ダンジョン探索と双璧を成す本作の醍醐味、それがトレードだ。ダンジョンから持ち帰ってきた装備を出品し、ほかのプレイヤーがそれを購入できるシステムで、優秀な装備品は当然高値で取引される。自分で装備してもいいが、トレードで一攫千金を狙うのも大きな魅力だ。

 とくに本作の場合は、ダンジョンで脱出に失敗すると、装備品も全ロストするため、「どうせ失うなら、売ってカネにしよう」と考える人も少なくない。コツコツと資産を築いて金策を楽しむのもいいし、貯めたカネでロストした装備よりもさらに強力な装備を購入してダンジョンに挑んでもいい。プレイヤーのモチベーションの維持にも繋がるので、個人的にトレードはイチ押しの要素だ。
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 プレイヤーの中には装備品やアイテムを失いたくない人もいるだろう。そういう人は探索モードの“ミスリルの結社”やアリーナモードがおすすめ。ミスリルの結社はファイター、プリースト、ローグの専用クラスから好きなものを選び、ダンジョン内にいる他プレイヤーの討伐を目指す要素だ。装備品やアイテムはすべて貸与されるため、戦闘不能になっても所持品を失う心配が一切ない。ダンジョン内でプレイヤーが他プレイヤーを倒すと名声が高まり、よりレアリティの高い装備品が借りられるようになる。
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 アリーナは他プレイヤーとのチームバトルを楽しむPvPモード。敵モンスターに一切邪魔されず、武器、魔法、スキルを駆使して好きなだけ戦える。装備品は戦闘開始前に、最高レアリティのものが支給されるため、ミスリルの結社同様、敗北による消失を気にせずに楽しめる。
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 ダンジョンからの脱出に失敗すると、バッグの中身と装備品をすべて失うハイリスク・ハイリターンなゲーム性は人を選ぶシビアな要素だが、そういった困難を乗り越えて、いい戦利品を手にして脱出できたときのうれしさと興奮はほかのゲームではなかなか体験できるものではない。一度それを体験した筆者は、負けても勝っても何度もくり返しプレイしてしまった。本作がもたらす中毒性、恐るべし!
 
 上記のゲーム性が肌に合わない人はローリスク・ローリターンで遊べるミスリルの結社がおすすめ。装備品の収集やトレードはできないが、本作の醍醐味であるダンジョン探索、アクション、パーティプレイはこちらのモードでも十分楽しめる。
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 ぜひこの機会に基本プレイ無料のPvPvEサバイバルアクション
『Dungeonborne』で、PvPvEがもたらす緊張感と作り込まれたアクションを体験してみてはいかがだろうか。本作のダウンロードはSteamページから行える。またDLC『Dungeonborne - ミスリル支援セット』も好評発売中。こちらは松明とマントの専用スキンに加え、スタートダッシュに役立つ複数の回復アイテムと投擲アイテムが手に入る。
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松明用スキン“ミスリルランプ”
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マント“ミスリルクローク”

開発者インタビュー「コアユーザーとライトユーザー、双方が楽しめるゲームシステムを追求」

 ここからは本作のプロデューサーを務めた、Mithril Interactiveのエルビス氏へのメールインタビューを掲載。タイトルの由来やPvPvEというジャンルを選んだ理由など、開発にまつわる秘話が盛りだくさん!

――自己紹介をお願いします。

エルビス
 私の名前はElvis(エルビス)です。子どものころからゲームが好きで、大学を卒業後、ゲームプログラマーとしてゲーム業界に入りました。約20年のキャリアの中で、さまざまなプラットフォームやジャンルのゲームの制作に携わりました。このあいだに、大手会社で働くだけではなく、独立してゲーム開発を行うこともあり、プログラマーからディレクター、プロデューサーまで幅広い経験を積みました。ゲーム開発は私の仕事であり、人生で最大の楽しみの源でもあります。これからもずっとゲーム制作を続けていきます。
 
――『Dungeonborne』のコンセプトやテーマを教えてください。

エルビス
 『Dungeonborne』は、ファンタジーの剣と魔法をテーマにしたゲームであり、『ダンジョンズ&ドラゴンズ』やクラシックファンタジー(『ロード・オブ・ザ・リング』など)を参考にしています。プレイヤーが知っている一般的な概念や設定を使用することを心がけつつ、同時に自分が発想した新たなコンセプトで構築する世界を作りました。
 
――『Dungeonborne』というタイトル名には、どういった意味や思いが込められているのでしょうか?

エルビス
 これは必然と偶然の塊ですね。最初は非常に多くのアイデアがあり、それを名前に反映させたかったのですが、商標の申請で何度も拒否されました(笑)。最終的に、私たち開発陣が大好きでかつ商標登録が比較的容易だった、名作『Bloodborne』から発想を得て『Dungeonborne』というタイトル名にしました。
 
――『Dungeonborne』を一人称視点のPvPvEにした理由をお聞かせください。

エルビス
 FPP(一人称視点)にするかTPP(三人称視点)にするかは、プロジェクトの最初の段階から非常に悩んでいた点です。それぞれに利点と欠点がありますが、最終的に私はFPPを選択しました。FPPであればエクストラクションルーター(いわゆるタルコフ系の脱出サバイバルゲーム)のプレイスタイルでも、十分な没入感を保ちながら最大の緊張感と興奮を提供することができると思ったからです。また、ストーリー性と没入感を表現しやすいというのもFPPの強みではないでしょうか。
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――PvPvEジャンルのゲームが数多く登場していますが、『Dungeonborne』はどのような形でほかのPvPvE作品との差別化を図っているのでしょうか?

エルビス
 『Dungeonborne』は、緊張感、FPPの接近戦、パーティプレイがいちばん大きな特徴です。そのほかに、リアルとファンタジーのバランス感や操作の爽快感など、細かいところからユニークなゲーム体験を生み、差別化を図っています。
 
――本作はアクションゲームとファンタジーRPGの要素をうまく融合させたバトルシステムが大きな特徴だと感じました。そんなバトルシステムのこだわりを教えてください。

エルビス
 とくにこだわったのはFPPの接近戦とパーティプレイです。ただFPP、接近戦、パーティプレイは本タイトルの独自の要素で参考タイトルがあまりなかったため、システムの開発にはかなり苦労しました。戦いの速度や戦闘の距離間など、数え切れないほどの試行錯誤を重ねて、現在の形にたどり着きました。“アクションゲームとファンタジーRPG要素の組み合わせ”という表現は、まさに本タイトルの特性をまとめた一言だと思います。

――装備とアイテムを全ロストする可能性のあるハイリスク・ハイリターンなゲーム性はコアユーザーを魅了する反面、ライトユーザーを遠ざけてしまう可能性があると思います。本作ではどのようにして、コアユーザーとライトユーザーの双方が継続して遊べるようなシステムを導入しているのでしょうか?
 
エルビス
 これは本作だけではなく、すべてのゲームに言える問題点だと思います、ほとんどのゲームは取捨選択を迫られ、結局、コアユーザーとライトユーザーのどちらかを優先するという決断を下す場合が多いです。私たちはできる限り両方のプレイヤーが楽しめるゲームを作りたいと考えています。

 開発チームは“エアルーム”と“ミスリルの結社”、このふたつのシステム、およびいくつもの仕様でハイリスク・ハイリターンの体験を保証すると同時に、可能な限りローリスク・ローリターンの体験も確保できるようにしています。そういった甲斐もあり、ユーザーのフィードバックで「コアユーザーも、ライトユーザーも、両方が楽しめる」という言葉を多く聞くことができ、ホッとしました。
 
――レッドゲートはリスキーさが増しておもしろい要素だと感じました。レッドゲートを導入した理由について教えてください。

エルビス
 レッドゲートはコアユーザーにさらなるハイリスク・ハイリターンの魅力を与えるために導入しました。私たちの開発スローガンである「fortune favors the bold」(勇者にこそ幸運が訪れる)を体現した要素になっています。
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――本作では多彩なクラスが登場します。各クラスを作るにあたって、開発で意識したことや心がけたことを教えてください。

エルビス
 クラスを作る際、ユーザーが各クラスに抱く基本的な印象(ファイターは打たれ強く多彩な武器の扱いに長けている、パイロマンサーはマナを消費して火の魔法をくり出すなど)をベースにするようにしました。そのベースを踏まえた上で、独自の戦闘スタイルを盛り込んでユーザーが親しみと新鮮さを感じられるクラスにしました。その中でもソードマスターはかなり独自性が強く、開発チームにとっても印象深いクラスです。

――対人戦闘の多い本作ではクラス間のバランス調整も重要ですよね。その辺りの調整は苦労されているのでは?

エルビス
 たしかに、クラス間のバランス調整は非常に困難であり、ゲーム全体に大きな影響を及ぼす可能性があります。私たちはつねにいろいろなシチュエーションを想定しながらバランス調整をくり返し、できるだけユーザーが納得できるものを実装するようにしています。
 
――装備には『ディアブロ』シリーズのようなハックハンドスラッシュ性を感じました。装備の設計については『ディアブロ』シリーズなどを意識しているのでしょうか?

エルビス
 はい、そのとおりです。装備システムは『ディアブロ』シリーズの影響を受けています。独自の設定を持たせながらも、プレイヤーに豊富な装備を提供し、戦闘や冒険の中で成長する楽しさを追求しています。セット効果のある装備も『ディアブロ』シリーズからアイデアを受けており、よりおもしろい装備体験をユーザーに体験してもらうために導入しました。
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――本作は多くのプレイヤーが同時に遊ぶオンラインゲームですが、サービスの品質を維持するために、どういった方法で利益を得ていくのでしょうか?

エルビス
 基本プレイ無料によって、より多くのプレイヤーがゲームを遊ぶ機会を提供しつつも、課金スキンやバトルパスといった要素で利益を確保して長期的な開発を行っていきます。

――ユーザーの中には継続的な課金要素の存在を好まない人もいると思います。開発としては、こういった課金要素の存在についてはどのようにお考えなのでしょうか?



エルビス
 基本プレイ無料のタイトルではゲームバランスに影響しない課金設計(スキンなど)を維持できれば、ビジネスパターンとしても成立すると考えています。『フォートナイト』『カウンターストライク』『DOTA』などさまざまな成功例があるため、それらも参考にしていきたいです。

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――早期アクセスが始まり、SNSやプレイヤーコミュニティなどで本作の話題が多く挙がっていますが、中にはバランス調整などの不満も出てくると思います。可能な限り親身に対応していくのがユーザーはうれしいと思いますが、運営チームへの負担も大きくなります。ユーザーの声およびユーザーコミュニティに対して、本作の運営チームはどのようなスタンス(態度)で臨んでいくのでしょうか?

エルビス
 私たちはプロジェクトの早い段階からプレイヤーコミュニティの構築に取り組み、プレイヤーとコミュニケーションを図りながら、彼らの声に耳を傾けられる環境を作りました。それと同時に私たちは自分たちの判断力も信じています。いろいろなユーザーの声を聞きながらも、どの要望を実現するのか、取捨選択をしっかりと考えながらゲームに反映していきたいと思います。
 
――最後にユーザーに向けてメッセージをお願いします。

エルビス
 『Project Crawl』(本作の開発当初のゲーム名)から始まり、現在の『Dungeonborne』のアーリーアクセスに至るまで、私はゲームがますますよくなっていくことを感じていました。それは私たちがいろいろな意味でミスしたり、試行錯誤したりした証だと思っています。

 そして私たちが今日まで歩み続けることができたのはファンの皆さまの信頼、サポート、理解があったからこそです。いままで応援してくれた皆さまに心から感謝を申し上げます。これからも私たちは長期的なサービスを提供し、より多くのコンテンツを更新して、皆さまに楽しい時間を提供することをお約束します。これからも
『Dungeonborne』をよろしくお願いします!

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