PS Vitaの最新テクノロジーも垣間見えた、3D立体視や顔認識などSCEの最新技術動向を紹介【GTMF 2011】

ゲーム プレイステーション3 PSP
ゲームクリエイターを対象としたツール&ミドルウェアの総合展示会、“Game Tools & Middleware Forum 2011(GTMF 2011)”にてソニー・コンピュータエンタテインメントがセッションを実施。最新テクノロジーの一端が明らかに。

●PlayViewアップデートやPSP Engineなども紹介

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▲左からSCEのソフトウェアソリューション開発部、縣秀征氏、金丸義勝氏、鈴木健太郎氏。

 ゲームクリエイターを対象としたツール&ミドルウェアの総合展示会、“Game Tools & Middleware Forum 2011(GTMF 2011)”が、2011年6月30日に都内で開催された。ツールやミドルウェアなど、昨今のゲーム開発に欠かせない最新の技術事例が紹介された本イベント。展示や講演のメインとなったのは、国内外のミドルウェアメーカーだったのが、見逃せないのがハードメーカーによるセッション。ここでは、まずは“ソニー・コンピュータエンタテインメントの最新テクノロジーアップデート”の模様をお伝えしよう。

 ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)によるセッションは、プレイステーション3やPSP(プレイステーション・ポータブル)、そしてPlayStation Vita(プレイステーション ヴィータ)(以下、PS Vita)などに向けて開発されている最新技術を、デモを交えながら紹介するというもの。具体的には、以下の4つとなる。

・3D立体視への取り組み
・PlayViewアップデート
・認識技術アップデート
・PSP Engine

 ここでは、順を追ってその内容をお伝えしよう。登壇者は、SCEのソフトウェアソリューション開発部、縣秀征氏、金丸義勝氏、鈴木健太郎氏の3名となる。

■3D立体視への取り組み

 SCEが3D立体視に注力していることはご存じの通りだが、「3D立体視とゲームとの相性は抜群です」と縣氏。そこにものが存在するかのような“圧倒的なリアリティー”と、3Dの世界を自由に動き回れる“インターラクティビティ”がゲームに臨場感を与える。開発コストもあまり高くなく、技術的に比較的容易なことも、3D立体視とゲームの相性のよさを後押しする。とはいえ、「3Dを作るのは簡単ですが、すぐれた3Dを作るのは難しいです」と縣氏は続ける。そのために必要なのが、SCEによるサポートだ。映画スタジオなど、ソニーグループ間でノウハウを共有し、すぐれた3D立体視を作るための技術を幅広く公開しているのだという。

 先ごろ行われたE3では100タイトル以上の3D立体視対応ゲームを発表し、「ゲームに関してはかなりコンテンツが揃ってきました」という縣氏。コンテンツを増やすのに寄与しているテクノロジーとして縣氏が挙げたのが、“2D to 3D立体視 画像変換ライブラリ”。こちらはそのものずばり、1枚の2D画像から3D立体視表示用画像を生成する技術で、いかに既存のソースで3D化が容易に実現するかを示したものと言えるだろう。

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 一方で、縣氏は肝心の3DTVの市場動向にも言及。それによると、国内テレビの販売状況では、現状50インチ以上のテレビの71%が3D対応テレビなのだという。「これから環境が整えば、(3DTVは)どんどん広がっていきます」と縣氏。一方で、E3でも発表された24インチサイズの3Dディスプレイも見逃せないところ。異なる画面をプレイヤー別に表示できる新機能など、ゲームユーザーに親和性の高いテクノロジーが搭載されていることもあり、さらなる3D普及に貢献しそうだ。こちらは全世界で2011年秋より順次発売予定。

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■PlayViewアップデート

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 PlayView は プレイステーション3やPSP向けに、高解像度画像を高速に拡大・縮小して閲覧することができる、SCE独自開発による技術。PlayViewを搭載した“PlayView for Games”は、2010年末からサービスを開始している。今回の講演では、そのPlayViewの進化にも触れられた。まず挙げられたのが“3D立体視への対応”。これにより、ズーム位置に応じたリアルタイムでの視差制御が可能に。また、 “ゲーム組込用PlayView”も明らかに。こちらは、ゲームからPlayViewを閲覧できるようになる機能。さらに、“ページの概念の導入”も実装され、これにより書籍のようなページ構成のコンテンツを導入可能になる。これらの進化により、ユーザー的にはPlayViewの利便性がさらに高まることになりそうだ。

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■認識技術アップデート

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 いま、SCEが注力しているのが認識技術。「認識技術はゲームに新しい驚きの体験を創造する技術で、まだまだ伸びしろのある領域です」と金丸義勝氏。具体的に例示したのが“顔認識技術”と“マーカーレスAR”だ。顔認識に関しては、古くから行っていることもあり、技術的には成熟しているとのことで、現在では10歳刻みで顔を認識することも可能。感情もかなりの精度で識別できるという。また、顔検出機能の強化策として、3Dメガネをかけた場合の顔を安定して検出できるようにしているとのこと。さらには、プレイステーション3、PSPに加えて、PS Vita版の提供を予定しているとのことだ。

 PS Vitaに関しては、フロントカメラとリアカメラに入った人物の認識がリアルタイムで可能とのことで、顔認識との親和性も高そう。目や鼻、口といったパーツ単位の検出もできるとのことだ。会場では、PS Vitaでの顔認識の一例として、アバターどうしがビデオチャットを行うというテクニカルデモが披露された。こちらは、プレイヤーの顔をPS Vitaのカメラが認識してアバターに反映、うなづいたり、首を振ったりがリアルタイムに検出されるというもの。ちなみに、口の開閉については、現状顔認識では完全には取り切れないが、声が出ているときに音を検出して口の動きをサポートしているのだという。こちらのテクニカルデモに関しては、商品化の予定はない。ただし、「顔認識に関しては、エンターテインメント性のあるものをつけ加えていきたいですね」(金丸氏)とのことだ。

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 一方の“マーカーレスAR”は、特殊なマーカーを埋め込んだ画像を使用せずに空間を認識し、オブジェクトを表現する技術のこと。昨今流行りのAR(拡張現実)は、オブジェクトを表示するのに特殊なマーカーが必要となるが、それだと利便性が高くない。そこで、登録された画像から空間を認識できるようにするのが、文字通り“マーカーレスAR”だ。実際のカメラで撮影した現実世界にバーチャルオブジェクトを合成する“マーカーレスAR”には、“いかに高速に画像を認識するか”や“空間に合わせた描画表現が必要”などの課題がある。その課題をどこまで解決しているかを示したのが、“マーカーレスAR”を使って表示された恐竜のデモ映像。こちらは、テクニカルデモを映像で紹介するという形になっていたが、GDC 2011で披露された恐竜のデモの進化版(→こちら)。映像は、PS Vitaで撮影されたもので、どれだけ素早くPS Vitaを動かしても画像がぶれないかが確認できるものとなっていた。

 顔認識や“マーカーレスAR”は、PS Vitaでこそ真価を発揮しそうなテクノロジー。今後どのような新たな驚きを僕たちに与えてくれるのか、楽しみだ。

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■PSP Engine

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 スピーカーを鈴木健太郎氏にバトンタッチして行われたのが、“PSP Engine”の紹介。一般の方にはあまりなじみがない名称かもしれないが、こちらはPSP リマスター用のエンジンのことで、PSP用ソフトをプレイステーション3上で動かす仕組みだ。“ハイレゾ・レンダリングの実現”や、“セーブデータの共有”など、PSP リマスター用ソフトの開発には不可欠のエンジンとなっている。たとえば、“ハイレゾ・レンダリングの実現”ではポリゴンをHD解像度(縦横4倍)でレンダリング。PSPの画面をプレイステーション3でも遜色のないクオリティーで表現できるようにしている。また、“PSP Engine”では3D立体視へも対応、飛び出し具合などの調整も可能だという。

 3D立体視を縦軸に、SCEの最新テクノロジーを俯瞰することができた今回の講演。“3D立体視”や“顔認識”など、テクノロジーの発展はゲーム業界のみならず、さまざまなエンターテインメント分野の協力が不可欠との印象がある。今後、これらの技術がどのような形となってユーザーの前に現れてくるのか、興味深いところだ。

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