東京都墨田区にある東京スカイツリーでは、2020年4月22日(水)まで『ファイナルファンタジーVII リメイク』の発売を記念したコラボイベント“SKYTREE in MIDGAR FINAL FANTASY VII REMAKE”が開催されている。

 コラボイベント開催初日である2月6日には、主人公クラウド・ストライフ役を務める櫻井孝宏さん、そしてゲーム好きで知られる俳優の高杉真宙さんをゲストに迎え、トークショーおよび、SKYTREE ROUND THEATERでのオリジナル映像作品の初上映会が行われた。

 本稿ではその模様とコラボイベントの内容を紹介する。

クラウド役の櫻井孝宏さん
俳優の高杉真宙さん

 トークショーと映像作品の初上映会は、18時過ぎから地上350メートルの天望デッキで開催され、すでに外は夜景が広がっていた。トークショー冒頭、その夜景を見た櫻井さんと高杉さんは「魔晄炉を探しちゃう」(櫻井)、「神羅カンパニーの社員はこんな景色を見ていたのか」(高杉)と、さっそく『FFVII』に絡ませたトークを展開。櫻井さんはもちろん、高杉さんもかなりの『FFVII』好きだと感じさせた。

▲2月8日~12日までは魔晄炉をイメージした特別ライティングも実施。

 高杉さんが『FFVII』をプレイしたのは、ゲーム好きの友だち(話っぷりからオンラインゲームの友だち。高杉さんはガチのゲーム好きな様子)から『FF』シリーズをオススメされたのがキッカケだったそうで、『FFVII』以外には『FFIX』、『FFXII』、『FFXIII』などをプレイしたという。なかでも、『FFVII』をプレイしたときの感動や衝撃は特別だったようで、今回のイベントでも櫻井さんを前に緊張しているとコメント。

 そんな櫻井さんに「高杉さんって、横側がクラウドに似ている!?」と言われ、高杉さんがかなり恐縮する場面も。

 そんなクラウドの印象について高杉さんは「ゲームの最初と最後では印象が変わる、親近感が湧くキャラクターですね。『FFVII』をプレイし終わった後は、またどこかで会いたいなと思わせてくれるキャラクターだったので、『FFVII リメイク』で再び出会えるのが楽しみでしかたがないです」と『FFVII リメイク』の発売が待ち遠しい様子。

 『FFVII リメイク』でのクラウドについて櫻井さんは「僕自身、クラウドはクールだしカッコイイというイメージが強かったんですが、物語を進めて成長していく過程でユーモアもあったり、かわいさもあって奥深さを感じました」とクラウドの新たな一面が見られる内容になっているとのこと。

展示や“空の塔”解放作戦をおふたりも体験

展示物が楽しめる天望回廊へはエレベーターに乗って行く。そのエレベーターもイベント用の装飾。

 トークショー前に事前に展示物を見て回ったというおふたり。フロア445~450の天望回廊では『FFVII』の関連作品で歴史を振り返ることができたり、『FFVII リメイク』のコンセプトアートや、『FFVII』の複製原画などが展示されている。

「『FFVII』のキャラクターたちとは長い付き合いで、いろいろと知っているつもりではいるんですが、作品世界をすごく丁寧に、カッコよく展示されているのを見ると、改めて思い出されることもあったりして、今後の収録の参考にもなりますね。ファンの方もより深く作品を楽しんでいただける展示になていると思います」(櫻井)

「外の景色を見ながら回廊を歩いていると、自分が『FFVII』のキャラクターになったかのような感覚になりますね。個人的には複製原画にはテンションが上がりました。ゲームではなかなか確認できないところまで細かく書かれていたんだと」(高杉)

フロア445のエントランスにはアバランチのメンバーがお出迎え。
絶景とミッドガルを合成した背景でキャラクターとのツーショットを撮ることも。バスターソードを持って撮影することもできる。
回廊では『FFVII』シリーズ作品を振り返れる展示が。
バスターソードの実物大。
『FFVII リメイク』のコンセプトアートなども。
なつかしいグッズの数々も。

 天望回廊での目玉と言えるのが、“空の塔”奪還という触れて楽しめる展示。本コラボイベントは東京スカイツリーが神羅カンパニーに奪われた、という設定になっており、制御室で力を制限されている綺麗な夜景を作り出すマテリア<そらのとう>を解放し、夜景を取り戻す――ことが目的。自身で本コラボを演出・体感できる内容になっており、作品の世界に入り込んだかのような気分にもなれる。体験した感想を問われた櫻井さんは「奪還してやりましたよ」と胸を張った。さすがクラウド。

オリジナルグッズショップや限定メニューも

 天望回廊フロア450に本コラボイベント限定のグッズなどが購入できる特設ショップ、フロア340にはアバランチのアジトをモチーフにした“340th HEAVEN CAFE”がオープン。限定グッズやコラボメニューが楽しめる。

グッズショップ
本コラボ限定のグッズや限定カラーも多数。
「Tシャツはデザインがいい。ミッドガルが東京スカイツリーになっているコラボのキービジュアルを使った限定商品のクリアファイルなどはお土産によさそう」(櫻井)
「タンブラーが気になってます。コラボ感もあるデザインですし、ゲームをしながら飲みものを飲むことも多いので。あと、人見知りなので(苦笑)、タンブラーを撮影の現場に持って行けば、話すキッカケができかも(笑)」(高杉)
キャラクターにちなんだコラボメニュー。コラボメニューを1品注文ごとにコースターがもらえる。
トークショーではクラウドとセフィロスのモチーフカラーを使った黒カレーライスを試食した櫻井さん。「お皿の色とカレーの色が黒で見分けがつなかい(笑)。漆黒のカレーからはセフィロスを感じてしまいますね(笑)。引き込まれてしまいます。カレーはおいしいです!」
高杉さんはエアリスの赤い衣装をイメージし、トップに花をあしらったハイビスカスドリンクを。「爽やかでおいしい! エリクサーくらい回復してくれそうです」
展開もコラボ装飾が。夜景を見ながらコラボメニューを堪能できる贅沢なひととき。

夜景を背景に『FFVII』の特別な映像が上映

 今回のコラボイベントのもうひとつの目玉と言えるのがフロア350の天望デッキの窓ガラスを巨大スクリーンに仕立てたオリジナル映像作品が上映される“SKYTREE ROUND THEATER”。原作の『FFVII』から『FFVII リメイク』まで、さまざまなコンピレーション作品の映像が流れる約7分間の贅沢な映像となっている。こちらの上映は一日に4回(上映時間のスケジュールは公式サイトでご確認を)で、今回のトークショーで初お披露目となった。

「鳥肌が立ちました。それぞれの窓に違う映像が流れていて目が泳いでしまいました(笑)」(櫻井)

「最後の櫻井さんのセリフが……涙目になりました。窓の外に広がる夜景もすごくキレイなんですが、映像で流れるミッドガルの映像も同じくらいキレイで、『FFVII リメイク』の映像はスゴいなと改めて感じました。幸せな時間でした」(高杉)

 “SKYTREE ROUND THEATER”上映の余韻も冷めやらぬなか、おふたりは改めて本イベントの感想をコメントし、トークショーは終了した。

 「『FFVII リメイク』は自分が声を担当しているとは思えないような、迫力やリアリティを感じる作品です。今回のコラボイベントは、『FFVII』を知らない人でも作品世界を感じられるものですし、作品を知っている人は納得できる、満足できる充実の内容になっています。これからも皆さんといっしょに『FFVII』の世界を楽しんでいけたらいいなと思っています」(櫻井)

 「イベントで自分の記憶と照らし合わせながら、『FFVII リメイク』の世界に入ったような感覚も味わいながら楽しませていただきました。『FFVII リメイク』でまたクラウドたちに会えるのを楽しみにしています」(高杉)

 東京スカイツリーでのコラボイベントは、4月22日(水)まで。東京都近郊を見渡せる絶景といっしょに、『FFVII』の世界に浸ってみては?

バスターソードを持つ高杉さん。「けっこう重くてクラウドのようにカッコよく持てないですね(笑)」

櫻井孝宏さん(クラウド役)のコメント追加

 トークショー終了後、櫻井孝宏さんに少しだけお時間をいただくことができたので、今日の感想や『FFVII リメイク』のクラウドについて聞いた。

――コラボイベントの中で櫻井さんがとくに惹かれたものは?

櫻井 原寸大バスターソードは「バスターソードってこんなに大きいんだ」と思ったりして、作品の世界が実際に感じられるような展示物なので、見どころのひとつだと思います。あとは『FFVII』の関連作品はいくつかありますが、その作品群をひとつの場所でまとめて見られて、『FFVII』の歴史を『FFVII リメイク』が発売されるこのタイミングで振り返ることができるというのもうれしいポイントですね。また、東京スカイツリー自体が名所のひとつでもあるので、この機会にぜひ足を運んでコラボイベント含めて楽しんでもらえたらと思います。

――櫻井さんご自身はこれまでに東京スカイツリーに足を運んだことは?

櫻井 これまで2回ほど来てはいるんですが、2回とも天候の都合で上ることはできなかったんですよ。そのうち1回は東京では珍しい大雪という。なので、天望デッキや天望回廊に上れたのはじつは今日が初めてです。ミッドガルのような場所でカッコいいなと思いました。

――『FFVII リメイク』のクラウドを演じていかがでしたか?

櫻井 『FFVII リメイク』では、クラウドが成長していく過程がよりデリケートに、より繊細に描かれ、それを表現するために本当に細かく演出がつけられています。ですので、「長いあいだ演じているキャラクターなので、わかっているでしょ?」といった甘えはなく、収録は毎回挑戦するような気持ちでしたね。難しかったです。

 『FFVII』は僕自身、いちファンとしてプレイしたところからスタートして、その当時は、クラウドはカッコいい、クールというわかりやすいイメージでした。先ほどのトークショーでも話しましたが、それからクラウドを演じることなって、彼のかわいらしいところとかさまざまな側面が多面的にわかってきて、今回の収録ではさらに深くクラウドを知ることができたと思います。そのあたりはプレイしていただければ感じていただけると思いますので、彼のドラマにぜひ注目してください。