夕鬼(ゆうおに)(プレイステーション5)のレビュー・評価・感想情報
夕焼けに染まった赤い世界とそこに照らされる怪しき物体が、学校、古民家、廃病院の定番シチュエーションに独自の怖さと不安を演出。物語を読ませるノベルパートと、セリフは抑えめで物語を体感するアドベンチャーパートのメリハリが効いていて没入感があり。かくれんぼと鬼ごっこがモチーフになっているからこそ、ドアの開閉の操作性が、焦りを演出する要素と思いつつも、気になりました。
週刊ファミ通1706号より
日常的な風景で構成される不思議な空間は、ホラー感がバッチリ漂っている。息を止めたり、ロッカーなどに隠れて敵に見つからないように進む定番のシステムが、緊張感を増幅させます。マップを覚えるのが重要な作りで、何回も敵に捕まってしまいがちだけど、オートセーブされる地点まで到達すればそこから再開できるのは助かる。ただ、リトライ時のロードが長めなのが、少々萎えやすいところ。
週刊ファミ通1706号より
心霊的な怖さと社会的な息苦しさ、どちらも伝わってくる物語がさすが。廃病院やレトロな校舎を舞台とした、廃墟ツアー的体験も提供してくれます。闇や茜に染まるビジュアルは不気味さ満点ですが、何かを探して歩くゲームとしては個人的に見えづらさを感じ、恐怖より先に疲れがきてしまうことも。加えて、ドアを開ける操作など、スムーズなプレイがなかなか難しく、没入感が妨げられるのが惜しい。
週刊ファミ通1706号より
メインの舞台となる学校、廃病院、日本屋敷のムードは上々。何度も行き来しリスタートすることで恐怖は克服できますが、違和感の蓄積と不意の驚かせ演出により、(“ 物語世界内での)遊び”の絶望的状況を満喫できます。ジュブナイル+ホラーとの観点なら、お芝居調のボイスも十分許容範囲です。プレイ中のサウンド再生環境にこだわらないと、鬼の出現がただただ不条理に感じられる点は注意が必要。
週刊ファミ通1706号より
ファミ通公式レビューアーイラスト:荒井清和
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