『スパロボY』試遊版レビュー。楽しめるのは純度100%の“いつもの『スパロボ』”。進化したUIと操作ガイドで親切&快適。試遊版登場ユニットは画像で全能力を紹介
 さまざまなロボット作品の機体とパイロットが一堂に会した夢のコラボレーションが展開する人気シミュレーションRPGシリーズ『スーパーロボット大戦』(以下、『スパロボ』)。
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 2021年にはシリーズ30周年記念作品
『スーパーロボット大戦30』が発売。そして、その続編として、2025年8月28日には4年ぶりとなる最新作『スーパーロボット大戦Y』が発売を控えている。

 6月には、一般ユーザー向けにゲームの体験会が開催。ゲーム試遊版をプレイした感想や開発者トークセッションの模様がSNSを中心にユーザーの手によってリポートされ、発売に向けた盛り上がりをみせた。

 そして7月下旬、今度はゲームメディア向けに試遊版の体験会が開催。ファミ通.comも
『スパロボY』のゲームプレイを楽しむことができた。

 本稿では、体験会でプレイできたゲーム内容をもとに、現段階で判明しているさまざまな情報や、プレイした感想を掲載する。また、当日に行われた開発者への質疑応答の内容も掲載するので注目してほしい。

 なお、今回体験会でプレイできたのは、一般ユーザー向けに公開された試遊版の内容と同等のもの。一部製品版と異なる部分があるので、ご了承いただきたい。
※今回試遊できたのはPS5版となります。[IMAGE]
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シリーズの魅力はそのままに遊びやすさや快適さがアップ

 まず、冒頭にお伝えしたいのは、ゲーム内容は"いつもの『スパロボ』である"ということ。機体とパイロットで構成されたユニットを操作し、ターン制のシミュレーションバトルに挑む。敵を全滅させるなど、ミッションの勝利条件を満たせばミッションクリアーとなる。

 シリーズのファンなら、説明を見なくてもスムーズにプレイできるはずだ。
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 プレイして最初に感じたのは、UI(ユーザーインターフェース)のブラッシュアップだ。ひとつのボタンでさまざまな操作や画面にアクセスできるのは従来どおりの設計だが、本作では画面の下部にどのボタンでどの操作ができるのかがつねに表示されている。誤った操作をすることが減りそうだし、「こんな操作できたんだ」と気づかされることも多そうだ。
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 つぎにゲームの進化を感じた点として、戦闘シーンへの切り換えの速さをピックアップしたい。『
スパロボ30』もフィールドマップから戦闘シーンへの切り換わる際のロードはかなり早い印象だったが、プレイステーション5版ということもあってか本作では初見だとビックリするくらいの爆速。画面の暗転こそあるが時間はほんの一瞬で、すぐに戦闘シーンに突入する。

 過去のシリーズだと、機体が出現しても実際にアニメーションするまでに少し時間がかかるタイトルもあったが、本作では暗転が終了したらすぐに機体が動き出す。なんなら、暗転が終了したときには機体がすでに動いているアニメーションも多い。

 シリーズ経験者ほど、本作の戦闘シーンのスピーディーさに驚くはずだ。
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 味方フェイズのユニット操作時の画面にも変更点が。味方ユニットを操作して敵を攻撃する場合、全画面形式の武器選択画面に切り換わっていたが、『スパロボY』ではフィールドマップの右に武器選択画面が出現。画面を切り換えることなく武器が選択できるようになった。

 武器を上下で切り換えると攻撃範囲(射程)も切り換わるので、武器の選択が非常にやりやすいのが好印象だ。
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 さらに、武器選択後に表示される最終の攻撃決定画面では、武器の攻撃力ではなく敵に与えるダメージの予測値が表示されるように。『スパロボ30』でも、その攻撃で敵を倒せる場合は“SHOOT DOWN”と表示されていたが、『スパロボY』では、実際にどのくらいダメージが与えられるのかが数値でわかりやすくなっている。
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「ほかの機体の育成のために敵のHPをちょっとだけ残したい」というときに重宝しそうだ。ただし、あくまで予測値なので、クリティカルや防御に関するスキルなどが発動した場合は予測が外れることもある。
 なお、試遊版には実装されていなかったが、本作にもコントローラでソフトリセットは行える模様。また、本作では途中セーブの概念はなく、通常のセーブのようにミッション中でも複数のセーブデータを記録できるようになっている。

 いままでどおり敵に攻撃する前にセーブして攻撃がミスしたらすぐにロードすることもできる。各ターンに毎回セーブを残しておけば、「状況が悪いから2ターン前に戻ろう」といった選択も行えるようになったのはうれしい限り。さらに、味方フェイズの最初にはオートセーブが行われるのも便利な新機能だ。

 過去作だと、増援が具合の悪いところに出現したからミッションを最初からやり直したり、変なところで途中セーブをしてしまったので最初からやり直したりというのもあるあるだったが、本作ではその心配はなさそうだ。

注目システム:アシストリンク

 本作注目の新システムに、“アシストリンク”が存在する。これは、『スパロボ30』に登場したサポーターコマンドとEXアクションを組み合わせたようなシステムで、アシストコマンドによって味方にさまざまな付加効果を与えられるものになっている。

 コマンドの使用にはアシストカウントが必要となり、効果が高いものほど多くのアシストカウントを消費。アシストカウントは敵を撃破するごとに2マス溜まり、6マス分溜まると1カウントが増える仕組みだ。
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 アシストクルーが持つコマンドはさまざまなものがあるほか、どのクルーを編成するかによってさまざまなシナジー効果が発動する。効果で選ぶもよし、シナジー効果で選ぶもよし。自分のスタイルにあった編成を考えるのが楽しそうだ。

 また、アシストクルーは、コマンドを使用したりバトルに参加させるとランクが上がる。ランクが上がるとコマンドの効果が上昇ほか、ランクが最大まで上がった場合、キャラクターのグラフィクが変化する。さらに、ランクが最大に到達すると、パイロットがエースボーナスを獲得したときのように、アシストトークが発生するとのこと。いろいろなクルーを編成して、すべてのアシストトークを見るのも、ゲームの楽しみになりそうだ。

登場機体を穴が空くまでチェックした!

 今回の試遊版ではとくに会話シーンなどを見られることはなく、戦闘パートのみを楽しめる内容になっていた。試遊版用に編成された以下の機体を自由に操作して、戦闘シーンのアニメーションを堪能することができた。

 せっかくなので、各機体とパイロットの能力をスクリーンショットで掲載。新規参戦作品の機体とユニットの特殊能力や特殊スキルには、とくに注目だ。

今回操作できた機体(パイロット)
  • エーアデント(エチカ・Y・フランバーネット)
  • ゴディニオン(スズカゼ・リン)
  • ルーンドラッヘ(月ノ輪クロス)
  • ガンダム・エアリアル(スレッタ・マーキュリー)
  • ウイングガンダムゼロ(ヒイロ・ユイ)
  • ゲッターアーク(流拓馬、カムイ・ショウ、山岸獏)
  • VF-31Jジークフリード(ハヤテ・インメルマン)
  • ジェットジャガー(ジェットジャガー)
  • ダイナゼノン(ガウマ)
  • ビルバイン(ショウ・ザマ、チャム・ファウ)
  • ライディーン(ひびき洸)
  • レッドファイブ(ヒタチ・イズル)
  • 紅蓮特式 火焔光背(紅月カレン)
  • コン・バトラーV(葵豹馬、浪花十三、西川大作、南原ちずる、北小介)

エーアデント(エチカ・Y・フランバーネット)

 本作での母艦となるオリジナル機体。補給装置(移動後は使用不可)を標準装備している。“システム・ニーラカナイ”は自身のENを回復するものだが、武装はすべて弾数制になっている。ゲームが進むと、機体性能に変化があるのかもしれない。
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ゴディニオン(スズカゼ・リン)

 『銀河機攻隊マジェスティックプリンス』の戦艦。修理装置(移動後も使用可能)を装備している。自身の行動回数を消費して、周囲の味方ユニットの気力を上げる特殊スキルを習得している。『スパロボ30』のExオーダーのようにポイントなどは消費しない。
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ルーンドラッヘ(月ノ輪クロス)

 本作の主人公機のオリジナル機体。味方への援護攻撃や敵の弱体化までなんでもござれ。地上の地形適応がSなのは、忍者たるゆえんか。クロスの特殊スキル、NINJAの性能もかなり優秀。
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ガンダム・エアリアル(スレッタ・マーキュリー)

 『機動戦士ガンダム 水星の魔女』Season1よりシリーズ初参戦。専用の特殊能力GUNDフォーマットのおかげで、戦闘が進めば進むほど性能が上昇。エスカッシャンはバリア貫通とサイズ差補正無視がついている強武器だが消費ENが多め。
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ウイングガンダムゼロ(ヒイロ・ユイ)

 『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz』より参戦。ヒイロはダメージを受けると防御性能がアップするスキル・エージェントを持つ。ウイングガンダムゼロの性能は過去作とほぼ同等。
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ゲッターアーク(流拓馬)

 『ゲッターロボ アーク』より家庭用ゲーム初参戦。本来はゲッターキリク、ゲッターカーンにも変形できるようだが、試遊版ではゲッターアークのみ操作可能だった。特殊スキル・ゲッターの申し子は最終ダメージが1.2倍になる強力な効果を持つ。
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VF-31Jジークフリード(ハヤテ・インメルマン)

 『劇場版マクロスΔ 激情のワルキューレ』より家庭用ゲーム初参戦。運動性はピカイチなうえ、攻撃を受けても被ダメージを減らす特殊能力のおかげで生存率が高そう。
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ジェットジャガー(ジェットジャガー)

 『ゴジラ S.P<シンギュラポイント>』よりシリーズ初参戦。戦術アナライズが強力。サポート向けの機体と思いきや、アタッカーとしての性能も高そうな印象。敵陣に突っ込ませて反撃させまくるのがセオリーになりそう。
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ダイナゼノン(ガウマ)

 『SSSS.DYNAZENON』よりシリーズ初参戦。特殊能力の合体竜人は合体・分離する能力ではなく、機体能力がアップするもの。“気力+”系のスキルをつけるとシナジーが高そう。
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ビルバイン(ショウ・ザマ)

 『聖戦士ダンバイン』より参戦。ダンバインも登場するが、試遊版ではビルバイン。本作では変形はなく、移動時に飛行形態になる特殊能力の変形移動:空を持っている。おなじみの聖戦士とオーラ力の特殊スキルの強力な効果は健在で、本作でも頼れそう。
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ライディーン(ひびき洸)

 『勇者ライディーン』よりシリーズでは久々の参戦。オリジナルのパイロットが持っているスキルの印象が強い念動力を持っているのが特徴。洸の念動力はSPが回復するのもおなじみ。試遊版ではゴッドゴーガンがいちばん強い武器だったので、製品版での機体のパワーアップに期待。
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レッドファイブ(ヒタチ・イズル)

 『銀河機攻隊マジェスティックプリンス』より参戦。もともと運動性能と回避性能に優れた機体だが、特殊能力のおかげで、防御性能がガンガン上がる。
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紅蓮特式 火焔光背(紅月カレン)

 『コードギアス 復活のルルーシュ』より参戦。紅蓮特式 火焔光背の機体はシリーズ初参戦となる。(恐らく)ルルーシュのユニットコマンド戦術指揮で受ける効果が上昇する特殊スキルの黒の騎士団を持つ。
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 この機体は単分離(そのマップで一度だけ分離できるシステム)が可能で、単分離すると紅蓮特式になり、みんな大好き輻射波動が使える。
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コン・バトラーV(葵豹馬)

 『超電磁ロボ コン・バトラーV』より参戦。シリーズではおなじみの、5人乗りの頼れる機体。精神コマンドも、もちろん5人分使用可能。武器の種類の多さもおなじみだが、試遊版ではほかの機体と大差なかったので、この機体も本編でパワーアップイベントがありそう。

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まとめ

 今回は試遊版のため、使用できる武器の種類に制限があった模様。『スパロボ』といえば機体やパイロットのパワーアップも魅力のひとつで、製品版ではいずれの機体もさらに強い武器が追加されることが予想できる。
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 また、ステータス画面からは、“初期の改造段階が5段階であること”、“カスタムボーナスは5段階強化で獲得できること”、“エースボーナスは70機撃破で獲得できること”、“精神コマンドはひとりにつき6個まで覚える”などがわかる。

 今回ピックアップしなかった特殊能力や特殊スキルの効果は過去作とほぼ同等なので、ここでは割愛。未登場だった機体やパイロットがどんな能力を持つのかにも期待したいところだ。
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クロスは主人公だけあり、非常に優秀な能力を持つ。援護攻撃とサポートアタックの特殊スキルを持つのも恒例だ。

痒いところに手が届くとにかく遊びやすい『スパロボ』

 くり返しになるが、『スパロボY』は過去作と同様、さまざまな作品のロボットの迫力のアニメーションや原作を再現したシナリオを見ながら育成やバトルを楽しむという醍醐味に変化はない。過去にシリーズをプレイしておもしろかったと感じた人なら絶対に『スパロボY』も楽しめると断言できるクオリティーだ。

 また、『スパロボY』をプレイして感じたのが、遊びやすさの追求だ。UIの最適化や、戦闘シーンのスムーズな切り換わり、操作方法の常時表示、戦闘パートでも複数セーブが可能など、とにかくプレイヤーにとって遊びやすいゲームにするという開発チームの意気込みをひしひしと感じた。

 とくに戦闘時に与えるダメージの予測値が表示されるシステムは非常に便利。どのくらいダメージが与えられるか、試しに攻撃(したのちにセーブ&ロード)をする必要がなくなるので、さらにサクサクプレイできそうだ。

 試遊版ではシナリオパートや戦略フェイズ(インターミッション)はプレイしていないので全体のバランスはわからないが、過去作と比べてもスピーディーにプレイできると予想。あとは、ソフトリセットからのオートロードが爆速になっていれば個人的にはうれしいところ。

 もちろん、シリーズを重ねるごとにクオリティーがアップし続ける、戦闘アニメーションも必見の出来栄え。要所以外は戦闘アニメをオフにしてプレイするという人も多いと思うが、本作では常時オンにしてもいいくらいなので、ぜひ、さまざまな武器の攻撃演出を楽しんでほしい。
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プロデューサー戸澗宏太氏の一問一答

 試遊会では、ゲームプレイのあとに、本作のプロデューサーである戸澗宏太氏への合同インタビューの場も設けられた。

 開発チームとしてアピールしておきたいことやプレイして気になったことを聞くことができたので、以下に一問一答形式で掲載する。

――『スーパーロボット大戦Y』というタイトルに込められた想いをお聞かせください。

戸澗宏太氏
 前作は30周年記念作品であったため『スーパーロボット大戦30』というシリーズとしては変化球なタイトルになりましたが、今回は“安心して遊べるいつもの『スーパーロボット大戦』である”というコンセプトを明確にするため、改めてアルファベット一文字を採用しました。アルファベット一文字を採用するというのを決めたあとに何の文字にするのかアイデア出しをしましたが、ストーリーや世界観を踏まえたときに、Yの形が分岐路や交差点を連想させる形だと考えて、Yが最適だろうという結論に至りました。この分岐路のようなイメージが、本作のキャッチコピーである「右は災厄、左は破滅 宿命を越えろ、鋼の守護者」というキャッチコピーにつながっています。

――本作でゲームエンジンを刷新した理由を教えてください。

戸澗宏太氏
 『スーパーロボット大戦』シリーズを今後も継続してリリースしていきたいですが、それを実現するためというのが大きな理由になります。『スーパーロボット大戦30』までに使用していたゲームエンジンは『スーパーロボット大戦α』シリーズのころから使い続けている状況でした。『スーパーロボット大戦』シリーズを開発するための専用エンジンだったので、独自性が障害になっていて一部のエンジニアに負担が集中しているという問題がありました。今後もシリーズ作を継続的にリリースしていくためにはどこかのタイミングでこの問題を解決する必要があると考えていましたが、いまがそのタイミングだろうと思い、決断しました。

 また、過去の開発サイクルですと1年に1タイトルの新作を出している時代もありましたが、現在のゲーム業界を取り巻く環境を鑑みると、過去と同じペースを維持するのは困難だと考えています。ですが、これを少しでも早めて、なるべく早くお届けしたいという思いはございます。

――『スーパーロボット大戦Y』の魅力やアピールポイントを教えてください。

戸澗宏太氏
 久しぶりの家庭用新作ですが、安心していつもの『スーパーロボット大戦』を楽しめる内容になっています。シリーズを積み重ねていくうちにシステム面も積み重なってきましたが、本作は初めて『スーパーロボット大戦』をプレイする人でもわかりやすく楽しめるように、さまざまな要素を整理しています。

 また、キャラクターゲームとして、そしてシミュレーションゲームとしての『スーパーロボット大戦』をさらに楽しんでいただくために、アシストリンクという新システムを導入しています。さらに、UIやオートバトルの改修や遊びの幅が広がるSTGメモリー開放といった要素も気合を入れて作っていますので、そこにも注目していただきたいです。そのほかにも、『スーパーロボット大戦30』で頂戴したファンの方々の声を踏まえたうえで、いろいろな改良をしています。

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――ゲームシステムの注目ポイントも教えてください。
戸澗宏太氏
 新要素のアシストリンクがいちばんのポイントと思っていますが、タクティカル・エリア・セレクトの改良についても注目していただきたいです。タクティカル・エリア・セレクトは自分が好きな作品のシナリオを選んで先にプレイできるという性質を持つのですが、自由度が高すぎるがゆえにメインシナリオや各作品のクロスオーバーがわかりづらくなってしまっていました。また、前作では「自分がいま何のために戦っているのかわかりづらい」という課題もあったため、本作では自由さはある程度残しつつ、上記問題点を解消するような調整をしています。ゲーム序盤のころはシナリオ選択の自由度を高くしていますが、後半になるにつれてメインシナリオに集中していけるようになっています。

 また、STGメモリー開放については、プレイヤーの好みによって部隊をカスタマイズするようなゲームのスパイスになるように作っております。このシステムは周回プレイをより楽しめるように作っていまして、1周のプレイで全部のメモリーが開けません。周回ごとに異なるカスタマイズをすることで、違った遊び味でバトルを楽しむことができます。このSTGメモリーは、母艦であるエーアデントのとあるテクノロジーに関係しているという設定があるので、そこにも注目していただけるとうれしいです。

――アシストリンクでランクが最大まで上がったときに見られるアシストトークとは、どんなものなのでしょうか。

戸澗宏太氏
 端的に言いますと、パイロットがエースボーナスを獲得したときに見られるエーストークのアシストクルー版です。イベントは、オリジナルキャラクターのエチカとの会話を中心としつつ、クルーたちのさまざまな一面が見られるので、ぜひ全トーク開放を目指してプレイしてみてください。

 試遊版ではアシストクルーは9人セットできましたが、本編では、序盤と中盤後半で徐々に編成できる枠が増えていく仕組みになっています。戦略フェイズ(インターミッション)でどのクルーを連れて行くのかを選べますが、とくに編成に制限はないので、好きなクルーだけを連れて行ったり、クロスオーバー的な楽しみかたをしたり、好きなようにカスタマイズしてみてください。

 ちなみに、同作品のユニットに対してアシストをかけると、特別なセリフが表示されたりしますので、いろいろな掛け合いを見つけてみてください。

――本作を発表したあとの反響はどのように感じましたか?

戸澗宏太氏
 やはり新規参戦作品や久々の参戦となる作品に関する反響が見受けられました。印象的だったのがどの参戦作品を発表しても、それぞれのファンの方が大いに喜んでいただいていることでして、その様子を見ることができたので、改めて『スパロボY』をつくってよかったなと思いました。

――参戦作品に選ばなかった候補作品はどのくらいあったのでしょうか。

戸澗宏太氏
 具体的に候補になったタイトルはお伝えできませんが、候補になったタイトルは、数え切れないほどあります。

――試遊版ではゲッターアークが変形できませんでしたが、製品版ではできるのでしょうか。

戸澗宏太氏
 製品版では変形できるので、ご安心ください。変形に関していうと、試遊版ではビルバインが変形移動という新しい特殊能力を持っています。Zガンダムやビルバインなどの機体は飛行形態に変形できるのがおなじみでしたが、一度変形してしまうとつぎの敵のターンは変形時の武器しか使えないというデメリットがありました。それを解消するため、本作では変形移動の特殊能力を持っている機体は、移動時に自動的に変形して移動し、移動が完了したら元の形に戻ることができます。飛行形態といちばん強い武器を使える形態のいいところ取りができるようになっています。また、ゲッターアークも移動したあとにもべつの形態に変形できるようになっています。敵に合わせて攻撃する形態を変更できるのが便利だと思いますよ。
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――戦闘アニメのこだわりについて教えてください。
戸澗宏太氏
 戦闘アニメについては手練れのスタッフたちが引き続き担当しています。アニメーションの魅力は作品によって異なりますが、それぞれの魅力を引き出した戦闘アニメになるようにこだわって作っています。過去作と比べて変わった部分としては、戦闘アニメをもっと見ていただくために、戦闘アニメ突入時のロードや攻守の切り換わりがなるべく早く行えるように調整しています。UIなども戦闘アニメがよく見えるように表示領域を調整しています。

――プレイヤーが選択できる難易度のバランスは過去作と比べてどう変わったのでしょうか。

戸澗宏太氏
 『スーパーロボット大戦30』ではスーパーエキスパート+でプレイすると少しゲームの基本ルールが変化しますが、歯ごたえがあるというお声を多数いただいたため本作でも継承しています。また、本作ではハード以上の難易度では敵を倒したときの味方の気力増減に制限がかかるようになっています。どの機体で敵を倒すかに悩んだり、どのタイミングで精神コマンドやアシストリンクを使うのかに悩んだりと、遊びの幅がさらに広がると思います。ただ本作ではシステムが異なる部分もありますので、単純に比較するのは難しいです。しっかりと歯ごたえを感じられる難易度にはなっていると思いますので、ぜひ挑戦してみてください。

――主人公機とパイロットが忍者をモチーフにした理由があれば教えてください。

戸澗宏太氏
 本作の主人公は、エチカを影から守る者というコンセプトを掲げています。影から守るというアイデアを膨らませて、忍者というモチーフを選びました。忍者という設定があったので、主人公の立ち位置、ロボットや主人公のデザイン、戦闘アニメがイメージしやすかったです。
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――シリーズのグローバルな展開は重視されているのでしょうか。
戸澗宏太氏
 『スーパーロボット大戦Ⅴ』あたりからグローバル展開を本格的にするようになりましたが、本作の情報を公開したのちに海外のファンの方からもたくさんの反響が届きました。日本以外でも『スーパーロボット大戦』のファンが増えていることを感じるのはうれしい限りです。

――前作の発売から4年が経過しましたが、いまの心境はいかがでしょうか。

戸澗宏太氏
 発売までもう間もなくというタイミングですが、ファンの皆さまには感謝の気持ちでいっぱいです。34年間続いたシリーズのプロデューサーという立場に重責を感じていますが、タイトルの発表から本日に至るまで、皆さまからのありがたい声をたくさん拝見しました。これまでやってきてよかったというのがいまの率直な気持ちです。まだ公開できていない情報もたくさんあるので、それについても、今後しっかりとお伝えしていきたいです。

最新情報が公開される“スパロボY情報局”の配信が決定!

 本作の最新情報が公開される“スパロボY情報局”が、8月7日に配信決定。新規PVが放送される予定なので、ロボットたちの新たな戦闘アニメをチェックしよう。
以下、プレスリリースを引用
家庭用最新作『スーパーロボット大戦Y』に関するゲーム情報をお届けする配信番組の放送が決定しました。
特別ゲストとして深川和征さん(月ノ輪クロス役)、山根綺さん(月ノ輪フォルテ役)をお呼びするとともに、本作プロデューサーより第3弾PVをはじめとした新情報、並びにキャンペーン情報などをお届けいたします。
是非ご覧ください。
※追加参戦作品の発表はございません。

【配信日時】

2025年8月7日(木)20:00~配信開始予定
※番組は予告なく変更・終了になる可能性があります。

【番組スケジュール】

  • 第3弾PVのご紹介
  • 特別ゲストをお呼びしたオリジナルキャラクター深堀りコーナー
  • 『スーパーロボット大戦Y』Q&Aコーナー
  • 『スーパーロボット大戦Y』キャンペーン情報

【配信ページURL】

【出演者】

特別ゲスト
深川和征さん(月ノ輪クロス役)
山根綺さん(月ノ輪フォルテ役)

MC
がっつきたいか

『スーパーロボット大戦Y』プロデューサー
戸澗 宏太 (バンダイナムコエンターテインメント)

【公式X・公式サイト】

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