
一度はゲーム開発からの引退を表明した海外の伝説的インディーゲーム開発者が本格的に復活! しかもバブル時代まっただ中で燃えていた日本のものづくりがテーマ? そんなどうかしちゃってるゲームが『Kaizen: A Factory Story』だ。
本作の対応プラットフォームはPCで、日本語にも対応。本日よりSteamで配信開始された。定価は2300円で、現在は発売記念セールで2070円となっている。
本作の対応プラットフォームはPCで、日本語にも対応。本日よりSteamで配信開始された。定価は2300円で、現在は発売記念セールで2070円となっている。
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本作を手掛けるCoincidenceは、『Spacechem』や『Shenzhen I/O』などの最適化やプログラミングをテーマにした独特なパズルゲームで知られるZachtronicsの中心人物ザック・バース氏による新スタジオ。
遡れば『マインクラフト』の発想の元ネタにもなった『Infinifactory』も手掛けている海外インディーゲームシーンの最重要人物のひとりであるバース氏が、諸事情あって引退を撤回して世に送り出す本格的な復帰作(※)がこのゲームなのだ。(※実はこの前に『Add Astra』という子供向けのシンプルな算数ゲームを1本出している)
遡れば『マインクラフト』の発想の元ネタにもなった『Infinifactory』も手掛けている海外インディーゲームシーンの最重要人物のひとりであるバース氏が、諸事情あって引退を撤回して世に送り出す本格的な復帰作(※)がこのゲームなのだ。(※実はこの前に『Add Astra』という子供向けのシンプルな算数ゲームを1本出している)
バブル期の日本で“松沢魂”のものづくりを学べ!
さてその内容は、1980年代後半の日本が舞台。グループでさまざまなモノの製造を手掛ける“松沢工業”に国際就職した日系アメリカ人の主人公デビッド・スギモトが、日本各地の人々と交流しながら“松沢魂”のものづくりの真髄を学んでいく姿が全7章で描かれる。
やることはもちろん、下着からスクーターまでのさまざまな製品の製造工程の設計と“カイゼン”だ。パーツと工作機械を配置し、それぞれの機械に実行させる作業パネルを並べていき、実行してちゃんと見本通りの製品が完成したらクリアー。
やることはもちろん、下着からスクーターまでのさまざまな製品の製造工程の設計と“カイゼン”だ。パーツと工作機械を配置し、それぞれの機械に実行させる作業パネルを並べていき、実行してちゃんと見本通りの製品が完成したらクリアー。
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過去のZachtronics作品には“製造ラインの最適化”と“制御処理のプログラミング”のふたつの大きな要素があったが、今回はその前者に大きく寄ったパズルと言えるだろう。
プログラミングコードを書く必要はなく、限られた機械とコマンドでパーツをどこに動かしどう合体させるかを考えていけばいいし、1ターンごとの作業結果は見た目通りなので一目瞭然。試行錯誤の途中で考えが変わったらマウスでパーツや機械や作業パネルを複数選択して移動するといったことも簡単にできるので、かなりわかりやすい。
プログラミングコードを書く必要はなく、限られた機械とコマンドでパーツをどこに動かしどう合体させるかを考えていけばいいし、1ターンごとの作業結果は見た目通りなので一目瞭然。試行錯誤の途中で考えが変わったらマウスでパーツや機械や作業パネルを複数選択して移動するといったことも簡単にできるので、かなりわかりやすい。
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そして大抵の問題は工作機械をやたら増やしたりすることで強引にクリアー可能なので、過去作と比べると難度は結構簡単。ストーリーモードクリアーまでにチャレンジするのは全部で33ステージで、純粋にパズルの難度と物量だけならハードコアなZachtronicsファンにはちょっと物足りないかもしれない。
朝ドラかよってぐらいの人情サラリーマン物語
しかしそのぶん本作で力が入っているのがストーリー要素だ。パズルの合間に頻繁にストーリーパートが入ってくるだけでなく、パズル回のお題になっている一個一個の製品にもちゃんと前後のストーリーが毎回ある。
コーヒーメーカーを製造する回なら“アメリカ人はあまりブラックコーヒーを飲まない”というステレオタイプなギャグとか(実際はそんなことはない)、“アメリカンコーヒーは薄い”というネタを交えつつ、単なるパズルのネタに終わらずに文化の違いに揉まれながら異国で奮闘する主人公の物語の一部になっているのだ。
コーヒーメーカーを製造する回なら“アメリカ人はあまりブラックコーヒーを飲まない”というステレオタイプなギャグとか(実際はそんなことはない)、“アメリカンコーヒーは薄い”というネタを交えつつ、単なるパズルのネタに終わらずに文化の違いに揉まれながら異国で奮闘する主人公の物語の一部になっているのだ。
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それがZachtronicsファンの求めるものかはともかく、ストーリー要素の充実は本当に驚かされた部分だ。アメリカから来ていきなり町工場に配属されたデビッドがラジオ体操に面食らうのにはじまり、日本各地の工場に出向しながら難題を解消して成長していく彼の物語は、まるでNHKの朝ドラさながら。
いはホント、海外の人がなぜか大好きなイザカヤやヤタイが出てくるのは予想がつくが、盃を交わしながら頑固親父がホンネを漏らすなんて、若干コテコテではあるものの理解の解像度が高すぎて逆に面白い。
ストーリーを手掛けたのは、自身が日系アメリカ人でもあるマシュー・セイジ・バーンズ氏。飛ぶ鳥を落とす勢いだった日本経済の躍進にアメリカがパニックを起こしていた時代の異文化交流の物語を、ユーモアのための誇張を入れつつ荒唐無稽にならない絶妙なバランスで描いている。
いはホント、海外の人がなぜか大好きなイザカヤやヤタイが出てくるのは予想がつくが、盃を交わしながら頑固親父がホンネを漏らすなんて、若干コテコテではあるものの理解の解像度が高すぎて逆に面白い。
ストーリーを手掛けたのは、自身が日系アメリカ人でもあるマシュー・セイジ・バーンズ氏。飛ぶ鳥を落とす勢いだった日本経済の躍進にアメリカがパニックを起こしていた時代の異文化交流の物語を、ユーモアのための誇張を入れつつ荒唐無稽にならない絶妙なバランスで描いている。
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ちなみに、Zachtronicsのゲームになぜか毎回入っている変則ソリティアも今回は日本ネタ。パチンコを模した盤面でプレイする“パチソリ”で、ランダムな数字を持つ球(手札の代わり)を打ち出し、上から下に向けてプラマイ1の数字を消していけるというものになっている。
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物足りない? よろしい、ならばカイゼンだ
というわけで本作、Zachtronics作品の発展型として“ストーリーが牽引するZachtronics系パズルゲーム”という新しいスタイルに挑戦した作品となっている。正直、もうちょっと工作機械のギミックのバリエーションが欲しかった気もするが、個人的には程よい難度でストーリーを楽しめた。
もちろん、やる気があればさらなるカイゼンが可能だ。クリアー時には製品完成までに必要な作業機械のコスト・タイム(処理サイクル数)・全体の工程の配置面積の3つの項目が示され、他プレイヤーたちがどれぐらいのスコア分布なのかもわかる。「コストと面積はかなり優秀だけど、処理サイクルがかかりすぎたなぁ」などと感じたら、新たな工程表を立ち上げて再チャレンジしてみるといいだろう。
もちろん、やる気があればさらなるカイゼンが可能だ。クリアー時には製品完成までに必要な作業機械のコスト・タイム(処理サイクル数)・全体の工程の配置面積の3つの項目が示され、他プレイヤーたちがどれぐらいのスコア分布なのかもわかる。「コストと面積はかなり優秀だけど、処理サイクルがかかりすぎたなぁ」などと感じたら、新たな工程表を立ち上げて再チャレンジしてみるといいだろう。
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