【漫画の裏側を語る!】『チェイサーゲーム』原作コラム 『デバッグルーム』シーズン2 第50回

燻製ニシンの虚偽

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 この“燻製ニシンの虚偽”という言葉は作中でも説明されているように、実際にある言葉なんです。

 本来の意味に何重にも意味が重ねられて、まさに実態が掴めないようにするためのテクニックのひとつだったりするのです。

 たぶん、ほとんどの読者の方にとっては初耳(初見)だったのではないでしょうか。

 じつは私はこういったキーワードをいくつもiPhoneのメモ帳に書き留めていて、いざという時にパッとネタとして使えるようにしているんですね。

 いまとなってはいったいどこで知ったキーワードだったのかは忘れてしまった感じですが、今回のエピソードの流れとこの言葉が陳マイクの口から出てくることがおもしろいなと思って使わせていただきました。

 中国人である陳が使う言葉でなおかつ日本人である西川さんが知らない言葉であるという必要性があったので、世界的だけど一部で有名な言葉がピッタリだなと思いました。

通称“丸眼鏡(ヤンヤンジン)”と呼ばれている

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 ようやく“丸眼鏡(ヤンヤンジン)”のエピソードまで辿り着きました。

 陳マイクが初登場した時点でこの“丸眼鏡(ヤンヤンジン)”のエピソードに繋げることは決まっていましたので、本当にようやくといった感じです。

 ちなみに陳マイクの初登場は第12話です(今回は第50話)。

 長かったなぁ(しみじみ)。

 いよいよ物語は“中国企業による日本支配のひとつの結末”に向かっていきますよ。

 ちなみに“三角眼鏡(サンジャオヤンジン)”は「グリードアイランド編に登場したあのキャラクターの雰囲気で!」と伝えたのですが、思ってた以上にそのまんまのキャラクターになってしまいましたが、まぁ、そこまで怒られることもないでしょう、きっと。

 あ、けど、本田さんが刺されているシーンがまんま『懐玉・玉折』の時の五条さんを刺す甚爾のアングルというかコマ(レイアウト)になっているので、本当にそろそろ怒られそうですね、はい、これも指示したのは私です(幸太朗先生はなにも悪くありません、呼び出すのは私だけにしてくださいね)。

そして“大叔(ダーシュ)”とは誰のことだ?

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 この“大叔(ダーシュ)”という言葉の意味も、その正体もあと少し! いや、もうじきわかりますよ。

 シーズン2はこういう謎のキーワードや伏線が多いので順番に紐解かれていく予定ですし、それを設計して構成が作られています。

 まぁ、賢明な読者の方であれば“大叔(ダーシュ)”の正体についてはもう察しがついているかもしれませんが。

 ちなみに西川さんの「まるで言ってる意味がわからない」はシーズン1第32話(単行本5巻収録)の魚川さんと全く同じセリフと表情なんですよ(気づきました?)。

 いわゆるセルフオマージュというやつです(左右の向きは逆ですけどね)。

 今回はこういう差し込むネタが多い回でしたね。

 次回、第51話もたぶん怒られそうなネタがオンパレードなのでご期待ください(本当にそろそろ怒られそう)。

松島先生の次回予告カット

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 松島先生の描きおろし予告を見ると、大量の札束に囲まれる西川さんの姿が……。でもやはり1万円札となると想像するのは諭吉ですよね。

 きになる次回マンガ『チェイサーゲーム』は2025年年6月30日(月)に掲載予定です。