2025年5月16日に1周年を迎えた『学園アイドルマスター』(以下、『学マス』)。アイドルたちが競い合う姿を描いた“初星コミュ”においても、大きな存在感を放っているのが花海咲季・佑芽の姉妹だ。かつてはアスリートとして、そしていまではアイドルとして追いつ追われつを続けるふたりのドラマに胸を打たれたプロデューサーも多いはず。
そんな花海咲季役の長月あおいさんと、花海佑芽役の松田彩音さんによる対談をお届け。ふたりから見た花海姉妹の印象や楽曲の感想、さらにはこの先実現してほしい展開についても語っていただいた。
※本インタビューは4月上旬に実施しました。
※本インタビューは5月8日発売の週刊ファミ通(2025年5月22日号 No. 1897)に掲載した内容に加筆、修正を行ったものです。アミュレート準所属。3月30日生まれ、三重県出身。趣味はかき氷屋さん巡り、 アイドル鑑賞、 ゲームなど。 アニメ『猫になりたい田万川くん』(ボス美役、小早川役)、『たまらないのは恋なのか』(女子高生役)、『原神』(リリー役)などに出演。
ホーリーピーク所属。7月13日生まれ、神奈川県出身。趣味は百人一首、食べること、子どもの歌を聴いたり、歌ったりすることなど。アニメ『響け!ユーフォニアム』(上石弥生役)、『トニカクカワイイ 女子高編』(紅蛍役)、ゲーム『セガNET麻雀MJ』(スーアンコウ役)などに出演。
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長月あおいさん、花海咲季
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松田彩音さん、花海佑芽
――松田さんはファミ通でのインタビューが初めてということで、まずは『学マス』に出演が決まったときの思い出から聞かせてください。
松田
スタジオオーディションの段階では、倉本千奈ちゃんと葛城リーリヤちゃんと紫雲清夏ちゃんを受けさせていただきました。そのときに「こんな子もいるんですけど、受けてみませんか?」と追加でお話をいただいたのが佑芽だったんです。
――最初から佑芽役を受けていたわけではなかったんですね。
松田
はい。オーディションの段階では佑芽の情報はそんなに多くなくて、でも率直にかわいい子だなと感じました。でも、具体的なことはわからなかったので、自分が思うままに原稿を読ませていただいたんですけど、そのときから「あれ、もしかしたら私、やれるかもしれない!」という手ごたえがあって(笑)。
長月
オーディションのときは特別なディレクションとかはなかったの?
松田
「彼女にはお姉ちゃんがいて青色の炎のイメージです。それに対して佑芽は赤色の炎を想像してください」という説明がありました。かわいさよりもエネルギーを感じさせてほしいということで、「もっと! もっと!」と促されるままひたすら勢いと元気のままに彼女の猪突猛進な性格を表そうとがんばった記憶があります(笑)。
――ビビッと来るものがあったんですね。
松田
そうですね。もちろん、ほかの子のオーディションにも全力で臨んだんですけど、佑芽に関しては私の声で彼女がしゃべっているイメージがしっかりと浮かんできて。オーディションが終わったあとももらった原稿を読んだり、佑芽の顔を眺めたりしながら「やれたらいいな~」とずっと考えていました。完全に一目惚れみたいな感じです。
――それでは役が決まったときのうれしさもひとしおだったのでは。
松田
逆に実感が湧きませんでした。オーディションに受かったのも初めてでしたし、それが心からやりたいと思えた佑芽だったこともプラスになり、うれしすぎて振り切っちゃったんだと思います。
──姉妹を演じるおふたりですが、最初に顔を合わせたときの印象はいかがでしたか?
松田
あー! いつだっけ……?
長月
初星コミュで佑芽が登場するときにいっしょになったのが初めてかな。私は先に役が決まって妹がいるということも知っていたのでどんな声の妹が来るのか楽しみにしていたんです。スタッフさんからも「とんでもないぐらい佑芽にピッタリな子が見つかりました!」と聞かされていたので。
松田
そんなに!?
長月
咲季は佑芽のことを溺愛していますけど、最初にあーや(※松田さんの愛称)のお芝居を聞いたときにあまりのかわいさから一瞬で“姉心”が芽生えました。それにあーや本人もすごくかわいくて! 最初からふたりの虜になって、現在にいたるまで溺愛し続けています(笑)。
松田
あおちゃん(※長月さんの愛称)は佑芽がどんな声で来るのか楽しみにしていたと言ってくれましたけど、私も最初に気になったのが「お姉ちゃんってどんな感じなんだろう?」という部分。オーディションのときは顔も性格もわからなかったのでなかなか想像できなかったんですけど、初めてあおちゃんのお芝居を見たときに「これか!」ってビビッときました。そうしたら、私もあおちゃんのことが本当のお姉ちゃんみたいに思えてきたんです。
――長月さんはかき氷屋巡りが趣味だとか。松田さんをお店にエスコートすることも?
松田
じつはそれはまだなんです。
長月
でも、あーやが好きなネギトロ丼のお店には行きました。
松田
大きいネギトロ丼をふたりでいっしょに食べに行きましたね。おいしかった……!
長月
あーやをお店に連れていくと、いつもものすごく喜んでくれるんです。だから私もひたすら喜ばせたいという想いがドンドン強くなって、いまは日本全国のネギトロ丼のお店をブックマークして準備していて(笑)。じつはこの対談の前にもふたりでご飯を食べに行っていました。
――どんなメニューを注文したんですか?
長月
ライブを控えている身なので、野菜中心で脂質の少ない和定食を食べようと。
松田
玄米とか蒸し豚とかヘルシーなメニューでしたね。
長月
でも、まだ時間があったのでカフェに移動してお茶をしようとしたら、これまたおいしそうなエッグベネディクトやパンケーキがあって……。
松田
最初は「お腹具合はどんな感じ?」とふたりで探り合っていたんですけど、これはいけそうだなということになってふたりでシェアして食べました。ライブ前ですけど、ひとりで食べているわけではないんでセーフです(笑)。
長月
そう、カロリーも半分なんで(笑)。
――それならばセーフでしょうか(笑)。ちなみに食べ物といえば、花海姉妹の食に関する感性は独特です。SSD(花海咲季特製スーパースタミナドリンク)が手もとにあったら飲んでみたいと思いますか?
松田
私は飲んでみたいです! そんなにまずそうじゃないし。
長月
えっ、本当に!?
松田
プロテインを買って飲んだりしているんですけど、家族が飲みづらそうにしているものも平気で飲んでいるので。どうやら私は「これはおいしい!」という自己催眠をかけてなんでも飲めるタイプなんだと思います。
長月
たしかにあーやは「おいしい!」と言いながらなんでも食べているから、大丈夫そうな気がする。
松田
光っているドリンクとか、逆に飲んでみたいです。佑芽はお姉ちゃんが作っている料理がとにかく大好きなので、私も「わかるよ~!」と思いこみながら演じています。とんかつも衣を剥がされたって……あっ、冷静に考えるとそれはちょっと嫌かも(笑)。でも、食べられないわけじゃないので大丈夫です。
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──ふたりにとって、サービス開始からこの1年間はあっという間でしたか?
松田
あっという間でしたね……。
長月
本当に……。オーディションからリリースまで2年半ぐらいの期間があったんですけど、この1年間はあっという間でした。プロデューサーさんたちからゲームやライブの反響をいただいて、それまで夢心地でフワフワしていたところからようやく世に出たんだなっていう実感が湧いてきました。
松田
一瞬だったという感覚もあるんですけど、同時に「あっ、まだ1年なんだ?」という気持ちもあるんですよね。生まれたときからずっと『学マス』といっしょにいたんじゃないかと錯覚してしまうぐらい愛が強くなっているので(笑)。ただ、リリースから佑芽がプロデュース可能になるまでの半月はすごく長く感じました。佑芽が半月でプロデュースできるようになることに驚かれた方も多かったと思いますけど、少しでも早く佑芽の魅力を皆さんに知ってもらいたかった私からするとその日がとにかく待ち遠しくて。生配信で佑芽の実装を告知できた瞬間の喜びも一生忘れないと思います。
長月
じつは佑芽が実装された6月1日は収録でふたりいっしょにいたんですけど、配信された11時がちょうど休憩の最中だったので、それまで貯めていたジュエルを使ってすぐに引きに行きました(笑)。
松田
全速力で佑芽を手に入れようとガシャを回すあおちゃんの姿は本当にすごかったです。「出るかな……? 出ない! はい、つぎ!」みたいな(笑)。
長月
それぐらい私も佑芽が実装されるのを楽しみにしていたので。いろいろ覚悟はしていたんですけど、ありがたいことに80連ぐらい引いたところで来てくれました。愛が届いてよかったです。
──花海姉妹の関係性は、親愛度コミュはもちろん初星コミュでも重要なファクターです。ふたりから見た印象を教えてください。
長月
佑芽が大器晩成型なのに対して咲季が早熟型ということは、咲季の親愛度コミュでも描かれていました。これまで別の分野では、途中から佑芽が伸びてくるけれども咲季がギリギリで勝つということを続けることで“最強のお姉ちゃん”ではあったんですけど、初星コミュではついに敗北してしまって……。負けてからのコミュは台本で読んでいても本当に辛かったんです。何回読んでもうるっとしちゃうぐらいで。「お姉ちゃんなんて眼中にない」と夢の中の佑芽に言われるシーンはあまりに辛過ぎて……もうなんというか、こうやって語ろうとしても“辛い”以外の言葉が出てきません……。
──そんな咲季が佑芽に胸中を語るという展開が初星コミュのクライマックスでも用意されていました。
長月
絶対的存在のお姉ちゃんとして前を走り続ける咲季とそれを追いかける佑芽という関係性が途中から少し変わってきた気がします。だから「自分は最強のお姉ちゃんじゃない」と告げるシーンはすごく印象的で……。もっとも佑芽は咲季の弱い部分があることをわかったうえでお姉ちゃんがすごいと思ってくれていたんだとは思いますし、単純に咲季がそのことを知らなかっただけなのかなとも思います。
松田
姉妹兄弟の年下側が年上側に勝ちたいと思う気持ちはよくある自然な感情で、花海姉妹はそれのつよつよバージョンだと私も思っていました。でも、じつは佑芽もお姉ちゃんに自分がいつか見向きもされなくなるんじゃないかという不安と戦いながら一生懸命がんばっていたんですよね……。初星コミュでの「私を置いていかないで」というセリフを見たときは私も涙が止まらなくなっちゃいました。
──身近に最強のライバルがいると確信しているからこそ、互いに追い込まれていたと。
松田
もともと仲のいい姉妹ではありましたけど、初めてお互いが本心で話したことでまた一歩先に進めたんだと思います。そして、気持ちを打ち明けたことでこの先、どんな変化があるのかも楽しみですね。もともと仲がよかったのに、さらに仲がよくなるのかなって。
長月
初星コミュでは「1勝1敗だね」というセリフがあるんですけど、本当にこれからどうなっていくんだろう? 追われる側だった咲季と挑戦者側だった佑芽が今後どういう風に切磋琢磨していくのか、私たちも楽しみです。
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――サポートコミュなどにも姉妹の関係が表れているシーンは少なくありません。印象に残っているやりとりをぜひ教えてください。
長月
SSRサポートカード“ゆっくりと過ごしましょう”のコミュ内で、咲季が佑芽に将来のことを聞くと、佑芽は「レッスンを頑張って、お姉ちゃんに勝つ!」と答えて。「それが叶ったら? その先は?」と畳みかけるような咲季の質問にも「勝ってから考える!」と佑芽が返すんです。最後に咲季が「最高に嬉しくて――……悩ましい回答ね」とつぶやくのが印象的でした。
――複雑な感情がそのひと言に凝縮されている。
長月
そうなんです。佑芽が猪突猛進に自分のことだけを考えてくれているといううれしさもありつつ、もし自分が負けたら姉妹やアイドルとしての関係性はどうなっていくのかという不安や葛藤がにじむつぶやきでした。
松田
お姉ちゃんは複雑な胸中だったと思いますけど、私は演じていてすごく楽しかったです(笑)。佑芽を演じるときは、とにかく無邪気に「お姉ちゃん!」という感じで突っ込んでいくんですけど、“ゆっくりと過ごしましょう”のコミュでは姉妹がお昼寝する前のやりとりもあって、より佑芽の甘えたっぷりな感じが出せました。
長月
甘えてくる佑芽は本当にかわいいんですよね(笑)。あと、姉妹の関係性を描いているといえば、SSRサポートカード“まだ上がりませんように!”のサポートコミュかな。
――姉妹でビニール傘に収まっているイラストが印象的な一枚ですね。
長月
はい。生まれ変わったらお姉ちゃんの身体になりたいと佑芽が言い出して、それに対して咲季が「なんで?」とマジメなトーンで返すのが私のなかではすごく印象的でした。というのも、咲季はアイドルを目指す前にアスリートとして競い合ってきたなかで妹との体格差にコンプレックスを抱えていたので。だからこそ、ちょっとピクッとしたんでしょうし、収録のときもしっかりなんでそんなことを言い出したのか聞いてあげてほしいというディレクションをいただきました。
松田
佑芽からしたら小さい身体でかわいい服を着たいというだけだったんですけど。
長月
そうそう、佑芽からしたら本当に無邪気な理由で。でも、そういうちょっとしたところにアスリート時代のバックボーンや咲季の劣等感が詰まっていたのには驚きました。
――そもそも佑芽の運動能力が規格外すぎるのが原因のような。
長月
そうなんですよね(笑)。
松田
入学するときに倒立した状態で指立て伏せをしたと知ったときは慌てました。むしろまったく想像できなくて「えっ、そんなことできちゃう人がいるの? ヤバくない!?」って(笑)。匂いで人を嗅ぎ分けたりするのもすごい才能ですし……アイドルというより動物的な才能……(笑)。
――(笑)。松田さんのなかでもお気に入りのサポートコミュがあったら教えてください。
松田
SRサポートカード“体当たりのラブコール”ですね。じつは佑芽としての最初の収録がそのコミュということもあって、まだお姉ちゃんにどう接したらいいのかわからなくて。でも、第一声で「お姉ちゃ~~~んっ!」ってタックルしに行ったところで、お姉ちゃんへの愛はこれぐらい大きくていいんだってわかったので、私にとってもひとつの原点として特別なコミュです。
長月
あーやが言った通り、“体当たりのラブコール”でのサポートコミュは姉妹関係を象徴している気がします。そして、初星コミュの最後のほうにも同じようなシチュエーションがあって、そちらでは突進してきた佑芽に対して咲季が「あなたの体力は私を上回っているんだから、急に突進せずに先に言いなさい」みたいな感じでたしなめるんです。運動神経で妹に越されてしまったことを認められるのは咲季のひとつ成長した部分で、姉妹の絆が強くなったことも見て取れるなって……。
松田
たしかに同じ「お姉ちゃ~~~んっ!」というタックルでも、そのときのタックルと初星コミュでお姉ちゃんの弱さをわかってからのタックルとでは、演じるときに込めた感情がちょっと違いました。それまでの関係性はもちろん、深まった姉妹の絆とかいろいろひっくるめての突進だったので、より強い想いを込めて突進した気がします。
――咲季をフィジカルで凌駕するようになっても突進後にブレーキはかけないんですね(笑)。
松田
佑芽は絶対に止まらないと思います(笑)。
長月
止まらないでしょうね(笑)。こんなふうに時系列を考えながらサポートコミュと初星コミュを見比べてみるとアイドルたちの成長が感じられたりもするので、初星コミュを最後まで読んだあとにサポートコミュももう一度読み直してみてください。いろいろな発見があると思います。
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──初星コミュにおいて、咲季は手毬、ことねとRe;IRISを結成し、佑芽は星南、美鈴とともにBegraziaで活動します。それぞれのユニットの印象を聞かせてください。
長月
『アイマス』シリーズが好きな私からすると、Re;IRISというセンターユニットはかなり異色だと感じました。
松田
我が強いというか、すごい人たちのユニットですよね(笑)。
長月
本当にみんな我が強いんですよ! ユニット内でのセンターを誰にするかという話でも、3人全員自分がふさわしいと名乗りを上げますし、「なぜなら自分がいちばんかわいいから」と譲りません(笑)。そんな感じで3人とも最初はバラバラなように見えるんですけど、アイドルとして成功するためにほかのふたりを利用して成り上がってやろうという打算的なところが一致しているので、結果的に向いている方向は同じなんです。
──友だちとはまたちょっと違う?
長月
Begraziaはメンバーどうしがお互いのことを好きになっていく描写がありましたけど、Re;IRISはそれとはちょっと違うというか。友だちではなくて、あくまで仲間として認め合うような関係に近いのかもしれません。ただ、咲季は佑芽に対しては“友だちがたくさんいるお姉ちゃん”として見てほしいので、佑芽の前では手毬やことねを友だちだと言い張ると思います(笑)。
──ことねや手毬は否定しそうな気も……。
長月
ことねはひたすらに現実志向なので馴れ合いすぎない感じはありますね。逆に手毬はふたりを友だちだと公言することはなさそうですけど、モノローグでは彼女ひとりだけが「Re;IRISが大好き!」と叫んでいるんですよ。本当にかわいいです。
松田
佑芽からすると、お姉ちゃん以外のふたりは“お姉ちゃんが認めた人たち”。本当にすごい人たちなんですが……最近、私自身がちょっと佑芽に感情移入しすぎているのか、お姉ちゃんが手毬ちゃんやことねちゃんとしゃべっていたり歌っていたりすると、ちょっぴりモヤッとするんですよね……(笑)。お姉ちゃんにとって大事な人が増えていることにジェラシーを感じているのかもしれません。ソロで歌っているお姉ちゃんは本当にかっこよくて輝いているし、ああなりたいとも思うんですけど、『雨上がりのアイリス』を歌っている姿を見ると違う人のお姉ちゃんになっちゃったみたいな感じがして……。
──逆に長月さんからBegraziaで活動する佑芽を見たときも近い感覚になったりするんでしょうか?
長月
嫉妬とは少し違うかもしれませんが、似た感覚はあるかもしれません。これまでご飯やトレーニング、 マッサージなどのお世話をすることである意味では佑芽をプロデュースしてきた立場だったわけですけど、 昨年一番星(プリマステラ)を取った星南がプロデュースするBegraziaの一員になってしまって。それで佑芽がどんどん強くなっていくことにはモヤモヤを感じますね。
──なるほど……。
長月
初星コミュでは、Re;IRIS が初めてBegraziaに負けたときに「気づいちゃったんだ。あたしの世界がこんなに広いことに」と佑芽が目を輝かせるシーンがあって、実際にそこが佑芽にとってもブレイクスルーを起こすポイントでした。姉妹だけで競い合っていた彼女が新しいプロデュースを受けてみるみる成長していく姿に、やっぱり寂しさを感じたんだと思います。
松田
こうやってみるとBegraziaもすごく変わったユニットですよね。Re;IRISは全員自分がいちばんかわいいと思っているユニットという話が出ましたけど、Begraziaは全員ライバルであるRe;IRISのメンバーがいちばんかわいいと思っているので(笑)。初星コミュでもそれぞれのライバルのかわいいところを語る場面があって、一歩間違えたらストーカーみたいな集団だなって……。
長月
佑芽以外のふたりがとくに危ない(笑)。
松田
そうですね(笑)。でも、それぞれが違ったとてつもない才能を秘めているのは間違いありません。私の視点だとあんまり交わっている感覚はないんですけど、3人揃って強者のオーラみたいなものが漂っていると思います。
長月
Begraziaはそれぞれが個人の才能を極限まで伸ばして挑む感じですよね。それに対してRe;IRISは、ステージ内外で咲季がバランサーの立ち位置に回ることでほかのふたりをつないでいました。それこそ『雨上がりのアイリス』では手毬がメインで歌っているときにハモを担当して支えたり、ことねがメインでダンスしているときにサポートで入ったりすることで、うまいこと中和させているなという印象で。そこがBegraziaとの最大の違いなのかもしれません。
──『雨上がりのアイリス』はRe;IRISを象徴する楽曲です。最初に音源を聴いたときの感想はいかがでしたか?
長月
あの3人なのでどれだけ尖った曲がくるのかと構えていたら、めちゃめちゃ王道な曲がきて驚きましたし、なにより「アイマスっぽい!」って。一回負けてそれぞれが悔しい気持ちを味わって、とくに咲季は完全に折れてしまったところから立ち上がるための楽曲でもあったのかなと。それは“雨上がり”というワードにも表れていると思います。
──この曲で一度負けはしたものの、敗北が楽曲と紐づいてテーマを昇華させたような感じでしょうか?
長月
そうですね。「世界中巻き込んでいくよ」とか「今ここが世界の真ん中」といったフレーズにもあるように、敗北を経て成長した3人がアイドルとして楽しんでいることが伝わってきたのもよかったです。佑芽は「お姉ちゃんがいなくてもトップアイドルになりたい」と言ってくれましたけど、咲季も佑芽に勝つだけが目的じゃなくて、アイドルが楽しいということに気付いたように思います。
――変化や成長が歌詞に乗っていると。松田さんから見た『雨上がりのアイリス』に対する印象も教えてください。
松田
私もRe;IRISにはバチバチにかっこいい曲がくると想像していたのでビックリしましたし、曲にチーム感があって驚きました。3人が輪になって歌っている感じがしましたし、そのバランスを取っているのがお姉ちゃんで……だから、私は嫉妬したんです! これはもう、浮気ですよ(笑)。
――対して、Begraziaの『Star-mine』は個の強さを感じさせる楽曲に仕上がっています。
松田
最初に聴いたときにめちゃめちゃかっこいいって思いましたし、これまでの佑芽は元気な曲ばかりだったのでどう歌えばいいのかなと気になって。最初は佑芽らしく元気に歌ってみたんですけど、「佑芽が星南会長やお姉ちゃんっぽくかっこよくしてみた感じで歌ったらどうですか?」というディレクションをいただいたんです。やっぱりかっこいい曲を歌うアイドルといったら、佑芽の中ではお姉ちゃんが浮かぶと思うので!
長月
私が『Star-mine』を聴いたときに気になったのは、出だしから佑芽がぜんぜん歌っていないことです。「いつになったら佑芽がくるんだ!」とずっと待っていたら、サビ前にめちゃめちゃかわいい佑芽のパートがきて……。しかも、2番の最初でバチバチにラップしていて、本当に最高でした! 咲季が「佑芽、かっこいいじゃない!」と声をかけたときの気持ちがよくわかりました(笑)。
――5月開催のライブ“The 1st Period”で皆さんの楽曲が披露されるのを楽しみにしているプロデューサーも多いかと思います。ライブに向けての想いを聞かせてください。
長月
あーやも含めた12人でいっしょにステージに立てるのが本当に幸せです! もちろん緊張する気持ちはあるんですけど、アイドルたちや『学マス』というコンテンツに対する愛情を込めて最高のステージを見せられるようにがんばりたいなと思います。
松田
みんなと違って私はずっとお休みさせてもらっていたので、 ステージに立たせてもらえるだけでうれしいです。 プロデューサーさんたちの前で佑芽としてのパフォーマンスをすることに対する緊張はあるんですけど、私ががんばることでもっともっと皆さんに佑芽を好きになってもらいたいなという気持ちが強いですね。
長月
初陣公演のときも佑芽がいかに愛されているのかがステージまで伝わってきたので。あのときは佑芽のプロデューサーさんたちにぜひグッズやコンサートライトを持ってきて応援してほしいと呼びかけたんですけど、本当に多くの方が掲げてくださったんです。ぜひあーやにもあの景色を見てほしいなって。
松田
見られるかな……。
長月
緊張する部分はあると思うけど、佑芽が愛されていることは私がよく知っているので大丈夫!
――長月さんの経験からしても、プロデューサーの応援は力になると。
長月
緊張も解けますし、愛されていると実感できるとそれが自信につながるんですよね。
松田
わかります……。サービス開始までの準備期間は私が佑芽のことをいちばん愛して理解しているという気持ちがあったんですけど、この1年間でそんな佑芽がたくさんのプロデューサーさんの愛の対象になれたことが本当にうれしくて! 感謝はもちろん、佑芽の素敵なところをもっともっと表現できるようになりたいという前向きな気持ちにもなるんですよ。
――佑芽の元気な声を聴くと、自分も元気になるというプロデューサーも多いかと。
松田
そう言ってもらえると励みになります。じつは最近、4歳の子から「佑芽ちゃんが大好きです」というお手紙をもらいました。そんなちっちゃい子にまで佑芽ちゃんの魅力が届いていると思うと本当にうれしいです。
――佑芽は小さい子にも訴求力のありそうなアイドルですよね。歌番組のお姉さんなども似合いそうですし。
松田
たしかにそうかも。佑芽がいろいろな人の元気の源になっているというのはありがたいし、もちろん私自身も佑芽からたくさん元気をもらっています。
――今後、こんな展開があったらいいなという展望はありますか?
長月
花海姉妹で歌ってみたいですね。
松田
そう、姉妹の曲がほしい!
長月
じつはこの対談の前にもどんな曲がふたりで歌えたら楽しそうか話していました。
松田
私たちの勝手なイメージですけど、かっこいいお姉ちゃんのパートと元気な佑芽のパートが続いて、サビでちょっとエモくなるような曲だったらいいなって。
長月
「ふたり並んだら最強だよね」みたいなメッセージ性がある曲が合いそうな気がします。もしくはめっちゃ電波ソングに振り切ってみるのも意外性があっておもしろいかも。あんきら(※『アイドルマスター シンデレラガールズ』の双葉杏と諸星きらりによるユニット)みたいな感じで。
一同 わかる……!
長月
ですよね(笑)。そんな感じで私たちもいろいろ想像しちゃうんです。
――ふたりでユニットを組むならどんな衣装が似合いそうだと思いますか?
長月
ふたりとも赤系統だから衣装もそうなるのかな……。
松田
かわいい系もかっこいい系も似合うので、なんでもいいと思います。
長月
そうだよね! 似合いそうな幅が広いので、私たちもいくらでも妄想できちゃって。
松田
いつも話が広がりすぎて止まりません。
――お互いのソロ曲を交換して歌ってみたいという気持ちは?
松田
うーん……。少なくとも『Fighting My Way』をお姉ちゃん以上にかっこよく歌うことはできないかなって(笑)。
長月
私も『The Rolling Riceball』をあんなにかわいく歌えるのは佑芽だけだって思っていますよ!(笑)
松田
お互いにリスペクトしかないから交換するのはちょっと難しいかも……。でも、『The Rolling Riceball』を姉妹で歌ってみたいという気持ちが私のなかにはあります。この曲はお姉ちゃんのことを想像しながら歌っている曲でもあるので、いっしょに歌ったらすごく楽しそうだなと!
長月
そう言われると、たしかに歌ってみたい気もしてきた! 咲季の曲で、ふたりで歌うとしたらやっぱり『Boom Boom Pow』がいいのかな。ポップでかわいいから佑芽にもピッタリだと思います。
――夢が広がりますね!
長月
はい。私たちも姉妹の楽曲を心から熱望しているので、“こんな楽曲を歌っている花海姉妹が見たい”という妄想をプロデューサーさんたちも声にして届けてください。もしかしたらそれを拾ってくれるスタッフさんがいるかもしれないので(笑)。
松田
それなら私も……! 個人的には花海姉妹としての活動がもっとあったらうれしいです。いまよりももっともっとたくさん。あと、同じ補習組である倉本千奈ちゃんと篠澤広ちゃんとの楽曲もほしいです!
――補習組のユニット曲は楽しそうですよね。
松田
あの3人のシーンを演じるときは、お姉ちゃんといっしょのシーンとはまた別の楽しさがあって。とにかく自由というか、何をやっても誰も止められない空間なので、どんな展開になるのか予想がつきません。これから先、3人がどんなことをしでかすのか、私自身もワクワクしています(笑)。
――最後にプロデューサーに向けてひと言メッセージをお願いします。
長月
初星コミュのクライマックスで姉妹の絆がものすごく深まったところなので、ふたりがこの先、どんな風に競い合って、そしてどんなアイドルになっていくのか、私たちもまだ何も知らされていません。これからもたくさん愛されるようにがんばっていくので見守っていただけるとうれしいです。
松田
私にとっても『学マス』や佑芽は大切……というか、大切という言葉でまとめるのが嫌なぐらい特別なもの。なので、これからもずっとずっと愛していただけるとうれしいです。 最初はお姉ちゃんを越えるという夢をひたすら追っていた佑芽ですが、アイドルが大好きだということに気付いてものすごく成長しました。これからの佑芽がどうなっていくのか私も本当に楽しみです。
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週刊ファミ通2025年5月22日号(NO.1897/2025年5月8日発売)では、『学園アイドルマスター』1周年を記念した特集記事を掲載。ファミ通.comで募集したアンケートの結果発表なども行っているので、こちらもチェックしてほしい。
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