
スクウェア・エニックスから2024年10月30日に発売されたNintendo Switch(※)、プレイステーション5、Xbox Series X|S、およびPC用ソフト『Life is Strange: Double Exposure(ライフ イズ ストレンジ ダブルエクスポージャー)』。
※Nintendo Switch版(ダウンロード版)は2024年11月20日発売。広告
本作は、スクウェア・エニックスより発売されているアドベンチャー『ライフ イズ ストレンジ』シリーズ最新作。第1作の主人公マックスが再登場する。
バーモント州北部にある名門カレドン大学で講師を務めているマックスは、あるとき、親友サフィの死を目撃する。そのショックからか、殺されたはずのサフィが生きている世界に移動できる不思議な力が覚醒。マックスはサフィが死んだ世界と彼女が生きている世界を行き来し、事件の真相に近づいていく――。
第1作とはまた異なる作品になっており、シリーズ未経験者も前作を気にすることなく楽しめるアドベンチャーゲームとなっている。
そんな本作を開発したスタジオ、Deck Nine Gamesのキーパーソンに本作についてメールインタビューを行った。回答してくれたのはディレクターのJonathan Stauder(ジョナサン・シュタウダー)氏と、ナラティブディレクターのFelice TzehueiKuan(フェリス・ツェフェイ・クアン)氏。回答には開発秘話もあり、読めば本作がもっと好きになるはず。
Jonathan Stauder 氏(ジョナサン・シュタウダー)
ゲームディレクター。文中はジョナサン。
Felice Tzehuei Kuan 氏(フェリス・ツェフェイ・クアン)
ナラティブディレクター。文中はフェリス。
――ディレクターのJonathan Stauder氏やナラティブディレクターのFelice Tzehuei Kuan氏は、これまでDeck Nine Gamesが手掛けた『ライフ イズ ストレンジ ビフォア ザ ストーム』や『ライフ イズ ストレンジ トゥルー カラーズ』にも携わっていたのでしょうか? また、これまでどんなゲームに携わってきたのか教えてください。
ジョナサン
『ライフ イズ ストレンジ』シリーズには本作で初めて携わりました。過去にはTelltale Gamesで『テイルズ・フロム・ザ・ボーダーランズ』や『マインクラフト: ストーリーモード』と言った作品にディレクターとして携わりました。
フェリス
Deck Nine Gamesが『ライフ イズ ストレンジ』シリーズの開発に携わったころから同社に勤めています。『ライフ イズ ストレンジ ビフォア ザ ストーム』ではスタッフライター、『ライフ イズ ストレンジ トゥルー カラーズ』ではシニアスタッフライターを務めました。
マックスを登場させるにふさわしい物語とゲームプレイがようやく実現
――今回はシリーズ第1作のヒロイン、マックスが再び登場します。彼女の再登場はこれまでファンからの要望も多かったと思いますが、どういった経緯でマックスのその後を描く物語をDeck Nine Gamesが手掛けることになったのでしょうか。
ジョナサン
1作目の発売以降、「マックスのその後を見たい」という声がファンと開発者の両方からあがっていました。しかし、彼女を再び登場させるには、ふさわしいストーリーとゲームプレイの組み合わせが必要だと思い、それを生み出すまでに長い時間を要しました。
ふたつの時間軸を行き来するマックスの新しい力は、マックスの心に暗い影を落とす過去のトラウマを描き、彼女に前へと進む機会を与えてくれたと思います。
――ふたつの世界を行き来して問題を解決する、というアイデアはどういったところから出てきたのでしょうか。
ふたつの時間軸を行き来するマックスの新しい力は、マックスの心に暗い影を落とす過去のトラウマを描き、彼女に前へと進む機会を与えてくれたと思います。
――ふたつの世界を行き来して問題を解決する、というアイデアはどういったところから出てきたのでしょうか。
フェリス
このアイデアは、1作目の『ライフ イズ ストレンジ』におけるふたつの重要な要素から着想を得ました。
ひとつは選択です。1作目では、マックスはあらゆる選択の結果を比べてから最終的な決断を下すことができました。私たちはそこから、最終的な決断を下した後の結果を並行して見ることができたらどんな体験になるだろうかと考えたのです。その考えは物語とゲームプレイの双方にいい影響をもたらすことができたと思います。
ひとつは選択です。1作目では、マックスはあらゆる選択の結果を比べてから最終的な決断を下すことができました。私たちはそこから、最終的な決断を下した後の結果を並行して見ることができたらどんな体験になるだろうかと考えたのです。その考えは物語とゲームプレイの双方にいい影響をもたらすことができたと思います。
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フェリス
もうひとつは、人間の本性の複雑さです。『ライフ イズ ストレンジ』シリーズは、矛盾する面も含め、人間の隠された側面を描く作品です。本作では並行世界を行き来し、各キャラクターの異なる側面と交流することで、プレイヤーにその複雑さを体験してもらえるように作られています。
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――並行世界を行き来することで混乱しそうになったのですが(笑)、ゲームを開発している最中に混乱しそうになったり、物語が破綻しそうになったりなど、並行世界を描くことでの苦労などありましたか?
フェリス
もちろん! よく混乱しては冗談の種にしていました。一生懸命考え抜いたアイデアが、時間軸の関係で破綻したときはスクリーンショットを撮って集めたりもしましたね。
それと同時に、ふたつの時間軸にまたがる本作の物語には、現実的な要素と超自然的な要素の両方があるという、その複雑さも魅力であると感じていました。
それと同時に、ふたつの時間軸にまたがる本作の物語には、現実的な要素と超自然的な要素の両方があるという、その複雑さも魅力であると感じていました。
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ジョナサン
ほとんどの俳優が、それぞれふたつのバージョンのキャラクターを演じなければなりませんでした。モーションキャプチャーの際は、キャラクターの演技を適切に調整するために、どの時間軸のシーンを撮影しているのかつねに把握しながら臨んでいましたね。選択によって変化するシーンを同じ日に撮影することもよくありました。
――初代『ライフ イズ ストレンジ』といえば、最後の選択肢によるエンディングの違いが話題となりました。本作の未来がそのどちらの未来かは気になりましたが、プレイヤーの納得のいく形でした。
――初代『ライフ イズ ストレンジ』といえば、最後の選択肢によるエンディングの違いが話題となりました。本作の未来がそのどちらの未来かは気になりましたが、プレイヤーの納得のいく形でした。
ジョナサン
『ライフ イズ ストレンジ ダブルエクスポージャー』では、プレイヤーの選択が反映され、“あなたの”マックスの物語を続けることができます。これは1作目の選択を尊重すべきだと我々は考えていたからです。1作目の発売から数年が経過していますが、あの最後の決断が、その後のマックスの人生にどのような影響を与えたのかをプレイヤーは本作で知ることできるでしょう。
大人になったマックスは意図せず“クール”に。だが……
――大人になったマックスは変わったところ、変わっていないところがあります。今回では彼女をどんな女性として描こうとしましたか? オタク気質なところは変わっていない、というかむしろ以前よりオタク度は増しているように感じました(笑)。
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フェリス
私たちもマックスのオタクぶりが大好きで、彼女の個性の中核を形成するものだと考えています。1作目の『ライフ イズ ストレンジ』では、マックスはシャイな性格で、そのオタク気質のせいで「ダサい」と思われることを心配していました。
しかし本作においては、彼女は意図せず“クール”になっています。まわりの目に映る彼女は、少しエッジの効いた美学を持つ若いプロの写真家であり、学生たちのお手本であり、自分の過去について多くを語らない神秘的なオーラを放つ人物なんです。
変わらない部分として、彼女はいまだに人を遠ざけるくせがあり、他人から孤立する傾向にあります。加えて、彼女は相変わらず内省的で、自分の行動に対して多くの罪悪感を背負っており、そういった部分が本作のシナリオの焦点にもなっています。
――シリアスな物語は選択肢によってさまざまな変化を見せます。エモい音楽も含め、本作でも『ライフ イズ ストレンジ』らしさを守りつつも、シリーズも数を重ね、プレイヤーに飽きさせないように変化も求められると思います。そうした中で、本作で新たにチャレンジしたことはありますか?
しかし本作においては、彼女は意図せず“クール”になっています。まわりの目に映る彼女は、少しエッジの効いた美学を持つ若いプロの写真家であり、学生たちのお手本であり、自分の過去について多くを語らない神秘的なオーラを放つ人物なんです。
変わらない部分として、彼女はいまだに人を遠ざけるくせがあり、他人から孤立する傾向にあります。加えて、彼女は相変わらず内省的で、自分の行動に対して多くの罪悪感を背負っており、そういった部分が本作のシナリオの焦点にもなっています。
――シリアスな物語は選択肢によってさまざまな変化を見せます。エモい音楽も含め、本作でも『ライフ イズ ストレンジ』らしさを守りつつも、シリーズも数を重ね、プレイヤーに飽きさせないように変化も求められると思います。そうした中で、本作で新たにチャレンジしたことはありますか?
ジョナサン
新しいゲームエンジンへの切り換えはつねにチャレンジです。本作はシリーズで初めてUnreal Engine 5を使って開発しました。『ライフ イズ ストレンジ トゥルー カラーズ』で培ったパフォーマンス・キャプチャーのノウハウのすべてを活用した結果、キャラクター・アニメーションの忠実度はさらに高まり、環境、ライティング、オーディオのすべてを高品質に仕上げることができました。
マックスという人物と彼女の過去に敬意を払いながら作り上げた新しい物語
――『ライフ イズ ストレンジ』シリーズは動物が何かしらを暗示していたりしますが、フクロウも何かを暗示しているのでしょうか?
ジョナサン
フクロウが登場したシーンはぜひ注目してみてください。その存在は、注目すべき何かが起ころうとしていることを暗示しているのかもしれませんよ。
――個性的な登場人物(どいつもクセが強くて怪しい)が多いような気がするのですが、キャラクター作りで意識したところ、こだわったポイントなどは何かありますか?
――個性的な登場人物(どいつもクセが強くて怪しい)が多いような気がするのですが、キャラクター作りで意識したところ、こだわったポイントなどは何かありますか?
ジョナサン
私たちは、サフィの死がそれぞれ異なる理由で、各キャラクターに多大な影響を与えたことを描きたいと思っていました。結果的に、マックスが関わるそれぞれのキャラクターには、並行世界ごとに異なるバージョンが存在することになったのです。このバージョン違いのキャラクターたちは、同一人物でありながらまったく別の人物のように感じられると思います。
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フェリス
主要キャラクターの多くは、何らかの形で疎外感を感じており、客観的に見て非合理的な行動を取ります。私たちは多様性に富んだ開発チームとして、あまりにステレオタイプな悪役や、意識的に完璧すぎるキャラクターではなく、疎外されたキャラクターをもっとおもしろくメディアに描いてほしいと願ってきました。本作では、間違いを犯し、現実的で現代的な社会からの圧力を感じている、非常に人間的なキャラクターを描く機会に恵まれたので、とてもうれしかったです。
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――最後に『ライフ イズ ストレンジ ダブルエクスポージャー』の見どころやイチ推し、ゲームファンにアピールしたいところを教えてください。
ジョナサン
本作の物語が完成するまで、本当に紆余曲折ありました。先行プレイで公開されたチャプターだけでも、あっと驚く要素がたくさんあるはずです。マックスというキャラクターと彼女の過去に敬意を払いながら作り上げた新しい物語を、プレイヤーの皆さんに楽しんでいただけたら心よりうれしく思います。
フェリス
本作の開発チームの情熱と決意は本当にすごいものでした。本作は私たちにとって個人的な思い入れもあるので、完成した作品をとても誇りに思います。
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