
全世界規模で人気を博するオープンワールドRPG、『The Elder Scrolls』(エルダー・スクロールズ)シリーズ。タムリエル大陸を舞台にしたハイファンタジー作品として、多くのプレイヤーを魅了している。
現時点では『The Elder Scrolls V: Skyrim』(エルダー・スクロールズV:スカイリム)が最新作となるが、『The Elder Scrolls VI』が開発中であることは、ご存じの通り。
そんな『エルダー・スクロールズ』シリーズ初のオンラインゲームとなる『The Elder Scrolls Online』(エルダー・スクロールズ・オンライン、以下『ESO』)は、2014年4月よりサービスが開始された。そう、2024年は『ESO』10周年を迎えた記念すべき年なのだ。
現時点では『The Elder Scrolls V: Skyrim』(エルダー・スクロールズV:スカイリム)が最新作となるが、『The Elder Scrolls VI』が開発中であることは、ご存じの通り。
そんな『エルダー・スクロールズ』シリーズ初のオンラインゲームとなる『The Elder Scrolls Online』(エルダー・スクロールズ・オンライン、以下『ESO』)は、2014年4月よりサービスが開始された。そう、2024年は『ESO』10周年を迎えた記念すべき年なのだ。
広告
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/9264/a50de81c733e365fd2c796be636ed1270.jpg?x=767)
国内では、PC向けの日本語版がDMM GAMESのサービスで2016年より始まり、2023年11月にはプレイステーション5(PS5)/プレイステーション4(PS4)/Xbox Series X|S/Xbox One向けの日本語版が、ベセスダ・ソフトワークスより発売。いまでは全世界で2100万人を超えるプレイヤーが『ESO』を楽しんでいる。
さらに、2024年6月に10周年を飾る大型追加コンテンツの新章『Gold Road』(ゴールドロード)が発売された。
さらに、2024年6月に10周年を飾る大型追加コンテンツの新章『Gold Road』(ゴールドロード)が発売された。
本作の舞台は、『The Elder Scrolls IV: Oblivion』(エルダー・スクロールズIV:オブリビオン)に登場したシロディールの西、ゴールドコーストの東に位置するウェストウィールド。
前章『Necrom』(ネクロム)からその存在がほのめかされていた、忘れられしデイドラ公・イセリアの復活を巡る物語が展開する。
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/9264/a1aa1d6bc5dea732eda9eac30569eb009.png?x=767)
新たなゾーンや謎、試練などがふんだんに登場しているが、その中でも注目なのは“書記”システムだ。簡単に言うと、各武器のスキルラインなどに“書記”用の新たなアビリティが登場し、プレイスタイルに合ったスキルを柔軟にカスタマイズできるようになるもので、好きなようにキャラクターのビルドを構築することが可能となる。
『ゴールドロード』の発売と同時に、第42弾のアップデートも実施され、ますます遊びやすく、より深く拡張された『ESO』。そこで今回は、『ESO』の開発を手掛けているZeniMax Online Studiosのゲームディレクターであり、開発初期から参加しているMatt Firor(マット・フィロール)氏の国内メディア独占インタビューをお届けする。
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/9264/a08aedf00ef6b52ce1c2b39c2056645ca.png?x=767)
マット・フィロール
30年以上にわたってゲーム開発に従事。2001年にMythic Entertainmentより発売され、世界中に熱狂的なファンを生み出したMMORPG『Dark Age of Camelot』(ダーク・エイジ・オブ・キャメロット)を開発。2007年にZeniMax Online Studiosに加わり、『ESO』のゲームデザイナー・ゲームディレクターとして現在まで開発をけん引。ZeniMax Online Studiosのスタジオ・ディレクターも務めている。
『ESO』最大の魅力はコミュニティーです
――まずはマットさんが『ESO』にゲームディレクターとして関わるようになった経緯をお聞かせください。
マット
ゲーム業界に入ってもう33年以上になるので、短い時間ですべてをお話するのは難しいのですが(笑)、私が開発に携わったタイトルで言えば『Dark Age of Camelot』はご存じかもしれません。2003年ごろに日本でもプレスイベントを実施したので、そのときにファミ通さんとお会いしているかも(笑)。
――『Dark Age of Camelot』は通好みではありましたが、“Realm vs Realm”(勢力戦)などの挑戦が強い印象を残すMMORPGでした。
――『Dark Age of Camelot』は通好みではありましたが、“Realm vs Realm”(勢力戦)などの挑戦が強い印象を残すMMORPGでした。
マット
もう、ずっとマルチプレイヤー向けのオンラインゲームの開発に携わっていますね。Mythic Entertainmentを退社し、2007年にZeniMax Online Studiosの立ち上げから創設者(ファウンダー)のひとりとして参加して以来、『ESO』の開発に従事しています。
――『ESO』も10周年を迎えましたが、10年にわたって定期的にアップデートを実施し続け、いまも2100万人を超えるプレイヤーに愛されています。人気を維持できる理由は何だと思われますか?
――『ESO』も10周年を迎えましたが、10年にわたって定期的にアップデートを実施し続け、いまも2100万人を超えるプレイヤーに愛されています。人気を維持できる理由は何だと思われますか?
マット
理由は、ふたつあると思います。ひとつはコミュニティーを大事にしていることです。コミュニティーに対して、ゲームの開発に携わっている人間がコメントを発信する。ここにこだわっています。これは開発者のモチベーションにもつながることです。
ふたつめは、つねにゲームを改善し続ける姿勢ですね。『ESO』をプレイするには、最初に基本となる料金が発生しますが、月額料金などは不要で遊べます。また、そこまでレベルアップにこだわらなくとも、『ESO』の世界を堪能できる設計になっているので、プレイヤーそれぞれの嗜好に合わせて遊べる。これは、本作の魅力だと思います。
その魅力を維持し、コミュニティーの意見も取り入れながら、ゲームを改善する。これは大事なことです。“Xbox Games Showcase 2024”で公開した、10周年を記念するトレーラーには、“You Belong Here”というタイトルを付けたのですが、この「皆さんはこの世界にいる」というキャッチフレーズには、『ESO』だけではなく、ZeniMax Online Studiosとして“プレイヤーの皆さんが楽しめる世界を私たちは提供し続けます”というメッセージを込めています。
ふたつめは、つねにゲームを改善し続ける姿勢ですね。『ESO』をプレイするには、最初に基本となる料金が発生しますが、月額料金などは不要で遊べます。また、そこまでレベルアップにこだわらなくとも、『ESO』の世界を堪能できる設計になっているので、プレイヤーそれぞれの嗜好に合わせて遊べる。これは、本作の魅力だと思います。
その魅力を維持し、コミュニティーの意見も取り入れながら、ゲームを改善する。これは大事なことです。“Xbox Games Showcase 2024”で公開した、10周年を記念するトレーラーには、“You Belong Here”というタイトルを付けたのですが、この「皆さんはこの世界にいる」というキャッチフレーズには、『ESO』だけではなく、ZeniMax Online Studiosとして“プレイヤーの皆さんが楽しめる世界を私たちは提供し続けます”というメッセージを込めています。
――確かに、このトレーラーにはいつもの重厚なイメージはなく、すごくポップで幅広い層に届けようという意思を感じました。
マット
『エルダー・スクロールズ』というゲームは誰でも楽しめるというメッセージを届けたいということもありましたが、最近は『エルダー・スクロールズ』シリーズの世界を体験したいから『ESO』を遊ぶのではなく、ひとつのバーチャルな世界として楽しんでいるプレイヤーも多くなっています。
複数のプレイヤーでプレイできるカードゲームのような、ソーシャルな遊びも取り入れていますし、より幅広く気軽に楽しんでいただけたらうれしいですね。
複数のプレイヤーでプレイできるカードゲームのような、ソーシャルな遊びも取り入れていますし、より幅広く気軽に楽しんでいただけたらうれしいですね。
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/9264/a844f051c04955ed0a005dfd3d5aa4eeb.png?x=767)
――カードゲームのようなコンテンツが増え続け、世界はどんどん拡張されています。『ゴールドロード』ではついにウェストウィールドが登場しましたが、どのようにして新しい舞台や物語を決めているのでしょうか? たとえばフィールドのデザインで「これは『ESO』らしくないからNGだ」となるようなルールがあったり……。
マット
『エルダー・スクロールズ』の世界なので、モロウウィンドにロボットがいたら、もちろんおかしいですよね(笑)。ただ、『ESO』の時代設定は『スカイリム』の1000年前で、シリーズの中でももっとも古い時代となっています。そのおかげで、開発における自由度はかなり高いです。
ウェストウィールドは『オブリビオン』に出てきた地域ですが、『オブリビオン』で描かれた世界は全体のほんの一部であり、『ESO』においてはその枠をかなり拡張しています。『オブリビオン』の世界を基本に、そのイメージを損なうことなく新しい世界を作っていく。この点はつねに意識しています。
ウェストウィールドは『オブリビオン』に出てきた地域ですが、『オブリビオン』で描かれた世界は全体のほんの一部であり、『ESO』においてはその枠をかなり拡張しています。『オブリビオン』の世界を基本に、そのイメージを損なうことなく新しい世界を作っていく。この点はつねに意識しています。
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/9264/acaef79c665913f60e2512219eec074cd.png?x=767)
――『ゴールドロード』で個人的に気に入っているのが“書記”システムです。プレイヤーがスキルを好きなようにクラフトできるようになりましたが、スキルラインの構成はとても繊細なバランスの調整が必要ですよね。それをある程度プレイヤーが自由に構築できるのは、MMORPGでは挑戦となるコンテンツと思いました。
マット
確かに、このシステムを遊べるようにするのはたいへんでした。組み合わせだけでも4000通り以上は考えられますし、ひとつのクラスにつき約50種類のスキルラインを用意する必要がありましたから。おっしゃる通り、プレイフィールに直結する部分でもあるので、開発には時間をかけましたね。
ただ、書記システムはあくまでオプションであり、『ESO』の魅力のひとつである、深いカスタマイズをより楽しめるものです。ほかのプレイヤーと同じようなキャラクターで遊ぶのではなく、自分だけのカスタマイズで好きな技をくり出しながら冒険できるという、個性的な体験を提供する。これが、書記システムの目的です。
もちろん、さらなるバランスの調整は必要だと思うので、コミュニティーの皆さんからいただいたフィードバックを確認しながら、今後もブラッシュアップしていきます。
ただ、書記システムはあくまでオプションであり、『ESO』の魅力のひとつである、深いカスタマイズをより楽しめるものです。ほかのプレイヤーと同じようなキャラクターで遊ぶのではなく、自分だけのカスタマイズで好きな技をくり出しながら冒険できるという、個性的な体験を提供する。これが、書記システムの目的です。
もちろん、さらなるバランスの調整は必要だと思うので、コミュニティーの皆さんからいただいたフィードバックを確認しながら、今後もブラッシュアップしていきます。
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/9264/af63ea7aeeb546b075298aed6e84ce7f5.png?x=767)
――『ESO』を続けてきた10年の中で、いちばん印象に残っていること、もしくはいちばんうれしかったことは何ですか?
マット
とても難しい質問ですね……。たくさんあるのですが、いちばんとなると……やはり『ESO』のサービスが始まった日でしょうか。そこに至るまで、7年という長い時間をかけて開発を続けていましたから。
チュートリアルを終えて世界に飛び出していく多くのプレイヤーの姿を、私も見ていました。うれしくて、スクリーンショットを撮りまくって、いまでも大事に保管しています。初期装備を身に着けた皆さんが走り出していく姿は、脳裏に焼き付いていますね。
――プレイヤーも同じ気持ちだったと思います。
チュートリアルを終えて世界に飛び出していく多くのプレイヤーの姿を、私も見ていました。うれしくて、スクリーンショットを撮りまくって、いまでも大事に保管しています。初期装備を身に着けた皆さんが走り出していく姿は、脳裏に焼き付いていますね。
――プレイヤーも同じ気持ちだったと思います。
マット
そうだとうれしいですね(笑)。
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/9264/adfe32c83cd5607f84a33cdc20688fee5.png?x=767)
――では最後に、『ゴールドロード』をきっかけに『ESO』を始めるプレイヤーに、冒険のコツを教えてください。
マット
たとえば5人のプレイヤーに『ESO』の魅力は何かと訊いたら、5人が違う答えを返してくれると思います。『ESO』のプレイに正解・不正解はありません。仮に「このプレイはミスだ」と思ったとしても、それは間違いではないのです。
プレイのコツとして言えるのは、目的がなくともいいので、気軽に、ゆっくりとプレイすることです。また、『ESO』のコミュニティーはまさに“マジック”のようなもので、本作においていちばんの魅力と言えるかもしれません。何かわからないことがあったら、コミュニティーを頼ってください。皆さんの冒険を、私も楽しみにしています。
プレイのコツとして言えるのは、目的がなくともいいので、気軽に、ゆっくりとプレイすることです。また、『ESO』のコミュニティーはまさに“マジック”のようなもので、本作においていちばんの魅力と言えるかもしれません。何かわからないことがあったら、コミュニティーを頼ってください。皆さんの冒険を、私も楽しみにしています。
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/9264/a3ddb0839acbd588704a6d191e0a783fd.png?x=767)