セガのRGGスタジオが手掛ける、完全新作アクションドベンチャー『STRANGER THAN HEAVEN』(ストレンジャー ザン ヘヴン)。2027年1月15日の発売日からおよそ3ヵ月前となる10月某日、メディア向けのプレイ体験会が行われた。 当日遊べたのは「まだまだ絶賛ブラッシュアップ中です」というものではあったショービジネスに加え、最新にチューニングされたバトルや街歩きが堪能できるものになっていた。
本稿では、そんなプレイ体験会を経験し、筆者が感じたことを書き連ねていこうと思う。なお、ストーリーに関しても見どころがいくつかあったが、ネタバレをなくすためにもここでは詳細な解説は行わない。下記の記事などでその一端を確認できるので、もしよければそちらをチェックしいただきたい。
※記事内のボタン表記はXBOXコントローラーのものです。昭和初期の裏社会と言えば、抗争と芸能でしょう?(偏見)
筆者がかなり楽しみにしていた要素がショービジネスだ。本作はざっくり言うと、主人公である大東真がまだ若かった1915年から、1965年にいたるまで、およそ50年の裏社会での生き様を描くドラマ。その時代の日本では、“興行”が極道組織のシノギのひとつになっていた。それを作中の遊びにリンクさせるというのだから、期待度も跳ね上がるというもの!

これまでのRGGスタジオのタイトルでは、『龍が如く』シリーズにおけるキャバクラ経営や会社経営、土地を使ったマネーゲームなどはあったが、筆者の印象としては、興行主のほうがもっとヤクザ感が強いし、シノギ感も強い。そりゃあ、コーフンするってもんです! だって、ヤクザパワーで歌姫を生み出せちゃうんですよね?(ダメな言い方)
というわけで、ワクワク感Max状態で実際にショービジネスに触れてみたわけだが、そこはRGGスタジオらしく「おもしろい、そして難しくはない」というのが最初の印象。事前の情報で作曲や編曲の要素が紹介されていたので、多少の音楽知識が必要なのかと思ったけれど、まったくそんなことはなくて安心した。リコーダーより手前のピアニカやハーモニカで音楽から脱落している筆者が言うのでマジで大丈夫だっ!

なお、体験会はある程度下準備が済んだ状態のセーブデータでプレイしたので、本来はそれ以前に解説されるであろうチュートリアルや詳細についてはまだわからない部分もあるが、シノギである公演を行うための準備として下記の要素が必要なようだった。
- 歌手を確保する
- バンドマンを確保する
- 演奏する楽曲を作曲してもらう
- 編曲するための音源を集める
- 宣伝するための場所を探す
プレイしたデータでは、歌手とバンドマンはボチボチ揃っている状況。これは推測だが、ストーリーを進めたり、サブストーリー的なものをクリアーしたりして、歌手やバンドマンを集めることになるのだろう。
拠点で作曲を担当する人物に話しかけると、“作曲の相談をする”、“作曲家レベルを確認する”、“教本を渡す”という3つのコマンドが表示される。作曲家には “リラックス”、“アグレッシブ”などムードに対応するレベルがあり、そのレベルを上げることで該当するムードの編曲の幅が広がる、といった仕組みのようだ。ベースとなる曲自体をどのように増やすのかは不明だが、きっとこれもサブストーリーなどのクリアーで入手できたりするのではないだろうか。
1943年の大阪では、大東の弟分であるタカシが作曲を担当してくれる。まるで演じている藤原聡氏が編曲してくれるような雰囲気になるので、胸アツな人もいるのでは?

あちこちを歩いて“音”をディグれ!
歌手には歌える曲と歌えない曲があり、さらに公演によってどのムードの曲が客に求められているかも変わる。興行主としては、適切な場所で適切な曲を歌わせることがベストな選択となるわけだが、手持ちの歌手と曲では、客が求めるムードにならないようなときもあるはずだ。それをなんとかするために必要なのが、編曲時に欠かせない“音”だ。
街歩き中やバトル中、大東は気になった“音”を記憶できる。この“音”は、手持ち曲の各パートのムードを変更するために使われる要素だ。作曲家のレベルが一定以上で、かつ元の曲に対応する“音”を持っていれば、該当パートのムードを変更できるようになるという仕組み。つまり、すべてのパートのムードを客が求めるものに変えられれば、それだけ興行を成功させやすくなるわけだ。

すべてのパートを客のニーズに合わせたムードに染め上げれば、もともとの曲のムードがどうであれ成功間違いなし!?

作曲家のレベルが上がるごとに、特定の曲が解放されたり、新アレンジが追加されたりする。
そんな仕組みになっているがゆえ、街のあちこちで音を集めるというのは、興行主として重要な仕事になる。これが“いいアウトプットには、いいインプットが必要”ってやつですね!(聞きかじり)
音集めはある種のコレクタブル要素でもあるので、筆者はこの(開発陣曰く“ディグる”)作業にはちょっとハマりそうな気がする。同時に、時間泥棒な気配もするんだよなぁ……。

街歩き中にボタンを押してモノトーンの画面にすると、大東が気になる音がある場所がわかる。また同時に、周囲にあるアクセスできるものの位置や、敵の位置なども表示される。

バトル中に気になる音が出ることも! 操作は忙しくなるが、再現性が高い音なのかわからないので、できればその都度音を集めておきたい。なお、音を集めるほど、興行主としてのレベルも上がる。
もうひとつ事前準備で重要なのが、宣伝だ。どんなにいい興行をしても、人に知られなければ意味がない。街には、公演のポスターを貼れる場所がいくつかあるので、そこにポスターを貼るという地道な作業も必要だ。
また、街によってなのかもしれないが、目立つところに看板を掲げることも可能らしい。もちろん、そのためには看板の権利者との交渉が必要になる。いくら払えばいいのやら……。


ポスターを貼れる場所を発見。さっそく貼って興行力をアップさせよう。

看板を設置するための金額交渉。あんまりセコいと相手にされなくなりそう。
公演のプロデュースはビジネスマンの視点が大事!?
こうして準備が整ったら、いよいよ公演のプロデュースだ。公演はいくつかの公演計画書の中から選ぶ形で実施される。公演計画書は“どの歌手の公演なのか”を軸に、難易度や推奨興業力、チケット代の相場、売り上げ目標、客が求めるムードなどが記載されている。成功を収めるためには、適切な自身の興行力と歌手のレベルをしっかり上げ、適切なムードの曲を選ぶ必要があるだろう。

推奨興行力がLv.16の興行計画書。現在の興行力はLv.5、白井恵子もLv.5なので、たとえムードに合った曲でも成功を収めるのは難しそう。素直にほかの手堅い興行でレベルを上げてから挑んだほうがよさそうだ。
公演計画書を選んだら、幕開けまであとわずか。現地でバンドマンとチケット代、公演に使う演出を選ぶことになる。バンドマンたちの技術はギャラ相応。儲けの少ない公演にギャラの高いメンバーを選んでも得が少ないので、そこはバランス感覚が重要になるというわけだ。

バンドマンたちにどの楽器を演奏させるか選べる曲もある。楽器選択はムードに影響なさそうなので、高パフォーマンスかつ、自分が聴いて心地いいものを選ぶとよさげ。
演出は公演中にボタンを押して発動する、リズムアクション的な要素だ。興行力や歌手のレベルより難易度の低い興行なら、放っておいても成功するが、成功するのがギリギリの興行ではそうもいかない。最大3種類の演出を入れて、ボタン入力を成功させて、客をより盛り上げよう。演出の種類が多いほどボタン入力の難度は上がるので、いかに盛り上げられるかは、大東の腕にかかっている!

演出には散布演出、噴霧演出、特殊演出の3種が確認できた。

画面下のバーがボタンを押すタイミングなどを示すもの。演出を入れない公演であれば、入力の必要数はそう多くないので、余裕をもって公演を観られるはず。

3種類の演出を入れた場合、ボタンと方向キーの両方に入力操作が入り、忙しくなりがち。裏方のタイヘンさがこんなところでわかった気になれる。
公演自体はリズムアクション風味になるのだが、実際にプレイしてわかったのは、リズムアクションの成否よりも事前の仕込みのほうが圧倒的に重要だということ。体感だが、「どの曲をどんなムードで歌わせ、バンドマンに誰を選んでチケット代をいくらにするか」で9割方の成否が決まるような気がした。
そう、大東は歌手ではなく興行主なので、「まずは来場してもらって損しない」という視点が大事なのだ(たぶん)。そのうえで、興行主と歌手のレベルを高めていき、ファンと動員数を増やして最終的にはジャパニーズドリームをつかむんだ! ということらしい(最後は適当)。リズムアクションがあまり得意でない筆者的には、たいへんありがたいゲーム性だった。

詳細な条件は不明で、特定の曲のみではあるが、特別公演という形で公演のムービーシーンだけを観ることもできる。じっくり歌を聴きたいときはこれを選ぶといい。
武器の使い方がバトルを制するカギに!?
今回の体験会では、東京ゲームショウ2026などとは比べものにならないほど、たっぷりとバトルを味わうこともできた。既出の記事などでも紹介しているが、本作のバトルの操作は独特。右半身と左半身からくり出す攻撃を、コントローラーのR系とL系のボタンで制御する作りとなっている。これは武器を持っても同じことで、たとえば小型の武器を右手に持った状態であれば、右手が武器攻撃、左手が素手による攻撃になる。

威力はバツグンで、うまくすれば、周囲の敵を巻き込んだりもできる大型の武器。攻撃速度が遅いのと、ガードされたときの隙が怖いというリスクをどう考える!?
基本的に大型の武器はややスローだが与えるダメージは大きく、小型の武器は素早く攻撃をくり出すことが可能というバランスになっている。最速の攻撃手段は、武器を装備しない素手攻撃。ただし、与えるダメージは控えめだ。

攻撃で敵の気力を減らせば、LT+RT同時押しの攻撃(フィニッシャー)が可能になる。この攻撃が発動中はほかの敵に攻撃されない様子だったので、うまく使えばいい感じに立ち回れそう!

おそらくほぼすべての攻撃で、攻撃ボタンを長押しして離すと溜め攻撃をくり出せる。当たると気力を普段より多く減らせるので、うまく使いたい。

バトルでは位置取りも大事。楽勝っぽい敵でも、複数人に囲まれるとボコボコにされてしまう……。
バトルで頼りになる武器は、その種類によって乱打(金槌など)、急襲(ドスなど)、粉砕(ハンマーなど)、猛攻(日本刀など)という4つのスタイルに系統が分かれている。武器を使い込むことで該当するスタイルのレベルが上がり、レベルに応じたアーツを習得して使い勝手と強さがどんどん強化されていく仕組みになっていることもわかった。
バトルで自身のフィーリングに合った武器を使い倒して1点強化するのもよさそうだし、敵の動きや状況に合わせてフレキシブルに戦えるようにバランスよく武器を使っていくという戦略で大東を育成していくのもあり。このあたりはプレイヤーの好み次第になるだろう。

バトル中にサッと出せる武器は、装備した4種類に限られる。どんな武器を装備しておくかも重要だ。
そしてアーツを習得すると、さまざまな恩恵が! 一定以上のレベルになれば、左右のスティックを同時に押し込むことで、武器種に応じた特殊技をくり出すこともできる。ただし、特殊技を発動するには、攻撃や防御を成功させて溜まるアクションゲージを満タンにしなければならない。

特殊技は条件を満たせばメニューで開放できる。

体力・気力を表す円形のゲージの右にある四角いゲージが特殊技をくり出すためのアクションゲージ。
武器を鍛錬したり、各種アイテムを用意するのも超大事!
もちろん、武器自体を鍛錬(強化)することも可能。街歩きなどで拾える素材を店に持ち込めば、手持ちの武器をより攻撃力の高いものにランクアップさせられる。バトルで倒した敵から武器自体を手に入れることもあったので、戦えば戦うほど、手持ちの武器も充実していくはずだ。

今回のプレイでは手持ちの素材ですんなり武器を鍛錬できたが、いずれは必要な素材を集めることも必要だろう。

倒した敵にアクセスすると、お金やアイテムを奪える。勝手に懐に入ってくる『龍が如く』とは作法が違うところ。
また、飲食や喫煙も、バトルに大きく影響を与える要素となっている。基本的に体力・気力の回復は購入した薬や飲食物を使用することで可能だが、バトル中に使うと隙を作ることにもなる。また、喫煙は自身の能力を一時的に強化する要素になっているようだ。吸うタバコの種類によって強化できる内容が変わるので、バトルの前に一服しておくといいかもしれない。現実世界なら、バトルに勝った後に一服したいところだけれど!

回復アイテムなしでは勝てないバトルも。準備は周到に!

オルフェウスに自分好みに作る巻きタバコのよさを教えてもらう大東。喫煙者である筆者は、こういったシーンが出てくるたびに一服したくなるのでほとほと困った。現実世界では、吸わないに越したことはないです、ええ。
また、本作にはバトルに特化した闘技場のような場所も用意されている。今回プレイできたものに限れば、いずれもタイマンバトルで、武器の使用に関しても自由だった。相手を倒せば報酬のお金はもちろん、アイテムなども入手できるので、こういったところで大東の育成に励むのもよさそうだ。

街を練り歩きながらエンカウントする必要がないので、バトルのペースは格段にアップ。武闘派のアナタにはおすすめだ。きっとすごく強い敵も出てくるはずだし!
というわけで、本稿ではショービジネスとバトル周りについて筆者の気付いた点をあれこれ記したわけだが、端々で見られたストーリーもかなり魅力的だったことを付け加えておく。前述の通り、ここではあえて書かないけれど。
こぼれ話としては、呉編をプレイ中に「大東が急に金髪になっているなあ」なんて話を編集者としていたら、その場にいた阪本寛之プロデューサーに「金髪なのは、物語上でそれ相応の理由があるんですよ(ニヤリ)」なんて、めちゃ気になることを言われたり……!(冷静に考えれば、理由がない訳はないのだが)。
ともあれ、今回その一端を見せてもらえたショービジネスやバトルシステムを始めとして、ストーリー、キャスト、やり込み要素なども含めた全方位に対してヒキが用意されているところは、相変わらずのRGGスタジオといったところ。今回プレイさせてもらった体験版と同じものになるのかは定かではないが、11月14日からは新たなデモ版に触れられる全国体験会も実施予定なので、気になる方はぜひ足を運んでみてほしい。