2026年9月17日~20日まで開催された東京ゲームショウ2026(17日・18日はビジネスデイ。台風25号の影響で21日の現地開催は中止)。ノルウェーのゲーム開発会社による作品を展示するNorwegian Gamesブースでは、Kasedo Gamesがパブリッシングを手掛ける、海中を舞台にしたシティビルダー『Life Below』が出展されていた。

本作では、全海洋生物の4分の1が生息していると言われている“サンゴ礁”を育てていくことが目的。さまざまな種類のサンゴや海洋生物が息づく環境を整えながら、生命の失われた海に再び豊かな生態系を取り戻すことを目指していく。2026年5月26日にPC(Steam)で発売され、その独自性溢れる世界観とゲーム性は多くのユーザーを魅了。Steamレビューでは“非常に好評”の評価も得ている作品だ。
※この記事はKasedo Gamesの提供でお届けします。自分だけのアクアリウムを作り上げるようなシティビルダー
会場では、キャンペーンモードの一部を体験できた。本モードの難易度としては平和、リラックス、バランス、チャレンジの4種類が存在。段階が上がるごとに資源管理がシビアになり、さまざまな危険が待ち受けるという。

ゲームを始めると、クラゲとクリオネが合わさったような姿をしたタラッサが登場。このキャラクターが海を守る守護者であり、プレイヤーはタラッサを操作して海中の環境を整えていくことになる。

まずは“資源化”のコマンドで対象となる海の構造物を資源として収集。それをもとに、“サンゴマター”を生成する芽吹きサンゴや“パール”を生成する二枚貝を建築。手に入ったサンゴマターやパールを活用することで、海洋生物たちの居住エリアやエサを生み出して都市のような住みやすい環境を作り上げていく。

限られたプレイ時間ではあったが、海の生きものたちのかわいらしい姿と透き通った海中の光景、そしておだやかでやさしいBGMは癒し成分抜群で、にぎやかなTGS会場でも非常にリラックスしながら楽しめた。今後、ゲームが進むにつれてさまざまな海洋生物が集まるようになれば、自分だけのアクアリウムを作り上げるようなプレイ体験を味わえることだろう。

インタビュー:触れることの難しい冷水性サンゴ礁の魅力を味わってほしい
ここからは、本作の開発を務めるMegapopより、プロジェクトマネージャー/ディレクターのLise Hagen Lie(リーセ・ハーゲン・リー)氏へのインタビューをお届けしよう。幼いころから海が大好きだったというLise氏の本作への思いや、海洋生物学者にも協力を仰いだというそのこだわりぶりなどを聞いた。

Lise Hagen Lie氏(リーセ・ハーゲン・リー)
Megapop『Life Below』プロジェクトマネージャー/ディレクター
――『Life Below』を開発した経緯を教えてください。
リーセ
私は、以前からストラテジー要素にフォーカスしたシティビルダー作品が好きで、『Frostpunk』、『The Wandering Village~さまよえる村』、『スタークラフト2』などをプレイしてきました。一方で、ベースビルディングと拡張の要素も好きでしたので、海中の世界でこれをいっしょに遊べたらと思ったのが開発の経緯です。
――海中の世界がモチーフとのことですが、海中を舞台にした理由を教えてください。
リーセ
子どものころから海が大好きでした。そして、祖父が造船の仕事をしていて、大きな船だけでなく家族のボートも作ってくれたんです。それに乗って毎夏、地元のさまざまな島を巡って過ごしました。もしゲーム開発をやっていなかったら、海洋生物学者になっていたと思います。
あまり知られていませんが、ノルウェーには世界最大の冷水性サンゴ礁のひとつがあり、私はつねにこうしたシステムが世界中に存在することはとてもすばらしいと思っていました。
ただ、冷水性サンゴ礁は異なるタイプのサンゴで、非常に深い特別なところにあります。とても魅力的なのですが、アクセスが難しく、多くの人が体験できるわけではありません。そこでこのようなゲームがあれば、皆さんに少しでも体験してもらえるのではと考えました。
――それでは、本作ではノルウェーのサンゴ礁が表現されているのですか?
リーセ
いえ、世界中のさまざまなサンゴ礁をミックスしています。
――シティビルダーを海中という世界観に落とし込むに当たって注力した点を教えてください。
リーセ
まず、シティビルダーのキーとなるパーツは何かを検討し、つぎに海洋生物学者の助けを借りて、サンゴ礁のキーとなる要素を教えていただきました。そこから、このふたつをどのように組み合わせられるかを考えたのです。
たとえば、ゲーム中ではサンゴは岩に植えることはできますが、砂地には植えることができません。それは、実際のサンゴが硬い表面でしか育たないからです。これはプレイヤーにある制限をかけながら機会を提供することができるので、シティビルダーとしておもしろい要素になっているかと思います。

――ある種、海中についても学べそうです。
リーセ
教育ゲームとして作ったわけではないのですが、プレイした人が海に興味を持ってくれることを期待しています。何か新しいことを学んでもらえたらうれしいですね。
――海中のビジュアルが美しくて印象的ですが、どういった点にこだわりましたか?
リーセ
海中にいると感じてもらえることがとても重要で、そこには課題もありました。私たちが想像する海は青なので、ほかの色も青としっくりくるものでないとうまくいきません。またゲームプレイ要素の管理も必要でしたし、どんなカラーを使うかも課題でした。最初からすべての見た目について、極めて意図的なアプローチが必要でしたが、妥協せず取り組みました。
――本作のゲームプレイについて教えてください。
リーセ
本作にはふたつのモードがあります。ひとつはキャンペーンで、ナラティブ要素があり、タスクやミッションをこなしてサンゴ礁を拡張していきます。新しいゾーンをアンロックし、そこにサンゴ礁を構築し拡張します。
もうひとつはフリープレイ・モードで、ストーリーはありません。自由にサンゴ礁を育てていくことができます。
――キャンペーンモードでは、どのような物語が展開されますか?
リーセ
プレイヤーはサンゴ礁の守護者であるタラッサとして、大地の神・ガイアからサンゴ礁を生き返らせる使命を受けます。その過程では、さまざまな困難が待ち受けています。
私は、スタジオジブリの『もののけ姫』や『崖の上のポニョ』が大好きです。これらの映画は、ゲームのビジョンを考える上で影響を受けました。それは、自然は尊敬されるべきであり、自然は自身の声を持っているという考えかたです。

――そのビジョンがメッセージに込められているのですね。
リーセ
そうなっていることを願っていますが、楽しいことが第一です。カニやタコなど、さまざまな種の野生生物が自分の作ったサンゴ礁に来てくれるのは魔法のようで楽しいはずです。
――実際に遊んでみて、タラッサのがんばる姿やサンゴ礁の光景に癒されました。
リーセ
そういっていただけてうれしいです。本作でリラックスした感覚を持っていただけたらなと思っていました。海中でのゲームプレイを体験すると、瞑想している気持ち、ゾーンに入ったような気持ちになります。これはほかのシティビルダーでも同じですが、しっかりと表現することはとても大事にしていました。その中で、プレイヤーが望めば、難易度を上げて戦略的なチャレンジにも挑戦できるようにしています。
――開発には何年ほど費やしましたか?
リーセ
約3年半ですね。今年の5月に、ついにリリースできました。日本語にも対応しています。
――反響はいかがですか?
リーセ
本作のコンセプトをとても気に入ってくださっているようで、ポジティブな意見が多いです。プレイしたファンからは瞑想している気持ちになる、ほかのゲームとはアプローチが違うという感想を聞かせてくれました。
――続編やDLCの予定はありますか?
リーセ
現時点では本作のパッチを制作しているところです。ほかには、詳細はまだ発表できませんが、鯨保全団体、イルカ保全団体と協力して作っているDLCがあります。彼らは鯨とイルカの種の保全に努力しています。その思いに共感していますので、本DLCの収益は100%、これら団体に寄付する予定です。
――最後に、日本のゲームファンにメッセージをお願いします。
リーセ
これからも本作で探索を続けて、新しい遊びかたを見つけて楽しんでいただきたいです。ご意見もぜひお願いします。それをもとに、すばらしいゲームを作り続けていきたいと思います。