

対人ゲームだけど、一般的な対戦モノとは異なるルール
最大8人がぶつかる対戦ゲームであり、順位が設定されているので、やはり対人戦がメインであることに間違いはない。ただ、たとえば“他プレイヤーのキルはさほど重要ではない”とか、“デスしても時間以外のペナルティはない”などなど、直接的な戦闘は一部を除いて重要視されていないのだ。

世界観は吸血鬼モノで、プレイヤーは“血族”のひとりを操作することになる。ゴシックファンタジーが中心にありながらも、スチームパンクなメカは登場するし、アジア色の強いキャラクターがいるなど、バラエティー豊か。それらをダークなテイストでまとめて包み込んでいるところに、フロム・ソフトウェアらしさが光る。
アクションに関しては、『ダークソウル』シリーズや『エルデンリング』に通ずるものがありつつも、細かい部分でかなり異なる。観察と戦術が重要という根本のルールは同じだが、吸血鬼だからこそのアクションも満載で、慣れるほどに本作ならではの戦いが楽しめるようになっている。
それらのルールを解説しながら、実際に対戦を通して味わった感想を述べていく。システムとルールはやや複雑と感じる部分もあるので、順を追って説明していこう。

4つのフェイズで進む“黄昏の戦い”

マッチングや準備は“夜の館”という拠点で実施する。“夜の館”にはほかにもいくつかの機能があるようだが、テスト版では使用できない。また、館には訓練場があり、出撃前に中庭で墓守案山子を相手に操作やアクションを練習可能だ。
マッチングは基本的にソロのようだが、ふたりで出撃する“血盟”というマッチング方法もある。この場合、ふたり1組×4チームの戦いとなる。
8人がマッチングすると“黄昏の戦い”がスタート。“黄昏の戦い”は4つのフェイズに分かれており、制限時間に達するとつぎのフェイズへ進む。フェイズごとに下位のプレイヤーは脱落となり、最後のフェイズ4になると3人での決戦が展開される。
順位は“美徳”と呼ばれるスコアによって決まり、さまざまな行動から美徳を得て1位を目指すゲームになっている。美徳の取得方法は豊富。後ほどくわしく解説しよう。

フェイズ1
フェイズ2、3
フェイズ4
なお、1度倒されても1回だけ復活でき、2度倒されると敗北になる。また、フェイズ4までに得た美徳が多いほど、プレイヤーは追加HPが得られる。

美徳は鍵を握る重要なポイント
以下に美徳を獲得する方法を解説するが、これ以外にも得る手段は存在する。ふつうに戦っていても敵が美徳をドロップしたことがあったので、これらはあくまで戦いの指針・目標のひとつと言えるだろう。なお、美徳は1、6、10のように数字で表示される。また、各美徳の取得方法で手に入るスコアは変動する。簡単なものほどスコアが低い印象だった。
討伐の美徳
ただし、強敵との戦いは他プレイヤーが乱入してくる場合もある。トドメを刺したプレイヤーにスコアが入る仕組みなので、隠れていてトドメの瞬間だけ登場して美徳をかっさらう……なんてことも可能かもしれない。
侵略者との戦いは、周囲のプレイヤーと一時的なパーティーを組む形での共闘となる。侵略者の出現エリアに入ると共闘状態となり、ほかのプレイヤーには攻撃できなくなるので相打ちの心配は不要だ。侵略者を倒すと参加者全員に美徳などの報酬が配られ、そこから少し時間が経つと共闘状態が解除される。
誰かが侵略者との戦いを始めると、全プレイヤーに参加の有無を確認する通知が表示される。参加を了承したプレイヤーは即座に侵略者のもとへファストトラベルで移動。侵略者戦での活躍度などはとくに関係なく、戦闘が終わりそうなタイミングを見計らって参加しても、美徳などの報酬自体は手に入る。

灯の美徳
遺体を調べるだけでいいので点数自体はそこまで高くないが、探索のみで手に入るのは魅力。戦闘を仕掛けたにも関わらず、対戦を無視して相手が遺体に火を灯すと、「ああ、戦おうとしたのに美徳を獲られた!」と思ったシーンも。
烙印の美徳
本作においてかなりユニークなシステムであり、ロールプレイをさらに深める役割を担う要素だ。挑戦しなくてもいいが、達成できたら勝利が近づくので、率先してこなしたいところ。ネットワークテスト版では以下の烙印が用意されていたが、製品版ではもっと数があるそうだ。
“宿敵”の烙印は、いずれかのプレイヤーどうしが宿敵扱いとなり、相手を倒すと多くの美徳を獲得。宿敵はアイテムの香水を使うことで、ある程度どこにいるのかガイドが示される。近くに行くと“宿敵が近くにいる”的なメッセージも表示された。
“旧き友”の烙印は、いずれかのプレイヤーどうしが旧き友扱いとなり、巡り合って“同盟”(詳細は後述)を結び、ともにフェイズ4まで生き残ることが目標となる。旧き友どうしで侵略者を倒した場合は、通常よりも多く美徳を獲得できる。また、旧き友との同盟は破棄不可。
“ミュラルの眼”の烙印は、自身が異端審問官となり、毎フェイズごとに現れる“異端者”扱いとなったプレイヤーを倒すことが目標。逆に異端者扱いになったプレイヤーは、“ミュラルの眼”となっているプレイヤーを倒すことが目標になる。異端者かどうかは、エモート“我に開眼を”を使った後、他プレイヤーをロックオンすると判別できる。
“儚い恋”の烙印は、ふたりのプレイヤー同士が恋人となり、最終フェイズまで生き残ることが目標。香水を使うと、恋人の位置がある程度どこにいるのかガイドが表示される。そのプレイヤーのそばでエモート“花をどうぞ”を使い、花を受け取ってもらえれば恋人になれる。
烙印はプレイヤーのあいだに関係性を発生させ、ロールプレイをさらに深める要素と言えるだろう。

称賛の美徳
“血の牙”の称賛は、種類問わず敵を倒すことで得られる。とにかく周辺にいる弱い敵を倒すだけでもいいので美徳を得やすい。
“蒐集家”の称賛は、新しいアイテムを入手するたびに獲得できる。不要なアイテムでも探索で手に入れていくと上位に入りやすい。
いずれもリアルタイムで順位が入れ替わったときにアナウンスがある。敵プレイヤーと直接戦っていなくとも対戦に参加できるという、本作ならではのシステムだ。
儀式場の美徳
“剣の美徳”は、儀式場にいるほかのプレイヤーを倒すことで獲得できる。エリア内にプレイヤーがいれば率先して倒していくことになるので、儀式場は対戦が発生しやすいバトルエリアとなっている。
“誓約の美徳”は、儀式場に存在する、いわゆる占領エリアの“血族誓柱”に誓いを立てることで得られる。血族誓柱は最後に誓いを立てた者が美徳を得るので、ほかのプレイヤーが上書きして占領可能。この血族誓柱を守るために、戦いが発生することもあるだろう。

儀式場には“赤石”と“黄金石”といったアイテムが存在し、赤石を取ると剣の美徳をより多く獲得できる。黄金石は、誓約の美徳を多く獲得できるアイテムだ。どちらも片方しか所持できないので、プレイヤーのキルを狙うのか、それともエリア占領を重視するのかで選ぶことになる。
なお、一度でも儀式場に足を踏み入れると、儀式場の外に出ると継続ダメージが発生するようになる。ふらっと訪れてみたけど、やっぱりやめて出ていこう……みたいなことはオススメしない。
超人的な吸血アクション
操作方法
- -ボタン:血の力の確認
- +ボタン:情報画面の表示/長押しでジェスチャーメニューを表示
- ZLボタン:遠距離攻撃
- ZRボタン:強攻撃/長押しでタメ攻撃
- Lボタン:ガード
- Rボタン:通常攻撃
- Lボタン+ZRボタン:叫び
- ガード成功時にRボタン:ガードカウンター攻撃
- Lスティック:移動/押し込みでダッシュ
- Rスティック:カメラ操作/押し込みでカメラリセット、ターゲット固定/解除
- Xボタン:血族技
- Yボタン:アクション
- Aボタン:回避/長押しでダッシュ
- Bボタン:ジャンプ/長押しで大ジャンプ
- 十字ボタン↑:黄金血の杭(HP回復)
- 十字ボタン→:使用アイテム切り換え
- 十字ボタン←:血族技切り換え
- 十字ボタン↓:アイテム使用
- Yボタン長押し:リンクメニューが開く
- Yを押しながら↑:同盟申請
- Yを押しながら→:ピンを打つ
- Yを押しながら←:観察視点
- Yを押しながら↓:眷属召喚/帰還
基本動作

Aボタンの回避はキャラクターによって性能が異なるが、基本的にはかなり長く、空中回避も可能。ビュンビュン飛び回れるような機動性になっている。
Lボタンのガードでシールドを展開すると、さまざまな攻撃を防げる。ガードに成功しすぎるとシールドが壊れてしまい、体勢が崩れて無防備になる点には要注意。なお、壊れたシールドは一定時間の経過で回復する。
いずれのキャラクターも専用の近接武器と遠距離武器を持っている。本作には装備変更の要素がないので、戦いが終わるまでその武器を使って戦い続けることになる。
近接攻撃は連打の効く通常攻撃、タメ押しで威力を強化できる強攻撃の2種類。攻撃にもスタミナは消費せず、通常攻撃は最終段が存在せず延々とループするので、ずっと攻撃し続けることも可能だ。ジャンプ中もくり出すことができる。
遠距離攻撃はそのキャラクターが装備した遠距離武器を使うので、性能はまちまち。リロード式の機関銃や、時間チャージ式のリングを相手に投げる、スコープを覗ける狙撃銃などなど、個性が現れる要素となっている。ジャンプ中も射撃できるので、大ジャンプしてから真下の相手を狙う……なんて立ち回りも可能だ。
回復には、敵などがドロップする“黄金血の杭”を使用する。いわゆるエスト瓶や聖杯瓶といったおなじみの回復アイテムとだいたい同じだが、それらよりも使用時の隙が大きいほか、回復量も少なめだった(強化する方法はある)。
吸血
そもそも背後に回って決められることが少なかったので、ステルスプレイで使えるというよりも、しっかりと体勢を崩してから仕掛ける攻撃という印象だ。

吸血に成功すると、さまざまな恩恵が発生する。とくに大きいのは、一般的な敵を魅了して、味方として戦ってくれるようにできること。味方にした敵はプレイヤーに付いてくるわけではないが、そのフェイズ中のみずっと味方となる。
中ボスのような敵と戦いたいときや自身の安全を確保したいときなどで味方を増やしておくと、そのエリアでの立ち回りがグッと楽になった。
叫び
相手の攻撃がこちらに届く瞬間に“叫び”をくり出すとジャストカウンター的な扱いとなり、相手の体勢を崩しやすいところがいちばんの使い道。体勢を崩す手段はいくつかあるものの、とりあえずジャスト叫びに成功さえすれば、強敵以外はだいたい吸血チャンスが訪れる。吸血をしたいならば叫びが重要と感じた。
血族技
一部のキャラクターは、だいたいレベル12になると解放される血族技を持っており、要するに超必殺技のようなもの。レーザービームを放ったり、巨大な蛇を召喚したりなど、ド派手な血族技も。
死亡からの復活
死亡後は、マップにある復活地点を選択することで何度でも蘇生可能。強敵の近くにリスポーンすることもあり、復活してはやり直すようなゾンビ作戦も可能だった。
美徳を集めるポイント
マップ
また、マップにはファストトラベルできる地点がいくつか存在し、各スポットの近くに移動できる。
ちなみに、各フェイズ開始時は、全体マップ内の3地点ほどの中からスタート場所を選ぶことになる。エフェクトなどでスタート地点に他プレイヤーが集まっていることもわかるので、人が多いところは避けて出撃するなど、開幕から読み合いが始まる点がユニーク。
プレイヤーのレベル
レベルが上がると全体ステータスがアップするほか、血族技が解放される場合もある。どのような状況でもレベルアップしておくことに越したことはないが、あくまで本作の目標は“美徳を得ること”なので、ただレベルを上げればいいというわけではない。レベルは経験値を得るだけで自動で上がっていくので、どこかのポイントに行く必要はない。
なお、本作の通常の敵(いわゆる雑魚敵)は弱めで、近接や遠距離武器で攻撃しているだけでもサクサク倒せる。そのため、経験値稼ぎに向いている存在と言えよう。まれにだが、美徳を1点だけ落としてくれる場合もあった。

眷属との契約
眷属は頼れる仲間だ。筆者はまず眷属と契約し、それから自己強化を図ることで安全に立ち回れたので、かなり重要な役目を担っていると考える。フェイズ4の三つ巴戦では、じつのところ眷属も合わさって3人&3体バトルになることも多かった。
眷属にもレベルがあり、戦闘や探索で経験値を得ることでステータスが強化されるほか、新たな技や能力を得ることもある。
眷属の魔法陣は“輪”、“刃”、“瞳”の3種が用意されており、その種類ごとにランダムな眷属が出現する。魔法陣の上に描かれた紋章でそのタイプを確認可能だ。プレイスタイルに合わない眷属が現れても、魔法陣を再度調べることで再抽選される。
“輪”の魔法陣からは、プロレスラーのような見た目ながら歌でバフをかけてくれる“歌う男”、倒されてもなぜか復活するトリッキーな“不死身のマーロウ”、剣士系美女の“柊の姉妹、ニーア”が出現。
“刃”の魔法陣からは、レベルが上がると群れを成すオオカミ“モースの黒狼”、ゴシックな銃兵として活躍する“銃士ベアトリス”、強力な範囲攻撃を仕掛けてくれる“魔術師アヴェスター”が現れた。
“瞳”の魔法陣からは、少しクセがある眷属が登場する。範囲回復もしてくれるヒーラー“ガーゴイル”、足に車輪の付いた巨漢“暗君ヴァレンティウス”だ。暗君ヴァレンティウスは突進したり範囲攻撃を仕掛けたりと強力な技を見せてくれたので、今回の試遊ではよく呼び出していた。

血の力
回復アイテムの回復量を増やしたり攻撃力をアップしたりと、さまざまな効果を得られたが、1戦で得られるのは1~2個くらいという印象で、「うまく立ち回れば3~4個は取れるのかな?」といった具合。
血族技の強化
武器の強化
本作の属性はかなり強力。たとえば炎属性ならば、相手を燃やすと長時間に渡って徐々にダメージを与えることができた。
消費アイテムの利用
同盟を組む
同盟を結ぶとアイテム“団結のメダル”が手に入り、これを使うと同盟相手の近くにワープできる。手分けして行動したのち、終盤に力を合わせて戦うといった立ち回りがしやすくなるので、フェイズ2~フェイズ3の儀式場でとくに役立った。美徳が少なくて下位に甘んじている場合は、ほかのプレイヤーと下位脱出を目指すのもいいが、同盟を結ぶかどうかは慎重に選びたいところ。
各フェイズの終了時には同盟を破棄/維持するかを選択できる。ただし、破棄した側は最大HPの一部を同盟相手に譲渡することになるので自分は弱体化し、裏切った相手を強化する形になってしまう。
なお、同盟は出会ったプレイヤーをロックオンして申請するか、メニュー画面の“出会った血族”リストからも申請可能。この同盟は、決戦であるフェイズ4になると強制解除となり、最後はライバルとなる。
血盟マッチング
いわゆる“デュオ出撃”と呼ばれるような方式で、ソロとのマッチングはないとのこと。血盟マッチングでのフェイズ4は2対2のチーム決戦となる。
イベント
確認できたのは、いきなり空に飛行船が現れて、プレイヤーが空爆を要請できるようになるというもの。空爆はそのエリア全体をランダムに爆破していくので自分も巻き込まれる可能性があり、うかつに要請できないというハチャメチャなイベントだった。
ほかにも、他プレイヤーと位置が入れ替わる強制転移が発生する“ネルアーレの嵐”、血袋翁が大量発生して血族技を強化しやすくなる“血袋の祝祭”、フィールドに落ちた欠片を所持してフェイズ終了まで他プレイヤーに倒されないと美徳をもらえる“星の欠片”、建物にある鐘をいち早く鳴らした人に美徳が送られる“鐘は黄昏に響く”といったイベントを体験できた。
対戦をくり返してみて……
移動を駆使しつつ、探索とバトルでキャラクターを強化するのが基本で、フェイズ1はフェイズ2以降の戦いに備えるべく戦力を蓄えていくことになる。続くフェイズ2~フェイズ3で美徳を稼ぎ、上位を目指してフェイズ4を目指す。これはあくまで基本的な指針であって、ほかにもたくさんの選択肢が用意されているのが『ダスクブラッド』だ。
対人ゲームでありながら、プレイヤーキャラクターの育成が大事になってくること、時間制限のあるフェイズに分かれていることもあり、プレイに慣れてくるとソロで遊ぶ『エルデンリング ナイトレイン』に近い印象を受けた。そこまでのスピーディーさは要求されないが、うまく立ち回って美徳を稼がないとフェイズ2で脱落もありえる。
あえてほかのプレイヤーを狙ってキルを取りまくったこともあったが、キルを取るだけでは美徳を得られないので、勝利にはつながりにくい。キルを取りたいなら儀式場で戦うのが基本で、ほかの場所では利益が少ない仕組みになっている。
“強敵は倒した人が美徳を得る”という点を利用して、自分が削った強敵を狙ってくるプレイヤーもいるのは当然。そのときは強敵を守るかのように、相手プレイヤーを倒しにいくという、敵を守る不思議な行為を自覚しながらも対人戦に挑むことに……。この場面には、思わず笑ってしまった。
試遊会では何度か1位を取れたものの、自分がなぜ勝てたのかをイマイチ理解できなかったり、自分が多くの美徳を稼げた理由がわからなかったりもした。このあたりはもっとプレイを重ねていけば、自然と理解できるようになるのかもしれない。
全体的な印象としては、同盟やイベント、烙印などの要素が美徳を稼ぐ条件と絡み合って、かなり独特な対戦ゲームに仕上がっている。『エルデンリング ナイトレイン』もオリジナリティーのある協力ゲームだが、『ダスクブラッド』もほかのゲームにはない、どちらかというとアクションを通したボードゲームのような作りになっているので、クセはあるが理解できればメチャクチャに楽しいゲームになる。
気になるのは、対戦ゲームとしてかなりエッジのある鋭い作りにはなっていること。順位が低ければ容赦なく脱落になるので、そこに慈悲はない。また、キャラクターの性能によっては少人数での戦闘に向いていない場合もあるので、最終決戦が辛くなる場面もあるだろう。他プレイヤーとの直接戦うことがさほど重要ではないと言ったものの、やはり強敵との戦いなどでは、ある程度は立ち回れる必要がある。
なお、対人戦の立ち回りは試遊を通した限りでは、地上にどっしり構えて回避などで相手の隙を突くというより、多彩な空中行動を駆使して射撃戦をくり広げたり、遠距離攻撃で追い詰めてから近接攻撃をくり出したりと、射撃が重要となる印象を受けた。
キャラクターたちがピョンピョン跳ね回るので、近接攻撃を仕掛けるタイミングはなかなか難しい。“叫び”を決めると一気に大ダメージを与えられるので、近接攻撃を仕掛けるのがちょっと怖いと感じる場面もある。よりプレイに慣れていけば近接戦に持ち込む手段が見つかるかもしれないが、少なくとも試遊会では射撃が得意なキャラクターが人気で、かつ上位に食い込んでいた。
ちなみに、チュートリアルはかなり充実しており、フェイズ4までの流れをNPCとともに体験できるほか、儀式場や同盟などの特殊なポイントも実際に遊びながら理解できる。1度ではわかりにくい部分も、チュートリアルを遊ぶことで理解を深められたのはすばらしい取り組みだ。

キャラクター3名を解説
本記事で紹介するのは“アルバート”、“「血の手」のヤン”、“タン・ラン”の3名。ネットワークテスト版では6名が使用できるが、製品版では10を超えるキャラクターを予定しているとのこと。また、製品版とは武器・烙印・権能なども異なる模様だ。
アルバート
主人公系ということでオーソドックスなシンプルタイプかと思いきや、全体的に攻撃性能に寄ったアタッカーの印象。サーベルによる剣戟では早くもなく遅くもない、シンプルな斬撃をくり出せる。

機関銃はリロード式で、一度でも射撃するとバースト射撃のように一定間隔撃ち切るまで弾丸を発射する。射程は長く、発射レートもそれなりに高いので、かなり制圧力があった。また、ジャンプ中にも射撃できるので、弾をガンガンバラまきながら立ち回れるのが強力。
機関銃は、マガジンすべてを撃ち切るか、任意の操作でリロードできる。発射中は回避などで動作を中断(いわゆるキャンセル)できないが、撃った後に通常攻撃をくり出すと、専用の突進攻撃に。射撃で相手を止めるので近づきやすい。
血族技“血の刃”は、血の斬撃を相手に向かって飛ばす技。溜めれば貫通するので通常の敵を巻き込みながら攻撃できる。『エルデンリング』などにも同名の技があるが、それとは少し違い、連発もできるが、単発でも出せる貫通飛び道具といった感じだ。
血族技“ハイヤーンの光”は、アルバートがレベル12になると解放される。光線を照射する飛び道具で、ボタンを押し続けることで連続ヒットする、多段系のレーザーといった感じ。光線はかなり細く、人に当てるのは難しいが、巨大なボスには連続ヒットさせやすかった。
権能“ローリクの貴血”は、血の血族技の使用回数が強化されるパッシブスキル。ネットワークテスト版では“血の刃”の回数が増えるようだ。
権能“反逆者”は、体幹攻撃力が上昇するパッシブスキル。相手の体勢を崩すステータス能力だが、試遊では体感できるシーンはなかった。
「血の手」のヤン
武器は斧で、遠距離攻撃では左手から魔術の炎を火炎放射器のように飛ばす。斧はパワータイプのようなモーションでそこそこ重いが、威力は高め。火炎は遠距離攻撃としてはリーチが短いが、炎属性の継続ダメージを与えられる。

性能の説明だけではつかみどころがなかったが、実際に触ってみると対人戦が得意な性能を持ち、乱戦から1対1もこなせるバトル特化型の印象。
とくに左手の火炎攻撃は対人戦でかなり活躍した。火炎放射にはゲージを消費するが、時間経過でゲージが回復していく仕組み。飛び回りながら相手に粘着しつつ、チョロチョロと短時間でも炎を撒けば相手は動きにくくなり、かつ回復の隙も与えないという立ち回りができた。
血族技“瞬身”は、回避速度を一定時間上昇させるサポート技だ。通常の回避と違い、姿を消しながら回避する。瞬間移動とまではいかないが超高速ステップになるので、回避だけでなく相手を追い詰めるときにも使える移動強化の手段になる。
血族技“我が血に従え”は、ヤンがレベル12になると使用できる。斧を構えたのち、自分を中心に360度の広範囲を切り裂く強力な技となっている。出してしまえば、ヤンが攻撃されても剣戟自体は出続けるのが強みで、無理やり突っ込んで切り裂くことも可能。
攻撃範囲が広いので、集団戦ではとりあえず出しておくだけでも強い。空中で出すと地面に降りながら叩きつけて剣戟を飛ばすので、奇襲にも向いている。構え中は移動が可能だが、その速度は遅めだった。
権能“「血の手」の血継”は、自身がダメージを受けた直後に攻撃すると、減った体力を回復できるパッシブスキル。『Bloodborne』のリゲインや『エルデンリング』のマレニアの大ルーンのイメージに近いかも。
権能“血の君主”は、吸血で敵を仲間にしたとき、仲間の体力を回復しながら攻撃力も上昇させる、味方強化系のパッシブスキル。ただし、敵が味方になった後は自分とは戦えなくなるので、どれくらい強化されているのかはわからなかった。
タン・ラン
月輪の刃という2本のチャクラムを使用して戦う。近接攻撃はチャクラムで敵を斬りつけ、遠距離攻撃ではチャクラムを投げつける。リーチはそこまで長くないが、ホーミング性能が少しあるようで敵に当てやすい。投げた後は敵の攻撃を受けてもチャクラムが相手に届くので、相撃ちになることが多かった。

戦闘面では少し頼りない印象もあるが、敵から姿を消す能力を持っているので、コソコソと立ち回れるのがポイント。とはいえ、他プレイヤーからどのように見えているのかはわからず、ステルス能力の詳細までは不明だった。
また、姿を消せるが背後からアサシンのように狙うことはできない(そもそも近づくとステルスが看破される)ので、どちらかというと逃げるときに威力を発揮する印象を受けた。また、血族技を解放すると集団戦がやりやすくなるのは、このキャラクターの特性だろう。
血族技“暗月”は、一定時間自身の姿を消す技。敵に近づいたり、攻撃したりするとステルス状態は解除される。遠距離戦中なら、いきなり戦いの最中に姿を消すこともできるものの、「本当に相手には見えていないのかな?」と不安になることも多く、試遊ではあまり使わなかった。
血族技“マーマ・ナータ”はタン・ランのレベルが12になると解放される血族技で、大蛇を召喚し、グルリと回って範囲攻撃を仕掛ける。思ったよりもヒットさせるのが難しく、乱戦以外では回避されやすかった。
“マーマ・ナータ”はジャンプ中に出しても、地上に降りてから大蛇を召喚するので、基本は地上技と言える。また、呼び出したときにLスティックを前に入れておくと、大蛇が正面に首を伸ばして攻撃する、前方向へのリーチの長い技をくり出せる。こちらのほうが当てやすい印象だったが、いずれも外れると隙が大きくなるのが難点。
権能“暗月の娘”は、敵プレイヤーから距離が離れていると自動的に姿を消す能力なのだが、敵の視点から本当に消えているのかは未確認。敵に狙われにくくなるので、眷属といっしょに強敵と戦う際などに恩恵を感じられた。
権能“花嫁の蠱惑”は、吸血したときにその周囲の敵も丸ごと魅了して仲間にできるもの。ネットワークテスト版におけるタン・ランでは最大の魅力となっていて、吸血しにくい敵だろうと、その周辺の弱い敵を利用することですぐさま味方にできる。敵集団を丸ごと仲間にできれば、そのエリアはタン・ランの独壇場になると言っても差し支えない。
姿を消して安全に立ち回りつつ、周囲の敵や眷属を利用して戦うのがタン・ランのコンセプトなのだろう。フェイズ4の決戦時は、眷属はいるが通常の敵は出ないことを考えると、少し分が悪くなるかもしれない。

今回のネットワークテスト版試遊でわかったことは以上となる。事前の情報だけではわからなかったことが、実際にプレイして「こういうゲームだったのか」とかなり理解できる作品なのは確か。本記事で少しでもフロム・ソフトウェアの新たな挑戦の魅力が伝われば幸いだ。










