『ポケモンチャンピオンズ』プロデューサー・星野正昭氏インタビュー第2弾。スマホ版リリース後8日で総DL数1000万突破&“PJCS2026”大成功を振り返り。新レギュレーションで“さまざまな仕掛け”との匂わせ発言も

『ポケモンチャンピオンズ』プロデューサー・星野正昭氏インタビュー第2弾。スマホ版リリース後8日で総DL数1000万突破&“PJCS2026”大成功を振り返り。新レギュレーションで“さまざまな仕掛け”との匂わせ発言も
 2026年4月8日にNintendo Switch版がリリースされた『Pokémon Champions』(『ポケモンチャンピオンズ』)。「ポケモンバトルをすべての人へ」をコンセプトに掲げる基本プレイ無料(一部アイテム課金あり)のゲーム。
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 当初はスマートフォン版が夏にリリース予定とされていたが、ポケモンバトルファンの夏は想定を超える速度でやってきた。多くのファンの想定をいい意味で裏切る形で、2026年6月17日にリリースされたのだ。

 その直前、2026年6月6日、7日にはポケモンバトルの日本一を決める戦い“ポケモンジャパンチャンピオンシップス2026(PJCS2026)”が行われた。ゲーム部門では『ポケモンチャンピオンズ』が採用され、間違いなく歴代最高の盛り上がりを見せる大成功を収めた。

 大きなイベントが2つ重なったということで、ファミ通.comでは前回に引き続き、本作の開発責任者・株式会社ポケモンの星野正昭プロデューサーにインタビューを実施。スマホ版リリースタイミングの意図や開発へのこだわり、『ポケモンチャンピオンズ』を用いた国内初の大型大会"PJCS2026"大成功の要因について伺った。

前回のインタビューはこちら↓

星野 正昭ほしの まさあき

株式会社ポケモン 開発プロデュース本部 開発プロデュース部 テクニカルディレクター 前職・株式会社バンダイナムコスタジオにて『ソウルキャリバー』シリーズのメインプログラマーを務めた後、社内随一のポケモンファンとして『ポッ拳 POKKÉN TOURNAMENT』のプロデューサーを担当。株式会社ポケモンへ転職後は『ポケモンユナイト』のプロデューサーとして開発に携わり、現在は『ポケモンチャンピオンズ』のプロデューサー兼ディレクターを務めている。

スマホ版リリースでプレイヤー数爆増!/オンライン大会参加者が異例の130万人超え

――まずはスマホ版のリリースおめでとうございます! 夏に配信予定と発表されていましたが、6月17日にリリースとなりました。プレイヤーの中では想定より早いという反応が多かった印象です。この時期にリリースされた意図をお教えください。

星野
 もっとも重視したのは、Nintendo Switch版とのリリース時期を大きく離したくないという点でした。後から参入するプレイヤーにとって、期間が空けば空くほど“先行有利”の壁を感じて参加しづらくなってしまいますからね。スマホ版から始められる新規ユーザーの方々にもたくさん飛び込んできてほしかったので、できる限り早いタイミングでの配信を目指していました。

――Nintendo Switch版から約2ヵ月後ということになりました。これは想定通りでしょうか。

星野
 はい。じつは『ポケモンユナイト』もNintendo Switch版から約2ヵ月後にスマホ版をリリースしているんです。プロデューサーとして開発に携わった当時の経験から、それが最速だと考えていました。とはいえ開発の工程としては本当にギリギリで、想定通りにリリースできたのは開発メンバー全員が本当にがんばってくれたおかげです。

 また時期的な側面として、“ポケモンジャパンチャンピオンシップス(PJCS)”やアメリカの“Pokémon North America International Championships(NAIC)”といった大型のライブイベントが終了するタイミングを見計らっていたという理由もあります。

 アップデート直後は予期せぬ不具合が発生するリスクもゼロではありません。まずは選手の方々に安定した環境で安心して大会に臨んでいただきたかったので、大きな大会がひと区切りついた後にリリースできるようスケジュールを組んでいました。

――スマホ版リリースの目的として、これまで『ポケットモンスター』シリーズに触れてこなかった層へのリーチもあるかと思います。現状の手応えはいかがでしょうか?

星野
 想定以上のものすごい手応えを感じています。おかげさまで、リリースの8日後にはNintendo Switch版と合わせたトータルダウンロード数が1000万を突破し、いまではもっと伸びています。それだけの方々に遊んでいただけているというのは、正直まだ実感が湧きませんが、プレイしてくださっている皆様には、本当に感謝の気持ちしかありません。

 その中には、やはりスマホ版から始めてくださった方も多いと思います。それは地域ごとのダウンロード数に表れていて、日本やアメリカ、韓国などもともとシェアの高かったエリア以外でもたくさんダウンロードされています。とくに南米のダウンロード数が伸びていて、ブラジルは全世界でTop5に入るくらいの勢いです。ほかにもアジア地域がTop10に複数入っており、新しい層のプレイヤーに届いていることがデータに表れています。

――気が早いかもしれませんが、今後は世界大会にこれまであまり見られなかった国や地域の選手が登場して活躍するなんて未来もありそうですね。

星野
 そうですね、楽しみです。スマホ版リリース直後の6月末に開催したオンライン大会“マンスリーチャレンジシリーズ 2026.06”には、なんと130万人を超える方々にご参加いただき、大会シーンへの熱量の高さには私自身も驚かされています。
『ポケモンチャンピオンズ』プロデューサー・星野正昭氏インタビュー第2弾。スマホ版リリース後8日で総DL数1000万突破&神試合だらけの“PJCS2026”大成功を振り返り。9月からの新レギュレーションで“さまざまな仕掛け”との匂わせ発言も
――4月に開催された“ウォームアップチャレンジ”の参加者数が約72万人で、それでもとんでもない規模だと思っていましたが、さらにその倍近くのプレイヤーが参加していたなんてすごすぎます。

星野
 計算してみたら、東京ドーム25個が埋まるくらいの人数になるそうです(笑)。そう考えるとものすごい人数だなって実感が湧いてきました。
『ポケモンチャンピオンズ』プロデューサー・星野正昭氏インタビュー第2弾。スマホ版リリース後8日で総DL数1000万突破&神試合だらけの“PJCS2026”大成功を振り返り。9月からの新レギュレーションで“さまざまな仕掛け”との匂わせ発言も
――スマホ版リリース後の反響として印象的だったものがあれば教えてください。

星野
 各アプリストアでのレビューがリリースしてからしばらくは4.8以上という非常に高い評価をいただいており、本当にうれしい限りです。プレイヤーの皆さんからは「ただでさえ熱中していたのに、さらにやめどきが分からなくなった」という声や「ちょっとした用事をしている最中に片手でプレイしています」といったお話も届いています。

 隙間時間に気軽に遊び始めて、そのままゲームの奥深さにハマってくださる方が多いようですね。電車の中でプレイしてくれている様子も見かけるので、すごくうれしいです。私自身も電車に乗りながらランクバトルをやっていますが、電車内のほうが勝率がいい気がしています(笑)。

――スマホ版特有のこだわりや工夫などについて教えてください。

星野
 個人的にいちばんこだわったのは画面上のバッテリー残量表示です。あのアイコンをデンヂムシにするというのは私の発案なんですよ。バッテリーと言えばデンヂムシ、というのは『ポケットモンスター』シリーズはもちろん、ポケモンカードゲームなどを遊ばれているプレイヤーもすぐにピンとくる共通認識ですからね!
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 また、UIの面では技選択の仕様に最後まで頭を悩ませました。技選択の際にシングルタップにするかダブルタップにするかなど、操作感については何度も試行錯誤を重ねました。

――技選択時のダブルタップは誤って別の技を押してしまっても戻れるようにという意図でしょうか?

星野
 それもありますが、どちらかというと技の詳細説明を見るための操作との兼ね合いによるところが大きいです。詳細ボタンを押してから技を選ぶというのも可能ですが、それよりは技を選んでから詳細ボタンを押す方が自然かなと。もちろんほかにもいくつか候補がありましたが、いろいろと試したうえでこの形に落ち着きました。

――UI関連ではとくにボックスの面で改善の要望が多いように感じます。

星野
 そうですね。それは私たちも認識をしておりまして、多くの方にご満足いただけるような改善方法を検討しているところです。UIに関してはほかにもまだまだブラッシュアップできる箇所は多いと思っていますので、今後のアップデートにご期待ください。
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――ほかにもこだわられたところがあればお聞かせください。

星野
 こだわりとは少し違いますが、容量については少し不安を感じていました。

――そういえば意識していませんでした。何GBでしたか?

星野
 約2GBです。

――え、軽い。

星野
 ふだんから大容量のスマホゲームを遊び慣れている方にとってはそうですよね。ですが、世界を見渡せば容量に余裕のある高スペックの機種をお持ちの方ばかりではなくて。なるべく幅広い層の方々に届けるため、容量をなるべく抑えようという意識はずっと持ち続けていました。

 ただ、メモリ(RAM)だけは要求スペックを抑えるのがなかなか難しい面がありました。スカウトでポケモンがいっきに10匹出てきたりとか、ダブルバトルでは場にポケモンが4匹同時に並んだりとか。そういった処理を安定して行うためには、4GB以上は必要という判断になっています。

――ふつうにプレイしている分にはNintendo Switch版と遜色ない体験ができているおかげで、要求スペックを抑える工夫があったことに気づけていませんでした。よくあるところで言うと、スマホが熱を持ったりとかバッテリーの消費が極端に早くなったりとかも聞かないですよね。

星野
 ありがとうございます。容量を軽くするためにクオリティを下げてしまうのは本末転倒ですからね。これはこだわりというほどでもない、当たり前のことです。

メガシンカ中心のレギュレーションは9月以降も継続。伝説のポケモンのメガシンカはどうなる……?

――レギュレーションM-Bで追加したポケモン、追加されなかったポケモンの選定理由についてお話しできることがあればお教えください。

星野
 新しくゲームを始められる方々が戸惑わないよう、特性や扱いかたがなるべくわかりやすい種族を選定しています。またレギュレーションM-Bは“ポケモンワールドチャンピオンシップス2026(ポケモンWCS2026)”でも使用されるため、特定のポケモンが突出しすぎないようなゲームバランスを意識して調整を行いました。

――オーロンゲやメガメタグロス、メガムクホークなど、追加されたポケモンがさっそく活躍していますよね。

星野
 レギュレーション更新直後に「メガムクホーク最強!」という内容の動画がたくさん投稿されたのを見たときは、「もしかして強すぎたかな……?」と少し不安になっていました。でもプレイヤーの皆さんがしっかり対策を練られたこともあり、現状は活躍しつつも強すぎない、いい位置に落ち着いたのを見てホッとしています。
『ポケモンチャンピオンズ』プロデューサー・星野正昭氏インタビュー第2弾。スマホ版リリース後8日で総DL数1000万突破&神試合だらけの“PJCS2026”大成功を振り返り。9月からの新レギュレーションで“さまざまな仕掛け”との匂わせ発言も
――いまのところは概ね想定通りの環境になっているのでしょうか。

星野
 想定と大きくずれているということはないです。が、レギュレーションM-Aでもダブルバトルではアリアドスが注目を浴びたり、メガハガネールが海外の公式大会で入賞したりということがありました。トッププレイヤーの皆さんの研究スピードや考察の深さはいつも想像を超えてきますので、ここからどのような環境が築かれていくのか、私自身も非常に楽しみにしています。

――追加された持ち物についても同様に選定理由を教えてください。

星野
 前レギュレーションに引き続き、初心者の方にとって少々扱いが難しい“こだわりハチマキ”や“こだわりメガネ”の追加は見送りました。一方で、前環境からの変化を生み出し、バトルの多様性を広げるために“いのちのたま”を解禁しています。シングルバトルではさっそく“いのちのたま”を持たせたミミッキュが頭角を現してきており、環境が動き始めて非常におもしろい展開になってきたと感じています。
『ポケモンチャンピオンズ』プロデューサー・星野正昭氏インタビュー第2弾。スマホ版リリース後8日で総DL数1000万突破&神試合だらけの“PJCS2026”大成功を振り返り。9月からの新レギュレーションで“さまざまな仕掛け”との匂わせ発言も
――ほかには、“リフレクター”や“ひかりのかべ”などの効果ターン数を伸ばす“ひかりのねんど”、 特定の天気の持続ターン数を伸ばす“あついいわ”や“しめったいわ”などの道具も追加されました。これらの追加はどんな意図があるのでしょうか。

星野
 レギュレーションM-Aの特徴のひとつとして、天気の取り合いが挙げられると思います。“あついいわ”のような道具は、そのおもしろさをより伸ばしたいという意図で追加したものです。“ひかりのねんど”は、“いのちのたま”の追加でダメージが伸びるぶん、ダメージを抑える要素も追加しておこうという狙いがあります。

 また初めて対戦にチャレンジする方にとっても、“ひかりのねんど”を持たせたポケモンを最初にくり出して“リフレクター”や“ひかりのかべ”を使う戦術は扱いやすいだろうという考えもあります。いっしょに追加されたオーロンゲなら上記の技を使った後に“すてゼリフ”を使って味方と交代できるので、スムーズにバトルを進めやすいと思います。
『ポケモンチャンピオンズ』プロデューサー・星野正昭氏インタビュー第2弾。スマホ版リリース後8日で総DL数1000万突破&神試合だらけの“PJCS2026”大成功を振り返り。9月からの新レギュレーションで“さまざまな仕掛け”との匂わせ発言も
――シーズンM-3は期間が約20日間と短く、プレイヤーからは驚きの声があがっていました。こちらの期間の意図についてお聞きできますか?

星野
 プレイヤーの皆さんを驚かせてしまい、申し訳ありませんでした。ランクバトルの期間について、基本的には月初を起点とした1ヵ月サイクルのシーズンを考えています。ですが6月は6~7日に“PJCS2026”が、翌週の12~14日に“NAIC2026”がありました。最初にお話ししたように、これらの大会に選手の皆さんが集中して参加できることを最優先とし、大会終了後にスマートフォン版リリースおよびレギュレーションM-Bへの切り換えを行うスケジュールを組んだ結果、“シーズンM-3”の開始日がズレ込んでしまいました。そのズレを是正するため、今回のような変則的な期間となったわけです。

――新たに16種類のメガシンカポケモンが追加され、『ポケモンチャンピオンズ』未登場のメガシンカポケモンも残り少なくなってきました。ずばり、メガシンカのレギュレーションはいつまで続く想定でしょうか?

星野
 メガシンカが中心となるこのレギュレーションは、“ポケモンWCS2026”終了後の9月以降も継続する予定です。現時点で具体的にどのポケモンがいつ追加されるかといった詳細はお話しできませんが、それぞれの環境における“最強のバトルチーム探し”の旅は、まだまだこれからも続いていきますのでご期待ください!

――メガシンカポケモンの中には、伝説のポケモンのメガシンカしたすがたも存在しています。これらが使用可能になった場合、伝説のポケモンは『ポケモンチャンピオンズ』内で手に入れられるようになるのでしょうか。現時点のお考えをお聞かせください。

星野
 伝説のポケモンたちを『ポケモンチャンピオンズ』の中でどのように位置づけ、登場させるかについては、現在慎重に検討を重ねているところです。スマホ版から新しく参入してくださった方が非常に多くいらっしゃることも加味して、すべてのプレイヤーに納得して楽しんでいただけるよう、ベストな形をしっかりと模索していきます。

『ポッ拳』で得た知見を活かし、『ポケモンチャンピオンズ』初の“PJCS”を大成功に導く

――ポケモン30周年&『ポケモンチャンピオンズ』での初開催となった“PJCS2026”ゲーム部門を振り返って、率直な感想を教えてください。

星野
 Nintendo Switch版リリースからわずか2ヵ月という過密スケジュールのなかで“PJCS”を迎えるのは大きなプレッシャーでした。そんな中、大きなトラブルもなく完遂できたことをうれしく思っています。弊社チームメンバーの尽力に加えて、開発を担当してくれたポケモンワークスの皆の熱意のおかげだと思っています。まずは裏方で支えてくれた開発・運営メンバー全員に御礼を伝えたいですね。

――トラブルを起こさないために、具体的にはどんな準備をされていたのでしょうか。

星野
 いちばん大きかったのは、対戦に使うNintendo Switch 2 およびインターネット接続用の有線LANをすべて運営側で用意していたことだと思います。このやりかたがすぐれていることは、『ポッ拳 POKKÉN TOURNAMENT』(以下、『ポッ拳』)の大会運営経験から分かっていました。

 とはいえ選手固有のデータが必要ない『ポッ拳』と違って、『ポケモンチャンピオンズ』は各選手が用意したバトルチームが必要です。これを解決するため、『ポケモンチャンピオンズ』には特別な大会モードを実装しています。専用のコードを入力してもらうだけで事前に登録したプレイヤーの情報やバトルチームを読み込み、運営側で用意したゲーム機でも問題なく対戦ができる仕組みです。

――それこそリリース2ヵ月のゲームに大会のためだけのシステムが実装されているのもすごいですが、全選手分のNintendo Switch 2 を用意したというのも驚きです。

星野
 “PJCS”の規模だからできることではありますね。より参加者が多い大会になると、さすがにNintendo Switch 2 の数が足りなくなりますから。

――その点でいうと、近年は各カテゴリ64名だった出場者の数を、今年は倍の128名に増やしたのはかなり思い切った決断だったのでは?

星野
 今年も64名で行う可能性はありました。ですが、全員が“ポケモンWCS”の出場権を約束された状態(※)で戦うよりも、その権利を勝ち取るために戦うほうがより真剣な勝負が見られるはずだと思っていました。そのほうが大会としても盛り上がるはずだと。結果として最高の試合がたくさん見られましたので、苦労した甲斐は十二分にあったと思っています。
※近年は“PJCS”のライブ大会に出場できる選手が各カテゴリ64名、“ポケモンWCS”に出場できる選手も各カテゴリ64名であったため、“PJCS”の出場者全員が“ポケモンWCS”の出場権も得ることができた。
――『ポケモンチャンピオンズ』ならではの要素として、今年は上位入賞者に特別な称号が贈られました。これも選手のモチベーションになっていたと思います。

星野
 称号を勝ち取った選手が喜んでくれている様子を見ると、用意してよかったと思いますね。何か大事なものが懸かった真剣勝負は最高に盛り上がりますから。

――星野さんの個人的なベストバウトはどの試合でしたか?

星野
 どの試合もすごく見ごたえがあって、どれかひとつを選ぶのが難しいですね。“みずびたし”を使うペリッパーが活躍する試合や、“あまごい”を覚えさせたメガユキメノコのバトルチーム、成功させてはいけない状況での2連続“まもる”を決めてしまい「てへっ」っという感じで振り返るニョロトノなど、ユニークで非常におもしろい試合がたくさんありました。

 その中でも個人的なベストバウトを挙げるなら、1日目のササキユウイチ選手対シブヤアキ選手の戦いです。最後の最後まで勝負の行方がわからないドラマチックな展開で、何度見返しても鳥肌が立ちます。まだ見ていないという方は、絶対にチェックしておくべき名勝負ですね。
『ポケモンチャンピオンズ』プロデューサー・星野正昭氏インタビュー第2弾。スマホ版リリース後8日で総DL数1000万突破&神試合だらけの“PJCS2026”大成功を振り返り。9月からの新レギュレーションで“さまざまな仕掛け”との匂わせ発言も
最終局面、残りのポケモン数は2対1。シブヤ選手が圧倒的不利に見える盤面だが……?
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星野
 言い出すとキリがなくなるのですがもうひとつだけ(笑)。シニアカテゴリの決勝戦も本当にドラマチックで見ごたえのある試合でした。全体を通して確率に苦しめられていたオノリュウセイ選手が、それでも絶対に諦めず勝ち筋を追い続けて、最後の最後でメガプテラの"いわなだれ"でキタザワソウマ選手のポケモンをひるませて……。感情が揺れ動いて思わず声が出てしまうシーンの連続でした。
『ポケモンチャンピオンズ』プロデューサー・星野正昭氏インタビュー第2弾。スマホ版リリース後8日で総DL数1000万突破&神試合だらけの“PJCS2026”大成功を振り返り。9月からの新レギュレーションで“さまざまな仕掛け”との匂わせ発言も
メガプテラのいわなだれに両者が祈りを捧げる
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――数々の名シーンの裏で、特別な戦闘曲「決戦! 公式大会」が流れていたのも印象深いです。配信のコメント欄やSNSでも、この曲がとにかくカッコよくてテンションが上がると話題になっていました。制作時のこだわりについて教えてください。

星野
 作曲を手掛けてくださった浜崎さんから最初にデモ音源をいただいた瞬間「これは“神曲”が上がってきた!」と感銘を受けました。そこから浜崎さんと何度もディスカッションを重ね、さらにブラッシュアップを行って現在の形へと仕上げました。

 最初の時点で100点満点の完成度だったのですが、私がこれまで培ってきた「ほんの少しのポケモンらしさ」をお伝えして加えていただいたことで、より深みが増したと感じています。私自身、デモ音源をずっとくり返し聴いていて非常に思い入れが強い楽曲ですし、これまでの開発人生の中でも1、2を争うほどの名曲が誕生したと思っています。

――配信卓が本当にどれも名試合ばかりで、とくにポケモンが残りHP1桁でギリギリ耐える激アツの展開が何度も見られたのが印象的でした。これはゲームバランス調整の賜物ですかね?

星野
 ゲームバランスの調整に徹底してこだわっているのは間違いないですが、それだけであんなことは起こらないでしょう(笑)。選手の皆さんが考え抜いたトレーニングやプレイの質が非常に高かったからこそだと思っています。それにしても、“神試合”があれほど連続したというのはどこか奇跡的なものを感じましたね。

 おかげさまでライブ配信の同時視聴者数は最大で3万人超えを記録し、現時点でのアーカイブ視聴数は85万再生を突破するなど、前回大会比150%近い驚異的な数字を達成しています。どの対戦も息をのむようなすばらしい試合ばかりでしたので、多くの方に注目していただけて本当にうれしいです。

 選手の皆さんが熱い試合を繰り広げてくれただけでなく、田口さん、エルムさん、Refuさん、ハクシュウさんら実況解説陣、そして進行を務めてくださった桃月なしこさん、小杉怜子さんという、すばらしい出演陣の皆様の絶妙な掛け合いと熱量が見事にハマっていたからこその盛り上がりだと思っています。皆さん、本当にありがとうございました。

――“ポケモンWCS”の盛り上がりにも期待がかかりますね! 開発面で“ポケモンWCS”までに準備すべきものは残っているのでしょうか。

星野
 すでにほぼ準備万端の体制が整っています! あとは、本番までに重大な不具合が起きないことを祈るばかりです。

『ポケモンチャンピオンズ』を“ブーム”で終わらせないために

――現在、史上最大級のポケモンバトルブームが巻き起こっていると思います。今後も多くの人にながく楽しんでもらうためにはどんな施策が必要だと思われますか?

星野
 この熱量を維持し、長く定着していただくためには大きくふたつの軸が必要だと考えています。ひとつは定期的なレギュレーション更新による新鮮なバトル環境の構築。熱心なプレイヤーにとって退屈な期間を生まないように、かつ多くのプレイヤーにとって負担となりすぎないように。皆さんの声に耳を傾けながら、臨機応変に環境を変化させ続けていくつもりです。

 そしてもうひとつは、安定した大会運営です。年に1度の“PJCS”および“ポケモンWCS”はもちろん、“マンスリーチャレンジシリーズ”は今後も開催を続けていきますし、“はじまりの王者決定戦”のようなイベントも継続して盛り上げていきたいと考えています。そしてそれらを我々の独りよがりな運営にすることなく、プレイヤーコミュニティの皆様の声にしっかりと耳を傾け、望まれている機能の搭載や施策の実施を柔軟に行っていきたいと考えています。

――『ポケモンチャンピオンズ』の運営陣は徹底してプレイヤーに寄り添う姿勢を見せていただけるのが有難いです。

星野
 私やチームの皆もポケモンバトルが大好きなプレイヤーたちばかりですからね。ユーザーの皆様の声には、開発・運営チーム一同いつでも真摯に耳を傾けています。とある動画クリエイターが「星野さん好きだー!」って叫んでいたのもしっかり届いていますよ(笑)。

 一方で、「運営側からもっと積極的に情報を発信してほしい」という要望が少なくないということも認識しております。皆さんのお声を聴くだけでなく、今後もこのようなメディアインタビューを始め情報発信の機会をしっかりと増やしていきたいと考えています。

――それでは最後に、プレイヤーの皆さんへメッセージをお願いします。

星野
 本当に多くの方々に『ポケモンチャンピオンズ』をプレイしていただけていて、感謝の気持ちでいっぱいです。これからも『ポケモンチャンピオンズ』をいっしょに盛り上げていただけるとうれしく思います。

 また直近の大きなイベントとしては、8月28日~30日にかけて行われる“ポケモンWCS2026”があります。アメリカ・サンフランシスコで開催されるため日本時間では深夜になりますが、“PJCS”同様に生配信もあります。世界中から“チャンピオンズ”が集結し、最高峰のバトルを見せてくれますので、ぜひご覧いただければと思います。

 そして“ポケモンWCS2026”終了後すぐにやってくる新シーズンに向けて、さまざまな仕掛けを水面下で企画しています。ぜひ腕を磨きながら楽しみにお待ちください!
『ポケモンチャンピオンズ』プロデューサー・星野正昭氏インタビュー第2弾。スマホ版リリース後8日で総DL数1000万突破&神試合だらけの“PJCS2026”大成功を振り返り。9月からの新レギュレーションで“さまざまな仕掛け”との匂わせ発言も

【おまけ】星野流・ポケモンバトル上達法

――星野さん個人として、ポケモンバトルが上達するために重要なことは何だと考えていますか?

星野
 まずは自分が好きで思い入れのあるポケモンを主軸にして戦ってみるのがいちばんだと思いますが、どうしても勝てなくて悩みはじめたときは、SNSなどで公開されているトッププレイヤーの強力なバトルチームを参考にプレイしてみるのもおすすめです。

 実際、私がいまおもに使っているのはバシャーモやガブリアス、ジュカインなど『ポッ拳』のバトルポケモンだけで組んだダブルバトル向けのチームです。思い入れのあるポケモンたちが活躍するのを見るとうれしくなりますし、マスターボール級でもけっこう勝てるので使っていて楽しいです。

 一方で、身内での対戦会など勝利にこだわりたい場面ではSNSで公開されていたメガカエンジシ&コータスのチームを真似して使っています。メガカエンジシの特性"ほのおのたてがみ"とコータスの特性"ひでり"、さらにコータスの技"てだすけ"で強化されたメガカエンジシの"ねっぷう"や"オーバーヒート"がとんでもない威力になるので、使っていてとても気持ちがいいですよ!

――「好きなポケモンと勝ちたい」も「勝ちにこだわりたい」も、等しくポケモンバトルの正しい楽しみかたですし、気分で使い分けるのもよさそうですね。

星野
 自分のペースで楽しんでもらいたいですね。そのうえでもっと上達したいと思ったら、「もし自分が相手の立場だったら、ここでどう動くか」という相手側の盤面を考察する視点を持つようにするといいのではないかと思います。

      担当者プロフィール

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