『Leap Year』で【?】が【!!!】に 変わる感動を。それはきっと、“可能性”にまつわるゲーム【とっておきインディー】

『Leap Year』で【?】が【!!!】に 変わる感動を。それはきっと、“可能性”にまつわるゲーム【とっておきインディー】
 古今東西の魅力的なインディーゲームを紹介する“とっておきインディー”
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 今回は、驚きと感動が詰まった“短いようでちょっと長い”冒険、『Leap Year』。

 PCのほか、現在ではNintendo Switchでもプレイできるようになっている。
※Web転載に合わせて、本誌掲載時から一部を追記・改訂しております。

【?】が【!!!】に変わる感動を

『Leap Year』で【?】が【!!!】に 変わる感動を。それはきっと、“可能性”にまつわるゲーム【とっておきインディー】
ココが推し
  • 短いプレイ時間で濃密な体験、驚きが味わえる
  • 言語を用いることのない、レベルデザインによる“対話”
  • ゲームの、ひいては“自分”の可能性を信じたい人に

 2〜3時間ほどかけて巡る、長いようで短い、短いけれどとても濃密な、29日間の“短いようでちょっと長い1ヵ月”の冒険に出よう。

 リッチなグラフィックはない。何十時間と楽しめる膨大なコンテンツもない。感情移入できるようなストーリーもない。けれどたくさんの
“ゲームでしか味わえない驚きと感動”が待っている。

『Leap Year』:日本語に訳すと“うるう年”

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 4年に一度、地球の公転周期のズレを調整するために2月が29日まであり、1年が366日に増える“うるう年”。『Leap Year』というタイトルは、この“うるう年”を意味している。

 ゲームのクリアー条件は、うるう年で29日まであった
2024年2月の“日付”をすべて集めることだ。日付はフィールドのいたるところに散りばめられている。

“29”の日付をすべて集めよう

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スタート地点には“1日”と最終日となる“29日”の日付が。しかし“29日”には手が届かない。どうすればこの数字にたどり着けるのだろうか?
 主人公のパワーアップ要素が存在しない本作では、日付を手に入れる順番はある程度自由。しかし、ふつうにプレイしていけば“おおむね”数字の順番通りに手に入っていくだろう。

 そして、やがてプレイヤーは思うのだ。
「うるう年でさえなければ、こんな苦労はせずに済んだのに」と。

“史上最弱の主人公”を更新?

 “ゲーム史上最弱の主人公”と聞いて誰を思い浮かべるだろう? 少なくない人が、自分の身長よりも低いような段差から降りただけで即死してしまう『スペランカー』の主人公を思い浮かべるんじゃないかと思う。

 『Leap Year』の主人公は、なんとさらに貧弱。
“ジャンプしたのと同じ高さの地面に着地しただけで即死”してしまうのだ。『スペランカー』の主人公よりもずっと高く跳ぶジャンプ力があるので単純な比較はできないが、それにしたってあまりに情けない。

自重に耐えられぬ哀れな姿を見よ

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高いジャンプ力を持っている主人公。しかし思い切り跳ぶと、跳んだ場所と同じ高さの地面に落下しただけでお亡くなりになってしまう。世にも奇妙な貧弱さ。
 「主人公がそんなに貧弱なゲームがおもしろいのか?」と疑問に思うかもしれないが、安心してほしい。プレイしていれば、すぐに“ 理解(わか)る”はずだから。
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多種多様な地形が行く手を阻む。串刺しになれば落下の高さに関わらず即死となる棘に覆われた場所も。

それはきっと“可能性”にまつわるゲーム

 前述の通り、本作にはパワーアップなどの要素がない。ではずっと変化のないゲームプレイが続くのかというと、そうはならない。ゲームプレイに変化をもたらすもの、それは操作キャラクターである主人公の内側にある。プレイヤーも、そしてきっと彼自身も、そのことに気付いていないのだ。

 
その“気付き”の瞬間は突然やってくる。最弱中の最弱と見なすしかなかった者の中に眠っていたチカラ。まさに青天の霹靂だ。そのチカラに気付いたのなら、今度はこれをどのように行使すべきかを考えなければならない。頭を悩ませる過程で、チカラの適切な使い道と、そして“さらなるチカラ”を発見していく……。

己の中に眠るチカラを見極めろ

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趣向を凝らしたフィールドは、すべてプレイヤーの〝気付き〟のために設計されたものだ。思考せよ。
 “感動”というと、ストーリーによって“泣ける”ことを意味する場合が多い。でも、このゲームが卓越したアイデアとレベルデザインによってプレイヤーを驚かせ、思考を促し、そして困難を突破できたときにもたらしてくれる喜びだって、間違なく“ゲームでしか味わえない感動”だ。

 同時に、言語という伝達手段に乏しくともゲームプレイとは開発者との“対話”でもある。
何に頼るでもなく、己の“秘められたチカラ”に気付き、適切に向き合い、思考し続ければ、困難は乗り越えられる。そんな体験をこのゲームはもたらしてくれる。

 だからきっと、『Leap Year』は
“可能性”にまつわるゲームなのだ。

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冒険を終えるころには、きっと主人公を“ただの最弱キャラクター”と感じることはなくなっているだろう。

2月が過ぎたら3月だ。DLC『Leap Year: March』配信中

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 2月の29日間を無事終えたなら、春の足音が聞こえる3月がやってくる。2025年2月28日に発売された“March = 3月”の名を冠したDLCは、本編をクリアーしたプレイヤーに向けた、作り手からの新たな挑戦状だ。

 ゲームの目的はもちろん、“31”ある3月の日付をすべて集めること。プレイヤーが本編での“気付き”がもたらすあらゆる知識を持っていることを前提に、新たなギミックも取り入れられている。すべての日付を入手するにはさらなる応用が必要となる、ひと筋縄ではいかない難度。想定プレイ時間も約4時間と、本編以上のボリュームだ。

 『Leap Year』の計算し尽くされたゲーム体験に魅了されたプレイヤーは、ぜひ触れてみてほしい。
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さらなる挑戦が待ち受ける31日間
 春だから(?)なのか、フィールドは本編以上に色鮮やかで目にも楽しい。新たな試練を存分に楽しもう。

Leap Year

  • プラットフォーム:PC、Nintendo Switch
  • 発売元:Daniel Linssen
  • 発売日:2024年6月14日(※PC版正式リリース日)
  • 価格:580円[税込]
  • ジャンル:アクション・アドベンチャー
  • 対象年齢:IARC 7歳以上対象
  • 備考:ダウンロード専売 開発:Sokpop Collective ※DLC『Leap Year: March』は470円[税込]

担当者プロフィール

  • 小林白菜

    小林白菜

    ひとり用ゲームと女児アニメを愛するライター。旅行も好き。ユニークな体験が味わえるものなら大作もインディーゲームもなんでも遊ぶ。好きなゲームはたくさんあるが、リマスター版を出してほしいゲームなら『ブレス オブ ファイアV ドラゴンクォーター』。ゲームに関する記事は読むのも書くのも大好き。ファミ通で書いた代表的な記事は「『アイカツ!』視聴徹底ガイド」「『ウーマンコミュニケーション』ゲームデザイン考」など。世界中の誰もが自由にゲームができる世界を望んでいるので、あらゆる戦争と差別に反対です。

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