アワードでは大賞のほか、ホラーナラティブ・演出賞、ベストホラークリーチャー賞など、9つ+αの賞が選出される。
本稿ではその中から神話伝承・宇宙的恐怖賞のノミネート作を紹介しよう。
投票受付が開始された各賞を解説!!『日本ホラーゲーム大賞』【神話伝承・宇宙的恐怖賞】ノミネート作解説!
【神話伝承・宇宙的恐怖賞】ノミネート作一覧
・Cult of the Yellow King(Metaphor Games / Newmind Interactive / Metaphor Games)
・The Sinking City Remastered(Frogwares / Frogwares)
・Static Dread: The Lighthouse(solarsuit.games / Polden Publishing)
・ひとつ目のリーホ(Morteshka / Morteshka)
・ROUTINE(Lunar Software / Raw Fury)
・Worshippers of Cthulhu(Crazy Goat Games / Crytivo)
『家へ帰れ、アニー:SCPゲーム』

リリース:2026年3月31日
開発:Misfit Village
販売:Nordcurrent Labs
ハード:PC、PS5、Xbox Series X│S
SCP財団職員ホラー
危険な超常現象を収容する財団の中でも、アノマリーを再現・複製する「Replication Division」で職務をこなすアニーは、やがて組織自体の不気味さに直面することになる。組織の歯車としてのアニーの視点を通じて、「財団の仕事は本当に正しいのか」という組織自体の不穏さを体感する職場ホラーでもあるのだろう。
『Cult of the Yellow King』

リリース:2025年12月13日
開発:Metaphor Games / Newmind Interactive
販売:Metaphor Games
ハード:PC
黄衣の王へ奉仕するクリッカー
プレイヤーはカルトを拡大し、信仰を広げ、記憶や自己をすり減らしながら、黄衣の王の影響を世界に浸透させていく。クリッカーというある種茫漠としたゲーム体験を通じて、“作業が信仰に変わる感覚”として表現している異色の作品。
ハスターこと黄衣の王は、本来、読んだ者・見た者・触れた者を少しずつ変質させる存在として語られてきた。数多のゲーム的な欲望が、そのまま黄衣の王への信仰になる恐怖。プレイヤーは最初から最後まで主体的に遊んでいるはずなのに、気づけば「自分で自分を捧げていた」ことになってしまうのかもしれない。
『The Sinking City Remastered』

リリース:2025年5月13日
開発:Frogwares
販売:Frogwares
ハード:PC、PS5、Xbox Series X│S
水没した町を彷徨う
リマスター版ではビジュアル面が強化されたことで、舞台となる水没都市の魅惑はより深まっている。
本作の恐怖は、事件を解決しても世界が正常化するわけではないこと。推理すればするほど深い異常へ沈んでいくことに。広大な水没するオークモントの町を彷徨うなかで、プレイヤーは人知と論理を超えた宇宙的恐怖には、人類の矮小な論理で抗えないという茫漠さを体感させられるかのよう。
『Static Dread: The Lighthouse』

リリース:2025年8月6日
開発:solarsuit.games
販売:Polden Publishing
ハード:PC、PS5、PS4、Xbox Series X│S、Xbox One
灯台守の仕事は、やがて誰を海に沈めるかの選択へ
日が進むにつれて、海の底に眠る古い存在や信者なども来訪するため、誰を灯台に入れるべきか? その選択結果に恐怖することになる。状況が不明なまま判断を下さなくてはならない、という点もまた、コズミックホラー的な恐怖感とリンクする。
『ひとつ目のリーホ』

リリース:2025年7月29日
開発:Morteshka
販売:Morteshka
ハード:PC
スラヴの悪や不幸の正体を探る旅へ
印象深い白黒映像と狭い画面比率や、火を使った謎解きなど、民話的な空気感を醸し出しており、不吉な寓話の内部を歩くかのような恐怖をもたらす。
スラヴ伝承には「静かなリーホを起こすな」ということわざがあり、一つ目の老婆であるリーホ=不運や災厄の象徴とされている。本作は、こうした悪や不幸への恐怖から生まれた伝承存在を探る旅の恐怖が体感できるもの。
『ROUTINE』

リリース:2025年12月4日
開発:Lunar Software
販売:Raw Fury
ハード:PC、Xbox Series X│S、Xbox One
HUDのないSFホラー
大きな特徴は、画面上のHUDを極力排し、情報をゲーム内の装置や環境そのものから読み取らせる設計にある。基地の沈黙、古い機械、無人の通路、身体化されたインターフェースが、孤独と不安を積み上げていく。
『Worshippers of Cthulhu』

リリース:2025年5月23日
開発:Crazy Goat Games
販売:Crytivo
ハード:PC
都市運営が狂信を日常化
クトゥルフ神話ゲームに多い“探索者が狂気に落ちる”構図ではなく、プレイヤー自身がカルトの運営者になり、神話的破局を招く側に立つことに。信者の幸福を管理することは、邪神への奉仕であると同時に、民衆を狂気の深みへと導くものというのが恐ろしい。
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