- 日本でおなじみの書籍が、実名で多数登場
- 自分だけの書店を作り出す楽しさ
- 海辺の街でスローライフを満喫
ロマンシング★嵯峨がオススメするゲーム
『Tiny Bookshop』
- プラットフォーム:Nitendo Switch、PS5、PC(Steam)
- 発売日:2025年8月7日(PS5版は2026年4月11日発売、PC版は8月8日発売)
- 発売元:Skystone Games
- 価格:2300円[税込](PS5版は2310[税込]、PC版は2499円[税込])
海辺の街で思い出す、「本が好き」という気持ち

そんな、学生時代と現在のギャップにひっそりため息をついていたころに発売されたのが『Tiny Bookshop』である。本作はドイツ・ケルンに居を構えるゲームスタジオ、neoludic gamesが手掛けたインディーゲームで、端的に言えば“のどかな海辺の街で、移動式古書店を運営するゲーム”だ。
港町で、古書店の主になる! コンクリートジャングルのサラリーマンたる自分とは真逆の人生ではないか。本作をプレイすれば、社会人生活の中で私が失った豊かさを思い出せるのではないか……。ということで、ならせてもらいました、私、移動式書店の主に。書店は本当に小さいけれど、愛おしい自分の城。壁は温かみのあるブラウンに、屋根は落ち着いた緑に塗って。フリマでアンティークの家具をゲットして、インテリアに活用してみたり。


という感じで、自分にとっての理想の書店を作れるのも本作の見どころだが、プレイしていていちばん楽しい瞬間は、お客さんにぴったり合う本をオススメできたとき。たとえば、歴史好きな人には『平家物語』を。SFが読みたいという人には『銀河英雄伝説』をプレゼンする。ホラーものを探している人には『ひぐらしのなく頃に』とか。こちらのねらい通りに買ってもらえたときは、「誰かの生活を豊かにできた!」、「やっぱり読書っていいよね」と、じわじわとうれしい気持ちが胸に広がる。
と、ここまで読んで気付いた方も多いと思うが、本作の日本語版には、日本人におなじみの書籍が多数、実名で登場する。現実での人気ぶりを知っている本、自分が読んだことがある本だからこそ、キャラクターにオススメするときに実感がともなってくるのだ。これは本作ならではの経験だと思う。


たま~にローカライズが微妙な箇所があるのが欠点ではあるが、それを補って余りある、“本が好きな気持ちを思い出させてくれる”すばらしさが、本作にはある。本の虫のあなたにも、「最近本を読んでいないなあ」というあなたにもオススメしたい一作だ。

仕事柄、書店を訪れると、まずはゲーム・アニメ雑誌の棚をチェックする本誌編集長。旅行記が好きで、『Tiny Bookshop』の中でもつい旅行本を仕入れてしまう。





















