【武尊】ソフトベンダーTAKERUが40周年。世界初のPCソフト自動販売機で、1986年にダウンロード販売を実現。通信カラオケJOYSOUNDの誕生にも関わる【今日は何の日?】

【武尊】ソフトベンダーTAKERUが40周年。世界初のPCソフト自動販売機で、1986年にダウンロード販売を実現。通信カラオケJOYSOUNDの誕生にも関わる【今日は何の日?】

ダウンロード販売の早すぎた先駆者

 1986年(昭和61年)4月21日は、ソフトベンダーTAKERUが正式サービスを開始した日。本日で稼動から40周年を迎えた。
広告
共通パーツ画像
 ソフトベンダーTAKERU(登場初期の名称は武尊)は、ブラザー工業が開発した世界で初めてのPCソフトの自動販売機。電話回線を使ってゲームデータをダウンロードし、その場でブランクディスクに書き込むという、言わばオンデマンド販売を実現していた画期的な機器だ。

 日本全国のPCショップに設置され、利用者は店舗在庫などを気にすることなくいつでもソフトを購入できた。筆者も確か
『銀河英雄伝説』シリーズのウォーシミュレーションゲームを買う際に利用した覚えがある。

 似たようなサービスとしてファミリーコンピュータ ディスクシステムの書き換えサービスがあったが、こちらはデータ供給方法がローカルで物理的なマスターディスクを用いるため、電話回線を使うダウンロード方式とは根本から異なっていた。
ソフトベンダーTAKERUが40周年。世界初のパソコンソフト自動販売機で、40年前にダウンロード販売を実現。通信カラオケJOYSOUNDの誕生にも関わる【今日は何の日?】
1991年から稼動した“New TAKERU”
 革命的だったのは、当然ながら“売り切れがない”こと。当時のPCゲームのパッケージ版はけっこう豪華仕様になっていて、品切れになると再入荷に時間を要してなかなか手に入れにくかった。それだけに売り切れないということが、利用者にかなりの安心感を与えてくれていた。

 まさに現代のダウンロード販売の先駆けにあたる存在だった。大手メーカーだけでなくインディーズの同人ソフトも販売できたため、パッケージ販売では手に入らない作品の購入も行えた。

 後に有名になるクリエイターの初期作品や尖った作品など、通常のショップに並ばない知る人ぞ知る名作に出会えるような、そんな場だったかもしれない。当然TAKERUの設置が条件にはなってしまうが、とくにニッチなタイトルの入手難度の地域格差は本機が埋めてくれていたと思う。
ソフトベンダーTAKERUが40周年。世界初のパソコンソフト自動販売機で、40年前にダウンロード販売を実現。通信カラオケJOYSOUNDの誕生にも関わる【今日は何の日?】
1985年11月にお目見えした試験運用機。その8ヵ月前の記者発表会では試作機が公開されている。
ソフトベンダーTAKERUが40周年。世界初のパソコンソフト自動販売機で、40年前にダウンロード販売を実現。通信カラオケJOYSOUNDの誕生にも関わる【今日は何の日?】
1986年4月21日から販売開始された筐体。当時は“武尊”と表記されていた。
 また、パッケージ代や流通のコストなども大幅にカットできたため、通常のパッケージ版よりも若干低価格で購入できたところもうれしいポイントだった。

 ただし、パッケージ版ソフトの豪華なマニュアルに対して、TAKERUで買ったマニュアルは感熱紙を使ってその場で印刷されたものという弱点はあった。こればかりは仕方がなかった。
ソフトベンダーTAKERUが40周年。世界初のパソコンソフト自動販売機で、40年前にダウンロード販売を実現。通信カラオケJOYSOUNDの誕生にも関わる【今日は何の日?】ソフトベンダーTAKERUが40周年。世界初のパソコンソフト自動販売機で、40年前にダウンロード販売を実現。通信カラオケJOYSOUNDの誕生にも関わる【今日は何の日?】ソフトベンダーTAKERUが40周年。世界初のパソコンソフト自動販売機で、40年前にダウンロード販売を実現。通信カラオケJOYSOUNDの誕生にも関わる【今日は何の日?】
こちらはソフトベンダーTAKERUに関する当時のチラシ。
資料提供:Esperle

 ソフトベンダーTAKERUの革新性は上記の話だけでも感じられたと思うが、残念ながら1997年2月に本機のサービスは終了。当時の電話回線のダウンロード速度ではゲームソフトの巨大化についていけなくなったなど、さまざまな理由があったと思われる。

 ただし、TAKERUで培った技術は終わったわけではなく、“通信カラオケ”事業に受け継がれていたのだから驚いてしまう。データが軽いMIDIデータであれば、当時の回線でもいけるのでは……と発想を転換して生み出されたのが通信カラオケサービスの“JOYSOUND”。

 それまでの主流であったレーザーディスクのカラオケと比較して、新曲の配信が早く、歌える楽曲が多いとあって、若者を中心に大ヒットしたのは説明するまでもないだろう。

 TAKERUはJOYSOUNDの“生みの親”であり、その通信技術の遺伝子を100%受け継いだ直系の兄(?)とも言えるのではないだろうか。ソフトベンダーTAKERUの40周年記念に、JOYSOUNDで1曲歌ってみる……?

担当者プロフィール

  • ウワーマン

    ウワーマン

    ゲームの進化の歴史とともに歳を重ねてきたゲームライター。ゲーム&ウオッチや電子ゲーム(LSIゲーム)の大流行をリアルタイムで体験してゲームにハマり、週刊ファミ通編集部に所属してありとあらゆる家庭用タイトルに触れてきた。その後、ファミ通ソーシャル編集部やファミ通App編集部に異動したことでスマートフォンゲームも嗜むようになる。現在はフリーランスとなり、PCゲームも積極的にプレイ中。

この記事を共有

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

週刊ファミ通最新刊
週刊ファミ通表紙
購入する
ebtenamazon
電子版を購入
bookWalker
特設・企画