ダウンロード販売の早すぎた先駆者
日本全国のPCショップに設置され、利用者は店舗在庫などを気にすることなくいつでもソフトを購入できた。筆者も確か『銀河英雄伝説』シリーズのウォーシミュレーションゲームを買う際に利用した覚えがある。
似たようなサービスとしてファミリーコンピュータ ディスクシステムの書き換えサービスがあったが、こちらはデータ供給方法がローカルで物理的なマスターディスクを用いるため、電話回線を使うダウンロード方式とは根本から異なっていた。

まさに現代のダウンロード販売の先駆けにあたる存在だった。大手メーカーだけでなくインディーズの同人ソフトも販売できたため、パッケージ販売では手に入らない作品の購入も行えた。
後に有名になるクリエイターの初期作品や尖った作品など、通常のショップに並ばない知る人ぞ知る名作に出会えるような、そんな場だったかもしれない。当然TAKERUの設置が条件にはなってしまうが、とくにニッチなタイトルの入手難度の地域格差は本機が埋めてくれていたと思う。


ただし、パッケージ版ソフトの豪華なマニュアルに対して、TAKERUで買ったマニュアルは感熱紙を使ってその場で印刷されたものという弱点はあった。こればかりは仕方がなかった。



ソフトベンダーTAKERUの革新性は上記の話だけでも感じられたと思うが、残念ながら1997年2月に本機のサービスは終了。当時の電話回線のダウンロード速度ではゲームソフトの巨大化についていけなくなったなど、さまざまな理由があったと思われる。
ただし、TAKERUで培った技術は終わったわけではなく、“通信カラオケ”事業に受け継がれていたのだから驚いてしまう。データが軽いMIDIデータであれば、当時の回線でもいけるのでは……と発想を転換して生み出されたのが通信カラオケサービスの“JOYSOUND”。
それまでの主流であったレーザーディスクのカラオケと比較して、新曲の配信が早く、歌える楽曲が多いとあって、若者を中心に大ヒットしたのは説明するまでもないだろう。
TAKERUはJOYSOUNDの“生みの親”であり、その通信技術の遺伝子を100%受け継いだ直系の兄(?)とも言えるのではないだろうか。ソフトベンダーTAKERUの40周年記念に、JOYSOUNDで1曲歌ってみる……?


















