PLAYISMは、『MotionRec』のNintendo Switch、プレイステーション5(PS5)版を2026年4月2日より配信開始した(PC版は2025年10月27日発売)。価格は各1200円[税込]。 本作は、“記録と再生”をテーマにしたパズルアクションゲーム。荒廃した世界で動き続ける文明記録ロボット・Recを操作し、自身の動きを記録・再生する能力を駆使しながら、ギミック攻略に挑むこととなる。
本記事では、PS5版のレビューをお届けしていく。
自分で動きを作って解いていくパズルアクション
本作の操作はシンプルで、方向キーによる移動のほかはジャンプ、記録、再生で3つのボタンしか使わない。この少ないコマンド数とギミックを活用しながら、さまざまなパズルに挑んでいくことになる。

ダッシュなどもないので瞬時のアクション操作は要求されず、じっくりパズルを解くタイプ。
パズルの根幹になるのは、テーマでもある記録と再生。これはジャンプや移動などの軌跡(動き)を記録して、任意のタイミングで再生するという重要な要素だ。

ジャンプでは向こう側に届かない。こんなときに記録と再生を使う。
たとえば、右側に向かって直進する操作(動き)を記録する。その後に崖際などでその動きを再生すると、下に落下することなく右側に直進できるという仕組みだ。
なお、再生中は床がない場所での落下を無効化できるが、壁などの障害物は貫通しない。トゲに当たった場合もやり直しとなる。

右に進む軌跡を記録。

崖際で記録を再生することで、本来届かない場所まで進める。
このように記録と再生を活用してパズルを解き、先へと進んでいくのが基本的なプレイ内容だ。じつにシンプルなのだが、これが想像以上に奥深い。
序盤は簡単な動きを記録するだけで突破できるのだが、先へ進めるほどに難度が上がっていき、より複雑な動きや先々のエリアまで見据えて記録を取る必要が出てくる。
記録も単純に横の移動だけではなく、段差を利用した縦・横の連続移動や、落下時の挙動を記録したりと謎解きのバリエーションも豊富だ。

段差を利用して、上・右に移動する軌跡を記録。

再生すれば、トゲを避けて先に進めるようになる。
プレイヤーの工夫やヒラメキが試されるため、解けそうで解けない謎にぶつかって、思考が固まり抜け出せなくなることもしばしば。そのぶん、試行錯誤の末に正解の動きを見つけたときの解放感が最高だ。
解けてから冷静になってみると、「なんでこんなに悩んでいたんだ……?」と思うことも多々ある。とくにギミックが増える後半は複雑さが増すため、ああでもない、こうでもないと悩みながら遊ぶのが楽しくなっていく。

筆者はここで10分近く頭を抱えていた。一度思考が固まると中々抜け出せない……。
攻略のバリエーションを増やすユニークなギミック
記録、再生、ジャンプという基本動作に加え、パズルにさらなる手応えを与えてくれるのが道中に登場するギミックの数々だ。
パズルにひと癖与えてくれるタイプのギミックとして登場するのは、押しているあいだだけ進路を塞ぐビームが解除されるスイッチ。

記録した動きの再生中は周囲の時間が止まるため、再生でこのスイッチを押しつつ、ビームが出る進路を通り抜けることになるのだが……。当然ながら、そんなに簡単な攻略にはならない。
スイッチを押した先でまたべつの動きが必要になるが、その動きを記録できる地形が用意されていないことがほとんどだ。

これで楽々クリアー、かと思いきや。

作った動きでは先に進めない状況。
こういった場合、先の地形でも対応できる動きを作ることになるため、プレイヤーの発想力が試されることになる。
画像のエリアであれば、スイッチを押してビームを越える右・上・右の順で進む動きと、その先でトゲを避けて進む右・上・左に進行する動き、その両方をひとつの記録で再現しなくてはいけない。

さあ、どうすれば進める? と考えるのが、本作のおもしろいところ。先に進むのに必要な動きを思い描き、それを再現できる地形を探して記録する、プレイヤーの発想力が試される。
幸い、失敗してもリトライ自体はすぐできるので、実際に試しながら試行錯誤して解いていくのが楽しい。

「この動きなら……いやこれはダメか」と悩みながら遊べる。
そのほか、再生中に触れると記録した動きをもう一度くり返す、再生マークのギミックも登場する。挙動としてはシンプルで、動きを2回ぶんくり返せる補助ギミックのようなもの。
こちらも後半になると複雑さを増し、頭を悩ませる存在になるのでルート構築がよりやり応えのある内容になっていく。

通常届かない高さも届くようになる。

複数の再生マークを経由するルートなども登場。
多彩なギミックの中でもユニークでおもしろい要素として、巻き戻りのギミックも見どころだ。こちらは触れるとワイヤーが装着できる命綱のようなもので、装着したまま一定の距離を移動すると強制的にワイヤーが巻き戻しを始める。


ギミックに触れておけば、崖から飛び降りても安全に戻れる。
この巻き戻しの動きは、動いてきた軌跡に忠実に沿いながら戻る、いわゆる逆再生の動きをするのがポイント。そして、巻き戻しの最中にも記録は取れるため、ふだんとは逆の動きを記録・再生できるようになるのだ。
崖から飛び降り、巻き戻るタイミングで記録を行えば高い場所へと移動する軌跡になるため、再生して高所に移れるようになる。

高所に移りたいが、ジャンプで軌跡を作れる足場がない。

落下から巻き戻る軌跡を記録して、高く飛ぶ動きを作れる!
この機能を利用した複雑で難しいステージもあり、悩みに悩んで「ああっ、そういうことか!」と解けたときの爽快感がより堪能できた。
終盤に近付くと複数のギミックがセットで登場することもあり、さらに手応えを増していく。蓄積された知識と経験がテンポよく活かされていくので止めどきを見失い、エンディングまで一気に遊ぶことができた。

触れると指定の位置に移動するワープギミックも、記録と再生のシステムをさらに楽しいものへと昇華してくれるお気に入りの要素だ。記録する軌跡に悩まされたり、序盤ではできなかった動きも作れるようになるユニークな仕掛けになっている。
ネタバレを避けるために詳細は伏せるが、「もしかしてこういう動きも作れるのか?」と気づいた瞬間は脳汁が溢れた。

□の枠に入ると、もうひとつの□へと移動する。
ほかにも動く床、再生の動きに影響を与える突風など、多彩なギミックを利用したパズルを用意してくれている『MotionRec』。序盤はシステムを理解させて気持ちよく解かせてくれ、中盤以降は頭を悩ませ、解けたときに達成感を味わえるパズルが堪能できる。

ゲームの性質上、クリアーにかかる時間には個人差が出るがおおよそ4~5時間程度でエンディングまで到達できるボリューム。価格以上の満足度があるゲームなので、少しでもおもしろそうと思ったなら遊んで損はないだろう。
なお、道中に拾えるノーツ(音符)が収集要素になっており、集めた数によってエンディング分岐も存在している。

100個集めると真エンディングに。
非常に遊び応えがあり、クリアー後には記憶を消してもう一度パズルを遊びたいと思えるほどよく練られたパズルゲームになっているので、興味を持った人にはぜひ遊んでみてほしい。
『MotionRec』製品情報
- 発売日:Nintendo Switch版とプレイステーション5版は2026年4月2日発売、PC版は2025年10月27日発売
- 対応プラットフォーム:Nintendo Switch、プレイステーション5、PC(Steam)
- ジャンル:パズル・アクション
- 発売元:PLAYISM
- 開発元:HANDSUM
- 価格:各1200円[税込]