『ウイポ』はここが楽しい!
チュートリアルやヘルプはもちろん、シミュレーションとして“理論値”をあらかじめ提示してくれたり、“おまかせ”でやってくれる項目が多かったり、“お守り”というアイテムを使えば史実の有力馬が購入可能になったりするところも初心者にはうれしい要素。とくにわかりやすいのは、毎年5月・6月に行う種付け時の“配合評価”と、前作『ウイニングポスト10 2025』から追加された、レースでの“作戦選択”だろう。
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また、シミュレーションゲームの宿命として、情報量やコマンドの多さが初心者参入のハードルを上げてしまっている面はあるのだが、本作ではさまざまな局面で指針を示してくれているので、ある程度やってみるとプレイしやすさがわかるようになっている。
一部の機種に搭載されている、競馬情報のポータルサイト“netkeiba”とのタイアップも競馬ファンにはうれしいところ。ゲーム中に登場する史実馬のほとんどが、“データ”項目内からnetkeibaへのリンクが貼られていて、現役時の競走成績や血統、産駒などの情報がお手軽に閲覧できるようになっているのだ。
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おもな使いみちとしては、プレイ中に入手したお守りを使って史実馬の幼駒や繁殖牝馬を買うときなど、どんな馬なのか、子孫はどうなっているのか……などを調べるためだと思うのだが、それをきっかけにその先祖はどうなんだとか、近親にはどんな馬がいるのかとか、騎手や調教師まで気になって調べ出すと、家にいながら朝までコースである。ゲームをプレイしなくても楽しめてしまうのが、『ウイニングポスト』のいいところだと言えよう。
シリーズの集大成! 『2026』の注目ポイント
- 1968年開始、2020年開始の新規シナリオ実装。総数は9本に
- “名馬相関図”で名馬と築き上げた歴史を表現
- 日本競馬史を独自の演出で再現した“シネマイベント”実装
- 新たな目標“始祖系統の成立”の導入
- 配合・生産の新要素“活力”と“ドラマ因子”
- 簡易育成ができるモード“最強馬ロード・オンライン”がパワーアップ
- 競馬場の表現や馬具カスタマイズ要素の大幅増などのビジュアル面強化
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前作『2025』から劇的と呼べるほどの変化はないが、全体的には「間口は広く、やり込みは深く」なるような改善が随所で盛り込まれている。やや初心者向けの調整が多くなった、というところか。
『ウイポ』や競馬のビギナーにオススメは2020年開始シナリオ
- 1968年 元祖3強(マーチス、タケシバオー、アサカオー)
- 1976年 TTG(トウショウボーイ、テンポイント、グリーングラス)とマルゼンスキー
- 1984年 新旧3冠馬(ミスターシービー、シンボリルドルフ)
- 1991年 芦毛の王者と帝王(メジロマックイーン、トウカイテイオー)
- 1998年 最強黄金世代の群雄割拠(スペシャルウィーク、グラスワンダー、エルコンドルパサーなど)
- 2005年 ディープインパクト降臨(ディープインパクト)
- 2012年 常識破りの怪物たち(オルフェーヴル、ジェンティルドンナ、ゴールドシップなど)
- 2020年 3頭の3冠馬の競演(アーモンドアイ、コントレイル、デアリングタクト)
- 2027年 IFの競馬史へ
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あくまで体感だが、古い年代のシナリオになるほど初期馬で有力馬たちに割って入るのが難しくなる。強豪を避けて路線を変えたり、“お守り”を使って超素質馬を購入したりすることで序盤でもバンバン勝てるようにはなるが、それにはゲームを知っていることやデータ引継ぎでお守りや資金、牧場施設がととのった状態で始めることが必要だ。また、2027年開始シナリオだけは特殊で、新しい世代がすべて架空の競走馬になるため“この馬を手に入れれば絶対に勝てる”という手法が使えない。
それも踏まえて、シリーズを初めてプレイする人やそれほど競馬に詳しくない人には2020年シナリオをオススメする。
このシナリオのいいところは
- 3歳牡馬、古馬でかなり強い馬をもらえる(ゲーム内資金は必要だが)
- このシナリオだけのチュートリアルも兼ねたイベント“2020ミッション”がある
- 現実世界で最近活躍した馬ばかりなので、なじみ深く調べものもしやすい
とくに(1)はかなり大きなアドバンテージ。3歳牡馬はサリオス、パンサラッサという史実における2頭のGIウィナーや中長距離に強く長い活躍が期待できるディープボンドが候補にいる。さらに3歳牝馬にはウインマリリン、古馬にもグローリーヴェイズと香港でGIを勝った有力馬がいる。残念ながら1年目は海外遠征ができないので、ローカル重賞などを活用して実績を積ませたり能力を鍛えながら、海外遠征が解禁される2年目以降にGIを狙えば、2、3年でかなり勝たせられるだろう。
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なお、コントレイルやデアリングタクト、アーモンドアイに正面から挑んでも勝ち目はなく、賞金も名声も能力アップもすべてが手に入らなくなるので、極力避けて進むのが吉だ。筆者はディープボンド君には申し訳ないと思いつつ、3歳時は一度たりともGIに出走させなかった。その代わり、GII、GIIIを片っ端から勝たせてガンガン成長させたのである。おかげで初年度の目標もラクラク達成だった。
なお、ゲーム序盤はなるべく能力が優秀で特性(スキル)をたくさん持っている騎手を選んで乗せてあげるといい。同じような騎手がたくさんいて誰にしようか困ったら、愛馬のウマソナに対応した特性を持つ騎手にするといいだろう。
ゲームを進めていって特定の週になると、“シネマイベント”が発生する。これは「史実でどんな馬がどんな活躍をしたか」を独自のナレーションと演出で紹介するイベントで、実際にゲームでどんな状況になっているかは関係なく、イベント後に何か起こることもない。だいぶドラマチックな演出が盛り込まれているので、競馬史に詳しくない人はとくに楽しめるはず。なお、シネマイベントは画面左下の“オプション”内のアイコンからいつでも再生できるようになっているので、忙しいときはスキップしてもオーケーだ。
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一方、システム面での変化といえば、レースや史実調教をきっかけに馬どうしの“関係性”が結ばれるようになったところか。さまざまな馬と結ばれる関係性の合計によって、競走能力や引退後の繁殖能力にプラス効果が出ることもある。また一部の関係性は史実でのエピソードがモチーフとなった“特別な関係性”と呼ばれるものになっていて、成立条件が特殊であるほか、各効果が発生しやすくなるのが特徴。関係性自体は放っておいてもかなりの頻度で成立するのだが、ある程度狙って成立させることも可能なので、慣れてきたら狙ってみてもいいかもしれない。
配合分野では“活力”と“ドラマ因子”という、繁殖に関係するふたつのパラメーターが追加されている。
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活力は繁殖牝馬のみにつくようになったパラメーターで、産駒の活躍や種付けする種牡馬との相性、成立する配合理論などによって増加する。満タンになると、その年の配合の爆発力がアップするので、例年よりもいい仔が生まれやすくなる。活力はだいたい5年前後で満タンになるので、満タンになりそうな年はその繁殖牝馬は売却しないでもう1年待ってみる……といった戦術も出てきそう。
ドラマ因子は現役競走馬時代に特定の条件を満たすと獲得でき、種牡馬・繁殖牝馬入り後に産駒へ好影響を与えられる要素。こちらも配合理論に関わってくるもので、意識して配合すると思わぬ能力アップに繋がることも。ただ、ドラマ因子を利用した配合理論は、系統成立など何世代にもわたって構築していくものになっていて活力ほど短期で狙えないので、長期間プレイ用の新要素だと言えそうだ。
本作では上記の“関係性”と“活力”が入ってきたことで、少しプレイのテンポがゆっくり目になっているかもしれない。もっとも、『ウイニングポスト10』自体がじっくり進めるゲームなので、やり込み派のユーザーにとっては“誤差”と言っていいだろう。
あとは牧場施設に便利な施設がいくつか加わっている。ウマソナが進化・克服しやすくなる“競走馬メンタルラボ”や幼駒がケガをしにくくなる“装蹄所”など、地味ながらうれしい進化である。過去作品で放牧場や育成場の面積を拡張している人は、本作でも拡張できるDLCを買っておいたほうがいいかもしれない。
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古い年代は困難も多いがやり甲斐も……
たとえば最古の1968年など、現在のようなグレード制はなかった(史実では1984年より施行)し、ジャパンカップや秋華賞、マイルチャンピオンシップといった、現在ではすっかりおなじみの大レースがまだ存在していない、NHKマイルカップは“NHK杯”という名称で、距離も違う……などなど。
しかも、当時は地方との関係が現在とは異なり、地方競馬のレースは地方馬しかいなかった。そのため、中央から遠征するとけっこう苦戦させられるのである。それは海外競馬も同様で、初回からいきなり遠征するのは難しい部分が多い。
1968年では初期馬として史実におけるその年のダービー馬のタニノハローモアをもらえる。プレイ時、筆者は「よっしゃこれで七夕ダービーもゲットだ!(※史実ではこの年、東京競馬場が改修されたため日本ダービーが約1ヵ月遅れの7月7日に開催され、そう呼ばれていた)」とほくそ笑んでゲームを始めたら、何たることか、元祖三強にはまったく勝てずにダービーも着外に敗れるありさまだった。
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当時は出られるレースは全部出てしまおうという風潮(?)があったので、メインどころのレースだけでなく、NHKマイルカップ(当時はダービートライアルの“NHK杯”)やラジオNIKKEI賞(当時は4月開催で日本短波賞という名称だった)にまで三強が出張ってくる。もうダート路線に活路を求めるしかない……と思っていたら、地方は地方で強豪揃いでどこにも行き場がなくなってしまった。
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このシナリオで序盤から勝ちまくるには、どのレースが手薄なのか、1969年デビュー組ではどんな幼駒を買うのがいちばんいいのかなど、けっこうな知識が必要になりそうである。
1970年代くらいまでは、銅札の史実馬でも金の殿堂入りを果たすくらい活躍することがよくあるので、ローテーション決めを含めてやり甲斐はある。ただ、かなり下調べが必要そうなので覚悟しておこう。
お手軽育成モード“最強馬ロード・オンライン”も強化
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一方、全体的な演出面には制作陣のこだわりが細かく盛り込まれている。季節の演出や騎手のガッツポーズ、さらに馬具が追加されていたり、馬たちの頭絡のデザインを変更できるようになっていたりと、細かいところでバリエーションが激増した。
さらに“競馬ヒストリア”に加えて先に触れた“シネマイベント”も導入。競馬ファン、もしくはストーリーを楽しみたいユーザーに向けたお楽しみ要素も増量された。かつてシミュレーションゲームと言えば、データ(数字)とにらめっこするのがメインの無機質なものが当たり前だったのだが、時代は変わったものである。
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本編のようなガッツリモードもあれば、最強馬ロード・オンラインのようなお手軽モードもある。レースやイベントは見ているだけでも楽しめる。じつに多様性ある作品になった『ウイニングポスト』シリーズだが、この先どれだけ進化していくのだろうか。期待を抱かずにはいられない。







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