かつて、さまざまな名勝負や偉大な記録を生んだ競走馬たち。その名前と魂を受け継いだウマ娘。この作品では、彼女たちや彼女たちを支える人々が織り成す物語や白熱のレース、ライブシーンが描かれていく。
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ゲームは当初2018年冬配信予定とされていたが、開発陣のただならぬこだわりもあってか、リリースは大幅に延期されることとなる。しかしこのこだわりの強さこそが、『ウマ娘』最大の特徴であると言えるかもしれない。
それがもっとも表れているのが、ウマ娘たちの造形や物語、舞台設定などである。そこに落とし込まれた、史実(噂も含む)要素のボリュームたるや。モチーフとなった競走馬やその関係者たちのエピソードやビジュアルが、徹底的に調べ尽くされ、さまざまな形で反映されているのだ。
スペシャルウィークの“お母ちゃん”やトウカイテイオーの“テイオーステップ”、“お祭り娘”キタサンブラックなど、比較的有名なものから、ビワハヤヒデのバナナ好きやカワカミプリンセスの壁壊しキックなど、知る人ぞ知るエピソードもストーリー中には盛り込まれている。
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育成には欠かせない、サポートカードの名称にも史実関連と思しきネタが使われているケースも。たとえばナカヤマフェスタの“43.8.1”は、史実における唯一のGI勝利である宝塚記念のファン投票43位、8番人気、1着……という数字が元ネタと想像できる。ケイエスミラクルの“The 3rd MIRACLE”も趣深い。同カードのイラストは3度目のレコードタイムを記録したスワンステークスがモチーフと思われる。体操服姿だからGIIということもその根拠となる。
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こういうネタが理解できると、人は楽しくなるものである。競馬マニアなら「こんなことあったなあ」と。競馬を知らなかった人も「そんなエピソードがあるのか!」と。これ見よがしな押しつけはなく、あくまでプレイヤーが気付くのにまかせた作りになっているので、誰もがその気付きを楽しめる。筆者はふだんから競馬知識を振りかざして後輩たちにウンチクを垂れていたりしていたのだが、『ウマ娘』が出てからというもの、元ネタクイズを出された際にあっさり敗北し、すっかり立場逆転である……。
とてつもないこだわりと労力が必要な、そんな仕込みを“ベース”とし、数多のファンを楽しませ続けてきた『ウマ娘』。この5年間で多くのストーリーやモード、システムが追加されてきた。
その中でも特筆すべきは“おまかせ育成”機能だろう。プレイスタイルによるが1回のプレイでだいたい20分~2時間くらいかかる、メインの“育成”モード。このモードをフルオートでプレイできるのだ(一部のシナリオのみ)。しかも、方針を選んでの完全なおまかせから“○○のスキル獲得を優先”などの細かい指示を入れてのおまかせも可能。うまくいけばかなり優秀な育成が成功することも。
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継承を通じて優秀なウマ娘を育成するためのいわゆる“因子周回”やイベントのポイント稼ぎ、うまく育成ができない人まで、さまざまなトレーナー(※『ウマ娘』のプレイヤーのこと)が役立てられる、ありがたい機能なのである。
そのほか、同じくコンテンツスキップ機能である“トレーナー手帳”、派遣したウマ娘たちの好感度を上げたりアイテムを獲得できる“全国興業”、ウマ娘たちとのデート気分を味わえる“ウマさんぽ”など、さまざまなコンテンツが追加されている。
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また、5年間で積み重ねられてきたストーリーのボリュームはかなりのもの。2026年2月時点で120を超える数の育成ウマ娘が実装されており、現在もなお月1キャラクター以上のペースで増え続けている。それぞれに“こだわり”のストーリーが収録されていたり、育成モードとは別角度からの演出にもこだわった“メインストーリー”モードもあって、無課金でも楽しむ要素には事欠かない。
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筆者はPOGなどもたしなんできた“ガチ競馬勢寄り”の人間だったのだが、トレーナーの競馬知識を試すようなこだわり抜いた仕込み、ゲームとしてのおもしろさ、やり応え、そして“ビジュのよさ”など、あらゆる面で一切の妥協がない『ウマ娘』の前にはただただ白旗をあげるしかなく、いまでは“『ウマ娘』勢”のひとりである。
引退馬への支援や馬産地、地方競馬の振興、フォーエバーヤングの世界的な活躍など、この作品がきっかけで競馬界全体も盛り上がりを見せている。競馬ファンとしては作品を遊んで少しでも盛り上がりに加わってほしいし、純粋にコンテンツだけ楽しみたい人にも、この作品の魅力をもっと知ってもらえればなと願ってやまない。













