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『ヴィリオン:コード』岡田耕始氏インタビュー。閉鎖された孤島を舞台に人間の業と直面するRPG。物語には次世代を担う若者たちへ向けて究極のメッセージを込めていた

『ヴィリオン:コード』岡田耕始氏インタビュー。閉鎖された孤島を舞台に人間の業と直面するRPG。物語には次世代を担う若者たちへ向けて究極のメッセージを込めていた
 岡田耕始氏が企画プロデュースする完全新作『Villion:Code』(『ヴィリオン:コード』)が発表された。2026年6月25日に、Nintendo Switch 2、Nintendo Switch、プレイステーション5(PS5)、プレイステーション4(PS4)向けにコンパイルハートよりリリースされる予定だ。

 1987年のファミコン版『
女神転生』や『ペルソナ』シリーズの生みの親である岡田氏を筆頭に、岡田氏とともに『ペルソナ』を手掛けた里見直氏や『真・女神転生』の増子津可燦氏ら“戦友”も制作スタッフとして参加。さらに、キャラクターデザインにはロシア出身のイラストレーター・イリヤ・クブシノブ氏を起用している。

 社会・環境問題に“ゲノム編集”といった人体の神秘たる要素を織り交ぜた独特の世界観で、“人間の業”を克明に描き出すRPGとなっている。
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 本稿では岡田氏へのインタビューをお届け。スマートフォン向けゲーム『Sword & Poker』でもヒットを飛ばした岡田氏が家庭用ゲームの開発に戻ってきた理由とは? 本作に懸ける思いをゲームの具体的な内容とともに語ってくれた。
※インタビューは2025年12月下旬に実施[IMAGE]

週刊ファミ通にて新作特報が掲載

 本記事は週刊ファミ通2026年2月12日号(No.1933/2026年1月29日発売)に掲載されている『Villion:Code』新作特報内のインタビューに加筆を行ったもの。

 10ページの記事では、物語のあらすじや世界観に加え、360度すべてが床となる“チューブ型ダンジョン”やリアルタイムで展開するアクションバトルなど、概要を詳しく紹介。こちらもお見逃しなく。
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岡田耕始氏おかだこうじ

企画プロデュースを担当。1986年にテクモの前身にあたるテーカンの同僚7名でアトラスを設立し、『女神転生』や『ペルソナ』シリーズなどを手掛ける。退社後はガイアを立ち上げ、携帯ゲーム機向け作品や、『Sword & Poker』などのスマートフォン向けゲームを制作してきた。

究極のメッセージを物語に込めた、RPG好きの心に響く完全新作

──岡田さんにとって久々となる家庭用ゲーム機向けの完全新作『Villion:Code』が企画された経緯を教えてください。

岡田
 2003年にアトラスを退社してからは、一貫して手軽に楽しめる作品を作ってきました。ガイアでは携帯ゲーム機向け作品を中心に手掛けていましたし、スマホが登場してからはスマホ向けゲームの制作・監修を頼まれることもありましたね。

 その携帯ゲーム機でとことん遊び込む企画を提案してきましたが、時代のニーズに合わないこともあって、それであれば家庭用ゲーム機で腰を据えてじっくり遊べるゲームを開発したいと思い、企画を考えていました。知人への相談をくり返すうちに、安井さん(※)と知り合う機会を得まして。それが、このプロジェクトが始まるきっかけになりました。
※安井さん……アイディアファクトリー/コンパイルハートの安井光プロデューサー
──そこでずっと温めていた企画がようやく動き出したのですね。

岡田
 じつは当初は、コンパイルハートさんでも別の企画を考えられていて、それを進める方向で動き出したんです。しかし、話し合いを進める中で私の思いやプロットを伝えると、「ではそれでやってみましょう!」とおっしゃっていただけて……。そこで改めて始動することになりました。

──企画が動き出したのはいつごろでしょう?

岡田
 企画が立ち上がったのが3年前で、そこから約1年かけて内容を固めていって、本格的にチームとして動き出したのが2024年の頭くらいです。

 私は以前から“人間の神秘”に興味があって、人間の業、遺伝やDNAなどについて調べていたのですが、それらの要素がコンセプトとして盛り込まれています。

──そして『Villion:Code』というタイトルが作られたわけですが、このタイトルに込められた意味を教えてください。

岡田
 まず“Villion”という言葉は造語で、英語で“感染性を有するウイルス粒子”のことを指す“virion”と、“10億”という意味の“billion”を組み合わせたものです。Codeはそのまま“情報、暗号”という意味ですが、ゲノム編集やウイルスベクター(※)といった、本作のシステムにも関わる要素を表した言葉になっています。意味合いと語感から、このふたつの単語を組み合わせてタイトルにしました。

 本当はもっといろいろと説明したいのですが、ネタバレになってしまうのでこのあたりで。
※ウイルスベクター……遺伝物質を細胞に送達するために一般的に使用される遺伝子の運び屋であるベクターのうち、ウイルスをベースとしたもの
──近未来のSF×学院ものという世界観になっていますが、どういった方々をターゲットに考えていますか?

岡田
 特定の年齢層を意識しているわけではなく、幅広い年代の方々にプレイしていただきたいと考えています。これまで私のゲームを楽しんできた方々はもちろん、初めて私のゲームを遊ぶ方々にも手にとっていただきたいです。

 作品としてはガッツリとゲーム性を楽しめるものになっていて、とくにRPGが好きな方には響くと思います。また、物語には“次世代を担う若者たちへ”のような未来に向けた究極のメッセージを入れ込んでいるので、それを見届けていただきたいですね。
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──今回、シナリオに里見直氏、サウンドに増子津可燦氏と、かつて岡田さんとともに『女神転生』、『真・女神転生』シリーズや『ペルソナ』シリーズの制作に携わっていた方々が参加しています。おふたりはどういう経緯で参加が決まったのでしょうか?
岡田
 シナリオに関しては、当初は若者にターゲットを絞るつもりだったので作家も若い方がいいかな、と考えていました。しかし、テーマが難しかったり、私の思考をうまく噛み砕いてシナリオに落とし込める方が見当たらなかったりし、難航したんです。そこで、私のことをよく知る里見くんを起用することにしました。増子くんに関しても同様です。

――里見さんと増子さんにお声掛けした際のおふたりの反応はいかがでしたか?

岡田
 増子くんに関しては、ガイアでゲーム制作を手伝ってもらったこともありましたが、それにしてもふたりとも10年くらいブランクがあったので、久々に現場で顔を合わせたときはビックリしていました。ふたりとも細かい要望にも応えてくれて、頼もしかったです。

──キャラクターデザインはアニメ『攻殻機動隊 SAC_2045』に携わったイリヤ・クブシノブ氏が担当されています。イリヤさんはどういった経緯で起用されたのでしょうか?

岡田
 私はふだんから仕事とは関係なく、趣味でさまざまなアーティストの情報をSNSなどで収集しているんです。イリヤさんのことも何年も前からInstagramで注目していて、このプロジェクトの前から何かいっしょにできないかと思っていました。

 いろいろな方法でアプローチをしてなんとかコンタクトが取れて、イリヤさんもゲームに興味があったことで無事話が進みました。最初はキャラクターデザインだけをお願いする予定だったのが、この企画内容をプレゼンしたときに乗っていただいて、モンスターデザインまで作成してもらえることになりました。

──モンスターデザインも!? かなりの量を描かれたのでは?

岡田
 そうですね。結果、作業量があまりに膨大になったので、モンスターは原案のみで落ち着きましたが、キャラクターのほうはサブキャラクター含めてすべてお願いしています。とにかく作業が早い方で、何かを依頼するたびにどんどん描いてくれました。

 皆さんもひと目見て感じていただけたと思いますが、これまでにないタッチのデザインで、私の思い描いた世界観の構築に貢献してくれました。

──実際にイラストが上がってきたときから、まさにイメージ通りだったのでしょうか?

岡田
 最初はイリヤさんも気を遣ってくれたのか、“学園もの”っぽくまとまったデザインが上がってきたんです。ただ、僕はもっと“らしさ”が出ているイラストが欲しかったので、「もっと自由に描いてくれてかまわない」と伝えました。

 イリヤさんも探っている部分があったのかもしれませんね。それ以降はばっちりハジけたイラストが上がってくるようになりました。

──最初にオーケーを出したキャラクターは?

岡田
 主人公だったと思います。一方で、こうやってパネル(写真右後ろ)にもしてもらったアナスタシアは、完成までずいぶんやり取りを重ねています。彼女がいちばんリテイクが多かったかもしれません。髪型を含めアシンメトリーにしてもらったり、細かくバランスを調整したりしました。
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主人公(左)とアナスタシア(右)
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シナリオは予定していた1.5~2倍に! “人間の業”に直面する物語は必見

──ここからはゲーム内容についてうかがわせてください。まずは本作の大まかな構成について教えていただけないでしょうか?

岡田
 バトルにアクション性を取り入れていますが、全体としては王道のRPGになっています。

 テンポをかなり重視していて、プレイスタイルにもよりますが、ダンジョンひとつにつき2~3時間ほどで攻略できる程度のボリュームにしました。ただ、序盤はキャラクターへの理解を深めてもらうためにストーリーを厚めに入れているなど、段階に応じて変化をつけています。

 また、各キャラクターを強化するアイテムを作成し、付け替えできるゲノム編集の要素も用意しました。詳細は続報でお伝えしますが、プレイスタイルに応じて活用してもらえればと思います。

──続いて、大まかな物語の流れを教えてください。

岡田
 時代は近未来で、統制された管理社会にあるアドバンレジリエンス研究学院都市が舞台となります。
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岡田
 ある日“異変”が起こり、アドバンレジリエンス学院の一部がダンジョン化してモンスターが発生する中、生徒である主人公たちが自分たちだけに宿された特殊能力を活かしてモンスターを倒していく……という流れになっています。異変のきっかけには主人公たちが関わっていて、そのために汚名を着せられてしまいます。彼らは汚名をそそぐために戦うことになるんです。

 相対するのは自分たちの知っている生徒や先生たちが変貌したモンスター。物語が進むと、異変解決への使命感と知人への思いに葛藤するさまも描かれていきます。
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──学院ものというと爽やかなイメージがありますが、物語はダークそうですね。
岡田
 物語自体がすごく重いわけではないのですが、異変に巻き込まれた主人公たちが人間の業に直面することになります。

 モンスター化してしまった理由などが判明する中で、人間の業とどう向き合い、背負うのか。ぜひ遊んで確かめてください。

──岡田さんの作品と言えば、“悪魔”の存在を想像する方も多いかと思います。本作では人間が変異したモンスターが登場しますが、それらの意匠はどこから来ているのでしょうか? 

岡田
 今回のメインのテーマである業に絡めて、仏教の要素である“十悪”などもゲームシステムとして盛り込んでいます。しかし、それらはあくまで枠組みのひとつであって、物語や登場するキャラクター・モンスターが世界各地の神話や伝説などに関連している……ということはありません。人間の業に関わるイメージが反映されたものだと考えてください。

──お話を戻させていただきまして……。アドバンレジリエンス研究学院都市は東京湾に浮かぶ円形水上都市で、ある意味閉鎖された場所となっています。この舞台設定にも何か意味があったり?

岡田
 おっしゃる通り、あえて閉鎖的な環境になっています。ウイルス感染とゲノム編集が関わる特殊な環境下で発生した異変なので、人工島だけで展開する物語になっていると思いきや……。

 ネタバレになるため詳細はまだお話しできませんが、ゲームの最後では爆発的に物語の規模が広がっていきます。

──ラストが非常に気になります! 主人公とアナスタシアを含むメインキャラクター6名が発表されましたが、年齢差もあって個性的な顔ぶれに感じました。

岡田
 アドバンレジリエンス学院は迫り来る破滅に抗い、明るい未来を構築するために世界中から才能ある若者たちを集めた施設です。

 年齢関係なくその能力にあった学年に進級するため、同学年でも年齢差が生まれています。あと、全世界から生徒が集まっているので、生徒の顔ぶれも国際的なんですよね。
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スシロ(左)とオリヴァー(右)
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クロエ(左)と莉花(右)
──確かに名前からも国際色が豊かなように感じます。将来有望な若者が学院に集められているとのことですが、単純に頭がいい若者を集めているわけではないですよね?

岡田
 はい。単に知能が高いというわけではなく、才能だったり、ある種のカリスマ性だったり、さまざまな能力を加味して集められています。

──なるほど。全員が理工学部所属ですが、理系らしさが感じられる会話などもあるのでしょうか?

岡田
 学院には理工学部だけでなく、さまざまな学部・学科があるのですが、メインキャラクターに関しては全員理系ですね。と言っても、理系でないとわからないような内容にはなっていないのでご安心ください。

 主人公以外の5人に関しては内面を深掘りするストーリーを本編とは別に用意していて、そこでさまざまな姿が描かれることになります。

──主人公の性別は固定でしょうか?

岡田
 主人公は男子学生で固定です。ただ、私の作品のこだわりとして主人公=プレイヤーという設定になっているので、主人公自身は基本的に話さず、バトル時の掛け声とか、選択肢を選んだ際にひと言話すくらいです。

 これがなかなか難しいのですが、里見くんがうまく構成してくれました。

──メインキャラクターはこの6名以外にも登場しますか?

岡田
 メインは6名ですが、固有イラストがあるキャラクターは全部で20名くらいいます。

──ゲームシステムについても聞かせてください! ダンジョンはチューブ型ダンジョンという変わった作りになっているようですね。

岡田
 これはコンパイルハートさんから提案をいただいた要素なんです。企画段階では入るたびに構造が変わるランダムダンジョンの要素だけを考えていたのですが、「チューブ型をやってみませんか?」と言われて物は試しと導入してみました。

 当初、画面がグルグルと回転することになるので「酔ってしまうのでは?」と危惧していたのですが、実際に遊んでみたら驚くほどすんなり楽しめました。もちろん、3D酔いしやすい方のために酔い予防の表示変更も可能になっています。
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──近未来ということで、機械的で無機質な光景が広がるのかと思いきや、見た目のバリエーションもかなり豊富ですね。
岡田
 ダンジョンの光景はヌシの精神状態を反映したものになっています。ですから見た目もさまざまで、実際に冒険してみて驚かれることも多いと思います。また、それぞれの世界観に合わせたギミックが用意されているので、ぜひ挑戦してみてください。
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岡田
 ダンジョン内には敵が徘徊していますが、バトルは移動しながら戦うのではなく、敵シンボルに接触すると発生するシンボルエンカウント制になっています。そのため、意図的にバトルを避けながら進むことも可能です。
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──スピードアクションと多彩な戦術というふたつの要素が掲げられ、さまざまなシステムが盛り込まれたバトルですが、とくに注目してほしいポイントを教えてください。
岡田
 注目ポイントとは異なりますが、アクション性もあればコンボ的な要素もあり、たくさんの選択肢を用意したので、その中から自分なりのスタイルを見つけてほしいです。

 本作では、ゲノム編集を活かして各キャラクターの能力やスキルをカスタマイズできるようになっています。アクションが苦手な方はそれを活かして攻略してもらいたいですし、得意な方は仲間との連携や“ウォールスライド”などの地形を活かした戦いかたも活用してもらえば、より楽しめるようになると思います。
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バトルフィールドの壁に近づくと“ウォールスライド”が始まり、反対側まで高速移動する。通常より素早い移動が可能。
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ウォールスライドから敵を奇襲する“レイドアタック”につなげられる。敵を吹っ飛ばしやすいので、場外撃破を狙うことも。
岡田
 ただ、ゲームバランスについては現在メンバーみんなで唸りながら作業を続けているところです。

──そうだったのですね。現在の開発状況を教えてください。

岡田
 作っているうちにあれもこれも入れたくなってしまって、シナリオは当初予定していた1.5~2倍くらいに膨らんでしまいましたが、なんとかストーリー部分は完成しました。ボイス収録も終わっていて、バトルやゲノム編集などバランスの最終調整を行っているところです。

 6月25日の発売予定日には確実にお届けできると思います。

──1.5倍以上に!? 実際にプレイするのが楽しみです! ちなみに物語はフルボイスですか?

岡田
 メインストーリーはフルボイスです。キャラクター個別のストーリーなどは当初パートボイスの予定でしたが、キャラクターの人柄や過去を描写していくうちに「声も重要になるぞ!」と思い直し、そこもフルボイスにしました。

──今後、発売に向けてどんな情報が出てくるのでしょう?

岡田
 ストーリーを彩るそのほかのキャラクターについてどんどん発表する予定ですし、ゲノム編集などの本作ならではのインパクトのある情報をこれからも出していければと思います。ぜひ楽しみにしていてください。
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